CHAPTER 04 印鑑登録・各種手続き

印鑑登録できる印鑑・できない印鑑|買う前に確かめる5つの条件

印鑑登録できる印鑑の条件を、彫る名前、大きさ、外枠と印影、材質、既製品かどうかの5つに分けて説明します。ゴム印やシャチハタ、枠の欠けた印鑑など、登録できない印鑑の例も、市区町村の案内をもとにまとめました。

公開日: 2026年10月11日

白い大理石の台を、灰色の麻布で左右に分けた写真。左は木の盆に黒水牛、薩摩本柘、白水牛の丸い印材が3本寝かせてあり、横にえんじ色の革の印鑑ケースがある。右は透明の盆に、灰色の浸透印、木の持ち手のゴム印、青いプラスチックの既製の印鑑が立ててある。それぞれの手前に白い無地のカードが1枚ずつ置いてある
印鑑登録できる印鑑・できない印鑑 名前、大きさ、外枠、材質、既製品かどうか。役所の窓口が確かめるのは、この5つです

実印を買う前に、「この印鑑は役所で登録できるのだろうか」と気になる方がいらっしゃいます。家にある印鑑を実印にしたい方も、同じところで迷われます。役所の案内には「登録できない印鑑」が箇条書きで並んでいます。ただ、文字だけでは、ご自分の印鑑が当てはまるのかどうか、判断しにくいところがあります。この記事では、印鑑登録の条件を5つに分けて、登録できる例とできない例を並べて説明します。

先に結論

印鑑登録できるのは、住民票の氏名を表し、大きさが8mmを超え25mm以内で、外枠のある、硬い材質の印鑑です。ゴム印、シャチハタなどの浸透印、枠の欠けた印鑑、氏名のほかに職業や絵柄が入った印鑑は登録できません。同じ形のものが大量に作られている既製品も、断られることがあります。1人が登録できる印鑑は、1本だけです。

印鑑登録の窓口が確かめるのは、5つの条件です

印鑑登録の条件は、市区町村の条例で決まっています。文面は市区町村ごとに少しずつ違いますが、見るところはほぼ同じです。ここでは、京都市が窓口の事務について定めた「印鑑事務取扱要領」をもとに、5つにまとめました。それぞれに、当店の印鑑の場合を添えています。

  1. 彫ってある名前が、住民票の氏名と合っているフルネーム、姓だけ、名だけのどれでも登録できます。姓と名の一部を組み合わせた形でもかまいません。職業、資格、屋号、絵柄が入った印鑑は登録できません。

    当店では注文画面のお名前の欄に入力された字を、そのまま彫ります

  2. 大きさが、8mmを超え25mm以内に収まっている印影が1辺8mmの正方形に収まらず、1辺25mmの正方形に収まることが条件です。印材の太さではなく、押した跡の大きさで判断します。

    当店では実印は13.5mmから18mmで、どの直径もこの範囲に入ります

  3. 外枠があり、印影がはっきり写る名前を囲む外枠があり、欠けていないこと。押した跡がはっきりしていて、文字が読み取れること。この2つが条件です。

    当店では印面の縁に沿って外枠を彫ります。彫る前の印影をメールで確かめることもできます

  4. 何度押しても形が変わらない材質で作られているゴム印のように、力の入れ方で印影が変わる印鑑は登録できません。朱肉を使わない浸透印も同じ扱いです。

    当店では薩摩本柘、黒水牛、白水牛、チタンなど、硬い印材だけを使います

  5. 同じ印影の印鑑が、ほかにない型に流し込んだりプレスしたりして量産された印鑑は、京都市では登録できません。同じ世帯のご家族がすでに登録している印鑑も同じです。

    当店ではご注文ごとにお名前の印面を設計し、職人が1本ずつ彫刻します

大きさの条件は、当店の実印ならどの直径でも満たします。ここからは、残りの4つを順に見ていきます。

彫る名前|登録できる形と、できない形

登録できるのは、住民票に載っている氏名を表した印鑑です。フルネームでなくてもかまいません。どこまで省略できるかは、京都市の要領に例が載っています。

氏名が「山田 一太郎」、旧氏(旧姓)が「前野」の方の場合

登録できる印鑑の例

  • 山田一太郎
  • 山田
  • 一太郎
  • 山田太
  • 山太郎
  • 山太
  • 前野一太郎

登録できない印鑑の例

  • 山
  • 太郎
  • 一太朗
  • 山田前野
  • 山田(前野)一太郎

旧氏の「前野」を彫った印鑑は、住民票に旧氏を載せている方だけが登録できます。「山田之印」のように、名前のあとに「印」「章」「之印」「之章」を付けた印鑑も、京都市では登録できます。

登録できない例を見ると、理由は3つに分かれます。「山」や「太郎」は、姓や名の一部だけなので、氏名を表しているとは言えません。「一太朗」は、住民票の「郎」とは別の字になっています。「山田前野」と「山田(前野)一太郎」は、今の姓と旧氏の両方を入れていて、住民票の氏名とは違う形です。

氏名以外のものを入れた印鑑も登録できません。「税理士」のような資格、屋号、家紋、花や動物の絵柄がこれに当たります。横浜市は、動物のシルエットや図柄を名前の形に加工した印鑑も登録できないと案内しています。姓だけ、名だけで作るときに気をつけることは、実印は苗字だけでもいい?と実印は名前だけでもいい?で説明しています。

外枠と印影|欠けやすり減りがないかを確かめます

外枠は、名前のまわりを囲む線のことです。実印を押した書類を受け取った相手は、その印影を印鑑登録証明書の印影と見比べます。外枠が欠けていると、同じ印鑑かどうかを見分けにくくなります。新しい印鑑ではまず問題になりませんが、長く使った印鑑は、この条件で断られることがあります。

外枠のない印鑑も登録できません。文字のほうを彫ってへこませ、押すと文字が白く抜ける印鑑がそうです。横浜市は「縁のないもの(陰刻彫など)」、名古屋市は「印章そのもの(凹凸)が逆に刻印してあるもの」と書いています。書道の作品に押す落款印に多い作りで、実印とは別に持つ印です。

書体だけを理由に登録を断るという決まりは、ここまでに挙げた市の案内にはありません。篆書体や印相体は実印によく使われていて、氏名の字を表していれば登録できます。ただ、福岡市は、判読できないほど難解な印鑑や、極端に図案化した印鑑は登録できないと案内しています。読みにくい書体を選ぶときに気をつけることは、読めない印鑑は使える?にまとめました。

材質と作り|登録できる印鑑、できない印鑑

材質の条件は、「何度押しても印影が変わらないこと」の1つだけです。木、角、金属、石のように硬い印材なら、どれでも満たします。登録できないのは、やわらかい材質の印鑑と、同じ印影のものが出回っている印鑑です。

印鑑の材質と作り印鑑登録
材質

木、角、チタン、天然石の印鑑薩摩本柘、黒水牛、白水牛など。力を入れても印面の形が変わりません

登録できる

ゴム印押す力で印面がつぶれ、印影の大きさや線の太さが変わります

登録できない

朱肉を使わない浸透印(シャチハタなど)印面がやわらかい素材でできています。調布市と浜松市は、登録できない印鑑として挙げています

登録できない

欠けやすいプラスチックの印鑑調布市は、材質や形が変わりやすい印鑑の例に挙げています。富山市は、合成樹脂をプレスして作った印鑑を登録できないとしています

市区町村による
作り

注文を受けて1本ずつ作る印鑑同じ印影の印鑑が、ほかに出回りません

登録できる

店頭で売られている既製品京都市、浜松市、富山市は、量産された印鑑を登録できないとしています。世田谷区と名古屋市は、避けるよう呼びかけています

市区町村による

指輪に彫った印京都市の要領は、鉛の印などと並べて、押すたびに変形しやすい印鑑の例に挙げています

登録できない

既製品を避けたほうがよい理由を、文京区は「誰もが同じ印鑑を入手できる危険性があるため」と説明しています。同じ姓の印鑑が店に何本も並んでいれば、ご自分の実印と同じ印影のものを、だれでも買えることになります。既製品を登録できる市区町村にお住まいでも、家や車の契約に使う実印には向きません。くわしくは三文判とは?で説明しています。

印鑑登録できるのは、1人につき1本です

2本を同時に登録しておくことはできません。別の印鑑を実印にしたいときは、今の登録を廃止してから、新しい印鑑で申請し直します。同じ世帯のご家族がすでに登録している印鑑も、登録できません。姓だけを彫った1本を、ご夫婦や、親御さんとお子様で一緒に使うことはできません。ご家族それぞれが、ご自分の実印を1本ずつ用意します。

市区町村によって扱いが分かれるところ

5つの条件の大枠は同じでも、細かいところでは市区町村の判断が分かれます。違いがはっきり出るのが、漢字の名前をひらがなやカタカナで彫った印鑑です。

登録できる京都市要領で、日本人の氏名は漢字をひらがなかカタカナに替えた印鑑も登録できるとしています
登録できない浜松市漢字をひらがなにした印鑑は登録できないと案内しています
登録できない文京区漢字をひらがなやカタカナに置き換えた印鑑を、登録できない印鑑に挙げています
姓のかな書きは登録できない横浜市氏(姓)の漢字を「ひらがな」「カタカナ」に替えた印鑑は、登録できないとしています

たとえば「花子」さんが「はなこ」と彫った印鑑は、京都市では登録できますが、浜松市では登録できません。ほかの市区町村へ引越しをすると、新しい住所の役所で登録をやり直すことになります。どこへ移っても登録できるようにしておきたい方は、住民票に載っているとおりの字で作るのが確実です。ひらがなの印鑑を作りたい方は、ひらがなの印鑑は作れる?もお読みください。

旧字体と新字体の違いも、よくご質問をいただくところです。京都市や浜松市は、「澤」と「沢」のような字体の違いなら、同じ字として登録を認めています。こちらも、住民票と同じ字体で作っておけば、どの市区町村でも迷わずに済みます。

実印を買う前に確かめること

これから実印を作る方は、注文の前に次の5つを確かめてください。どれも、印鑑ができあがってからでは直せないことです。

  • 住民票で、氏名の字を1字ずつ確かめた
  • フルネーム、姓だけ、名だけのどれで彫るかを決めた
  • ご家族が登録している実印と、同じ印影にならない
  • 注文を受けてから彫る印鑑で、既製品ではない
  • 名前のほかに、絵柄や肩書きを入れていない

お手元の印鑑を登録する方は、白い紙に押して、印影を確かめてください。見るところは、外枠が1周つながっているか、文字がつぶれていないか、定規で測って8mmを超えているかの3つです。どれも問題がなければ、あとは窓口で名前と材質を見てもらいます。

窓口で登録できないと言われた場合は、条件に合う別の印鑑を用意して、あらためて申請します。契約の日が決まっている方は、作り直しにかかる日数も見込んでおいてください。当店では、ご注文から通常3〜7営業日で発送しています。

よくある質問

シャチハタは印鑑登録できますか

できません。シャチハタのような朱肉を使わない浸透印は、印面がやわらかい素材でできていて、押すたびに印影が変わりやすいためです。使える書類と使えない書類は、認印にシャチハタは使える?で整理しています。

銀行印として使っている印鑑を、実印にも登録できますか

条件を満たしていれば、登録はできます。ただ、その1本をなくすと、役所と銀行の両方で手続きが要ります。印影を目にする人も増えます。当店では、実印と銀行印を別々にお持ちになることをおすすめしています。

父が使っていた実印を、私が登録できますか

彫ってある名前によります。お父様と同じ姓の方なら、姓だけが彫られた印鑑は、ご自分の氏名を表す印鑑として登録できる場合があります。ただし、お父様が今も登録していて、同じ世帯にお住まいのあいだは登録できません。お父様のフルネームや下のお名前が彫られた印鑑は、ご自分の氏名と合いませんので登録できません。受け継いだ印鑑の扱いは、親から受け継いだ印鑑は使える?で説明しています。

天然石の印鑑は登録できますか

水晶やメノウのような天然石は硬く、押すたびに形が変わる材質ではありません。名前、大きさ、外枠の条件を満たしていれば登録できます。石の印鑑で確かめることは、パワーストーン印鑑は実印にできる?にまとめました。

登録したあとで印鑑が欠けたら、どうなりますか

登録が自動で消えることはありません。ただ、押した印影が印鑑登録証明書の印影と合わなくなり、契約の書類を受け付けてもらえないことがあります。新しい実印を作り、役所で登録し直してください。

外国籍です。カタカナやアルファベットの印鑑は登録できますか

住民票に載っている氏名を表した印鑑なら登録できます。カタカナの表記や通称で作る場合は、それが住民票に記録されていることが条件です。くわしくは外国人でも実印は作れる?をご覧ください。

まとめ|印鑑登録できる実印を選ぶ順番

最初に、住民票で氏名の字を確かめます。次に、フルネーム、姓だけ、名だけのどれで彫るかを決めます。ご家族も姓だけの実印をお持ちなら、名を入れるか書体を変えて、見分けられるようにします。直径は13.5mmから18mmのなかで、文字数と手の大きさに合うものを選びます。印材は、木、角、チタンのどれでもかまいません。注文を受けてから彫る店で作れば、既製品にあたる心配はありません。

5つの条件を満たす実印を、この順番でご注文いただけます

印鑑登録に使う実印を、3本セットでそろえる

お名前の字に合わせて、京都の職人が1本ずつ印面を設計し、彫刻します。実印は13.5mmから18mmで、どの直径も印鑑登録できる大きさです。通常はご注文から3〜7営業日で発送します。3本セットは桐箱か化粧箱入り、朱肉と押印マット付き。送料無料、5年保証です。

  1. 印材とサイズ薩摩本柘・黒水牛・白水牛など
  2. お名前住民票に載っている字で
  3. 書体1本ずつ選べます
  4. 印影のご確認彫る前にメールで確かめられます
3本セットへ進む(21,700円〜)

SOURCES

出典

登録できる印鑑とできない印鑑の条件は、京都市印鑑事務取扱要領と、京都市・浜松市・横浜市・福岡市・名古屋市・札幌市・調布市・富山市・東京都世田谷区・文京区の案内を参照しました。1人が登録できる印鑑の数は、総務省の印鑑登録システム標準仕様書によります。条件は市区町村の条例で定められていて、細かいところは市区町村ごとに違います。登録の前に、お住まいの市区町村の案内をお確かめください。

  1. 京都市. 京都市印鑑事務取扱要領. https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000082177.html,(参照 2026-10-11).
  2. 京都市. 印鑑登録. https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000147302.html,(参照 2026-10-11).
  3. 浜松市. 登録できる印鑑とできない印鑑. https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/siminkj/sinsei/inkan/inkan.html,(参照 2026-10-11).
  4. 横浜市. 印鑑登録について. https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/koseki-zei-hoken/todokede/koseki-juminhyo/todokede-touroku/inkan/inkan.html,(参照 2026-10-11).
  5. 福岡市. 印鑑登録の申請(新規・変更・廃止). https://www.city.fukuoka.lg.jp/shimin/kusei/life/inkantouroku.html,(参照 2026-10-11).
  6. 名古屋市. 印鑑登録申請・印鑑登録証明書・その他の印鑑に関する申請. https://www.city.nagoya.jp/kurashi/todokede/1007848/1007849.html,(参照 2026-10-11).
  7. 札幌市. 印鑑登録. https://www.city.sapporo.jp/shimin/koseki/inkan.html,(参照 2026-10-11).
  8. 調布市. 印鑑登録. https://www.city.chofu.lg.jp/030040/p017029.html,(参照 2026-10-11).
  9. 富山市. 印鑑登録. https://www.city.toyama.lg.jp/kurashi/koseki/1010191/1004703.html,(参照 2026-10-11).
  10. 世田谷区. 登録できる印鑑を知りたい. https://www.city.setagaya.lg.jp/02233/114.html,(参照 2026-10-11).
  11. 文京区. 登録印について. https://www.city.bunkyo.lg.jp/b013/p000276.html,(参照 2026-10-11).
  12. 総務省 自治体システム等標準化検討会. 印鑑登録システム標準仕様書【第3.3版(令和8年3月25日版)】. https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/jichitaishisutemu_hyojunka/02gyosei02_04000148.html,(参照 2026-10-11).