CHAPTER 05 印材・素材
圧縮木材の印鑑とは?作り方・天然木との違い・耐久性と手入れ
木を樹脂で固めた圧縮木材の印鑑について、2つの作り方、天然の木と比べて変わるところと変わらないところ、薩摩本柘・黒水牛との耐久性の違い、手入れの方法をまとめました。当店の彩樺の価格もご紹介します。
公開日: 2026年10月6日 更新日: 2026年10月7日
木の印鑑を探していると、商品の説明に「圧縮木材」という言葉が出てくることがあります。写真を見ると木目があって、たしかに木でできています。けれども「樹脂で固めた」とも書かれていて、天然の木とどう違うのか分かりにくいかもしれません。この記事では、圧縮木材がどう作られ、印鑑にしたときに何が変わるのかをお話しします。
圧縮木材は、木に樹脂をしみ込ませ、熱と圧力で固めた材料です。もとの木より目が詰まって重くなり、水を吸いにくく、丈夫になります。原料が木なので、見た目や手ざわりは木の印鑑のままです。落とせば印面の縁が欠けることも、押したら朱肉を拭き取る手入れが要ることも、天然の木と変わりません。当店では、樺の木から作る圧縮木材の印材「彩樺(さいか)」を扱っています。
圧縮木材とは|木に樹脂をしみ込ませ、熱と圧力で固めた材料です
圧縮木材は、木に手を加えて、硬く丈夫にした材料です。ブリタニカ国際大百科事典によると、フェノール樹脂などをしみ込ませて固め、木の密度を高めたものです。機械の部品や建物の柱にも使われています。
- 読み方
- あっしゅくもくざい
- 材料
- 木と、フェノール樹脂などの樹脂です
- 別の呼び方
- 薄い板を重ねて固めたものは、強化木や硬化積層材と呼ばれます
- 印鑑店での呼び名
- 彩樺、アグニなど、印材ごとに名前が付いています
- 当店での扱い
- 彩樺を、個人の実印・銀行印・認印でお作りしています
フェノール樹脂は、いったん固まると、熱を加えてもやわらかくなりません。デジタル大辞泉によると、水や薬品にも強い樹脂です。
圧縮木材の作り方|2つの方法があります
木を樹脂で固める方法は、大きく2つあります。どちらも、先に樹脂をしみ込ませ、そのあと熱と圧力をかけます。
木をそのまま固める方法
事典では「圧縮木材」と呼ばれます
- 手順
- 木に樹脂をしみ込ませ、高い圧力で押し縮めます
- 木の中で起きること
- 目に見えない細かなすき間が縮み、繊維の目が詰まります
- 見た目
- もとの木の木目が、そのまま残ります
薄い板を重ねて固める方法
事典では「強化木」「硬化積層材」と呼ばれます
- 手順
- 薄い板に樹脂をしみ込ませて何枚も重ね、熱と圧力をかけて1つの材にします
- 木の中で起きること
- 板と板が樹脂で貼り合わされ、目の詰まった層になります
- 見た目
- 重ねた板の境目が、細い縞の模様になります
固めた材を丸い棒の形に削り、片方の端に名前を彫ると、印鑑になります。当店の彩樺に細い縞の木目が入るのは、薄い板を重ねて作る印材だからです。
天然の木と比べて変わるところ|丈夫で重くなり、水を吸いにくくなります
木を樹脂で固めると、何が変わるのでしょうか。事典には、次のような変化が書かれています。
薄い板を重ねて固めた強化木の場合
- 水吸いにくくなります
- 寸法湿気で伸び縮みしにくくなります
- 重さ目が詰まるぶん、重くなります
出典:世界大百科事典、精選版 日本国語大辞典、ブリタニカ国際大百科事典。数値は強化木全般のもので、印材を測った値ではありません。
印鑑にとって大きいのは、水と湿気に強くなることです。木は、まわりの湿気を吸ったり出したりして伸び縮みします。この動きが、木の印鑑にひびや反りが出る原因になります。樹脂が木のすき間を埋めると、水分が出入りしにくくなり、伸び縮みが小さくなります。
天然の木と変わらないところ
薩摩本柘・黒水牛との違い|色・耐久性・価格を比べます
当店の印材のなかで、圧縮木材にあたるのは彩樺です。天然の木の薩摩本柘(さつまほんつげ)、水牛の角から作る黒水牛と並べると、次のようになります。
| 比べる点 | 薩摩本柘 | 彩樺 | 黒水牛 |
|---|---|---|---|
| 材料 | 鹿児島で育った柘の木 | 樺の木と樹脂 | 水牛の角 |
| 色と模様 | 淡い黄色。木目はほとんど見えません | 赤茶からこげ茶。細い縞の木目が入ります | 黒 |
| 耐久性の目安 | 星3つ | 星3つ | 星4つ |
| 動物由来の素材 | 使いません | 使いません | 角を使います |
| 作れる印鑑 | 個人印鑑・会社印鑑・開運印鑑 | 個人の実印・銀行印・認印 | 個人印鑑・会社印鑑・開運印鑑 |
| 3本セットの価格 | 21,700円〜 | 23,700円〜 | 24,300円〜 |
耐久性の星は、当店の商品ページに載せている目安です。彩樺は薩摩本柘と同じ星3つで、黒水牛は1つ多い星4つです。全日本印章業協会は、実印の材料として象牙、牛角、黒水牛、柘の4つを挙げています。圧縮木材は、この4つに入っていません。木と角の違いは、薩摩本柘と黒水牛の違いでくわしく比べています。
彩樺の価格|実印は11,600円からです
実印の価格(税込・1本)
彩樺は、どの直径でも薩摩本柘より900円高くなります。黒水牛との差は直径が太くなるほど開き、16.5mmでは5,200円になります。太めの実印を濃い色の印材で作りたい方には、彩樺が手ごろです。
圧縮木材の印鑑が向いている方|3つの質問で確かめます
-
木の印鑑を、どんな色で作りたいですか
濃い色がよい赤茶からこげ茶の彩樺が合います。朱肉や手あかの汚れが目立ちにくい色です明るい色がよい淡い黄色の薩摩本柘が合います。天然の木を、そのまま削り出した印材です -
動物由来の素材は、避けたいですか
避けたい彩樺、薩摩本柘、チタンの3つから選びます。どれも角や牙を使いませんこだわらない角の黒水牛も候補に入ります。当店の耐久性の目安では、木より1つ多い星4つです -
会社の印鑑も、同じ印材でそろえる予定ですか
個人の印鑑だけ作る彩樺で、実印・銀行印・認印の3本をそろえられます会社の印鑑もそろえたい薩摩本柘か黒水牛を選びます。彩樺は、個人の印鑑だけの扱いです
圧縮木材の印鑑の手入れ|押したら拭いて、ケースにしまいます
手入れの仕方は、天然の木の印鑑と同じです。押したあとは、やわらかい布かティッシュを印面に当てて、朱肉を移し取ります。こすらずに、軽く押さえるだけで構いません。溝に残った朱肉は、毛のやわらかい歯ブラシで払います。
使わないときは、ケースに入れて引き出しにしまいます。水を吸いにくい材料でも、水洗いは避けてください。汚れは、乾いた布で拭き取ります。木の印鑑の扱い方は、薩摩本柘の印鑑の手入れでもくわしくご説明しています。
よくある質問
圧縮木材は、天然の木ではないのですか
原料は天然の木です。ただ、樹脂をしみ込ませて固めてあるので、木だけでできた材料ではありません。当店の商品ページでも、彩樺を「複合素材」とご紹介しています。
圧縮木材の印鑑は、実印として登録できますか
京都市では、ゴム印のように押すたびに形が変わりやすい印鑑は登録できません。木を樹脂で固めた印鑑は、その例に挙がっていません。当店の彩樺も、実印としてお作りしています。登録の条件は市区町村ごとに違いますので、お住まいの役所でも確かめてください。
彩樺とアグニは、どちらも圧縮木材ですか
どちらも、木を樹脂で固めた印材として売られています。大きく違うのは色で、彩樺は赤茶からこげ茶、アグニは深い赤です。当店で扱っているのは、彩樺だけです。
圧縮木材の印鑑は、何年くらい使えますか
年数を示した公的な資料は、見当たりません。商品ページの耐久性の目安では、彩樺は薩摩本柘と同じ星3つです。押したら拭いてケースにしまう使い方を続ければ、木の印鑑は10〜20年以上使えると当店では考えています。
贈り物にしても、失礼になりませんか
失礼にはあたりません。角や牙を使わない印材ですので、動物由来の品を避けている方にも贈れます。選び方は、動物由来の素材を避けて印鑑を贈るでご紹介しています。
まとめ|圧縮木材の印鑑を選ぶ順番
まず、商品の説明を見て、もとの木の種類を確かめます。次に、写真で色と木目の出方を見ます。木から作る印材なので、木目は1本ごとに違います。続いて、彫る名前の文字数から直径を選びます。当店の彩樺なら、実印の直径は13.5mmから18mmまでの4つです。最後に、実印だけにするか、銀行印と認印も一緒に作るかを決めてください。
赤茶の木目の印鑑を、彩樺でそろえる
実印、銀行印、認印の3本セットは、同じ3本を1本ずつ買うより割安です。印鑑ケース付き、送料無料、5年保証。ご注文から3〜7営業日で発送します。
彩樺 3本セット(実印・銀行印・認印)23,700円〜 →