CHAPTER 15 人生の節目・記念
成人祝いの印鑑に添える説明書|実印・銀行印の使い方を伝える文例
成人祝いに印鑑を贈るとき、実印・銀行印・認印の使い方を書いた説明書を添えると、本人が届いた日から使い分けやすくなります。説明書に書くのは、どれが何用か、実印の登録、銀行印と通帳のしまい方、押す前に書類を読むこと、なくしたときの連絡先の5つです。そのまま書き写せる文例と、3本の見分け方、場面ごとに押す印鑑の一覧、説明書の渡し方も紹介します。
公開日: 2026年9月27日
成人祝いに実印・銀行印・認印の3本セットを贈っても、本人は「どれが何用か分からない」まま、箱にしまい込んでしまうことがあります。贈る側が「実印は役所に登録して、銀行印は口座に届けて」と口で伝えても、初めて自分の印鑑を持つ二十歳には、一度では覚えきれません。そこで、印鑑に1枚の説明書を添える贈り方があります。気持ちを書く手紙とは別に、使い方だけを書いた「取扱説明書」として添える紙です。この記事では、説明書に書く5つのことと文例のほか、3本の見分け方や渡し方も説明します。
説明書に書くのは、次の5つです。①どれが何用か(直径の大きい順に実印・銀行印・認印)。②実印は、必要になったときに本人が市区町村の窓口で登録すること。③銀行印は口座を作るときに届け出て、通帳とは別の場所にしまうこと。④押す前に書類を読むこと。⑤なくしたときや欠けたときの連絡先。分量は、A5判の紙1枚かカード1枚に収まる程度にします。手紙とは紙を分け、説明書は印鑑と一緒にしまえるようにしておきます。
なぜ、説明書が要るのか
贈る側は、実印・銀行印・認印の使い分けを知っています。ですが、贈られる本人がこれまで使ってきたのは、たいてい既製の認印か、ご家族が用意した印鑑です。実印と銀行印の違いや、登録は本人にしかできないことも知りません。届出印を通帳と別にしまう理由も聞いたことがないまま、3本を受け取ることになります。
どれをいつ使うのか分からないので、「大事なものらしいから」と触らずにしまいます。口座の届出印も、既製の認印のままです。
「銀行印は次に口座を作るときに使う」と書いてあれば、出番が来たときに取り出せますいちばん大きい印鑑を「いちばん大事なもの」と思い込み、大切そうな書類には何でも実印を押してしまいます。その結果、実印の印影が、押す必要のない書類に残ります。
「実印は印鑑証明書が要ると言われたときだけ」と書いてあれば、認印と使い分けられます桐箱ごと、通帳と同じ引き出しに入れてしまいます。全国銀行協会は届出印を通帳と別に保管するよう呼びかけていますが、本人はその理由を知りません。
「銀行印は通帳と別の引き出しに」と1行あれば、しまう場所が分かれます一緒に暮らしていれば、必要になったときにその場で教えられます。ですが、一人暮らしのお子様や、離れて住むお孫さん、姪御さん・甥御さんのそばには、教える人がいません。印鑑が必要になった日に、贈った人に代わって手順を教えてくれるのが説明書です。
説明書に書く5つのこと
長く書く必要はありません。本人が読んで「いつ、どの印鑑を使うか」が分かるように、次の5つをこの順で書きます。
説明書に書く5つのこと
- 1どれが何用か。直径の大きい順に、実印・銀行印・認印
「いちばん大きいのが実印、真ん中が銀行印、いちばん小さいのが認印」。ケースの色を分けていれば、色も書きます。彫った文字がフルネームか下の名前だけかも書いておくと、押した印影でも見分けられます。
- 2実印は、必要になったときに本人が市区町村の窓口で登録する
「登録は本人しかできない。免許証かマイナンバーカードを持って役所へ。今すぐでなくてよい」。登録すると「印鑑登録証」というカードがもらえます。印鑑証明書を取るときに要るカードなので、そのことも書いておきます。
- 3銀行印は、口座を作るときに届出印にして、通帳と別にしまう
「給料の口座を作るときに、この銀行印を届け出る。通帳と同じ引き出しに入れない」。既製の認印で作った口座がすでにあるなら、「窓口で届出印をこの印鑑に変えられる」と添えます。
- 4押す前に、書類を読む
「判を押した書類は、あとから取り消せないことが多い。読んで分からなければ、押す前に電話して」。18歳から親の同意なしに契約できるようになった今、いちばん伝えたい1行です。
- 5なくしたとき、欠けたときの連絡先
「銀行印をなくしたら、すぐ銀行に電話。実印をなくしたら役所へ。欠けたら、買った店に相談(5年保証あり)」。当店の連絡先と注文番号を書いておくと、本人が直接相談できます。
この5つを、次の見本のように紙1枚にまとめます。
そのまま書き写せる説明書の文例
A5判の紙1枚に収まる分量で、説明書の見本を作りました。名前、市区町村名、連絡先を書き換えてお使いください。文面は、親御さんからお子様へ渡す場合を想定しています。お祖父様・お祖母様や親戚の方から渡す場合は、最後の差出人の名前と、銀行印の欄にある「今の口座」の話を書き換えてください。
はんこの説明書結衣へ。届いた日に、一度だけ読んでください
- 13本の見分け方
- いちばん大きいの(15mm・黒のケース)が実印。真ん中(13.5mm・赤のケース)が銀行印。いちばん小さいの(12mm・紺のケース)が認印。実印だけはフルネームで、あとの2本は「結衣」と下の名前だけで彫ってあります。
- 2実印
- 車を買うときやローンを組むときなど、「印鑑証明書を出してください」と言われたときに使うはんこ。使う前に、自分で区役所に行って登録します(免許証かマイナンバーカードを持って行けば、その日のうちに済みます)。登録すると「印鑑登録証」というカードをもらいます。カードは実印と別の場所にしまって。今すぐ登録しなくても大丈夫。
- 3銀行印
- 給料の口座を作るときに、窓口で「届出印」として出すはんこ。今のゆうちょの口座は、100円のはんこで作りました。時間のあるときに窓口で「届出印を変えたい」と言えば、この銀行印に変えられます。持って行くのは、今のはんこ、新しい銀行印、通帳、免許証。通帳と同じ引き出しに入れないこと。
- 4認印
- バイト先や会社の書類、宅配の受け取り、回覧など、日常で押すはんこ。これは持ち歩いても大丈夫。実印と銀行印は持ち歩かない。
- 5押す前に
- 判を押した書類は、あとから取り消せないことが多いです。読んで分からない書類は、押す前に電話して。18歳からは親の同意なしで契約できる代わりに、「未成年だから」という理由では取り消せません。
- 6困ったとき
- 銀行印をなくしたら、すぐ銀行に電話(通帳のうしろに番号があります)。実印をなくしたら区役所へ。欠けたり割れたりしたら、だるま屋印房(京都・注文番号 ○○○○)に相談して。買ってから5年間は保証があり、状態を見て修理か彫り直しをしてもらえます。
2027年1月 成人の記念に お父さん・お母さんより
手書きでも、パソコンで打って印刷しても構いません。手書きなら、贈る人の字がそのまま残ります。印刷なら、読み間違いが起きにくくなります。
実印・銀行印・認印を見分ける3つの目印
説明書の1番目に書く「どれが何用か」は、印鑑そのものにも目印をつけておくと、紙を見なくても分かります。目印は、注文のときに3つ決められます。
直径の決め方は成人祝いの印鑑サイズで、実印と銀行印の役割の違いは成人祝いの印鑑は実印・銀行印のどちら?で説明しています。
場面ごとに、どの印鑑を押すか
説明書の裏面に、場面ごとにどの印鑑を押すかの一覧を書いておくと、本人が「この書類にはどれを押す?」と迷ったときに見返せます。二十歳前後によくある場面を並べました。
給料の口座を作る就職、アルバイトの給与振込
銀行印本人確認書類。この印鑑が届出印になりますアルバイト先・会社の書類入社の書類、交通費の申請、年末調整
認印会社によっては、印鑑を使わないこともあります宅配の受け取り、回覧毎日の暮らしでよくある場面
認印サインで済むことも多くあります部屋を借りる賃貸の契約。ご家族が保証人になる場合
認印、または実印本人は認印で済むことが多く、保証人は実印と印鑑証明書を求められることがあります車を買う普通車の登録
実印印鑑証明書。印鑑登録がまだなら、先に役所で済ませますローンを組む、保証人になるローンの契約、ご家族が借りるときの保証人
実印印鑑証明書。読んで分からない書類は、押す前に相談します表で実印を押す場面は、どれも印鑑証明書が要ります。本人には、こう伝えておくと迷ったときの目安になります。「口座の手続きは銀行印、印鑑証明書を出してと言われたら実印、それ以外は認印」。実印を使う場面の詳しい一覧は実印はいつ必要?にまとめています。
実印の登録について、説明書に書く内容
説明書でいちばん丁寧に書きたいのが、実印の登録です。本人は「印鑑登録」という言葉を知らないことも多いでしょう。登録しないと実印としては使えないので、ここが伝わらないと、せっかくの印鑑がしまわれたままになります。京都市の案内をもとに、書いておきたいことをまとめました。
実印の登録について書くこと
- 登録は本人が、住民票のある市区町村の窓口で行う 京都市の場合、登録できるのは、市内に住民登録している15歳以上の人です。住民票を移さずに一人暮らしをしているなら、登録する場所は実家の市区町村です。
- 顔写真付きの本人確認書類があれば、その場で登録できる 運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなどです。顔写真付きの書類がない場合は、自宅に照会書が郵送されてからの登録になり、日数がかかります。
- 登録すると「印鑑登録証」というカードがもらえる 印鑑証明書を取るときに要るカードです。京都市では初回の登録は無料、カードの再交付は400円、印鑑証明書は窓口で1通350円(コンビニ交付は250円)です。
- 実印と印鑑登録証は、別の場所にしまう 印鑑登録証があれば印鑑証明書が取れます。実印と一緒に盗まれると、本人になりすまして契約されるおそれがあるので、同じ引き出しに入れないよう書いておきます。
- 今すぐ登録しなくてよい 車の購入や保証人の書類で「印鑑証明書を」と言われてから登録しても間に合います。急がせないほうが、本人は気楽に受け取れます。
手続きのしかたや持っていくものは、市区町村によって違います。説明書に「住んでいる市区町村のホームページで『印鑑登録』を調べる」と一言添えておくと、本人が自分で確かめられます。登録までの流れの詳細は実印とは?登録までの流れをご覧ください。
銀行印について、説明書に書く内容
銀行印は、口座を作るときに銀行へ届け出て、初めて「届出印」になります。二十歳の本人は、既製の認印ですでに口座を作っていることがよくあります。そのため、「これから作る口座に使う」ことに加えて、「今の口座の届出印も変えられる」ことを書いておきます。全国銀行協会の案内をもとにまとめました。
- 給料の口座を作るときに、本人確認書類と一緒に持って行きます
- ネットで口座を開く場合は、印鑑が要らないこともあります。そのときは銀行印をしまっておき、次に窓口で口座を作るときに使います
- 届け出たあとは、通帳とは別の場所にしまいます。全国銀行協会も、盗難に備えて、届出印を通帳や印影の分かる書類と別に保管するよう呼びかけています
- 持っていくのは、今の届出印、新しい銀行印、通帳、本人確認書類です。窓口で変更届と印鑑届に記入します(全国銀行協会の案内より。手続きは銀行によって違います)
- 急ぐ必要はありません。ただ、既製の認印は同じ印影の品を誰でも買えるので、時間のあるときに変えておくと安心です
- 銀行印をなくしたときは、すぐ銀行の紛失受付に連絡して口座を止めてもらい、そのあとで新しい印鑑を届け出ます
銀行印の役割と、届出印について知っておきたいことは銀行印とは?で、認印とシャチハタの違いは認印とは?で説明しています。
説明書の渡し方
説明書は、手紙とは別の紙に書きます。手紙は気持ちを伝えるためのもので、本人は読んだあと大切にしまいます。説明書は、印鑑と一緒に置いて、使うときに見返す紙です。1枚にまとめてしまうと、手紙と一緒にしまわれて、いざというときに出てこなくなります。
桐箱を開けたとき、最初に目に入るように入れる
3本セットの桐箱を開け、ケースの上に折った説明書を載せてふたを閉めます。箱を開けると先に説明書が目に入り、読んでから印鑑を手に取ることになります。手紙は箱の外か、包みの上に添えます。
向く場合成人式の前後に会って、手渡しできるとき
カードサイズにして、ケースの内側に挟む
名刺くらいの大きさに縮めて、「実印:登録は本人が役所で」「銀行印:通帳と別にしまう」のように、要点だけを1本ずつ書きます。ケースを開けるたびに目に入るので、何年たっても見返せます。
向く場合本人が一人暮らしで、説明書を長く手元に置いてほしいとき
直送なら、手紙と一緒に別便で送る
当店から本人の住所へ直送する場合、荷物に紙を同封することはできません。説明書は手紙と一緒に郵便で送り、荷物より1〜2日早く着くようにします。LINEで説明書の写真を送っておく方法もあります。
向く場合離れて住むお孫さんや姪御さん・甥御さんに贈り、渡す日に会えないとき
手紙の書き方と文例は印鑑のプレゼントに添える手紙に、直送の段取りは離れて暮らす家族に印鑑を贈るにまとめています。
説明書を書くときに、気をつけること
印鑑登録のしかたは市区町村ごとに、口座の手続きは銀行ごとに決まっています。「免許証があれば即日登録できる」「窓口で改印できる」は、京都市と全国銀行協会の案内をもとにした一般的な流れです。本人が住む市区町村や、使う銀行では違うことがあります。説明書には「区役所のホームページで確かめる」「銀行の窓口で聞く」と、確かめる先を添えてください。本人が自分で調べて動けるように書くのが、説明書の役目です。
もうひとつは、「今すぐ登録して」「すぐ改印して」と急がせないことです。成人祝いの印鑑は、暮らしの中で出番が来たときに使い始めれば間に合います。急かされると、本人は「面倒な品をもらった」と感じかねません。「必要になったときに、この紙を見て」と書いておけば、自分のペースで使い始められます。印鑑を受け取ってから使い始めるまでの流れは成人祝いにもらった印鑑はどう使う?で、本人の立場から説明しています。
価格の目安
説明書がいちばん役に立つのは、3本を使い分ける3本セットです。3本の直径はすべて違い、桐箱を選べば、その中に説明書を入れて渡せます。ケースの色は1本ずつ選べ、カラー牛革にすると追加料金が950円から1,300円かかります。
よくある質問
説明書を添えるのは、おせっかいに見えませんか
書き方に気をつければ、心配いりません。初めて印鑑を持つ本人にとって、使い方を書いた紙は、困ったときの手がかりになります。「一度だけ読んで」と添えて、あとは本人に任せる書き方にすれば、押しつけには感じにくくなります。手紙と紙を分けておけば、お祝いの気持ちと実用の話が混ざらない点もよいところです。
印鑑と一緒に、店から説明書は付いてきますか
当店の印鑑に付くのは保証書や京印章の証明書などで、実印・銀行印・認印の使い分けを書いた説明書は付いていません。本人の住まいや今の口座に合わせた説明書は、贈る方にしか書けないものです。この記事の見本を、ご家庭に合わせて書き換えてお使いください。
1本だけ贈る場合も、説明書は要りますか
1本なら、カード1枚に収まります。銀行印なら「給料の口座を作るときに届け出る。通帳と別にしまう」と書きます。実印なら「印鑑証明書が要ると言われたら、役所で登録してから使う」と書いておけば、使う場面が本人に伝わります。
本人が住民票を実家から移していません。登録はどこでしますか
住民票があるのは実家の市区町村なので、その役所で登録します。一人暮らしをしている先の役所では手続きできません。説明書に「帰省したときに、実家の区役所で」と書いておくと、本人も予定を立てやすくなります。あとで住民票を移したときは、移した先で登録し直します。
説明書に、印鑑の値段は書きますか
値段は書かなくて構いません。代わりに、「買ってから5年間は保証があるので、欠けたら店に相談する」と書いておきます。そうすれば、欠けたときに本人が印鑑を捨ててしまわずに済みます。注文番号か注文日も書いておけば、問い合わせがスムーズです。
まとめ|注文から渡すまでに決めること
説明書を添えて贈るときは、次の順番で決めていきます。最初は贈る本数です。3本をそろえて贈るなら3本セット、本人がすでに認印を持っているなら、実印と銀行印の2本セットにします。次に、注文画面で直径の組み合わせを選び、彫る名前とケースの色を1本ずつ指定して、3本の見分けがつくようにします。説明書は、この記事の見本をもとに、本人が住む市区町村と今使っている口座に合わせて書き換えます。最後に渡し方です。手渡しなら桐箱の中に入れ、直送なら手紙と一緒に別便で送ります。
直径・ケースの色・彫る名前で3本を分けて、京都の職人がお作りします
実印・銀行印・認印の直径に段差をつけ、ケースの色は1本ずつ選べます。実印はフルネーム、銀行印と認印は名前だけ、といった彫り分けも注文画面で指定できます。桐箱入りで届きますので、説明書を入れてお渡しください。全国送料無料、5年保証です。
- 13本セットを注文する直径、彫る名前、ケースの色を1本ずつ指定
- 2説明書を書くこの記事の見本を、家庭の事情に合わせて
- 3桐箱に入れて渡す手紙は別に。直送なら別便で