CHAPTER 15 人生の節目・記念
住宅ローンの実印はいつまでに作る?契約日から逆算する準備の手順
住宅ローンでは、銀行との本契約と、家を担保に入れる登記で実印と印鑑証明書を使います。事前審査から引き渡しまでのどこで実印が要るのか、何週間前に注文すれば間に合うのか、印鑑証明書は何通取るのか、住民票を新居に移すと印鑑登録がどうなるのかを、契約日から逆算して説明します。
公開日: 2026年9月24日
住宅ローンを組むことが決まると、銀行や不動産会社から渡される持ち物の一覧に「実印」「印鑑証明書」が並びます。実印は、印鑑を作り、役所で登録し、証明書を取るという3つの段階を踏んで、ようやく契約の場に持っていけるものです。物件探し、審査、引っ越しの準備が同時に進む時期ですので、後回しにすると契約日の直前に慌てることになります。この記事では、住宅ローンの流れのどこで実印を使うのかを確かめたうえで、契約日から逆算して、いつ何を済ませておけばよいかを順番に説明します。
実印は、住宅ローンの本契約(金銭消費貸借契約)の3週間前までに注文してください。ご注文から発送まで3〜7営業日、届いてから印鑑登録と印鑑証明書の取得に平日の1日が必要です。事前審査に通って本審査を申し込むころに注文しておくと、本契約にも、そのあとの登記にも余裕を持って間に合います。夫婦で借りる場合は2人分が必要です。
住宅ローンの流れのうち、実印を使うのは後半です
住宅ローンの手続きは、事前審査から家の引き渡しまで、早くて1か月半、注文住宅なら半年以上かかります。住宅金融支援機構の【フラット35】の案内でも、申し込みから審査結果の連絡まで1〜2週間程度、そのあとに契約、資金の受け取り、抵当権の設定と進む流れが示されています。実印が登場するのは、この後半です。
- 1事前審査認印で足ります。オンラインなら押印はありません
- 2売買契約・請負契約不動産会社から実印を求められることがあります
- 3本審査を申し込む結果が出るまで1〜2週間ほどここで注文
- 4印鑑登録をする実印が届いたら、平日に窓口へ
- 5ローンの本契約お金を借りる契約と、家を担保に入れる契約実印
- 6決済・引き渡し・登記司法書士への委任状に押します実印
- 7返済が始まる返済口座の届出印を使います銀行印
本審査の結果を待つ1〜2週間は、買う側にできることが少ない時期です。この間に実印を作っておくと、審査に通った連絡が来たときに、すぐ契約の日程を決められます。夫婦のどちらに実印が必要になるのかは、名義とローンの組み方で変わります。マイホーム購入で必要な印鑑|夫婦の実印は名義とローンで決まるで図にして説明していますので、共有名義やペアローンを考えている方は先にご覧ください。
電子契約の銀行でも、登記には実印が要ります
最近は、ローンの本契約をパソコンやスマートフォンで結べる銀行が増えました。電子契約なら、契約書に実印を押す場面はありません。それでも実印が不要になるわけではなく、家を担保に入れる登記(抵当権設定登記)では、家の持ち主の印鑑証明書を法務局に出します。法務局の記載例でも、発行から3か月以内の印鑑証明書を添付し、委任状には同じ印鑑を押すことになっています。「電子契約だから印鑑は要らない」と思い込まず、司法書士から届く持ち物の案内を確かめてください。
契約日から逆算した、準備の日程
「3週間前に注文」という目安の中身を、日数に分けて見ていきます。
彫る前に印影のデザインを確認したい方は、確認のやり取りに数日かかりますので、さらに1週間早くご注文ください。数千万円の契約に押す印鑑ですから、時間に追われずに仕上がりを確かめられる日程をおすすめします。
実印が届いたら、やることは3つです
- 1 印鑑登録をする 住民票のある市区町村の窓口へ、実印と顔写真付きの本人確認書類を持っていきます。本人が行けば、その日に済む市区町村がほとんどです
- 2 印鑑証明書を取る 銀行と司法書士から言われた通数を取ります。京都市では窓口で1通350円、コンビニ交付で250円です
- 3 試し押しをしておく 契約の日は、1日に何十回も押します。朱肉の付け方と、まっすぐ押す力加減を、白い紙で練習しておくと安心です
京都市の案内では、印鑑登録ができるのは15歳以上の方で、登録できる印鑑は1人1個です。印影が8mm四方の枠に収まるものや25mm四方からはみ出すもの、ゴム印のように変形しやすいものは登録できません。同じ世帯の家族がすでに登録している印鑑も受け付けてもらえませんので、夫婦で借りる場合は、1人ずつ別の印鑑を用意します。
印鑑証明書は何通取ればよいか
印鑑証明書の通数は、銀行と司法書士から指定されます。はじめて聞くと多く感じますが、提出先ごとに1通ずつ渡すので、この数になります。下の図は、1人で借りる場合のよくある例です。
銀行とのローンの本契約お金を借りる契約と、担保の契約の書類に添えます
1〜2通抵当権を設定する登記司法書士を通じて法務局に出します。発行から3か月以内のもの
1通つなぎ融資・土地と建物を分けて借りる場合注文住宅では、契約が2回、3回に分かれることがあります
契約ごとに追加連帯保証人・連帯債務者・ペアローンの相手配偶者の分は、配偶者の実印で登録した証明書が要ります
その人の分を別に点線は、金融機関によって求められる分です。通数と「発行から何か月以内か」は借入先によって違いますので、案内の紙を見てから取りに行ってください。
印鑑証明書には期限があります。早く取りすぎると、契約の日に「発行から3か月」を過ぎてしまうことがあります。印鑑登録は早めに済ませ、証明書は通数の案内が来てから取る、という順番が確実です。
住民票を新居に移すと、印鑑登録はどうなるか
新築の家を買う場合に、もう1つ気をつけたいのが住所です。銀行や司法書士から「新しい住所に住民票を移してから契約してください」と言われることがあります。ほかの市区町村へ住民票を移すと、前の住所での印鑑登録は自動的に消えます。印鑑そのものは同じものを使えますが、登録と証明書は取り直しになります。
いまの住所のまま契約する
いまの市区町村で登録して、引っ越し後にもう一度登録する
中古住宅やマンションの購入で多い形です。
- 契約の前登録するいまの住所の窓口で印鑑登録をして、証明書を取ります
- 引っ越し後登録し直すほかの市区町村へ移った場合は、新しい住所の窓口でもう一度登録します
- 印鑑同じものを使う作り直す必要はありません
新しい住所に移してから契約する
住民票を移した日に、新しい窓口で登録する
新築の一戸建てや、新築マンションで案内されることがあります。
- 転入の日登録する転入届と同じ日に、同じ庁舎で印鑑登録まで済ませると1回で終わります
- 証明書新住所のものを取る前の住所で取った証明書は使えません
- 印鑑転入の日までに用意実印が手元にないと、窓口へ2回行くことになります
どちらの形になるかは、銀行と司法書士の方針で決まります。本審査に通った時点で「契約の時点の住所は、いまの住所と新しい住所のどちらですか」と聞いておくと、役所へ行く回数を減らせます。同じ市区町村の中での引っ越しなら、印鑑登録は引き継がれるのが一般的です。
35年の契約に使う実印は、どう選ぶか
住宅ローンの実印は、契約の日だけでなく、借り換え、繰り上げ返済の手続き、完済したときの抵当権の抹消、その先の売却や相続でも使います。返済が35年続くなら、少なくともそのあいだは同じ印鑑を使い続けることになります。
実印は、枠が欠けると印鑑証明書の印影と合わなくなり、登録をやり直すことになります。黒水牛や白水牛のような角の素材は粘りがあって欠けにくく、チタンは落としても傷みません。柘は手ごろな価格で、使ったあとに朱肉を拭き取っておけば長く使えます。
苗字だけの実印を夫婦それぞれが作ると、印影が似てしまいます。フルネームで彫っておけば、誰の実印なのかが印影から分かり、まねもされにくくなります。くわしくは実印はフルネームで作るべき?をご覧ください。
既製品の印鑑は、同じ印影のものがほかにも売られています。当店では、京都の職人がお名前に合わせて印影をデザインし、1本ずつ彫刻しますので、同じ印影の印鑑はほかにありません。「職人が作る実印を」とお探しの方にも、お選びいただいています。
直径は、男性で15mmか16.5mm、女性で13.5mmか15mmを選ぶ方が多くいらっしゃいます。素材ごとの違いは実印の素材はどう選ぶ?耐久性・押しやすさ・予算で比較で説明しています。
返済口座の銀行印も、同じ時期に必要になります
住宅ローンを借りると、その銀行に返済用の口座を作るのが一般的です。口座を開くときには届出印が要ります。いま使っている銀行印をそのまま届け出てもかまいませんが、実印と同じ印鑑を銀行印にも使っている方は、この機会に分けてください。1本で兼ねていると、紛失したときに印鑑登録と銀行の届け出の両方をやり直すことになり、返済口座の手続きにも影響します。
新居では、火災保険の申し込み、町内会、宅配の受け取りなどで認印も使います。実印、銀行印、認印を同じ素材で揃える3本セットは、1本ずつ買うよりも価格が抑えられていて、桐箱か化粧箱に収めてお届けします。黒水牛の場合、実印15mm、銀行印13.5mm、認印12mmを別々に買うと合計31,800円、3本セットなら30,200円です。
黒水牛で、ひとまわり大きい3本を揃える場合お1人分
- 実印16.5mm・銀行印15mm・認印12mm黒水牛の3本セット。桐箱か化粧箱入り
- 37,400円
- ケース黒か赤の牛革ケースが3本それぞれに付きます
- 0円
- 送料
- 0円
- 合計
- 37,400円
実印15mm・銀行印13.5mm・認印12mmの組み合わせなら30,200円、薩摩本柘なら25,200円です。5年間の保証が付きます。
よくある質問
すでに実印を持っています。作り直す必要はありますか
印鑑登録が済んでいて、枠に欠けがなく、印影がはっきり出るなら、そのままお使いいただけます。長くしまってあった印鑑は、契約の前に一度押してみてください。枠が欠けていたり、既製品を登録していたりする場合は、この機会に作り直す方が多くいらっしゃいます。目安は長く使った印鑑を買い替える目安にまとめています。
事前審査の段階で、実印は要りますか
事前審査は、認印で足りるか、オンラインで押印のない銀行がほとんどです。本審査の申込書に実印を求める銀行もありますので、本審査の案内をもらった時点で持ち物を確かめてください。
契約の日に実印を忘れたら、どうなりますか
契約は別の日にやり直しになります。引き渡しの日は売主、不動産会社、司法書士の予定を合わせて決めていますので、日程がずれると全員に影響します。実印、印鑑登録証、印鑑証明書、本人確認書類は、前の日のうちにひとまとめにしておいてください。
完済したときにも、実印は使いますか
完済すると、家に付いている抵当権を消す登記をします。この手続きは、銀行から届く書類と、家の持ち主の委任状で進めます。売却や相続、借り換えでは実印と印鑑証明書が必要になりますので、契約が終わったあとも大切に保管してください。
まとめ|本審査を申し込むころに注文し、登録まで済ませておく
住宅ローンで実印を使うのは、銀行との本契約と、家を担保に入れる登記のときです。電子契約の銀行でも、登記には印鑑証明書が必要です。実印はご注文から発送まで3〜7営業日かかり、届いたあとに印鑑登録をしますので、本契約の3週間前まで、できれば本審査を申し込むころにご注文ください。印鑑証明書は通数の案内が来てから取り、住民票を新居に移す場合は転入の日に印鑑登録まで済ませます。35年の返済のあいだ使い続ける印鑑ですから、欠けにくい素材で、ご自分だけの印影のものを用意しておくことをおすすめします。