CHAPTER 05 印材・素材
薩摩本柘の印鑑とは?特徴・価格・寿命を延ばす手入れの方法
薩摩本柘(さつまほんつげ)は、鹿児島で育った柘の木から作る印材です。木目が細かく彫刻に向いている理由、「柘」「アカネ」との違い、実印・銀行印・認印とセットの価格、黒水牛などほかの印材との比べ方、朱肉の油と乾燥から守る手入れの方法、向いている方とそうでない方をまとめました。
公開日: 2026年9月24日
印鑑の素材を選ぶ画面で、いちばん手頃な価格で並んでいるのが薩摩本柘です。「安いということは、すぐ欠けるのでは」「実印にしても大丈夫なのか」と気になる方もいらっしゃるでしょう。木の印鑑は、どう扱えば長持ちするのかも分かりにくいところです。この記事では、薩摩本柘がどんな木なのか、価格はいくらか、どう手入れすればよいのかを説明します。
薩摩本柘は、鹿児島県で育ったツゲの木から作る印材です。日本の木のなかでもとくに木目が細かく、細い線まで彫れるため、印鑑に向いています。価格は実印が10,700円から、実印・銀行印・認印の3本セットが21,700円からです。どちらも当店の印材のなかでもっとも手頃です。実印として登録でき、銀行印にも使えます。苦手なのは朱肉の油と乾燥です。押したあとに印面を拭いてケースにしまえば、長く使えます。
薩摩本柘とは|鹿児島で育った柘の木です
- 木の種類
- ツゲ(ツゲ科の常緑樹)漢字では「柘」「柘植」「黄楊」と書きます
- 産地
- 鹿児島県指宿市を中心とした薩摩地方。当店の本柘は、すべて薩摩産です
- 色と木目
- 淡い黄色で、木目はほとんど見えないほど細かい使い込むと、少しずつ飴色に変わっていきます
- 重さと硬さ
- 気乾比重0.75〜0.95。木としては重く硬い部類水牛の角やチタンに比べると軽く感じますが、木のなかでは目の詰まった重い材です
- 価格
- 実印10,700円〜、3本セット21,700円〜当店で選べる印材のなかで、もっとも手頃です
ツゲは、本州から九州の暖かい地域に生える木です。成長がとても遅く、幹がなかなか太くなりません。そのぶん年輪の間隔が狭く、材がぎゅっと詰まっています。日本木材総合情報センターの解説でも、ツゲは日本の木のなかでもっとも目が詰まっているといわれ、重く硬い木とされています。用途には、櫛や浮世絵の版木、将棋の駒、そろばんの玉と並んで、印鑑の材料が挙げられています。どれも、細かい細工と、長く使っても形が変わらないことが求められる道具です。
鹿児島の暮らしに根づいてきた、つげの木
鹿児島県の指宿には、女の子が生まれるとつげの木を植える風習が古くから伝わっています。その子が結婚するときには、つげの櫛を作って花嫁道具として持たせます。江戸時代には「薩摩つげ櫛」の名が全国に知られ、今も鹿児島県の伝統的工芸品に指定されています。
印材の「薩摩本柘」は、この薩摩のつげを印鑑の形に削り出したものです。山に生えている木を伐ってくるのではなく、人が植えて何十年もかけて育ててきた木です。自然の素材を大切に使いたい方にも選びやすい印材です。
「本柘」と「柘」は、別の木です
印鑑の売り場では、「本柘」のほかに、「柘」「アカネ」という名前の印材を見かけることがあります。名前は似ていますが、木の種類が違います。
本柘(薩摩本柘)
日本のツゲ
- 木の種類
- ツゲ科のツゲ。鹿児島県などで育ちます
- 木目
- とても細かく、繊維が詰まっています
- 彫刻
- 細い線が欠けにくく、枠の際まできれいに彫れます
- 価格
- 木の印材のなかでは高め
柘(アカネ)
東南アジアの木
- 木の種類
- アカネ科の木。以前は「シャム柘」とも呼ばれました
- 木目
- 本柘に比べるとやや粗めです
- 彫刻
- 日常使いの認印なら問題なく使えます
- 価格
- 本柘より手頃
どちらが上というより、用途と予算で選び分ける印材です。ただ、実印や銀行印のように、同じ印影を何十年も保ちたい印鑑には、繊維の詰まった本柘のほうが向いています。当店が柘の印鑑に薩摩産の本柘だけを使っているのも、このためです。
薩摩本柘の価格|実印1本から3本セットまで
薩摩本柘の実印|直径ごとの価格
銀行印は12mmが6,400円、13.5mmが8,300円です。認印は10.5mmが5,800円、12mmが6,400円です。どれも印鑑ケースが付き、送料は無料です。
実印、銀行印、認印をまとめて作ると、1本ずつ買うよりも安くなります。薩摩本柘はもともとの価格が手頃で、3本セットでも21,700円からです。白水牛の実印1本(13.5mmで27,600円)より安く揃います。
3本セット実印・銀行印・認印
- 13.5・12・10.5mm21,700円
- 15・13.5・12mm25,200円
- 16.5・15・12mm28,600円
- 18・16.5・13.5mm36,100円
2本セット実印・銀行印
- 13.5・12mm16,200円
- 15・13.5mm19,100円
- 16.5・15mm22,600円
- 18・16.5mm28,300円
2本セット実印・認印
- 13.5・10.5mm15,600円
- 15・12mm17,300円
- 16.5・12mm19,600円
- 18・13.5mm24,800円
たとえば実印15mm、銀行印13.5mm、認印12mmを1本ずつ買うと、合計26,600円です。3本セットなら25,200円で、1,400円安くなります。進学や就職、結婚で印鑑をひととおり揃える方には、このセットをおすすめしています。
黒水牛やチタンなど、ほかの印材との比較
| 印材 | 実印15mm | 3本セット | 重さ | 手入れ | 向いている方 |
|---|---|---|---|---|---|
| 薩摩本柘 | 11,900円 | 25,200円 | 軽い | 朱肉を拭く。乾燥を避ける | 木のぬくもりが好きな方、予算を抑えて3本揃えたい方 |
| 彩樺 | 12,800円 | 27,400円 | 軽い | 朱肉を拭く | 赤みのある木目が好きな方 |
| 黒水牛 | 15,300円 | 30,200円 | ふつう | 乾燥と虫を避ける | 丈夫さと価格のつり合いを重視する方 |
| 白水牛 | 30,000円 | 69,400円 | ふつう | 乾燥と虫を避ける | 明るい色の印鑑を長く使いたい方 |
| チタン | 31,800円 | 68,400円 | 重い | ほぼ不要 | 手入れをしたくない方 |
薩摩本柘と黒水牛の価格の差は、実印15mmで3,400円、3本セットで5,000円です。欠けにくさだけで比べるなら、粘りのある黒水牛のほうが丈夫です。一方で薩摩本柘には、手に持ったときの軽さと温かさ、淡い黄色のやさしい見た目があります。金属や角の印鑑は冬に持つとひんやりしますが、木は冷たさを感じにくい素材です。素材の選び方は、実印の素材はどう選ぶ?で詳しく比べています。
実印や銀行印にしても、問題ありません
市区町村の印鑑登録で断られるのは、ゴム印のように押すたびに形が変わりやすい印鑑や、同じ形で大量に作られた既製品などです。当店の薩摩本柘の印鑑は、職人が1本ずつ彫刻するオーダーメイドです。実印として登録でき、銀行の届出印にも使えます。会社の実印や銀行印、角印にも使える印材です。
薩摩本柘が苦手なもの|朱肉の油と乾燥
木の印鑑を傷めないために、とくに気をつけたいのがこの2つです。
朱肉には油が含まれています。印面に付いたままにしておくと、油が少しずつ木の繊維にしみ込みます。長い年月のうちに縁がもろくなり、枠が欠ける原因になります。押したあとに拭き取れば防げます。
木は、まわりの湿気を吸ったり出したりしています。直射日光の当たる窓際や、エアコンの風が当たる場所、暖房器具のそばに置くと、急に水分が抜けてひびが入ることがあります。ケースに入れて引き出しにしまっておけば、急な乾燥は防げます。
手入れの方法|押したら拭いて、ケースにしまう
ティッシュや柔らかい布で、印面を軽く押さえるようにして拭きます。こすると細い線を傷めますので、押さえるだけにしてください。
机の上に出したままにせず、ケースに戻します。ケースは、乾燥と、落としたときの衝撃から印鑑を守ってくれます。
彫った溝に朱肉が詰まると、印影の線が太く見えます。乾いた柔らかい歯ブラシで、軽くかき出します。
木が水を吸ってふくらみ、乾くときに縮んで、ひびや変形のもとになります。アルコールで拭くのも避けてください。
押すときは、スタンプ台ではなく印鑑用の朱肉をお使いください。当店の印鑑に付いている朱肉のほか、文具店で売られている一般的なもので問題ありません。
押したあとに拭いてケースにしまう扱いを続ければ、薩摩本柘の印鑑は10年、20年と使えます。ご両親から譲られた柘の実印を、今も使っている方もいらっしゃいます。当店の印鑑には5年間の保証が付いています。ご購入から5年以内の破損や不具合は、状態を確認したうえで修理や彫り直しをご案内します。枠の欠けやすり減りの見分け方は、印鑑の買い替え時期の目安をご覧ください。
薩摩本柘が向いている方、ほかの印材をおすすめする方
薩摩本柘が向いている方
- 予算を抑えて、3本きちんと揃えたい3本セットは21,700円からです。進学や就職、結婚の準備に向いています
- 木の手ざわりや、やさしい色が好き軽くて温かみがあり、手の小さな方にも持ちやすい印材です
- 水牛の角や象牙を使わない印材がよい人が植えて育てた木から作る印材です
- 会社の角印を作りたい角印は21mmで17,900円からです
ほかの印材をおすすめする方
- 押したあとに拭く習慣を、続ける自信がない手入れがほとんど要らないチタンをおすすめします
- 毎日何十回も押す仕事で使う押す回数が多いほど、印面は朱肉の油やすり減りの影響を受けます。薩摩本柘より丈夫な黒水牛のほうが向いています
- プレゼントにするので、見た目の高級感を大切にしたい手に取ったときの重みと、角ならではのつやがある黒水牛や白水牛が向いています
開運印鑑や会社印でも、薩摩本柘を選べます
お名前を鑑定して印影を設計する開運印鑑は、薩摩本柘の実印が13.5mmで17,600円、実印・銀行印・認印の3本セットが40,900円からです。鑑定書、下鴨神社でご祈祷いただいた印鑑のお守り、桐箱が付きます。
会社の印鑑も、薩摩本柘なら実印・銀行印・角印の3本セットが56,900円からです。とくに角印は、水牛の印材にすると価格が大きく上がります。21mmで比べると、黒水牛の30,000円に対して、薩摩本柘は17,900円です。実印と銀行印は黒水牛にして、角印だけ薩摩本柘で作るという選び方もあります。
よくある質問
薩摩本柘の印鑑は、色が変わりますか
変わります。はじめは淡い黄色ですが、手の脂と空気に触れて、何年もかけて飴色に深まっていきます。つげの櫛と同じ変化で、傷みではありません。印面のまわりが朱色に染まってきたら、朱肉がしみているしるしです。押したあとの拭き取りをこまめにしてください。
椿油などを塗ったほうがよいですか
基本的には必要ありません。つげの櫛には椿油を使いますが、印面に油が付くと、朱肉の油と同じように木を傷めます。乾燥が気になる場合でも、油を塗るのは持ち手の部分だけにとどめ、印面には付けないでください。
木目や色は、1本ずつ違いますか
天然の木ですので、色の濃さは1本ずつ少し違います。ただ、つげは木目がとても細かく、模様が目立ちません。セットで並べても、違いが気になりにくい印材です。
欠けてしまったら、直せますか
枠の小さな欠けであれば、印面を削って彫り直せる場合があります。ただし、印影が変わりますので、実印や銀行印は登録や届け出をし直すことになります。ご購入から5年以内であれば保証の対象です。状態を確認したうえで、修理や彫り直しをご案内します。まずはお問い合わせください。
子どもの印鑑に、薩摩本柘は向いていますか
向いています。軽くて持ちやすく、価格も手頃ですので、お子様のはじめての銀行印にも選びやすい印材です。大人になるまでしまっておく場合は、ケースに入れて、直射日光の当たらない引き出しで保管してください。
まとめ|薩摩本柘の印鑑を決める順番
まず、押したあとに拭いてケースにしまう手入れを続けられるかを考えます。続けられそうなら、薩摩本柘で問題ありません。自信がなければ、黒水牛やチタンも比べてみてください。
次に、どの印鑑を何本作るかを決めます。実印・銀行印・認印をひととおり揃えるなら、3本セットがいちばん割安です。お名前の鑑定を付けたい方は開運印鑑、会社で使う方は会社印のセットから選びます。
最後に、サイズを選びます。実印なら、女性は13.5mmか15mm、男性は16.5mmか18mmを選ぶ方が多くいらっしゃいます。
薩摩本柘の印鑑を選ぶ
実印、銀行印、認印を1度に揃えられる3本セットがいちばん割安です。印鑑ケース付き、送料無料、5年保証。ご注文から3〜7営業日で発送します。
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