CHAPTER 15 人生の節目・記念

自分へのご褒美に印鑑を作る|節目に選ぶ素材・書体・本数の決め方

昇進、資格の合格、30歳や40歳の誕生日。節目の自分へのご褒美に、名前を彫った印鑑を作る方が増えています。バッグや時計と比べた1年あたりの費用、ご褒美にふさわしい素材6種の比較、書体とケースで好みを出す方法、1本にするか3本揃えるかの決め方、誕生日に間に合わせる注文の時期まで、順に説明します。

公開日: 2026年9月24日

夕暮れの窓辺の机に、くるみ材の小さな盆に立てた乳白色に飴色の模様が入った白水牛の彫刻前の印材、ふたを開けたキャラメル色の革の印鑑ケース、焼き物のカップに入ったコーヒー、ひと切れのケーキ、布張りの日記帳と万年筆、一輪のダリアが並んでいる写真
自分へのご褒美 自分の名前が彫られた道具は、誰かに譲ることも、買い替えることもほとんどありません

大きな仕事をやり遂げたとき、資格の試験に受かったとき、区切りの年齢を迎えたとき。自分へのご褒美として何かを買おうと考えて、バッグや時計、アクセサリーのほかに「印鑑」を思い浮かべる方がいらっしゃいます。印鑑は、自分の名前が彫られ、契約や登録といった人生の要所で使う道具です。流行がなく、きちんとした素材で作れば何十年も使えます。この記事では、ご褒美として印鑑を作るときの素材、書体、本数の決め方を、店頭でお客様にお話しするのと同じ順番で説明します。

結論

ご褒美の印鑑は、実用の条件よりも「手に取るたびにうれしい素材かどうか」で選んでかまいません。1本だけ作るなら、市区町村に登録して一生使う実印がいちばんふさわしい印鑑です。いま使っている印鑑が間に合わせのものなら、実印・銀行印・認印を同じ素材で揃える3本セットをおすすめします。ご注文から発送までは3〜7営業日ですので、誕生日や記念日に合わせたい方は、3週間前を目安にご注文ください。

節目のご褒美に、印鑑を選ぶ人がいる理由

ご褒美の品として、印鑑にはほかの品物にない特徴が3つあります。

01
自分の名前が彫られた、自分だけの品になる

職人が名前に合わせて印影をデザインし、1本ずつ彫ります。同じ印影の印鑑は2本とありません。名入れの品物は数多くありますが、名前そのものが主役になる品は、印鑑のほかにあまりありません。

02
使うのは、人生の大事な場面

家を買う、車を買う、会社を立ち上げる、口座を開く。実印や銀行印を押すのは、これからの人生で何かを決める場面です。節目に作った印鑑が、次の節目で役に立ちます。

03
流行がなく、何十年も使える

印鑑の形は昔からほとんど変わっていません。角や金属の素材で作った印鑑は、ていねいに扱えば数十年使えます。年齢を重ねても、持っていて違和感が出ることがありません。

1年あたりの費用で比べると

ご褒美の定番の品と、印鑑の3本セットを、使える年数で割って比べてみます。価格と年数は比較のために仮に置いた数字ですが、長く使える品ほど1年あたりの費用が小さくなることが分かります。

革のバッグ80,000円を5年使う

80,000円
16,000円1年あたり

腕時計150,000円を10年使う

150,000円
15,000円1年あたり

革の財布40,000円を4年使う

40,000円
10,000円1年あたり

印鑑3本セット 白水牛(柄)44,200円を30年使う

44,200円
約1,470円1年あたり

実印 黒水牛 15mm15,300円を30年使う

15,300円
510円1年あたり

バッグや時計の年数は、毎日使って買い替えるまでの目安として置いたものです。印鑑は毎日使う品ではありませんが、そのぶん傷みにくく、30年以上お使いの方もめずらしくありません。

どんな節目に作る方が多いのか

当店でご自分用の印鑑を注文される方に伺うと、きっかけは次のような節目です。

昇進、昇格責任のある立場になった記念に役職が上がると、個人として契約や保証の書類に押印する場面も増えます
資格の合格、独立士業、医療、建築など自分の名前で仕事をする方にとって、印鑑は仕事道具のひとつです
30歳、40歳、50歳の誕生日区切りの年齢に20代のころに間に合わせで買った印鑑を、年齢に合うものに替える方が多くいらっしゃいます
大きな仕事をやり遂げたときプロジェクトの完了、賞与形に残るものを、という理由で選ばれます
子育てがひと段落したとき自分のためにお金を使う子どもの印鑑は作ったのに、自分は結婚のときの認印のまま、という方もいらっしゃいます
定年、再就職これからの暮らしの準備に退職金の受け取りや相続の手続きなど、実印の出番が増える時期です

ご褒美だからこそ、素材で選ぶ

必要に迫られて作る印鑑は、価格と納期で決めてしまいがちです。ご褒美の印鑑は、急ぐ理由がありません。手に取ったときの色、艶、重みが気に入るかどうかを、いちばんの基準にしてください。当店で扱う素材の中から、ご自分用に選ばれることの多い6つを紹介します。価格は実印15mmのものです。

白水牛(柄)の印材
白水牛(柄)模様は1本ずつ違います

乳白色の地に、飴色や茶色の筋が入った水牛の角です。模様の出方は1本ごとに違い、同じものはありません。「自分だけの1本」という気持ちにいちばん応えてくれる素材です。

実印15mm 20,400円 / 3本セット 44,200円
  • 見た目の華やかさ
  • 欠けにくさ
  • 手入れの少なさ
白水牛の印材
白水牛模様のない純白

筋のほとんど入らない、透明感のある白い角だけを選んだ素材です。採れる量が少ないため、柄のあるものより高価になります。朱肉の赤と白の対比が美しく、女性に人気があります。

実印15mm 30,000円 / 3本セット 69,400円
  • 見た目の華やかさ
  • 欠けにくさ
  • 手入れの少なさ
黒水牛の印材
黒水牛いちばん選ばれています

漆黒の艶がある水牛の角です。粘りがあって枠が欠けにくく、価格も手ごろです。どの年代の方が持っても落ち着いて見えます。

実印15mm 15,300円 / 3本セット 30,200円
  • 見た目の華やかさ
  • 欠けにくさ
  • 手入れの少なさ
チタンの印材
チタン手入れがいりません

金属の印鑑です。ずっしりした重みがあり、軽い力できれいに押せます。乾燥にも湿気にも強く、欠けることもまずありません。時計や万年筆など、金属の道具がお好きな方に選ばれています。

実印15mm 31,800円 / 3本セット 68,400円
  • 見た目の華やかさ
  • 欠けにくさ
  • 手入れの少なさ
本象牙の印材
本象牙昔からの最高級の素材

きめが細かく朱肉がよくなじむため、印影がくっきり出ます。手に吸いつくようなしっとりした手ざわりも特徴です。当店は国の制度にもとづいて登録を受けた事業者で、適法に流通している象牙だけを扱っています。

実印15mm 36,100円 / 3本セット 83,300円
  • 見た目の華やかさ
  • 欠けにくさ
  • 手入れの少なさ
薩摩本柘の印材
薩摩本柘木のぬくもり

鹿児島産の柘植の木です。木目が細かく、彫った線が鮮明に出ます。使い込むうちに色が深まっていくのは、木の素材だけの楽しみです。

実印15mm 11,900円 / 3本セット 25,200円
  • 見た目の華やかさ
  • 欠けにくさ
  • 手入れの少なさ

素材ごとの丈夫さと押しやすさは実印の素材はどう選ぶ?耐久性・押しやすさ・予算で比較で、さらにくわしく比べています。

書体とケースで、自分の好みを出す

素材のほかに、ご自分の好みを反映できるところが2つあります。

書体は6種類から選べます

当店では、吉相体、篆書体、古印体、隷書体、行書体、楷書体の6つの書体をご用意しています。実印と銀行印には、線が複雑でまねされにくい吉相体か篆書体を選ぶ方がほとんどです。吉相体は線が枠に向かって広がる華やかな印影、篆書体はお札の印にも使われている端正な印影になります。

吉相体で彫ったフルネームの印影見本
吉相体線が枠に向かって広がります
篆書体で彫ったフルネームの印影見本
篆書体お札の印にも使われる書体です
古印体で彫ったフルネームの印影見本
古印体読みやすく、認印に向いています

ご褒美の印鑑をお探しの方からは、「既製品ではなく、職人が作る印鑑がほしい」というご相談をよくいただきます。当店では、京都の職人がお名前に合わせて印影を1本ずつデザインし、印刀を入れて仕上げています。同じ書体を選んでも、文字の配置や線の太さは、お名前ごとに変わります。

ご注文のときに「印影のご確認」を選んでいただくと、彫る前に印影のデザインをメールでお送りします。仕上がりを見て納得してから彫ってほしい方は、ぜひご利用ください。6つの書体の違いは実印の書体はどう選ぶ?印影見本で比較で見比べられます。

ケースは、毎回手に触れる部分です

印鑑を使うとき、最初に手に取るのはケースです。標準の牛革ケース(黒、赤)は無料で付きます。ご褒美として作るなら、カラー牛革の10色から好きな色を選ぶのもおすすめです。追加の費用はサイズによって950円から1,300円です。銀花、本カメ皮、本トカゲ皮、鶴亀といった、より上質なケースもご用意しています。

カラー牛革の印鑑ケース
カラー牛革10色。プラス950円から
銀花の印鑑ケース
銀花3色。プラス1,300円から
本トカゲ皮の印鑑ケース
本トカゲ皮プラス2,400円から

ケースの色と柄は印鑑ケースのご案内でご覧いただけます。

1本だけ作るか、3本揃えるか

ご褒美として1本だけ作るなら、実印をおすすめします。市区町村に登録する、ご自分を証明するための印鑑で、3種類の中でいちばん長く、いちばん大切な場面で使います。すでにきちんとした実印をお持ちの方は、通帳を作るたびに使う銀行印を上質なものに替えると、使う機会が多いぶん満足感があります。

一方で、実印だけを上質な素材で作ると、ほかの2本との差が気になってくるものです。白水牛の実印の隣に、学生時代に買った既製品の銀行印が並んでいる、という状態になります。いまお使いの印鑑がどれも間に合わせのものでしたら、この機会に3本とも揃えてしまうほうが、結局は手間も費用も少なくて済みます。

白水牛(柄)で3本を揃える場合金額の比較

実印 15mm
20,400円
銀行印 13.5mm
14,300円
認印 12mm
11,900円
1本ずつ買った場合の合計
46,600円
3本セットの価格同じ3本の組み合わせです
44,200円

3本セットには、桐箱か化粧箱、朱肉が付きます。3本の素材と書体が揃うので、並べたときの見ばえも違います。

3本セットの選び方は印鑑3本セットの選び方でくわしく説明しています。

記念日に間に合わせるには、いつ注文するか

ご注文から発送までは、3〜7営業日です。印影のご確認を選んだ場合は、ご注文から2〜3日後にデザインをメールでお送りし、お返事をいただいてから彫刻に入りますので、そのぶん日数が延びます。誕生日や記念日に手元に届くようにしたい方は、3週間前を目安にご注文ください。お届けの希望日は、ご注文手続きの画面で指定できます。

届いた印鑑は、実印なら市区町村の窓口で印鑑登録を、銀行印なら銀行で届出印の変更をして、初めて「自分の印鑑」として働き始めます。節目の日に合わせて登録に行くのも、良い記念になります。

節目に願いを込めたい方へ

昇進や独立など、これからの目標がはっきりしている節目には、開運印鑑を選ぶ方もいらっしゃいます。お名前の画数を鑑定し、成功運、蓄財運、才能運など、8つの運気の中からご希望に合わせて印影を設計する印鑑です。縁起物ですので効果を約束するものではありませんが、「ここからまた頑張ろう」という気持ちを形にして残せます。ご自分のお名前の傾向は、無料の簡易鑑定でお試しいただけます。

よくある質問

いまの実印を、新しい印鑑に替えることはできますか

できます。市区町村の窓口で、いまの登録を廃止して新しい印鑑を登録し直します。手続きは同じ日に済みます。前の印鑑で取った印鑑証明書は使えなくなりますので、契約の予定が近い時期は避けてください。

女性は、下の名前だけで作ったほうがよいですか

決まりはありません。下の名前だけで作ると、結婚などで姓が変わっても同じ印鑑を使い続けられます。ご褒美として長く使いたい方には、その点で向いています。くわしくは実印は名前だけでもいい?をご覧ください。

単品にも桐箱は付きますか

桐箱と化粧箱は、2本セットと3本セットでお選びいただけるものです。単品は牛革のケースに収めてお届けします。

どのくらいの期間、保証がありますか

5年間の保証が付いています。万一、欠けなどが生じた場合は、修理または彫り直しで対応します。

まとめ|気に入った素材で、長く使う自分の印鑑を

自分へのご褒美に作る印鑑は、名前が彫られた自分だけの品で、人生の大事な場面で何十年も使えます。急いで作る理由がないぶん、素材の色や艶、書体、ケースの色まで、気に入るものを時間をかけて選べます。1本だけなら実印を、いまの印鑑が間に合わせのものなら3本セットをおすすめします。誕生日や記念日に合わせたい方は、3週間前を目安にご注文ください。

SOURCES

出典

象牙の取引の制度は環境省の案内によります。ほかの品物の価格と使う年数は、比較のために仮に置いた数字です。素材ごとの評価は当店の目安で、使い方や保管の環境によって変わります。当店の価格はすべて税込で、記事作成時点の商品ページの金額です。

  1. 環境省. 象牙取引制度について. https://www.env.go.jp/nature/kisho/kisei/species/trade/system-ivory/,(参照 2026-09-20).