CHAPTER 15 人生の節目・記念
海外移住前に実印は必要?転出届の前に済ませる手続きと印鑑の備え
海外への移住や長い赴任を控えた方へ。転出届を出すと印鑑登録が消える仕組み、出国の前に実印を使う家・車・相続の手続き、出国後に印鑑登録証明書の代わりになる署名証明、日本に置いていく印鑑と持っていく印鑑の分け方、出国までの段取り、帰国後の登録のやり直しを説明します。
公開日: 2026年10月5日
海外への移住や長い赴任が決まると、家や車をどうするか、口座をどうするかを、出発までに1つずつ決めていくことになります。その途中で、実印のことが気になる方がいらっしゃいます。持っていないけれど作るべきか、持っている実印は向こうへ持っていくのか。出発までの段取りに沿って説明します。
実印を使う手続きは、転出届を出す前に済ませます。海外への転出届を出すと印鑑登録が消え、印鑑登録証明書を取れなくなるからです。出国後は、日本の領事が作る署名証明などで代えられますが、用意する書類が増えます。印鑑そのものは帰国後にまた登録できるので、処分せずに取っておきます。
海外へ転出すると、印鑑登録は消えます
印鑑登録は、住民票のある市区町村で受けるものです。海外へ移るときに転出届を出すと、住民票がなくなり、登録も一緒に消えます。京都市の要領では、区の外へ転出すると登録が抹消され、本人への通知はありません。抹消された登録の証明書は、発行されません。
転出届の前印鑑登録証明書を取れます
- 実印を使う手続きを書き出す家や車の売却、相続の書類など
- 印鑑登録証明書を取る必要な枚数と、いつまでに取ったものが使えるかを、提出先に確かめます
- 契約や登記を済ませる書類に実印を押し、証明書を添えて出します
転出届のあと印鑑登録が消えます
- 出国する印鑑登録証明書は、もう取れません
- 海外で実印が要るとき領事の署名証明などで代えます
- 帰国して転入届を出す同じ印鑑で、登録をやり直せます
住民基本台帳法では、転出届は転出する前に出すことになっています。届けを出したあと、いつまで証明書を取れるかは、市区町村の窓口で確かめてください。
出国の前に実印を使う、3つの手続き
実印は、印鑑登録証明書と組にして使う印鑑です。出国の前に予定がないか、次の3つを確かめます。
売る、名義を変える
不動産の登記を申請する書類には実印を押し、印鑑登録証明書を添えます。不動産登記令により、証明書は作成から3か月以内のものに限られます。
確かめる相手司法書士、不動産会社
売る、譲る
普通車の名義を変えるときは、譲る側が譲渡証明書に実印を押します。印鑑登録証明書は、発行から3か月以内のものを添えます。
確かめる相手販売店、買取店
遺産分割の書類に押す
預金の相続では、遺産分割協議書に相続人の全員が署名と押印をし、全員の印鑑証明書を出すのが一般的です。話し合いがまとまっているなら、出国の前に済ませます。
確かめる相手金融機関、司法書士
実印をまだ持っていない方で、出国までにこうした手続きがあるなら、先に実印を作って登録します。京都市では、顔写真の付いた本人確認書類を持って本人が申請すると、その日のうちに登録できます。実印を使う場面は、実印はいつ必要?にまとめています。
出国したあとに実印が要るときは、署名証明で代えます
海外に住んでいるあいだに、日本の家を売ったり、相続の書類を出したりすることもあります。印鑑登録証明書は取れないので、別の書類で本人が押したことを証明します。
日本の領事が作成した署名証明
法務省によると、海外に住んでいて印鑑証明書を取れない方は、日本の領事が作成した署名証明を代わりに添えられます。在外公館が遠いときは、外国の公証人が作成した署名証明も認められています。
確かめる相手登記を頼む司法書士
サイン証明と、住所のつながりが分かる書類
国土交通省の案内では、海外へ転出した方は、在外公館などが証明したサイン証明や拇印証明書を使えます。あわせて、住民票の除票や戸籍の附票で、転出までの住所のつながりを示します。
確かめる相手運輸支局、販売店
印鑑登録証明書1枚で済んでいた手続きに、書類が増えます。出国の前に済ませられる契約は、先に済ませておくと手間が減ります。
日本にいるご家族に実印を預けても、印鑑登録証明書は取れません。実印と証明書をそろえて出す手続きには、預けた実印を使えないことになります。
日本に置いていく印鑑、持っていく印鑑
実印と、象牙の印鑑です
- 実印登録が消えているあいだは、出番がありません。ご実家などに預け、帰国したら登録し直します
- 象牙の印鑑象牙の製品は、原則として国外へ持ち出せません。日本で正規に買った品でも同じです
- 預け方ケースに入れ、通帳や権利書とは別の場所にしまってもらいます
銀行印と認印です
- 銀行印日本の口座を残すなら、届出印もそのまま残ります。住所の変更などの手続きで使うことがあります
- 認印一時帰国したときの届けや、日本へ送る書類に押します
- 運び方ケースに入れて、機内に持ち込む手荷物に入れます
海外に住む方の口座をどう扱うかは、金融機関によって違います。口座を残せるか、住所の届けをどうするかを、出国の前に窓口で確かめてください。全国銀行協会の案内では、住所変更の届けに届出印と本人確認書類を使います。
象牙でない実印を手元に置いておきたい方は、持っていってもかまいません。これから作る印鑑を海外へ持っていくなら、黒水牛、薩摩本柘、チタンなどから選びます。素材ごとの注意は海外へ印鑑をプレゼントする前に、象牙の決まりは象牙の印鑑とワシントン条約で説明しています。
出国までの段取り
- 13か月前実印を使う手続きを書き出す。実印がなければ注文するここで注文
- 22か月前印鑑登録をして、契約や登記を進める
- 31か月前銀行で、口座と届出印の扱いを確かめる
- 4出国の前転出届を出す。実印は預け先へ渡す
- 5出国の日銀行印と認印を、手荷物に入れる出発
家の売却のように相手のある契約は、日取りが思うように決まらないことがあります。月数は目安なので、手続きの数が多い方は早めに始めてください。当店の印鑑は、ご注文から3〜7営業日で発送します。
2024年5月27日から、日本国籍の方は、国外へ転出したあともマイナンバーカードを使い続けられるようになりました。転出届を出すときに、カードと継続利用の申請書を窓口へ出します。手続きをしないまま転出の予定日を迎えると、カードは失効します。
帰国したら、同じ印鑑で登録し直せます
-
住所を決めてから14日以内
転入届を出す署名で届け出られます
京都市では、パスポートのほかに、本籍が市外にある方は戸籍謄本と戸籍の附票が要ります。
-
転入届のあと
印鑑登録をやり直す実印を持っていく
預けてあった実印を、そのまま登録できます。京都市では、転出で登録が消えたあとの登録に手数料はかかりません。
-
登録が済んだら
印鑑登録証明書を取る実印が使える
家や車の契約に、また実印を使えるようになります。
帰国後の登録は新しい申請になり、印鑑登録証(カード)も新しく交付されます。
よくある質問
実印を持っていません。出国の前に作っておくべきですか
出国までに家や車の契約、相続の書類があるなら、先に作って登録します。予定がなければ、登録は帰国してからで間に合います。当店のお届け先は日本国内に限られるので、帰国後すぐに使いたい方は、出国の前に作っておくと安心です。
一時帰国のあいだに、印鑑登録はできますか
印鑑登録ができるのは、住民票のある方です。一時帰国のあいだに転入届を出せるかどうかは、滞在の予定を伝えて、市区町村の窓口に確かめてください。
転出届の前に取った印鑑登録証明書は、出国後も使えますか
提出先によって扱いが違います。登記のように、作成から3か月以内と期間を決めている手続きもあります。登録が消えたあとの証明書を受け付けるかどうかも含めて、提出先に確かめてください。
1〜2年の赴任でも、印鑑登録は消えますか
転出届を出すと、期間の長さにかかわらず登録は消えます。転出届を出すかどうか迷う長さの滞在なら、市区町村の窓口に相談してください。
海外から、日本の家族に印鑑証明書を取ってもらえますか
転出届を出したあとは登録そのものがないので、ご家族が窓口へ行っても証明書は出ません。実印が要る手続きは、署名証明などで進めます。
まとめ|書き出す、済ませる、預ける、登録し直す
はじめに、出国までに実印を使う手続きを書き出します。実印がなければ作って登録し、契約や登記を転出届の前に済ませます。銀行には、口座と届出印の扱いを確かめておきます。転出届を出したら、実印はご実家などに預け、銀行印と認印を持って出発します。帰国したら転入届を出し、同じ実印で登録をやり直します。
出発に間に合うように、京都の職人がお作りします
お名前の字に合わせて印面を設計し、1本ずつ彫刻します。ご注文から3〜7営業日で発送、送料無料、5年保証付きです。お届け先は日本国内に限ります。