CHAPTER 16 印鑑の贈り物・マナー
夫婦・兄弟への印鑑ギフト|複数の印鑑を見分けやすくする5つの工夫
夫婦や兄弟、親子に印鑑をまとめて贈る方へ。同じような印鑑が並ぶと、取り違えや実印登録で困ることがあります。彫る名前・ケースの色・素材・大きさ・書体の5つの見分け方を確かな順に並べ、4人家族の分け方の例と、まとめて注文するときの手順を紹介します。
公開日: 2026年9月30日
結婚する息子さん夫婦に2本、進学するお子様2人に1本ずつと、印鑑をまとめて贈ることがあります。ところが、一度に注文すると素材もケースも揃いがちです。届いてから「どれが誰の印鑑か分からない」ということが起こります。同じ姓のご家族なら、姓だけを彫ると印影の字も同じになります。この記事では、複数の印鑑を見分けやすくする工夫と、夫婦・兄弟・親子それぞれの分け方をお話しします。
いちばん確かなのは、1人ずつ本人の名前を彫ることです。そのうえで、素材の色、ケースの色、大きさのうち2つ以上を変えておくと、引き出しを開けたときにひと目で分かります。お揃いにしたいときは、同じにするところを1つだけに絞ります。
同じような印鑑が並ぶと、困ることが起きます
見た目の似た印鑑が家に何本もあると、たとえば次のような場面で困ります。どれも、届いた日には気づきにくいものです。
届け出ていない印鑑を押してしまう
銀行の窓口で、うっかり家族の銀行印を押してしまうことがあります。届け出た印影と違えば、払い戻しなどの手続きはその場で止まります。
防ぎ方ケースの色を1人1色に決めて、誰の印鑑か取り出す前に分かるようにします
家族と同じ印鑑は、実印に登録できない
京都市では、同じ世帯の誰かがすでに登録している印鑑を、別の人の実印にすることはできません。姓だけの印鑑を何人かで使い回すと、これに当たります。
防ぎ方実印は1人1本ずつ、フルネームか下の名前で作ります
印影を見ても、誰の印か分からない
家族それぞれが姓だけの認印を持つと、どれも同じ字の印影になります。そのため、書類に押したあとで、誰の印鑑で押したのか確かめられません。
防ぎ方実印と銀行印には名前を入れ、姓だけで彫るのは認印に限ります
なくしたのがどの印鑑か分からない
見た目の同じ印鑑が並んでいると、1本なくなったときに、誰のどの口座のものなのか、すぐには分かりません。
防ぎ方誰の印鑑を、どこに届け出たかを紙に控えておきます
複数の印鑑を見分けやすくする5つの工夫と、それぞれの確かさ
印鑑を見分ける方法は、大きく5つあります。どの方法にも弱いところがあるので、2つ以上を組み合わせると安心です。下では、確かな順に並べています。
1. 1人ずつ本人の名前を彫る夫婦なら下の名前だけ、兄弟ならフルネームか下の名前で彫ります。印影そのものが違うので、押したあとでも見分けられます
印影で見分けられる2. ケースの色を変えるふたを開ける前に、誰の印鑑か分かります。ただし、印鑑を別の人のケースに入れてしまうと、かえって間違いのもとになります
取り出す前に分かる3. 素材の色を変える黒水牛、白水牛、柘のように色の違う素材にすると、ケースから出したあとも見分けられます。入れ違いにもすぐ気づきます
印鑑そのもので分かる4. 大きさを変える直径に1.5mmか3mmの差をつけます。並べると分かりますが、1本だけ手に取ったときは迷うことがあります
並べれば分かる5. 書体を変える印影の雰囲気が変わるので、押せば分かります。ただ、印鑑の外見は同じなので、押す前には見分けられません
押せば分かる
本人の名前を彫るのは、見分けるためだけではありません。実印は市区町村に、銀行印は銀行に、本人の印鑑として届け出るからです。そのうえで、ケースの色と素材の色のどちらかを変えておけば、印影を見なくても取り違えを防げます。
4人家族の印鑑を分けた例
ご夫婦と、息子さん、娘さんの4人に印鑑を贈る場合の分け方の例です。彫る名前、素材、ケースの色、大きさの4つを、1人ずつ変えています。
家族4人の印鑑を分けた例図の印鑑の太さは、直径の違いを表しています
-
ご主人
黒水牛とネイビーのケース
- 彫る名前
- フルネーム
- 大きさ
- 実印18mm
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奥様
白水牛(柄)とピンクのケース
- 彫る名前
- 下の名前だけ
- 大きさ
- 実印15mm
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息子さん
薩摩本柘とダークグリーンのケース
- 彫る名前
- 下の名前だけ
- 大きさ
- 銀行印13.5mm
-
娘さん
彩樺とイエローのケース
- 彫る名前
- 下の名前だけ
- 大きさ
- 銀行印12mm
ケースは黒と赤なら追加料金なしで、牛革のほかの10色は1本あたり950〜1,300円の追加です。4人とも同じ素材にしたい場合は、ケースの色と大きさで分けます。
ここまで変えておくと、ケースを開ける前に誰の印鑑か分かり、取り出したあとも素材の色で確かめられます。ケースを本人の好きな色にしておけば、家族の間でも「ネイビーはお父さん」と覚えやすくなります。
夫婦・兄弟・親子で、分け方が変わります
誰と誰の印鑑なのかによって、変えるところが少しずつ違います。
名前で分けて、素材は揃える
名前・ケースの色・大きさご夫婦は姓が同じなので、姓だけで彫ると2人の印影が同じ字になります。奥様の実印と銀行印を下の名前で彫れば、ご主人の印鑑と重なりません。素材は同じにしてお揃いにし、ケースの色と直径で分けるとよいでしょう。
決めておくこと2人それぞれの名前の字と、好きなケースの色
名前で分けて、ケースを1人1色に
名前・ケースの色年の近いご兄弟には、素材も大きさも揃えて贈ることがあります。その場合も名前はそれぞれ彫り、ケースの色で分けます。1人1色にしておけば、あとで下のお子様に贈るときも、その子の色で選べます。
決めておくこと1人ずつのケースの色と、どの口座の銀行印にするか
素材と大きさを変える
素材の色・大きさ・名前親子の印鑑が同じ引き出しに入ることを考えて、素材の色をはっきり変えます。親の印鑑は大きめ、お子様の印鑑は小さめにすると、並べたときにすぐ分かります。
決めておくことお子様の印鑑を、いつ本人に渡すか
兄弟の銀行印を1人1本ずつ作る理由は、兄弟の銀行印は別々に作る?で説明しています。夫婦の印鑑をお揃いで作るときの選び方は、結婚祝いに贈る夫婦の印鑑セットで紹介しています。
揃えるのは1つだけ、分けるのは2つ以上
まとめて贈るなら、並べたときの統一感も出したいところです。ただ、全部を同じにすると見分けがつかず、全部を変えるとお揃いのプレゼントに見えません。揃えるところと分けるところを、次のように決めます。
揃えるなら、どれか1つ
- 素材を揃えるご夫婦への結婚祝いに向いています。2人とも黒水牛にするなど、同じ素材で作ります
- ケースの柄を揃える銀花のケースは3色あり、柄は同じで色だけ変えられます
- 箱を揃える3本セットや2本セットは、桐箱か化粧箱を選べます。全員を桐箱にするなど箱を揃えると、並べて渡すときにまとまりが出ます
分けるのは、2つ以上
- 彫る名前いちばん確かな分け方です。これだけは必ず1人ずつ本人の名前にします
- ケースの色印鑑を取り出す前に、誰の印鑑か分かります
- 大きさ実印なら18mmと15mmのように直径を変えると、並べたときに分かります
まとめて注文するときの手順
当店では、2本セットや3本セットでも、1本ずつ名前・書体・ケースの色を指定できます。何人分かをまとめて注文するときは、次の順に進めると取り違えを防げます。
- 011人ずつ、名前の字を確かめる住民票や運転免許証のとおりの字を、紙に書き出します。旧字体を使う方は、字の形まで確かめます
- 02分ける項目を表にする名前、素材、ケースの色、大きさを、1人1行で書き出します。ケースの色が重なっていないかを見ます
- 031人分ずつカートに入れる1人分の注文内容を入れたら、表と照らし合わせてから次の人に移ります
- 04彫る前に印影を確かめる注文画面の「印影のご確認」で「確認する」を選ぶと、彫る前に1本ずつのデザインがメールで届きます
届いたら、渡す前に1本ずつ押してみて、印影と名前を確かめます。本人に渡すときは、「いちばん大きいのが実印、次が銀行印」のように、どれが何の印鑑かをメモにして添えておくと迷いません。
よくある質問
兄弟で、まったく同じ素材と大きさにしても大丈夫ですか
それぞれの名前を彫り、ケースの色を変えておけば大丈夫です。ただ、素材も大きさも同じだと、ケースから出したあとは見分けにくくなります。入れ違えないよう、使ったらすぐ元のケースに戻してください。
夫婦の銀行印を、1本で共用してはいけませんか
口座は1人ずつの名義で作るので、届出印も本人の印鑑にするのが基本です。1本を共用すると、なくしたときに2人分の口座の手続きが必要になります。詳しくは夫婦で印鑑を共有してもいい?で説明しています。
印鑑の本体に、名前のシールを貼ってもいいですか
印面ではなく側面に貼るなら、押すのに困ることはありません。ただ、シールがはがれると、のりの跡に汚れがつくことがあります。見分けるための目印は、ケースの色で付けるほうがきれいに使えます。
あとから家族の分を買い足すとき、同じ色で揃えられますか
素材の名前とケースの色を控えておけば、そのとおりに注文できます。ただ、黒水牛や柘は天然の角や木なので、色味や模様までまったく同じになるとは限りません。
まとめ|複数の印鑑を贈るときに決める順番
まず、実印と銀行印に彫る名前を1人ずつ決めます。同じ姓のご家族なら、下の名前だけかフルネームにします。次に、素材、ケースの色、大きさの3つから揃えるところを1つだけ選び、残りの2つを1人ずつ変えます。最後に1人1行の表を作り、ケースの色や大きさが重なっていないかを確かめてから注文します。
1本ずつ名前とケースの色を選んで、京都の職人が彫刻します
セット商品でも、実印・銀行印・認印の1本ずつに、名前・書体・ケースの色を指定できます。彫る前の印影確認も承ります。ご注文から3〜7営業日で発送、送料は全国無料、5年保証付きです。