CHAPTER 05 印材・素材

アグニの印鑑とは?赤い木目の圧縮木材の特徴と耐久性・手入れ

アグニは、木を樹脂で固めて作る赤い木目の印材です。名前の意味、圧縮木材の作り方と耐久性、手入れの方法、実印に使えるか、注文の前に確かめたいことをまとめました。当店で選べる近い印材として、彩樺・薩摩本柘・黒水牛の価格もご紹介します。

公開日: 2026年10月6日 更新日: 2026年10月7日

濃い灰色の石の台に、深い赤に黒っぽい波の木目が入った印材が3本置かれている。2本は立ち、1本は横たわる。手前に同じ赤い木の小さな角材、奥に真鍮の皿にのせた火のついたろうそく、右に灰色の布と赤い革の印鑑ケースがある
アグニ 木を樹脂で固めた、赤い木目の印材です

印鑑を探していると、赤い木目の「アグニ」という印材を見かけることがあります。木のようにも、塗りのようにも見え、名前もあまり聞き慣れません。何から作られているのか、実印にして長く使えるのか、気になる方もいるでしょう。この記事では、アグニがどんな印材なのか、注文の前に何を確かめればよいのかをお話しします。

先に結論

アグニは、木を樹脂で固めて作る「圧縮木材」の印材です。深い赤の地に、濃い色の木目が入ります。圧縮木材は、もとの木より水を吸いにくく、丈夫になります。それでも木の印材ですので、押したら拭いてケースにしまう手入れは欠かせません。当店ではアグニを扱っていませんが、同じ圧縮木材の印材として、赤茶の彩樺(さいか)をご用意しています。

アグニとは|木を樹脂で固めた、赤い印材です

アグニは、印鑑の売り場で使われている印材の名前で、木の種類を指す言葉ではありません。売り場では、樺(かば)などの木を樹脂で固めて作ると説明されています。

印材の種類
木を樹脂で固めた圧縮木材です。辞典では、強化木とも呼ばれます
色と模様
深い赤からえんじ色の地に、濃い色の木目が波のように入ります
重さ
目が詰まっているぶん、もとの木より重くなります
動物由来かどうか
原料は木と樹脂で、角や牙は使いません
当店での扱い
扱っていません。近い印材として、彩樺をご用意しています

「アグニ」は、火の神の名前でもあります

もとの意味

古代インドの、火の神

デジタル大辞泉によると、アグニは古代インド神話の火の神です。世界大百科事典は、もともと「火」を表す言葉だったと説明しています。

姿炎を髪とする神として語られてきました

印鑑の売り場で

赤い木目の印材の名前

木を樹脂で固めた、赤い印材を指します。木目が波のように入り、1本ごとに模様が違います。

色深い赤からえんじ色です

炎を思わせる赤い印材に、火の神の名前が付いています。名前の由来を記した公的な資料は、確かめられませんでした。

圧縮木材の作り方|樹脂をしみ込ませ、熱と圧力で固めます

圧縮木材は、木に手を加えて、硬く丈夫にした材料です。ブリタニカ国際大百科事典は、フェノール樹脂などをしみ込ませて固め、木の密度を高めたものと説明しています。

薄い板に樹脂をしみ込ませて重ね、同じように固める方法もあります。精選版 日本国語大辞典は、この方法で作った「強化木」を、丈夫で水に強く、長持ちする材と説明しています。世界大百科事典によると、強度はもとの木の1.5〜3倍になり、寸法も変わりにくくなります。事典の数値はこうした木材全般のもので、アグニを測った値ではありません。

アグニの色|当店の木の印材と比べる

アグニのいちばんの特徴は、赤い色です。当店で扱っている木の印材と並べると、色の違いが分かります。

アグニ 深い赤に、濃い色の木目 3つのなかで、いちばん赤みの強い色です。木目は1本ごとに違います。
彩樺 赤茶からこげ茶に、縞の木目 樺の木を樹脂で固めた印材です。アグニより落ち着いた、茶色寄りの色です。
薩摩本柘 淡い黄色 鹿児島で育った柘の木を、そのまま削り出して作ります。木目はほとんど見えません。

色の帯は色合いを表したもので、実物の写真ではありません。赤や茶の濃い印材は、朱肉の色や手あかが目立ちにくくなります。

アグニの耐久性|木より水に強い一方、欠けには注意が要ります

圧縮木材は、ふつうの木が苦手な水や乾燥に強くなっています。ただ、印鑑として使ううえでは、木の印材と同じ注意が要ります。

水を吸いにくくなります木のすき間を樹脂が埋めるためです。湿気による伸び縮みが小さくなり、ひびや反りが出にくくなります
朱肉は、拭き取ります印面は彫って作りますので、溝に朱肉がたまります。たまった朱肉は、線が太く写る原因になります
落とすと、縁が欠けることがあります印面の縁は、どの印材でも薄い部分です。硬い床やタイルの上では、とくに気をつけてください

アグニの耐久性を数値で示した公的な資料は、見当たりませんでした。参考までに、当店の商品ページでは、耐久性の目安を星の数で示しています。同じ圧縮木材の彩樺は星3つで、薩摩本柘と同じです。角の黒水牛は星4つです。アグニの丈夫さも、柘などの木の印鑑と同じくらいを目安にしてください。木と角の違いは、薩摩本柘と黒水牛の違いで比べています。

アグニの手入れ|押したら拭いて、ケースにしまいます

押したあと 印面の朱肉を拭き取ります

やわらかい布かティッシュを当てて、軽く押さえます。こすらずに、朱肉を布へ移すようにしてください。

しまうとき ケースに入れて、引き出しにしまいます

暖房の風が当たる場所や窓際、夏の車内には置かないようにします。樹脂で固めてあっても、もとは木の印材だからです。

汚れたとき 水で洗わず、乾いた布で拭きます

水を吸いにくい印材ですが、水洗いに向くわけではありません。溝の朱肉は、毛のやわらかい歯ブラシで払います。

アグニを注文する前に、確かめたいこと

全日本印章業協会が実印の材料として挙げているのは、象牙、牛角、黒水牛、柘です。アグニは、この中に入っていません。店によって説明の詳しさも違いますので、次の4つを確かめてから注文してください。

どの店で注文するときも、確かめておきたいこと

  • もとの木と、作り方 説明文に、原料の木と「圧縮」「樹脂」といった言葉があるかを見ます。書かれていなければ、店に尋ねます。
  • 赤の濃さと、木目の出方 木から作る印材ですので、色と模様は1本ごとに違います。写真が見本なのか、届く実物なのかも見ておきます。
  • 作れる直径 実印は13.5〜18mm、銀行印は12〜16.5mmが目安です。作れる直径は、店によって違います。
  • 欠けたときの保証 修理や彫り直しを受けられる期間と条件を、先に確かめます。

当店で選べる、近い印材

木でできた印鑑や、色の濃いものをお探しの方に、当店では次の3つをご用意しています。

彩樺の印材

彩樺さいか

樺の木を樹脂で固めた、アグニと同じ種類の印材です。色は赤茶からこげ茶です。実印は11,600円からです。

3本セット 23,700円〜
薩摩本柘の印材

薩摩本柘さつまほんつげ

天然の木をそのまま使った印鑑がよい方に向いています。淡い黄色で、昔から印鑑に使われてきた木です。

3本セット 21,700円〜
黒水牛の印材

黒水牛くろすいぎゅう

濃い色で、欠けにくい印鑑をお探しの方に向いています。水牛の角の印材で、当店の耐久性の目安は星4つです。

3本セット 24,300円〜

価格は、実印13.5mm・銀行印12mm・認印10.5mmの3本セットのものです。彩樺でお作りできるのは、個人用の実印・銀行印・認印です。赤い印鑑そのものをお探しの方には、当店が運営するStone Sealsの赤メノウという選択肢もあります。くわしくは、還暦祝いに赤い印鑑を贈るならでご紹介しています。

よくある質問

アグニは、天然の木ですか

原料は木ですが、樹脂をしみ込ませて固めてあります。柘のように木をそのまま削り出した印材とは違い、木と樹脂を合わせて作ります。天然の木だけで作った印鑑がよい方には、薩摩本柘が向いています。

アグニの印鑑は、実印として登録できますか

京都市の場合、素材の面で登録できないのは、ゴム印のように形が変わりやすい印鑑です。木を樹脂で固めた印鑑は、これに当たりません。大きさなどの条件もあり、市区町村ごとに違いますので、お住まいの役所でも確かめてください。

アグニと彩樺は、どう違いますか

どちらも、木を樹脂で固めた印材として売られています。大きく違うのは色です。アグニは深い赤、彩樺は赤茶からこげ茶です。当店で扱っているのは、彩樺です。

赤い印材は、朱肉の汚れが目立ちませんか

目立ちにくい色です。淡い黄色の柘や白い角は、印面のまわりが朱色に染まると目に付きます。赤や茶の印材なら、同じように染まってもあまり気になりません。ただ、溝にたまった朱肉は、色に関係なく拭き取ってください。

動物の角を使わない印鑑を探しています

アグニは、木と樹脂から作る印材です。当店の彩樺、薩摩本柘、チタンも、動物由来の素材を使っていません。贈り物にする場合は、動物由来の素材を避けて印鑑を贈るも参考になさってください。

まとめ|アグニの印鑑を決める順番

はじめに、商品ページの写真で、赤の濃さと木目の出方を見ます。次に、説明文を読んで、もとの木と作り方が書かれているかを確かめます。続いて、彫る名前の文字数に合わせて直径を選びます。最後に、欠けたときの保証の内容を確認してください。赤にこだわらず、圧縮木材の印鑑をお探しなら、当店の彩樺もご覧ください。実印・銀行印・認印の3本セットは、23,700円からです。

彩樺の実印・銀行印・認印の3本セットと印鑑ケース
樹脂で固めた樺の木を、京都の職人が彫刻します

赤茶の木目の印鑑を、彩樺で作る

実印、銀行印、認印を1度にそろえられる3本セットが、いちばん割安です。印鑑ケース付き、送料無料、5年保証。ご注文から3〜7営業日で発送します。

彩樺 3本セット(実印・銀行印・認印)23,700円〜 →

SOURCES

出典

アグニという言葉の意味は、コトバンクに収録されたデジタル大辞泉、改訂新版 世界大百科事典、日本大百科全書によります。樹脂で固めた木材(圧縮木材・強化木)の作り方と性質は、ブリタニカ国際大百科事典、精選版 日本国語大辞典、世界大百科事典の記述です。事典の数値はこの種類の木材全般のもので、アグニを測った値ではありません。印材のアグニの原料と製法を確かめられる公的な資料は見つからなかったため、本文では売り場での一般的な説明として書いています。印鑑登録の条件は京都市の案内、実印の材料は全日本印章業協会の解説によります。耐久性の星は当店の商品ページに載せている目安です。価格は記事作成時点のものです。

  1. デジタル大辞泉・平凡社 改訂新版 世界大百科事典・小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)ほか. アグニ. コトバンク. https://kotobank.jp/word/アグニ,(参照 2026-10-06).
  2. ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典. 圧縮木材. コトバンク. https://kotobank.jp/word/圧縮木材,(参照 2026-10-06).
  3. デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典. 強化木. コトバンク. https://kotobank.jp/word/強化木,(参照 2026-10-06).
  4. 公益社団法人 全日本印章業協会. 大切な実印を作る前にお読みください. https://www.inshou.or.jp/inshou/info/index.html,(参照 2026-10-06).
  5. 京都市. 印鑑登録. 京都市情報館. https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000147302.html,(参照 2026-10-06).