CHAPTER 06 書体・文字・印影

印鑑の書体は変更できる?注文後・彫刻後・登録後で違う手順

印鑑の書体を変えられるかどうかは、注文のどの段階にいるかで決まります。彫刻が始まる前なら相談でき、「印影のご確認」を選んでいれば届いたデザインを見てから書体を変えられます。彫ったあとは書体だけを変えることはできず、新しく作ります。すでに市区町村や銀行、法務局に届け出た印鑑なら、改印の手続きが要ります。段階ごとの手順、届け出先ごとに持って行くもの、書体を変えずに済ませる工夫をまとめました。

公開日: 2026年10月6日 更新日: 2026年10月7日

麻の布の上に、何も書かれていない注文用紙と万年筆、薩摩本柘の印材、開いた紺の印鑑ケース、朱肉の缶、真鍮の呼び鈴、折った和紙、ユーカリの枝が置かれている
印鑑の書体は変更できる? 彫る前なら相談できます。彫ったあとは新しく作り、届け出た印鑑なら改印します

注文を済ませたあと、見本を見比べているうちに別の書体のほうがよく見えてきた。届いた印鑑の字が自分では読めず、読める書体にすればよかったと思った。書体を変えたくなるのは、たとえばこんな場面です。この記事では、変えられるかどうかを彫刻の前と後、届け出の前と後に分けてお話しします。市区町村・銀行・法務局で印鑑を変える手続きと、書体を変えずに済ませる工夫もご案内します。

先に結論

彫刻が始まる前なら、書体の変更をご相談いただけます。彫ったあとは、書体だけを変えることはできません。印鑑は印材に字を彫り込んで作るので、あとから字だけを入れ替えられないためです。彫ったあとに変えたい場合は、新しい印鑑を作ります。市区町村や銀行、法務局にまだ届け出ていなければ、新しい1本を使い始めるだけです。すでに届け出ているなら、印鑑を変える手続き(改印)が要ります。注文のときに「印影のご確認」で「確認する」を選んでおけば、彫る前にデザインがメールで届きます。届いたデザインを見て、書体を変えることもできます。

印鑑の書体を変えられるかどうかは、彫刻の前か後かで決まります

当店では、ご注文をいただくと、職人がお選びいただいた書体でお名前の字を組みます。印面の円に合わせて配置を決めてから、彫刻に入ります。書体を変えられるのは、この彫刻が始まる前までです。始まったあとに印面を削って、別の書体で彫り直すことはしていません。線の深さや枠の太さが最初の設計と合わなくなり、きれいに仕上がらないためです。

彫刻の前書体の変更を相談できます

  1. ご注文注文完了の画面と確認のメールに、注文番号が出ます。この番号を添えてご連絡ください
  2. 職人が字を組む選んだ書体でお名前の字を組み、直径に合わせて線の太さと配置を決めます
  3. 印影の確認「確認する」を選んだ方には、ご注文の2〜3日後にデザインをメールでお送りします。ここでも書体を変えられます

彫刻のあと新しく作ることになります

  1. 彫刻・仕上げ印材に字を彫り込みます。ここから先は、書体だけを入れ替えられません
  2. 検品・発送通常、ご注文から3〜7営業日ほどで発送します
  3. お届け・届け出市区町村や銀行に届け出たあとで変えるときは、改印の手続きも要ります

「印影のご確認」を選ばなかった場合は、ご注文から彫刻までの日数が短くなります。書体を変えたいと思ったら、進み具合が分からなくても、まずご連絡ください。

名前の字を変えたいときも、同じ流れです。彫刻前後の連絡の仕方は、印鑑の注文後に名前は変更できる?にまとめています。

注文直後から登録後まで、段階ごとにできることが変わります

「書体を変えたい」と思う時期は、人によってさまざまです。注文した直後のこともあれば、届いた印鑑を見たときや、何年も使ってからのこともあります。下の表で、いまの段階を探してください。

いまの段階できることすること気をつけること

注文した直後彫刻の前

変更できます 注文番号を添えて、お問い合わせフォームかお電話で新しい書体をお知らせください。追加の料金はかかりません。どの書体でも価格は同じです 「印影のご確認」を選んでいない注文は、彫刻までの日数が短くなります。気づいた日のうちにご連絡ください

印影のデザインが届いた彫刻の前

変更できます 届いたメールに「書体を篆書体から吉相体に変えたい」のように返信してください。新しい書体で組み直したデザインをお送りします 確認のやり取りの日数だけ、発送は通常の3〜7営業日より延びます

印鑑が届いた彫刻のあと、届け出の前

作り直しになります 届いた印鑑の書体だけを変えることはできません。別の書体で新しく作ります。ご都合による返品・交換は原則としてお受けしていません 届いた印鑑に欠けやかすれがあれば、それは書体の変更ではなく不良品の交換です。すぐにご連絡ください

すでに登録・届け出をした使い始めたあと

作り直して改印します 新しい書体で作り直したうえで、届け出ている先(市区町村・銀行・法務局)で、印鑑を新しいものに変える手続きをします 手続きが済むまでは、いまの印鑑が有効です。窓口へは、新しい印鑑が届いてから行きます

書体を変えたくなる4つの理由と、それぞれの答え

「書体を変えたい」と思う理由は、主に次の4つです。中には、書体を変えなくても解決するものもあります。

  1. 届いた実印や銀行印の字が、自分で読めません

    そのまま使えます実印と銀行印は、届け出た印影と見比べてもらうための印鑑です。本人が読めなくても困りません。そもそもこの2つは、読みにくい篆書体や吉相体で作る方が大半です
    変えるなら認印を読めない書体で作ってしまった場合です。回覧板や宅配の受け取りで、だれが押したか分からないと不便です。読みやすい古印体か隷書体の認印を1本足す方法があります
  2. 見本と雰囲気が違って見えます

    まず確かめること見本は「山本正夫」や「高橋」というお名前で作ったものです。画数が少ない名前は余白が目立ち、多いと線が詰まって見えます。書体ではなく、画数による違いかもしれません
    変えるなら線が詰まって見えるなら篆書体(細)、余白が寂しく見えるなら線を枠まで伸ばす吉相体が向いています。印影のデザインを確認している段階なら、組み直したものを見てから決められます
  3. 家族の印鑑と見分けがつきません

    書体を変えずに分けるならケースの色を変える、直径を1サイズ変える、下の名前だけを彫る、という方法があります。押す前に見分けられるのは、ケースの色と直径です
    書体で分けるなら印影の雰囲気が変わるので、押したあとでも見分けられます。ご主人は篆書体、奥様は吉相体のように分ける方もいます
  4. 開運印鑑にしたくなりました

    書体の変更ではありません開運印鑑は、お名前を鑑定し、吉相体をもとに印影を設計する別の商品です。通常の印鑑をあとから開運印鑑に変えることはできないので、新しく作ります
    作るなら実印か銀行印を開運印鑑で作り直し、いまの印鑑は認印として使う方法があります。詳しい仕組みは開運印鑑とは?をご覧ください

届け出たあとに書体を変えるときの改印手続き

すでに使い始めた印鑑の書体を変えるときは、新しい1本を作ったうえで、届け出ている先で手続きをします。この手続きを「改印」と呼びます。届け出先は、個人なら市区町村と銀行、会社なら法務局と銀行です。

市区町村

実印の登録を抹消して、新しい印鑑を登録します

手数料がかかることがあります

京都市を例にすると、本人の申請でいまの登録を抹消し、新しい印鑑を登録し直します。京都市印鑑事務取扱要領でも、抹消後は新規の申請として扱われます。このとき、印鑑登録証の再交付手数料が1件400円かかります。

持って行くもの新しい印鑑、いまの印鑑登録証(カード)、顔写真付きの本人確認書類。本人が窓口に行けば、その日のうちに登録できます

銀行

窓口で変更届と印鑑届を出します

手数料の案内はありません

全国銀行協会の案内によると、届出印を変えるときは銀行の窓口で手続きをします。持って行くのは、これまでの印鑑、今後使う印鑑、通帳、本人確認書類です。窓口に備え付けの変更届と印鑑届に記入して出します。取り扱いは銀行によって異なるので、先に取引のある銀行のサイトで確かめてください。

持って行くものこれまでの印鑑、新しい印鑑、通帳、本人確認書類。口座が複数の銀行にあれば、銀行ごとに手続きします

法務局

会社の実印を変えるときは、印鑑(改印)届書を出します

手数料はかかりません

新しい書体で作り直したら、法務局に届書を出します。届書には新しい会社実印を押します。届出人の欄には、代表者が市区町村に登録している個人の実印を押し、発行から3か月以内の印鑑証明書を添えます。届け出る印鑑の大きさは、商業登記規則第9条で決まっています。1辺1cmの正方形には収まらず、1辺3cmの正方形には収まる大きさです。また、照合に適するもの、つまり登録した印影と見比べやすいものでなければなりません。

持って行くもの新しい会社実印、代表者個人の実印と印鑑証明書、印鑑カード。印鑑カードはそのまま使えます

手続きが済んだら、古い印鑑は使わないようにします。過去に押した書類と見比べる必要が出たときのために、しばらくは捨てずに手元に残しておきます。会社の印鑑を変えるときの全体の流れは、法人印鑑の変更方法にまとめています。

5年保証の彫り直しは、書体の変更には使えません

当店の印鑑には5年保証が付いています。ご購入後5年以内の破損や不具合について、状態を確認のうえ修理や彫り直しをご案内するものです。枠が欠けた、線がつぶれて印影がかすれる、といったときにお使いください。好みが変わって書体を変えたい場合は、対象になりません。

保証の対象落として枠が欠けた、線がつぶれた、印材にひびが入った、といった場合です。状態を確かめたうえで、修理か彫り直しをご案内します
対象になりません別の書体にしたい、直径を変えたい、彫る名前を変えたい、といった場合です。新しい印鑑をお作りします
どちらか迷ったら欠けた場所やかすれ方を、お問い合わせフォームかお電話でお知らせください。フォームへのお返事は、通常2〜3営業日以内です

書体で迷わないために、注文のときにできる3つのこと

彫ったあとに書体を変えると、印鑑をもう1本作る費用と、届け出をやり直す手間がかかります。そうならないよう、注文の前と直後にできることを3つ挙げます。

注文のときにできること

  1. 1用途で書体の候補を絞ってから、見本を見る

    注文画面の星の数では、実印と銀行印は篆書体(太)と吉相体が星5つです。認印は、読みやすい古印体と隷書体が星5つです。先に用途で候補を2つか3つに絞っておけば、見本の雰囲気だけで決めずに済みます。候補の絞り方は実印の書体はどう選ぶ?と銀行印の書体はどれがおすすめ?をご覧ください。

  2. 2「印影のご確認」で「確認する」を選ぶ

    ご注文の2〜3日後に、選んだ書体でお名前を組んだデザインがメールで届きます。見本の「山本正夫」ではなく、ご自分のお名前で、彫る前に印影を確かめられます。ここで書体を変えても、追加の料金はかかりません。確認の日数だけ、発送は延びます。

  3. 33本セットなら、1本ずつ書体を分けておく

    実印は吉相体、銀行印は篆書体、認印は古印体のように分けておけば、押したあとでも取り違えに気づけます。あとから書体で見分けたくなって作り直すことも避けられます。セットでも、書体は1本ずつ選べます。

7つの書体で同じお名前を彫った印影を、印鑑の書体一覧で見比べられます。

よくある質問

注文した直後に書体を変えたくなりました。どう連絡すればよいですか

注文完了のメールにある注文番号と、新しい書体を、お問い合わせフォームかお電話でお知らせください。彫刻が始まる前であれば、そのまま変更できます。追加の料金はかかりません。

書体を変えると、価格は変わりますか

変わりません。当店では、篆書体の太・細を含め、どの書体を選んでも価格は同じです。価格が変わるのは、印材と直径を変えたときだけです。

届いた印鑑の書体を、彫り直して変えてもらえますか

書体だけを彫り直すことはしていません。印面を削って別の書体を彫ると、線の深さや枠の太さが最初の設計と合わなくなるためです。別の書体で新しくお作りします。届いた印鑑に欠けやかすれがある場合は、不良品としてすぐにご連絡ください。

実印の書体を変えたら、印鑑登録はやり直しですか

はい、やり直しです。印影が変われば別の印鑑になるので、いまの登録を抹消して、新しい1本を登録します。京都市では、本人の申請で抹消して登録し直す場合、印鑑登録証の再交付手数料が1件400円です。金額は市区町村によって異なります。

銀行印の書体を変えたら、口座ごとに手続きが要りますか

銀行ごとに手続きします。全国銀行協会の案内では、これまでの印鑑、今後使う印鑑、通帳、本人確認書類を窓口に持って行き、変更届と印鑑届を出します。取り扱いは銀行によって異なるので、先に各銀行のサイトで確かめてください。

書体を変えずに、家族の印鑑と見分ける方法はありますか

あります。ケースの色を変える、直径を1サイズ変える、下の名前だけを彫る、の3つです。このうちケースの色と直径は、押す前に見分けられます。当店の個人印鑑のケースは黒と赤が無料で、ほかに牛革の10色を追加料金で選べます。

まとめ|書体を変えたいと思ったら、この順に確かめる

まず、注文のどの段階にいるかを確かめます。彫刻の前なら、注文番号を添えてご連絡いただければ書体を変えられます。印影のデザインが届いていれば、そのメールに返信するだけです。彫刻のあとなら、書体だけを変えることはできないので、次に変えたい理由を見直します。実印や銀行印が自分で読めないだけなら、そのまま使えます。ご家族の印鑑と見分けたいなら、ケースの色や直径で分けられます。それでも変えたいときは、新しい印鑑を作ります。最後に、届け出ている印鑑なら、新しい1本が届いてから改印の手続きに行きます。

彫る前に、自分の名前の印影を見てから決める

「印影のご確認」付きで、書体を見てから彫刻する印鑑

京都の職人が、お名前の字を選んだ書体で組み、直径に合わせて配置を決めます。注文画面で「印影のご確認」の「確認する」を選ぶと、ご注文の2〜3日後にデザインをメールでお送りします。見てから書体を変えても、追加の料金はかかりません。印鑑ケース付き、送料無料、5年保証。

注文後の書体の変更について相談する

SOURCES

出典

実印の登録を本人の申請で抹消して登録し直すときの手数料(400円)は京都市の例で、市区町村によって異なります。登録の抹消と新しい登録の扱いは京都市印鑑事務取扱要領によります。銀行の届出印を変えるときの持ち物は全国銀行協会の案内で、銀行によって取り扱いが異なると注記されています。会社の実印を変える改印届の書き方は法務局の案内と記載例、印鑑の大きさと照合の要件は商業登記規則第9条によります。注文のどの段階で書体を変えられるか、保証の範囲、「印影のご確認」の流れは当店の注文の仕組みです。価格は記事作成時点のものです。

  1. 京都市. 印鑑登録. 京都市情報館. https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000147302.html,(参照 2026-10-06).
  2. 京都市. 京都市印鑑事務取扱要領. 京都市情報館. https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000082177.html,(参照 2026-10-06).
  3. 一般社団法人 全国銀行協会. 困った!銀行印の紛失と変更. 教えて!くらしと銀行. https://www.zenginkyo.or.jp/article/tag-f/7489/,(参照 2026-10-06).
  4. 法務局. 商業・法人登記の申請書様式 印鑑(改印)届書. 法務局. https://houmukyoku.moj.go.jp/homu/COMMERCE_11-1.html,(参照 2026-10-06).
  5. 法務省. 商業登記規則(昭和39年法務省令第23号)第9条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/339M50000010023,(参照 2026-10-06).