CHAPTER 16 印鑑の贈り物・マナー
海外へ印鑑をプレゼントする前に|持ち出せる素材と送り方の確認
海外で暮らすご家族やご友人、これから海外赴任や留学に出る方へ印鑑を贈る前に確かめたいことをまとめました。象牙は国外へ持ち出せないため、印材は黒水牛・柘・チタンなどから選び、ケースは牛革にします。当店のお届け先は日本国内の住所だけなので、出発前に手渡すか、いったん受け取って国際郵便で送ります。海外での印鑑の使い道、実印の登録と署名証明、国際郵便の品名の書き方、出発日から逆算した注文の時期も説明します。
公開日: 2026年9月30日
海外赴任や留学に出る息子さんや娘さんに、門出の品として印鑑を持たせたい。海外で暮らすお孫さんや友人に、日本らしい贈り物として名前の印鑑を送りたい。そんなときは、国内で贈るときより確かめることが増えます。相手が向こうで印鑑をどう使うか、印材を国外へ持ち出せるか、ケースの革は問題ないか、そしてどうやって届けるかです。この記事では、その順にお話しします。
印材は象牙以外から選び、ケースは牛革にします。象牙は、国内で正しく取引された品でも国外へ持ち出せません。当店がお届けできるのは日本国内の住所だけです。出発前に手渡して手荷物に入れてもらうか、いったん受け取って国際郵便で送ります。海外に住んでいるあいだは実印を登録できないので、帰国してから使い始めるつもりで贈ります。
海外に住む人は、印鑑をどう使うか
海外で暮らしていると、ふだんの書類に印鑑を押すことはほとんどありません。それでも、日本での手続きに使ったり、手紙に名前の印として押したりする機会はあります。実印・銀行印・認印の3本それぞれの使い道は、次のとおりです。
実印
海外では登録できない京都市の印鑑事務取扱要領では、印鑑登録ができるのは住民票に記録されている人です。海外へ転出して住民票がなくなると、それまでの登録も消えます。法務省によると、海外にいるあいだの不動産の登記などでは、日本の領事が出す署名証明を印鑑証明書の代わりに使えます。
向く人帰国後に、住まいや車の契約をする予定の方
銀行印
海外にいても使う日本に口座を残している方は、住所の変更や解約などの手続きで届出印を使います。海外へ移る前に、届出印を今の印鑑から新しい銀行印に替えておく方法もあります。
向く人日本の口座で給与や家賃を管理する方
認印・名前の印
押して楽しめる手紙やカードの署名の横、本の見返しに押したり、書や絵の落款として使ったりします。現地の友人に「これが日本の名前の印鑑」と見せるのも、楽しみのひとつです。
向く人日本の文化を身近に置いておきたい方
海外赴任や留学で数年後に戻る予定の方には、実印・銀行印・認印の3本をそろえて持たせるのがおすすめです。帰国してからの役所や銀行の手続きに、そのまま使えます。外国の方への贈り物として名前の表記から考えたいときは、外国人への日本らしい贈り物に印鑑ををご覧ください。
印材は、国外へ持ち出せるものを選びます
いちばん気をつけたいのは象牙です。環境省の案内では、国内で決まりを守って取引された象牙製品でも、国外へ持ち出すことは厳しく禁止されています。例外は、ワシントン条約で規制される前に手に入れたことを書類で証明し、経済産業大臣の承認を受けた場合だけです。海外へ持っていく印鑑には、ほかの印材を選んでください。
本象牙象の牙。日本で正規に買った品でも、国外へは持ち出せません
できない―黒水牛水牛の角。つやのある黒で、欠けにくい印材です
できる乾燥に注意白水牛白や飴色の角の印材です。乾いた土地では、ひびに気をつけます
できる乾燥に注意薩摩本柘鹿児島産の柘の木。軽く、手になじみます
できる乾燥に注意彩樺樺の木を加工した印材で、ふつうの木より丈夫に作られています
できる比較的強いチタン金属なので、反りやひびの心配がありません
できる強い行き先の国の決まりも見ておきます。オーストラリアやニュージーランドのように、木や動物の角・骨でできた品を入国のときに申告するよう求める国があります。持ち込んだ品は、検査で問題がなければそのまま返されます。ただ、消毒などの処理を求められる場合もあります。決まりはそれぞれ違い、変わることもあるので、出発前に大使館や税関の案内で確かめてください。申告の手間を省きたいなら、木や角ではない金属のチタンを選ぶ方法もあります。
乾燥した土地へ持っていく角や木の印鑑は、使わないときもケースに入れておきます。エアコンの風が当たる場所や、日の当たる窓辺を避けるだけでも、ひびが入りにくくなります。
印鑑ケースは、牛革を選びます
印材のほかに見落としやすいのが、ケースの革です。税関の案内では、ワニ・ヘビ・トカゲといった爬虫類の皮製品が、ワシントン条約の対象として挙げられています。輸出国の許可書がなかったために、日本へ持ち込めなかった品の例にも入っています。当店のケースには本トカゲ皮もありますが、海外へ持っていく印鑑には選ばないほうが安心です。
標準の黒・赤のケースと、10色のカラーケースは、どれも牛革です。牛はワシントン条約の対象ではないので、許可書の心配はいりません。革の種類については、動物由来の素材を避けて印鑑を贈るでも詳しく説明しています。
届け方は、手渡しか国際郵便の2通りです
当店の注文画面では、お届け先に日本国内の郵便番号と住所を入力します。海外の住所へ直接お送りすることはできません。いったん国内で受け取ってから、次のどちらかの方法で届けます。
出発前に手渡し、手荷物に入れてもらう
- 海外赴任や留学に出る人に贈るなら、いちばん確実な方法です
- 名前の字を、本人と一緒に紙に押して確かめられます
- 印鑑はケースに入った小さな品で、機内に持ち込む手荷物に入れられます
- 預ける荷物に入れるより、なくしたり傷めたりする心配が少なくなります
向いている場合出発の前に会えて、本人の荷造りに間に合うとき
自宅で受け取り、国際郵便で送る
- すでに海外で暮らしている人に届ける方法です
- 届いたら箱を開けて、名前の字とケースを確かめてから梱包し直します
- 手紙やカードも、同じ箱に入れて送れます
- 受け取る国で、関税や税金がかかることがあります
向いている場合次に会う予定がないときや、誕生日などに合わせて届けたいとき
印鑑を国際郵便で送るときに確かめること
国際郵便には、どの国にも出せない品と、あて先の国によって出せない品があります。印鑑を送る前に、次の5つを見ておきます。
発送前の確認メモ
- 送れないもの
- 日本郵便の「国際郵便として送れないもの」で、あて先の国の制限を調べます同じ箱に入れる品も確かめます。たとえば香水は、どの国にも送れません
- 品名の書き方
- 大まかな呼び方ではなく、具体的な品名を英語で書きます日本郵便の例では、ハンコは英語で「Stamp」です。「Name seal stamp(buffalo horn)」のように、素材を添えると中身が伝わります
- 金額
- 贈り物でも、実際の価格を書きます受け取る国の関税や税金は、この金額をもとに決まります
- 梱包
- 印鑑はケースに入れ、セットなら桐箱か化粧箱のまま、すき間を緩衝材で埋めます箱の中で動かないようにすると、印面が欠けにくくなります
- 届くまでの日数
- 送り方と国によって違います誕生日などに合わせるなら、日本郵便の国・地域別の案内で目安を見ておきます
当店からの荷物には、手紙を同封できません。言葉を添えたいときは、国際郵便で送る箱に手紙やカードを入れてください。
出発の日から逆算して注文します
海外赴任や留学に出る人へ手渡すなら、本人が日本を発つ日に間に合うよう準備します。当店からの発送は、ご注文から通常3〜7営業日ほどです。出発前は荷造りや手続きで慌ただしくなるので、1か月前には彫る名前の字を確かめておきます。
- 1出発の4週間前住民票やマイナンバーカードで、本人の名前の字を確かめる。海外への転出届を出す前に済ませておく
- 23週間前印材を象牙以外から、ケースを牛革から選んで注文するここで注文
- 32週間前届いたら紙に押して、彫られた名前に間違いがないか見る
- 41週間前壮行会やご家族との食事の席で手渡す。銀行印の届け出を替えるなら、この時期に銀行で手続きする
- 5出発の日本人が手荷物に入れて持っていく持って出発
出発まで日がないときは、注文の前にご相談ください。急ぐときの段取りは、急ぎの印鑑プレゼントを間に合わせるには?で説明しています。
彫る名前は、帰国後の使い方から決めます
日本の方に贈るなら、名前は戸籍や住民票の字で彫ります。帰国して実印を登録するときに、そのまま使えるようにするためです。海外で結婚して姓が変わるかもしれない方には、下の名前だけを彫る方法もあります。これなら姓が変わっても、登録し直さずに使い続けられます。
外国籍の友人に贈るなら、日本での呼び名をカタカナで彫ったり、漢字の当て字にしたりできます。帰国する留学生へ贈るときの考え方は、帰国する留学生への印鑑プレゼントで詳しく紹介しています。
よくある質問
海外の住所へ直接送ってもらえますか
当店のお届け先は、日本国内の住所に限っています。ご自宅などでいったん受け取ってから、手渡しか国際郵便で相手に届けてください。
家にある象牙の印鑑を、海外に持っていってもいいですか
原則として持ち出せません。環境省の案内では、象牙製品の国外への持ち出しは厳しく禁止されています。認められるのは、ワシントン条約の規制より前に手に入れたことを書類で証明し、経済産業大臣の承認を受けた場合だけです。書類がそろわなければ日本に置いていき、現地では別の印材の印鑑を使うことになります。
海外に住んでいても、実印を作ることはできますか
印鑑そのものは作れます。ただ、実印として登録できるのは日本に住民票がある人なので、登録は帰国して転入届を出したあとになります。海外にいるあいだに印鑑証明書が必要になったときは、日本の大使館や総領事館で署名証明を受けて、代わりに使うのが一般的です。
飛行機に乗るとき、印鑑は手荷物に入れられますか
はい、機内に持ち込む手荷物に入れて持っていけます。象牙でなければ、日本から持ち出すための手続きもありません。木や角でできた品の申告を求める国へ行くときは、入国のときに印鑑も届け出てください。
まとめ|海外へ印鑑を贈るときに決める順番
まず、相手が海外で印鑑をどう使うかを考えます。帰国の予定があるなら3本セット、日本の口座を残すなら銀行印、記念の品なら名前の印です。次に、印材を象牙以外から、ケースを牛革から選びます。行き先の国に、木や角でできた品を申告する決まりがあるかも調べておきます。届け方は、出発前に会えるなら手渡し、会えないならいったん受け取って国際郵便です。手渡しなら出発の3週間前までに注文し、届いたら紙に押して名前の字を確かめます。
海外へ持っていける印鑑を、京都の職人が彫ります
お名前の字に合わせて、職人が1本ずつ配置して彫刻します。ケースは標準の黒・赤か、10色のカラー牛革から選べます。セットは桐箱か化粧箱に収め、朱肉と押印マットを添えてお届けします。国内送料無料、5年保証。