CHAPTER 15 人生の節目・記念

成人祝いに印鑑を贈る|実印・銀行印と名前・素材の選び方

成人祝いに印鑑を贈る方へ、18歳で変わる契約の範囲、実印・銀行印・認印の選び分け、彫る名前と直径、素材と書体、渡す時期までを表で整理して解説します。

公開日: 2026年9月24日

和紙の上に置かれた桐箱と、閉じたままの印鑑ケース
成人祝いの印鑑 自分の名前で契約する場面が、ここから始まります

お子様やお孫さんの成人祝いに印鑑を贈ろうとすると、決めることが意外に多くあります。何本贈ればよいのか、名前はどう彫るのか、本人に内緒で用意できるのか、といった点です。どれも、受け取る方が今どの印鑑を持っているか、これからどう使うかによって答えが変わります。

選び方の要点

本人の印鑑がまだ1本もなければ、実印・銀行印・認印の3本セットを贈ると一度に揃います。自分用に作った認印をすでに使っているなら、実印と銀行印の2本セットで足ります。彫る名前だけは本人に確かめ、素材や包装は贈る側で選ぶ。この分担なら、驚かせる楽しみも残せます。

18歳になると、何が自分で決められるようになるか

成年年齢が18歳に引き下げられ、高校を卒業する頃には、親権者の同意がなくても自分の名前で契約できるようになりました。印鑑が要る場面も、以前より早くやってきます。

できるようになること親権者の同意印鑑との関わり
携帯電話の契約不要認印を求められることがある
クレジットカードの申し込み不要引き落とし口座の手続きで、銀行印を押すことがある
一人暮らしの賃貸契約不要物件によっては実印と印鑑登録証明書が要る
ローンを組む不要契約書に実印を押す場面がある
印鑑登録不要多くの市区町村で15歳から登録できる
普通自動車の購入不要登録に実印と印鑑登録証明書が要る

表のとおり、印鑑登録は18歳を待たなくてもできます。細かな条件は市区町村ごとに違いますので、登録先の案内をご確認ください。ただ、実印を実際に使うのは、進学や就職で自分の暮らしを持ちはじめてからです。成人祝いは、ちょうどその前後の時期にあたります。

贈る種類は、本人が今持っている印鑑で決まる

個人の印鑑には実印・銀行印・認印の3種類があり、どこに届け出るかで役割が分かれます。まずは、本人がどの印鑑を持っているかを確かめてください。

種類届け出先成人後に使う場面持っている可能性
実印住民登録のある市区町村賃貸契約、自動車の登録、将来の住宅ローンまだ持っていない方が多い
銀行印口座のある金融機関口座の開設、窓口での手続きご両親が作った口座の届出印を使っていることがある
認印届け出ない宅配便の受け取り、学校や職場の書類既製品を使っていることが多い
本人の状況贈る本数組み合わせ
自分の印鑑を1本も持っていない3本セット実印・銀行印・認印
既製品の認印だけ使っている3本セット認印も本人だけの1本に作り替える
自分用に作った認印がある2本セット実印・銀行印
ご両親が作った銀行印がある2本セット実印・認印
実印だけ足りない1本実印

文房具店などで売られている既製品の認印(三文判)は、同じ型で大量に作られています。同じ姓の人とまったく同じ印影になるため、押した跡だけでは誰の印か分かりません。成人祝いは、本人だけの1本に作り替えるよい機会です。3種類の違いをもう少し詳しく知りたい方は、実印・銀行印・認印の違い|必要な本数と使い分けをご覧ください。

彫る名前は本人に確認してから決める

驚かせて渡したい気持ちもあると思いますが、彫る名前だけは本人に確かめてください。字を間違えると作り直しになり、実印であれば登録そのものができません。

種類選ばれやすい名前理由改姓の可能性がある場合
実印フルネーム同じ姓のご家族の印鑑と取り違えない名のみにすれば、姓が変わっても使える
銀行印姓のみ、または名のみ実印と印影を分けられる名のみにすると使い続けやすい
認印姓のみ書類を受け取った人が読みやすい作り直しても費用がかさまない
娘さんへ贈る場合は、名のみという選択肢があります

将来結婚して姓が変わる可能性があるなら、実印と銀行印を名のみで作っておけば、改姓しても作り直しが要りません。娘さんご本人の考えもありますので、決めつけずに一度聞いてみてください。

旧字体や異体字がある姓は、戸籍や住民票の表記に合わせるのが基本です。「辺」と「邊」「邉」、「斉」と「齊」、「高」と「髙」のような違いは、本人に見てもらわないと分かりません。男女それぞれの詳しい選び方は、女性の実印の選び方と男性の実印の選び方にまとめています。

直径は3本に差をつける

3本セットは、3本とも同じ素材で、直径だけが違う組み合わせから選びます。実印がいちばん太く、認印がいちばん細いので、手に取った太さで見分けられます。

組み合わせ実印銀行印認印向いている方
小さめ13.5mm12mm10.5mm手が小さい方、名のみを彫る方
標準15mm13.5mm12mm希望がとくにない方。女性にいちばん人気
やや大きめ16.5mm15mm12mmフルネームの文字数が多い方
大きめ18mm16.5mm13.5mm手が大きい方、姓名が長い方。男性にいちばん人気
15mm実印フルネームを彫る
13.5mm銀行印口座の届出用
12mm認印日々の書類に押す
実印15mm・銀行印13.5mm・認印12mmの組み合わせ。太さの差で3本を見分けられます。

フルネームの文字数が多い方には、「やや大きめ」か「大きめ」の組み合わせが向きます。実印が16.5mm以上になり、線に余裕が出ます。字が多いのに小さい印面を選ぶと、1文字あたりの線が細くなり、欠けやすくなります。

素材は何十年使うかで選ぶ

20歳で受け取った印鑑を、定年まで使う方もいます。実印は欠けると登録し直しになりますので、価格だけでなく耐久性も見てください。

素材価格の目安耐久性人気特徴
薩摩本柘10,700円〜★★★☆☆★★★★☆鹿児島産の本柘。明るい木の色で、価格も手頃
黒水牛12,200円〜★★★★☆★★★★★深い黒と艶がある、定番の印材
彩樺13,700円〜★★★☆☆★★★☆☆バーチ材(樺)から作る複合素材。木目が美しい
チタン16,700円〜★★★★★★★★☆☆金属の印材。欠けや摩耗、水濡れに強い
白水牛19,100円〜★★★★☆★★★★☆模様の少ない、明るい乳白色の角
白檀31,200円〜★★★★☆★★★★☆香木ならではの風合いと香り。開運印鑑で扱う
本象牙31,200円〜★★★★★★★★★★朱肉ののりがよく、印影が鮮明に出る
黒水牛の印材
黒水牛12,200円〜
白水牛の印材
白水牛19,100円〜
チタンの印材
チタン16,700円〜
白檀の印材
白檀31,200円〜

素材を性別で決める必要はありません。単品で贈るなら、毎日持ち歩く認印は扱いやすさ、長く保管する実印は欠けにくさで選びます。3本セットは3本とも同じ素材になるので、いちばん長く使う実印に合わせて選ぶと決めやすくなります。木や水牛の印材は乾燥に弱いため、ケースに入れて保管し、使ったあとは印面の朱肉を拭き取ります。チタンは乾燥を気にせず使えます。

成人祝いの相場と、印鑑の価格帯

成人祝いの金額は、本人との関係によって幅があります。印鑑は素材と本数で価格が変わるため、相場に合わせて選びやすい品です。

贈る側相場の目安印鑑で選べる範囲
ご両親30,000円〜100,000円本象牙や、白檀の開運印鑑の3本セットまで選べる
お祖父様・お祖母様30,000円〜100,000円3本セット、または記念に残る実印1本
おじ様・おば様10,000円〜30,000円実印1本、または2本セット
親しい友人5,000円〜10,000円認印1本。日常で使う場面が多い

ご両親とお祖父様・お祖母様の両方から印鑑を贈ると、同じ種類が重なることがあります。身内で贈るときは、誰が何を用意するかを先に相談しておきましょう。3本セットには朱肉とケースが付いているので、道具を別に揃える必要はありません。費用を出し合って、1つの3本セットにまとめる方法もあります。

書体は実印・銀行印と認印で選び分ける

実印と銀行印には、印影から字を読み取りにくい書体が向きます。反対に認印は、誰が見ても読める書体のほうが使いやすくなります。3本セットでも、1本ずつ別々に選べます。

書体実印銀行印認印特徴
吉相体◎◎△文字の線が枠に接するので、縁が欠けにくく、字も読み取りにくい
篆書体○◎△最も古い書体のひとつ。紙幣に刷られた印にも使われている
古印体○○◎日本で生まれた書体。線に強弱があり読みやすい
楷書体△△◎普段書く文字に最も近く、誰が見ても読み取れる
隷書体△△○横に広がった、落ち着いた形
行書体△○○続けて書く流れのある形で、柔らかい印象になる
吉相体で彫った印影の見本
吉相体篆書体と並んで、実印・銀行印で人気です
篆書体で彫った印影の見本
篆書体格式があり、余白の残る印影になります
古印体で彫った印影の見本
古印体認印でよく選ばれる、読みやすい書体です

のしと包装の整え方

項目成人祝いの場合補足
表書き祝御成人、御祝「祝成人」と書く場合もあります
水引紅白の蝶結び何度あってもよい祝い事のため、結び切りは使いません
名入れ表書きの下に贈り主の名前連名なら目上の方を右から並べます
外のし・内のし手渡しなら外のし配送するなら、内のしのほうが傷みにくくなります

桐箱に収めてのし紙をかければ、実用品でも贈り物らしい形になります。箱ごと片手で持てる大きさなので、食事の席などでもそのまま手渡せます。

渡す時期は成人式の前後が目安

印鑑は1本ずつ名前を彫って作るため、注文から届くまでに日数がかかります。渡したい日から逆算して注文してください。

渡す時期向いている場面注文の目安
成人式の当日親族が集まる席で手渡す1月の式典なら12月中に注文
誕生日式典と分けて個別に祝う誕生日の3週間前まで
年末年始の帰省時離れて暮らすお子様やお孫さんに渡す帰省の予定が決まった時点で
進学・就職が決まった頃実際に使い始める時期に合わせる新生活が始まる1か月前

成人式の日は、写真撮影や同窓会で慌ただしくなります。本人が桐箱を持ったまま一日を過ごすのも大変です。別の日に改めて渡せば、使い方も落ち着いて説明できます。式の当日は目録や手紙だけを渡し、印鑑は帰省中の別の日に手渡すという方法もあります。

渡すときに伝えておきたいこと

受け取った方が迷わないように伝える3つのこと

  • どれがどの用途か 3本のうちいちばん太いのが実印、次が銀行印、いちばん細いのが認印です。ケースの色を分けておくと、さらに見分けやすくなります。
  • 登録するまでは実印として使えないこと 本人が印鑑を持って、住民票のある市区町村の窓口で登録の手続きをします。
  • 保管場所を分けること 実印と印鑑登録証は別々の場所にしまいます。登録証があれば、印鑑登録証明書を取れます。一緒に持ち出されると、実印を押した書類に証明書まで付けられてしまいます。

登録の手順は実印とは?銀行印・認印との違いと登録までの流れにまとめています。渡すときにこのページも伝えておくと、本人があとで手順を確かめられます。

よくある質問

成人年齢が18歳になりましたが、贈る時期は変えるべきですか

成人式は20歳で行う自治体が多いので、これまでどおり式典に合わせて贈れば、親族が集まる席で渡せます。ただ、18歳になれば自分で契約できます。進学や一人暮らしが先に来るなら、それに合わせて早めに渡す方法もあります。

本人に内緒で用意することはできますか

彫る名前と正しい字体だけは、確かめる必要があります。本人に聞けないときは、同居のご家族に住民票の表記を見てもらう方法もあります。素材やケース、包装は贈る側で選んで構いません。名前に関わる部分だけは、間違いのないようにしておいてください。

印鑑は成人祝いとして重すぎませんか

相場の表のとおり、認印1本から3本セットまで、関係に合わせて選べます。成人してからの契約や手続きで使う実用品ですので、受け取る側も気負わずに使えます。

実印は成人祝いの時点で登録すべきですか

受け取ってすぐに登録する必要はありません。賃貸契約や自動車の購入など、必要になったときに本人が市区町村で手続きをします。ただ、持っていく本人確認書類によっては、郵送される照会書を待って後日の登録になります。予定が見えた時点で済ませておくと安心です。

開運印鑑を成人祝いに選ぶ方はいますか

開運印鑑では、姓名を鑑定したうえで印影を設計します。成人のような節目の贈り物として選ぶ方もいます。運勢が変わると約束する品ではないので、その点を伝えたうえで渡すと、受け取る側も気持ちよく使えます。

まとめ|本数・名前・直径と素材・渡す日の順に決める

決める順番は4つです。最初に、本人が今どの印鑑を持っているかを確かめて、贈る本数を決めます。次に、彫る名前と正しい字体を本人に確認します。改姓の可能性があれば、名のみで作るかどうかもこのときに聞いておきます。

3つ目に、直径の組み合わせと素材を選びます。直径は標準の組み合わせから考え、素材は相場の表を見ながら予算に合わせます。最後に、渡したい日から逆算して注文します。成人式に合わせるなら12月中、進学や就職に合わせるなら新生活の1か月前が目安です。

成人祝いに

桐箱に収めた3本セットをお贈りいただけます

実印・銀行印・認印を用途別に分けて長く使えます。素材は柘から本象牙まで、直径の組み合わせは4通りからお選びください。

個人用3本セットを見る