CHAPTER 16 印鑑の贈り物・マナー
喜寿祝いに印鑑を贈る|負担なく使える太さ・素材・種類の選び方
喜寿祝いに印鑑を贈りたい方へ。喜寿の由来と生まれ年の早見、77歳の方が印鑑で感じやすい4つの負担、持ちやすい太さ、重さと手入れで選ぶ素材、届け出の手間で比べる認印・銀行印・実印、ご家族が印鑑登録を手伝うときの流れを説明します。
公開日: 2026年10月5日
お父様やお母様、お祖父様やお祖母様が、77歳の喜寿を迎える。名前の入った品を贈りたくて、印鑑を思いついた。けれど最近は「細かい字が見づらい」「手に力が入らない」と話している。新しい印鑑を贈って、かえって手間を増やしてしまわないか。そう心配する方に向けて、77歳の方が負担なく使える印鑑の選び方を説明します。
喜寿に贈る印鑑は、握る負担と、届け出の負担が少ないものを選びます。太さは、指3本で支えられる13.5mmか15mmです。素材は、軽い薩摩本柘か、重みで押せるチタンが向いています。種類は、届け出の要らない認印か、銀行だけで手続きが済む銀行印と認印の2本セットが贈りやすくなります。実印を替えるときは、印鑑登録のし直しをご家族が手伝う段取りまで考えておきます。
喜寿は77歳のお祝いで、「喜」の字から名前が付きました
喜寿は、77歳の長寿を祝う年祝いです。「喜」という字を草書体でくずして書くと「㐂」となり、七十七と読めることから名前が付きました。室町時代の終わりごろから祝われるようになったといわれています。80歳より上の年祝いにも、字の形から付いた名前があります。
喜→㐂
喜寿 77歳「喜」の草書体が、七十七と読めます傘→仐
傘寿 80歳「傘」の略字が、八十と読めます米→八十八
米寿 88歳「米」の字を分けると、八十八になります卒→卆
卒寿 90歳「卒」の略字が、九と十でできています厚生労働省の令和7年の簡易生命表では、77歳の方の平均余命は、女性が14.27年、男性が10.94年です。喜寿に贈る印鑑は、この先10年あまりを一緒に過ごす品になります。だからこそ、今の手と目に合わせて選んでおきたいところです。
77歳の方が、印鑑で感じやすい4つの負担
若いころには気にならなかったことが、年齢とともに手間に感じられるようになります。印鑑を贈る側で、あらかじめ軽くしておける負担が4つあります。
細い印鑑は、握って押すのに力が要ります
直径10.5mmの印鑑は、指先でつまんで押す形になります。指の力が弱くなると、押す途中で傾いて、印影がかすれます。
選び方指3本で支えられる、13.5mmか15mmを選びます。
印面の上下や、どの印鑑かを見分けにくくなります
印面の細かい字をのぞき込んで、上下を確かめるのは目が疲れます。同じ色のケースが並んでいると、実印と銀行印を取り違えることがあります。
選び方ケースの色を1本ずつ変えます。上下の目印は、ご注文のときに備考欄でご相談ください。
印鑑を替えると、届け出に出向くことになります
実印を替えると市区町村の窓口へ、銀行印を替えると銀行の窓口へ行きます。足が弱くなった方には、外出そのものが負担です。
選び方届け出の要らない認印から考えます。実印を替えるなら、ご家族が付き添える日を決めておきます。
手入れの決まりごとは、続けにくくなります
木の印材は、押したあとに朱肉を拭き取ると長持ちします。水牛の角の印材は、乾燥を避けてケースにしまいます。
選び方手入れを気にせず使ってほしいなら、拭くだけで済むチタンを選びます。
太さは、指3本で支えられる13.5mmか15mmにします
当店の個人の印鑑は、長さが60mmです。直径が変わると、握ったときの太さが変わります。横から見た太さを、同じ比率で並べました。
横から見た印鑑の太さ長さは60mmで描いています。図は実際の比率です
- 10.5mm細身の認印指先でつまんで押す太さです
- 12mm認印・銀行印手の小さな方なら、握れます
- 13.5mm認印・銀行印に指3本で支えられます
- 15mm銀行印・実印にフルネームも収まります
- 16.5mm手の大きな方の実印に画数の多い名前にも合います
認印は細いもの、という決まりはありません。今お使いの認印が細くて押しにくそうなら、13.5mmにすると握りやすくなります。銀行印と認印の2本セットには、15mm・12mmの組み合わせと、16.5mm・13.5mmの組み合わせがあります。
押すときは、印鑑に付いている押印マットを紙の下に敷きます。朱肉を薄く付けて、「の」の字を書くようにゆっくり圧を移すと、強い力をかけなくても写ります。押しやすさを決める条件は、押しやすい印鑑の選び方にまとめました。
素材は、重さと手入れの手間で選びます
握る力が弱くなった方には、軽い印材か、逆に重みで押せる印材が向いています。その中間が、ほどよい重みのある黒水牛です。3つの素材を、苦手なものと一緒に比べました。
薩摩本柘
苦手なもの朱肉の油、水
木の印材で、3つの中ではいちばん軽く、手に取ったときに冷たさがありません。押したあとに、朱肉を布や紙で拭き取ります。認印13.5mmは8,300円です。
黒水牛
苦手なもの乾燥
ほどよい重みがあり、朱肉がよくなじみます。欠けにくい印材です。使い終わったら、ケースにしまっておきます。認印13.5mmは9,500円です。
チタン
苦手なものとくになし
金属の印材で、重みで自然に圧がかかります。乾燥や湿気で傷まず、手入れは拭くだけです。冷たさと重さは、好みが分かれます。認印13.5mmは23,700円です。
ご本人が重いものを持つのを嫌がるなら薩摩本柘を、押すたびにかすれて困っているならチタンを選びます。どちらとも決めにくいときは、黒水牛が間を取った選択になります。
種類は、届け出の手間で比べます
印鑑は、種類によって、替えたあとの手続きが違います。77歳の方に贈るなら、この手間の差を先に知っておくと、選びやすくなります。
受け取ったその日から使えます
届け出は要りません荷物の受け取りや、身の回りの書類に押す印鑑です。どこにも届け出ていないので、替えても手続きはありません。
行く場所ありません
銀行の窓口で、届出印を変えます
口座のある銀行ごとに1回今までの印鑑、新しい印鑑、通帳、本人確認書類を持って行きます。口座が2つの銀行にあれば、2か所を回ります。
行く場所口座のある銀行
市区町村の窓口で、登録をし直します
窓口へ1回か2回京都市の場合、ご本人が顔写真付きの本人確認書類を持って行けば、その日に登録できます。代理の方が行くと、2回に分かれます。
行く場所お住まいの区役所など
77歳でも、実印の出番はあります。ご家族が亡くなって預金を相続するときに、相続人の実印と印鑑証明書を求められることがあります。今の実印が欠けていたり、どこにあるか分からなくなっていたりするなら、喜寿を機に作り直しておく意味があります。
ご家族が印鑑登録を手伝うときの流れ
ご本人が窓口へ行けないときは、ご家族が代理で申請できます。京都市の場合は、次の流れです。ほかの市区町村では違うことがあるので、前もって窓口に確かめてください。
- 01ご本人が、委任状を書きます用紙は、市のホームページから印刷できます。
- 02代理の方が、窓口で申請します登録する印鑑、委任状、代理の方の本人確認書類を持って行きます。
- 03ご本人の住所に、照会書が郵送で届きます同封の回答書に、ご本人が記入して押印します。
- 04代理の方が、回答書を窓口へ持って行きます代理の方の本人確認書類も持参します。ここで印鑑登録証が交付されます。
よくある質問
祖母は握力が弱く、今の印鑑をうまく押せません。どれを選べばよいですか
太さを13.5mm以上にして、素材をチタンにする方法があります。重みで圧がかかるので、上から押さえる力が少なくて済みます。重い品を嫌がる方には、薩摩本柘の15mmに押印マットを合わせます。
喜寿祝いの印鑑の予算は、どれくらいですか
お孫さんから贈るなら、認印1本の6,400〜9,500円が目安です。お子様から贈るなら、銀行印と認印の2本セットで13,900〜18,000円が目安です。実印15mmを含む3本セットは、25,200円からです。
施設で暮らしている祖父にも、印鑑を贈れますか
贈れます。認印なら届け出が要らず、身の回りの書類に使えます。貴重品の持ち込みに決まりのある施設もあるので、先に施設の方に確かめてください。
今の印鑑は、処分してもらったほうがよいですか
処分は急がなくて構いません。銀行印や実印は、届け出を変え終わるまで今の印鑑を使います。変え終わったあとも、思い出の品として手元に残す方がいらっしゃいます。
健康を願う気持ちを込めた印鑑にできますか
名前を鑑定して印影を設計する、開運印鑑という選択肢があります。効果をお約束する品ではありません。渡すときの言葉の選び方は長寿祝いに開運印鑑を贈るで説明しています。
まとめ|手の様子を見て、種類、太さ、素材の順に決めます
はじめに、ご本人が今の印鑑を押すところを見せてもらいます。細くて押しにくそうか、かすれていないかが分かります。次に、ご本人が窓口へ出向けるかどうかで、認印、2本セット、3本セットのどれにするかを決めます。
太さは13.5mmか15mmを基本にして、手の大きさで調整します。素材は、軽さを取るか、重みで押せることを取るかで選びます。実印を替えるなら、ご家族が付き添う日を先に決めてから注文してください。
握りやすい太さで、お名前に合わせて職人がお作りします
京都の職人が、お名前の字に合わせて印面を設計し、1本ずつ彫刻します。ケースの色は1本ずつ選べて、パープルもご用意しています。押印マットと保証書付き。ご注文から3〜7営業日で発送、全国送料無料、5年保証です。
銀行印・認印の2本セットを選ぶ銀行印15mm・認印12mmの組み合わせで、薩摩本柘 15,100円、黒水牛 18,000円。届け出は銀行だけで済みます。桐箱か化粧箱に入れてお届けします2本セットの一覧を見る →