CHAPTER 04 印鑑登録・各種手続き

印鑑登録証とは?印鑑証明書との違い・使う場面・保管方法

印鑑登録証(カード)と印鑑登録証明書は、名前が似ていても別のものです。2つの違い、カードに書いてあること、使う場面、保管方法、ご家族に預けるときの注意、マイナンバーカードとの関係、使えなくなるときを説明します。

公開日: 2026年10月11日

仕切りのある机の引き出しを真上から写した写真。左の仕切りに、茶色の革のカード入れに差した薄緑の無地のカードがある。右端の仕切りには、灰色の布の上に紺色の革の印鑑ケースと白水牛の丸い印材が置いてあり、あいだの仕切りに革の札の付いた鍵、白い封筒の束、黒い万年筆が入っている
印鑑登録証とは 証明書を申請するときに窓口へ出すカード。実印とは別の場所にしまいます

印鑑登録を済ませると、役所の窓口で「印鑑登録証」というカードを1枚渡されます。いつ使うのか、財布に入れておいてよいのか、ご家族に預けてよいのか。その場で説明を聞きそびれた方もいらっしゃるでしょう。契約の場に、証明書のつもりでこのカードを持って行ってしまう方もいます。印鑑登録証の役目と扱い方を、順に説明します。

先に結論

印鑑登録証は、印鑑登録を済ませた人に市区町村が渡すカードです。役所の窓口で印鑑登録証明書を申請するときに出します。カードそのものは証明書ではなく、契約の相手に渡すものでもありません。登録証があれば、実印がなくても証明書を申請できます。実印と一緒に持ち出されないよう、2つは別々の場所にしまいます。

印鑑登録証には、何が書いてあるか

印鑑登録証は、プラスチックのカードか、紙の手帳の形をしています。書いてあることは多くありません。いくつかの市の案内をもとに、確かめておきたい4か所を図にしました。

  1. 発行した市区町村の名前このカードが使えるのは、ここに書かれた役所の窓口だけです。ほかの市区町村へ引越すと使えなくなります
  2. 登録番号役所の台帳から、ご本人の登録を呼び出すための番号です。証明書を申請すると、職員がこの番号で台帳を調べます
  3. 署名欄川崎市のカードには氏名が印刷されておらず、ここに自分で名前を書きます。書いていないと、だれのカードか分からなくなります
  4. 磁気テープやバーコード札幌市の登録証は磁気カードです。割れたり読み取れなくなったりしたら、窓口で取り替えてもらいます
図は説明のために描いたもので、実際の様式は市区町村ごとに違います。

登録した印影と、氏名、生年月日、住所は、役所の「印鑑登録原票」という台帳に記録されています。カードは、その台帳の番号札にあたります。川崎市では、番号だけを伝えても、だれのカードかは教えてもらえません。第三者に悪用されるのを防ぐためです。

印鑑登録証と印鑑登録証明書は、別のものです

名前がよく似ているので、取り違えやすい2つです。印鑑登録証はカード、印鑑登録証明書は紙の書類です。カードは役所に出し、証明書は契約の相手に出します。

印鑑登録証印鑑登録証明書

カード1枚。手帳の形の市もあります

形

紙の書類です

印鑑登録が済んだときに、1度だけ受け取ります

もらう時期

必要になるたびに、役所やコンビニで取ります

登録番号など

載っていること

登録した印影、氏名、生年月日、住所

役所の窓口

出す相手

契約の相手、法務局、金融機関など

初めての登録では、かからない市があります

手数料

1通ごとにかかります。札幌市の窓口は400円です

役所に届けを出し、登録からやり直します

なくしたら

提出先に事情を伝え、取り直します

契約の場で「印鑑証明をお持ちください」と言われたら、求められているのは証明書のほうです。登録証を持って行っても、契約の書類には使えません。前もって役所かコンビニで証明書を取っておきます。

印鑑登録証を使う場面、使わない場面

登録証を出すのは、役所の窓口だけです。場面ごとに分けると、次のようになります。

場面使うかどうか

役所の窓口で証明書を申請する区役所、支所、証明書コーナーなど。実印は持って行かなくてかまいません

使います

ご家族に、代わりに取ってきてもらう入院中や、仕事で平日に動けないとき。登録証を預けて頼みます

使います

登録を廃止する、実印を別の印鑑に替える実印が欠けたとき、作り直したとき。登録証と実印を持って行くのが基本です

使います

コンビニで証明書を取る店内のマルチコピー機で、マイナンバーカードと暗証番号を使います

使いません

契約の相手に会う不動産会社、銀行、自動車の販売店など。持って行くのは実印と証明書です

使いません

コンビニでの交付は、マイナンバーカードか、スマホ用電子証明書を入れたスマートフォンを使う仕組みです。利用できるのは毎日6時30分から23時までで、市区町村によってはこれより短くなります。一方、札幌市は、窓口にマイナンバーカードを出しても証明書は申請できないと案内しています。窓口は登録証、コンビニはマイナンバーカードと覚えておくと、取り違えません。

登録証があれば、実印がなくても証明書を申請できます

窓口で証明書を申請するとき、実印を見せる必要はありません。職員が確かめるのは、出された登録証と、申請書に書かれた内容です。

  1. 窓口で
    印鑑登録証を出す

    職員が、カードの登録番号から台帳の登録を呼び出します。

    実印は要りません
  2. 申請書に
    登録している方の住所、氏名、生年月日を書く

    川崎市では、書いた内容が登録と合わないと、証明書は出ません。

    正しく書けることが条件
  3. 台帳と合えば
    証明書を受け取る

    手数料を払います。証明書には、登録した印影が載っています。

    証明書が出ます

ご家族など代わりの方が行くときも、流れは同じです。札幌市では、代理人が申請する場合も本人の登録証が必要で、実印と委任状は要りません。名古屋市と京都市も、委任状を求めていません。

つまり、登録証を持っていて、住所、氏名、生年月日を書ける人なら、証明書を受け取れます。登録証を実印と同じ引き出しに入れておくと、2つをまとめて持ち出されるおそれがあります。そうなると、実印を押した書類に証明書まで添えられてしまいます。

マイナンバーカードがあっても、登録証がなくならない理由

証明書は、コンビニでも取れるようになりました。それでも、登録証はいまも発行されています。総務省が自治体のシステムの標準を決めたとき、登録証をやめてマイナンバーカードにまとめる案も検討されました。見送られた理由は、次のとおりです。

印鑑登録証及び印鑑登録者識別カードを廃止し個人番号カードへ統一することも検討されたが、個人番号カードの場合は、代理人による使用ができない点等を鑑み、印鑑登録証及び印鑑登録者識別カードを使用する方法は残すこととした。

総務省「印鑑登録システム標準仕様書【第3.3版】」

マイナンバーカードは、暗証番号を知っている本人しか使えません。登録証なら、ご家族に預けて窓口へ行ってもらえます。ご本人が入院している、遠くに住んでいる、平日に休めないといったときに、証明書を取る手段として残されているわけです。

マイナンバーカードそのものを登録証として使う市区町村もあります。ただ、総務省が全国の自治体に尋ねた結果では、少数にとどまりました。

印鑑登録証の形と呼び名は、市区町村で違います

「印鑑登録証」は総務省の要領にある呼び名ですが、窓口での呼び方やカードの形は市区町村が決めています。お手元の登録証がどれにあたるかは、表面の記載と役所の案内で確かめられます。

磁気カード札幌市印鑑登録が済んだしるしとして渡すカードだと案内しています
市民カード川崎市「印鑑登録証(市民カード)」という呼び名で、署名欄が付いています
紙の手帳からカードへ名古屋市令和7年9月16日に、紙の印鑑登録手帳からプラスチックのカードに替わりました。手帳も引き続き使えます
印鑑登録証(カード)京都市汚れや破損で作り直すときは、再交付の手数料として400円がかかります

印鑑登録証の保管方法

登録証は、証明書が要るときにしか使いません。ふだんは家に置いておくカードです。保管のしかたを、3つに分けて説明します。

しまうときに気をつけること

  1. 1実印と別の場所にしまう

    実印は金庫や鍵のかかる引き出しに、登録証は別の部屋の書類入れに、というように場所を分けます。2つを同時に持ち出されなければ、実印を押した書類に証明書を添えられる心配が減ります。

  2. 2財布に入れて持ち歩かない

    使うのは役所の窓口だけです。持ち歩いていて財布ごとなくすと、役所への届けと登録のやり直しが必要になります。窓口へ行く日だけ持って出ます。

  3. 3ご家族のカードと混ざらないようにする

    氏名が印刷されていないカードは、何枚か重ねると見分けがつきません。1人ずつ封筒に分け、表に名前を書いておきます。

ご家族に預けて証明書を取ってきてもらったときは、その日のうちに返してもらい、元の場所に戻します。

印鑑登録証が使えなくなるとき

登録証は、印鑑登録が続いているあいだだけ使えます。登録が消えると、カードが手元に残っていても証明書は取れません。

いまの登録証を使い続けられるか

同じ市区町村のなかで引越した登録は続くので、登録証もそのまま使えます。

そのまま使える

ほかの市区町村へ引越した転出すると登録が消え、それまでの登録証は使えなくなります。新しい住所の役所で登録し直し、新しい登録証を受け取ります。

使えなくなる

姓が変わり、実印の文字が氏名と合わなくなった登録が消えるので、登録証も使えなくなります。新しい印鑑を登録すると、新しい登録証が渡されます。

使えなくなる

カードが割れた、番号や磁気が読み取れない横浜市や名古屋市には、傷んだ登録証を取り替える申請があります。そのカードと実印、本人確認書類を持って窓口へ行きます。

取り替える

なくした役所に届けを出すと、登録が消されます。カードだけの再発行はなく、登録をやり直して、新しい番号の登録証を受け取ります。

使えなくなる

なくしたときに登録からやり直すのは、拾った人に悪用されないよう、登録番号を変える必要があるからです。届けの出し方と持って行くものは、印鑑登録証をなくしたら?で順番に説明しています。引越しのときの手続きは引越しを機に印鑑を整理するを、結婚で姓が変わるときは結婚で印鑑を変える順番をご覧ください。

登録のやり直しは、実印を見直す機会でもあります。印鑑の縁が欠けている方、既製品を登録していた方、姓が変わる予定のある方は、先に実印を新しくしておいてください。手続きが1度で済みます。

よくある質問

印鑑登録証を見せれば、実印を押さなくても契約できますか

できません。契約で求められるのは、書類に押した実印の印影と、その印影が載った印鑑登録証明書です。登録証は、証明書を申請するために役所へ出すカードで、契約の相手に見せても実印の代わりにはなりません。

登録番号を人に知られてしまいました。証明書を取られませんか

番号だけでは取れません。窓口では、カードそのものを出し、申請書に住所、氏名、生年月日を書く必要があります。心配なのは、カードが人の手に渡ったときです。見当たらないと気づいたら、すぐに役所へ届けてください。

引越す前の市の登録証が出てきました。どうすればよいですか

ほかの市区町村へ転出した時点で登録は消えていますので、そのカードで証明書は取れません。返すのか、ご自分で処分してよいのかは、発行した役所の案内に従ってください。証明書が要るなら、いまお住まいの市区町村で登録します。

紙の手帳の形の登録証を持っています。カードに替えないといけませんか

名古屋市は、カードに切り替えたあとも、紙の印鑑登録手帳を引き続き使えると案内しています。扱いは市区町村ごとに違いますので、手帳を発行した役所にお確かめください。

亡くなった父の印鑑登録証が出てきました。相続の手続きに使えますか

使えません。亡くなった方の印鑑登録は、住民票が消されるのに合わせて消えています。そのカードで証明書を取ることはできません。返すのか、処分してよいのかは、発行した市区町村にお尋ねください。相続の手続きで要るのは、相続する方それぞれの実印と印鑑登録証明書です。

まとめ|受け取った日から、次に使う日まで

印鑑登録証を受け取ったら、まずカードの表面で、発行した市区町村と登録番号を確かめます。次に、実印とは別の保管場所を決めます。証明書が要るときは、登録証を持って窓口へ行くか、マイナンバーカードを持ってコンビニへ行きます。ご家族に頼むなら登録証を預け、その日のうちに返してもらいます。引越したとき、姓が変わったとき、なくしたときは、登録がどうなったかを役所で確かめてください。

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SOURCES

出典

印鑑登録証の形、登録番号、マイナンバーカードとの関係、なくしたときに登録を抹消する理由は総務省の印鑑登録システム標準仕様書を、カードの署名欄と登録番号の扱いは川崎市の案内を、窓口での申請に要るものは札幌市・名古屋市・京都市の案内を、カードの取り替えは横浜市と名古屋市の案内を、コンビニでの交付は地方公共団体情報システム機構の案内を参照しました。カードの呼び名、様式、手数料は市区町村で違います。お手元のカードを発行した市区町村の案内でご確認ください。

  1. 総務省 自治体システム等標準化検討会. 印鑑登録システム標準仕様書【第3.3版(令和8年3月25日版)】. https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/jichitaishisutemu_hyojunka/02gyosei02_04000148.html,(参照 2026-10-11).
  2. 川崎市. 印鑑登録証(市民カード)の署名欄に名前を書いておらず、誰の市民カードかわからなくなってしまった。. よくある質問(FAQ). https://www.city.kawasaki.jp/templates/faq/250/0000046478.html,(参照 2026-10-11).
  3. 札幌市. 印鑑登録証明書. https://www.city.sapporo.jp/shimin/koseki/shomei/inkan.html,(参照 2026-10-11).
  4. 札幌市. 印鑑登録. https://www.city.sapporo.jp/shimin/koseki/inkan.html,(参照 2026-10-11).
  5. 名古屋市. 印鑑登録申請・印鑑登録証明書・その他の印鑑に関する申請. https://www.city.nagoya.jp/kurashi/todokede/1007848/1007849.html,(参照 2026-10-11).
  6. 京都市. 印鑑登録. https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000147302.html,(参照 2026-10-11).
  7. 横浜市. 印鑑登録について. https://www.city.yokohama.lg.jp/kurashi/koseki-zei-hoken/todokede/koseki-juminhyo/todokede-touroku/inkan/inkan.html,(参照 2026-10-11).
  8. 地方公共団体情報システム機構. コンビニエンスストア等における証明書等の自動交付【コンビニ交付】. https://www.lg-waps.go.jp/01-00.html,(参照 2026-10-11).