CHAPTER 15 人生の節目・記念
転職祝いに印鑑を贈る|仕事用・個人用の種類と名前の選び方
転職祝いに贈る印鑑は、相手がいま使っている印鑑で決めます。候補は、新しい職場で毎日押す認印、給与口座の銀行印、再出発の記念になる実印です。転職する人はすでに印鑑を持っていることが多いので、既製品を職人が彫った1本に替える「格上げ」の贈り方が向いています。退職から入社までに印鑑を押す場面、彫る名前、印材と書体、のしの表書き、渡す時期と相場まで説明します。
公開日: 2026年9月27日
転職する友人や同僚、ご家族に、何を贈ればよいか迷っていませんか。転職祝いには、就職祝いや結婚祝いのような決まった形がありません。しかも相手は社会人として、身の回りの品をひととおり揃えています。そこで候補になるのが、新しい職場で毎日使う印鑑です。たいていの人は持っていますが、就職のときに買った既製品をそのまま使い続けている人もいます。この記事では、転職祝いに印鑑を贈るときの決め方を順に説明します。退職から入社までに印鑑を押す場面、種類の選び方、彫る名前、印材と書体、のしと渡す時期、相場の順です。
転職祝いに何を贈るかは、相手がいま使っている印鑑で決まります。既製品の認印を使っているなら、職人が彫った1本に替えて、新しい職場で使ってもらいます。会社指定の銀行で給与口座を開くなら、銀行印を贈ります。認印も銀行印も本人の名前で持っているなら、再出発の記念に、上質な印材の実印を贈ります。3本とも既製品か、親御さんから借りた印鑑なら、実印・銀行印・認印の3本セットで揃え直すよい機会です。彫る名前は、認印が姓、銀行印が姓か名、実印がフルネームです。結婚で姓が変わってから初めての転職なら、新しい職場で使う姓を確かめます。のしの表書きは「御祝」、水引は紅白の蝶結びです。渡すのは退職日から入社日までの間で、同僚なら送別会の席で渡すのが自然です。
転職で変わること、変わらないこと
転職は、就職と違って持ち物を一から揃える節目ではありません。印鑑で言えば、実印の登録も、いまの口座の届出印も、転職しても変わりません。変わるのは、印鑑を押す職場と給与を受け取る口座、そして本人の気持ちです。転職祝いの印鑑は、この変わるところに合わせて選びます。
転職で変わる
印鑑を押す職場認印
入社の書類や社内の届け、備品の受け取りに押すのが認印です。既製品だと、同じ姓の同僚と印影が同じになることもあります。
給与を受け取る口座銀行印
会社が振込先の銀行を指定していれば、新しく口座を開きます。窓口で開くなら届出印が要ります。いまの給与口座をそのまま使える会社もあるので、先に確かめておきます。
本人の気持ち再出発の記念
転職は本人が決めた再出発です。この節目に印鑑を新しくして、気持ちに区切りをつける方もいます。実印を上質な印材で作り直したり、名前を鑑定して開運印鑑にしたりする形です。
転職しても変わらない
実印の登録
印鑑登録は住民登録のある市区町村で行うので、転職しても変わりません。ただし転職で引っ越すと、転出の手続きで登録が消えます。新しい住所地で登録し直してください。
いまの口座の届出印
いまある口座の届出印は、転職しても変わりません。贈られた銀行印に替えたいときは、窓口で改印の手続きをします。全国銀行協会の案内では、いまの届出印と新しい印鑑、通帳、本人確認書類が要ります。
退職から入社までに、印鑑を押す場面
退職日から入社日までの間には、前後の会社や役所での手続きがいくつかあります。押印を求める場面は減りましたが、押印欄のある書類を使う会社もまだあります。認印が1本あれば、押印欄があっても手続きが止まりません。
-
退職日まで
退職届と、会社からの書類の受け取り
退職届に認印を求められることがあります。前の会社からは雇用保険被保険者証と源泉徴収票を受け取り、次の会社に出します。離職票は、失業給付を受けるときにハローワークへ出す書類です。
-
退職日の翌日〜入社日
間が空くなら、役所で年金と健康保険の手続き
日本年金機構の案内では、退職から次の入社までに期間が空くと、その間は国民年金の第1号被保険者になります。手続きは市区町村の窓口です。国民健康保険に入るなら、その手続きも市区町村の役所で行います。持って行くのは本人確認書類が中心ですが、書き損じを直すときのために認印があると安心です。
-
入社日〜1週間
入社の書類に認印を押し、給与口座を届け出る
雇用契約書、誓約書、身元保証書、給与振込の口座届、通勤経路の届けなどを出します。押印欄があれば認印を押します。身元保証書は、保証人になる親御さんや配偶者の方にも署名や押印をお願いする書類です。会社指定の銀行で口座を開くなら、この週に銀行印を使います。
-
入社後
社内の届け、備品の受け取り、経費の精算
会社によっては、入社後も社内の書類に認印を押す場面が続きます。既製品のままだと、使い込んで枠が欠けていたり、同じ姓の同僚と印影が同じだったりすることがあります。
種類は、相手がいま使っている印鑑で決まります
転職祝いでは、相手が持っていない品を探すより、いま使っている印鑑を「格上げ」する贈り方が向いています。下の4通りから、相手に当てはまるものを選んでください。
転職祝いで迷ったときは、この組み合わせです。自分ではなかなか買い替えない品で、入社初日から使えます。
新しい口座の届出印にすれば、改印の手続きなしで使い始められます。いまの口座も、届出印を変える手続きをすれば同じ銀行印に揃えられます。
実印は、使う前に印鑑登録をし直す必要があると伝えてください。名前を鑑定して作る開運実印を、再出発の願いを込めて贈る方もいます。
転職は、3本を同じ印材で揃え直すよい機会です。届いたあと、実印、銀行印の順に届け出る流れは人生の節目に印鑑を新調するで説明しています。
名前を鑑定して作る開運印鑑については再出発の記念に開運印鑑を作るを、本人が自分で作る場合は自分へのご褒美に印鑑を作るをご覧ください。
相手が持っている印鑑は、こう聞けば分かります
「いま印鑑は何を使っている?」と直接聞くと、何を贈るつもりかが伝わってしまいます。同僚や友人なら、送別会の相談や雑談の中で、次のように聞くと自然です。
「次の会社、給料の振込先って指定される?うちは自由だったよね」銀行印が要るかどうかが分かります
「指定みたい。新しく口座作らないと。印鑑、就職のとき買った安いやつしかないんだよね」既製品の認印しか持っていないことが分かりました
「名字の字、普通の『斎藤』でいいんだっけ」彫る字の確認です。旧字体かどうかをここで聞いておきます
「『齋』のほう。よく間違えられる」字が分かったので、あとは印材とケースの色を決めるだけです
彫る名前は、新しい職場で使う姓を確かめてから決めます
認印は姓、銀行印は姓か名、実印はフルネームで彫るのが一般的です。転職祝いで気をつけたいのは、結婚で姓が変わってから初めての転職です。前の職場では旧姓で通していた人が、新しい職場では戸籍の姓で働くことがあります。その場合、認印は戸籍の姓で作ります。新しい職場でも旧姓のまま働くなら、認印もそのままの姓で構いません。ただし銀行印と実印は、戸籍の姓か名で作ります。
注文前に確かめる4つのこと
- 新しい職場で使う姓は、戸籍の姓か旧姓か結婚後の転職では、職場で使う姓が変わることがあります。これで認印に彫る姓が決まります
- 字は住民票のとおりか「齋」「髙」「﨑」「邊」などは、注文時に備考欄へ書きます。旧姓の印鑑の扱いは旧姓の印鑑は結婚後も使える?で説明しています
- 銀行印は姓と名のどちらにするか結婚などで姓が変わる可能性があるなら、名で作る方が多くいます
- 実印を贈るなら、登録し直す手間を本人が受け入れるか印鑑登録は1人1本までなので(京都市の案内)、いまの実印を廃止して登録し直します
印材は欠けにくさ、認印の書体は読みやすさで選びます
転職祝いで贈る認印は、新しい職場のかばんや机の引き出しに入れて、長く使われます。耐久性に優れた黒水牛なら、毎日の持ち歩きにも向いています。明るい色が好みの方には、白水牛(柄)をおすすめしています。手入れの手間を減らしたい方や、動物由来の印材を避けたい方にはチタンが合います。実印を上質な印材で作りたいというご相談では、白水牛(柄)とチタンのほか、本象牙も選ばれています。
書体は、認印なら読みやすい古印体か楷書体、銀行印と実印ならまねされにくい吉相体か篆書体が一般的です。職場で使う認印は読みやすさが大事なので、当店では古印体をおすすめしています。ケースは黒と赤の牛革なら無料で、ほかの色は950円からの追加で選べます。職場で使う認印なら、濃い色のケースは机の上でも目立ちません。
のしの表書き、渡す時期、相場
転職祝いには、就職祝いや栄転祝いとは違う気配りが要ります。「栄転」は同じ会社の中で昇進を伴って異動することを指す言葉で、転職には使いません。前の職場を辞めることへの思いは人それぞれなので、表書きは「御祝」か「御餞別」が無難です。
職人が彫る印鑑は、注文から発送まで通常3〜7営業日ほどかかります。名前の字を確かめる時間も見込んで、最終出社日の2週間前までに注文してください。
よくある質問
転職先で印鑑を使わないかもしれません。それでも贈る意味はありますか
押印欄をなくした会社は増えていますが、社内の届けや取引先の書類で認印を求められる場面はまだあります。仕事で使わなくても、宅配の受け取りや役所の書類で認印は使います。銀行印と実印は、勤め先に関係なく暮らしの中で要る印鑑です。本人が既製品しか持っていないなら、持っておいて困らない贈り物です。
既製品の認印を使っている人に、認印を贈るのは失礼ですか
失礼にはなりません。「新しい職場で使ってね」と添えて渡せば、いまの印鑑を否定することにもなりません。既製品の認印は、同じ姓なら全国で同じ印影です。それでも自分ではなかなか買い替えない品だからこそ、贈り物に向いています。
開運印鑑を贈るのはどうですか
再出発の記念に贈る方もいます。お名前の画数を鑑定し、ご希望の運気に合わせて印影を設計する印鑑で、鑑定書が付きます。効果を約束するものではありませんが、「ここから始める」と決めた気持ちを形にして残せます。鑑定には本人の生年月日と性別が要るので、それを聞ける間柄の方に贈るとよいでしょう。
同僚数人の連名で贈ります。何がよいですか
1人2,000〜3,000円で5人集まれば、10,000〜15,000円になります。この予算なら、黒水牛の認印か銀行印を1本贈れます。2本とも揃えるなら、銀行印と認印のセットが黒水牛で13,000円からです。ケースの色を本人の好みに合わせると、連名でも「選んでくれた」気持ちが伝わります。名前の字は、送別会の幹事が本人にそれとなく確かめてください。
独立や起業のための退職です。転職祝いと同じでよいですか
個人事業主として独立するなら、個人の実印と銀行印を事業でも使います。そのため、実印を上質な印材で贈るのがおすすめです。会社を設立するなら、代表者印や角印が要るので、贈る品が変わります。詳しくは会社設立祝いに印鑑を贈るなら?をご覧ください。
入社まで日がなく、送別会に間に合いません
送別会では「印鑑を贈るね」と伝えておき、本人の自宅へ直送するか、入社後に食事の席で渡してください。入社後1か月以内なら、遅すぎることはありません。お急ぎのご相談はお問い合わせからどうぞ。
まとめ|転職祝いの印鑑を決める順番
転職祝いの印鑑は、次の順に決めます。まず、相手がいま使っている認印と銀行印が、既製品か、本人の名前で作った印鑑かを聞きます。その答えで、認印、銀行印、実印、3本セットのどれを贈るかが決まります。次に、新しい職場で使う姓と、住民票の字を確かめます。印材とケースの色は、本人の好みと毎日の使い方に合わせて選びます。最後に、渡す日から逆算して注文します。送別会で渡すなら、最終出社日の2週間前までが目安です。のしを付けたいときは、注文の前にお問い合わせください。
新しい職場で押す1本を、お名前に合わせて職人がお作りします
京都の職人が、お名前の字に合わせて印面を設計し、1本ずつ彫刻します。旧字体は備考欄で承り、彫る前の印影確認もできます。本人の自宅への直送、のしのご希望にも対応します。全国送料無料、5年保証です。
名前を鑑定して作る開運印鑑は開運実印から。最終出社日の2週間前までのご注文なら、送別会に間に合います。