CHAPTER 15 人生の節目・記念
結婚祝いに夫婦の印鑑セットを|お揃いにする部分・分ける部分
結婚祝いに夫婦2人分の印鑑を贈る方へ、素材や書体は揃えてよい部分、名前・直径・ケースは分けるべき部分、同じ印影を登録できない理由、2人分の組み合わせ例と相場を表で整理して解説します。
公開日: 2026年9月24日
結婚祝いに夫婦2人分の印鑑を贈るとき、「お揃いにしたい」という気持ちと、「取り違えないようにしたい」という実務が両方あります。答えははっきりしていて、素材と書体は揃えてよく、名前と直径とケースは分けます。同じ印影の実印を2人で登録することはできません。ここでは揃える部分と分ける部分を整理し、2人分の組み合わせ例と相場までをまとめます。
揃えてよいのは素材・書体・桐箱。分けるのは彫る名前・直径・ケースの色・保管場所です。2人の実印を「姓のみ」で作ると同じ印影になり、片方しか登録できません。フルネームか名のみで彫り、直径に差をつけて手に取ったときに区別できるようにします。
同じ印影の実印は、2人で登録できない
市区町村の規定では、印鑑1つにつき登録できる人は1人です。夫婦で同じ姓のみを彫った2本を作ると、印影が同じになり、どちらか一方しか登録できません。仮に登録できたとしても、押した書類がどちらの意思によるものか区別がつかなくなります。
| やってしまいがちなこと | 起きること | 対処 |
|---|---|---|
| 2人とも姓のみで作る | 同じ印影になり、片方は実印として登録できない | フルネームか名のみで彫る |
| 同じ直径・同じケースにする | 手に取ったときに取り違える | 直径に差をつけ、ケースの色を分ける |
| 1本を夫婦で共有する | 実印は1人1本。銀行印も名義人ごとに分ける | それぞれの名前で1本ずつ作る |
| 同じ引き出しにまとめて保管する | 印鑑登録証と揃うと第三者でも証明書を取れる | それぞれ別の場所に保管する |
揃える部分と分ける部分を整理する
- 素材
- 同じ印材で2本作ると、並べたときにまとまります。黒水牛や白水牛、チタンが選ばれています
- 書体
- 実印は吉相体か篆書体。2本とも同じ書体にしても印影は名前で分かれます
- 桐箱
- 2本を1つの桐箱に収めると贈り物としての形が整います
- のし
- 結び切りの水引で、夫婦連名の宛名にします
- 彫る名前
- フルネームか名のみ。姓のみは同じ印影になるため避けます
- 直径
- 夫15〜16.5mm、妻13.5〜15mmのように差をつけると手に取って区別できます
- ケースの色
- 黒と白、紺とえんじのように分けると取り違えません
- 保管場所
- それぞれの印鑑登録証とも別の場所に。まとめて置かないようにします
素材と書体を揃え、名前と直径とケースで分ける。この組み合わせにすると、夫婦の印鑑として統一感がありながら、使う場面で迷いません。
2人分の組み合わせ例
2人がすでに持っている印鑑によって、贈る組み合わせが変わります。改姓した方は実印と銀行印が作り直しになり、改姓しない方は持っていない種類だけが必要です。
| 2人の状況 | 贈る組み合わせ | 考え方 |
|---|---|---|
| 2人とも実印を持っていない | 実印を1本ずつ(同じ素材) | 家や車の契約で2人とも必要になる。最も多い組み合わせ |
| 改姓した方だけ作り直す | 改姓した方の実印・銀行印2本セット | 改姓しない方の印鑑はそのまま使える |
| 2人とも新姓で揃えたい | 改姓した方の2本セット + 改姓しない方の実印 | 素材を揃えれば3本で統一感が出る |
| 2人とも印鑑を持っていない | 3本セットを2組 | 費用は大きいが、新生活の印鑑がすべて揃う |
| 夫の実印 | 妻の実印 | |
|---|---|---|
| 彫る名前 | フルネーム | フルネーム、または名のみ |
| 直径 | 15mm または 16.5mm | 13.5mm または 15mm |
| 書体 | 吉相体 | 吉相体 |
| 素材 | 黒水牛 | 黒水牛 |
| ケース | 黒 | 白、またはえんじ |
妻の実印を名のみで作っておくと、この先また姓が変わることがあっても使い続けられます。夫婦で同じ名でないかぎり、印影は区別できます。男女それぞれの直径の考え方は男性の実印の選び方、女性の実印の選び方で説明しています。
素材は、2人分を同じものにする
| 素材 | 1本の価格の目安 | 耐久性 | 夫婦セットとして |
|---|---|---|---|
| 黒水牛 | 12,200円〜 | ★★★★☆ | 定番で外れがない。ケースの色で分けやすい |
| チタン | 16,700円〜 | ★★★★★ | 手入れが要らず、2人とも長く使える |
| 白水牛 | 19,100円〜 | ★★★★☆ | 乳白色の模様が1本ずつ違い、2本並べると個性が出る |
| 白檀 | 31,200円〜 | ★★★★☆ | 香りを持つ銘木。結婚の記念として選ばれる |
| 本象牙 | 31,200円〜 | ★★★★★ | 印影が鮮明に出る最高級の印材。親から贈る場合に |
白水牛は模様が1本ずつ違うため、同じ素材で揃えても2本の表情が変わります。お揃いでありながら同じではない、という夫婦の印鑑に向いた素材です。
書体は揃えてよい。印影は名前で分かれる
| 書体 | 実印への向き | 夫婦で揃えた場合 |
|---|---|---|
| 吉相体 | ◎ | 2本とも線が枠に接し、統一感が出る。名前が違えば印影は分かれる |
| 篆書体 | ○ | 余白の残る整った2本になる |
| 古印体 | ○ | やわらかい印象。読みやすいため実印よりは銀行印に |
2本を一緒に渡すときの道具
2本を1つの桐箱に収め、ケースの色を分けておくと、箱を開けたときにどちらの印鑑か分かります。新居に朱肉と捺印マットが1つあれば、2人とも同じものを使えます。
相場と、渡す時期
| 項目 | 夫婦2人分の場合 | 補足 |
|---|---|---|
| 相場(親から) | 5万円〜10万円 | 2人分の実印を上位の素材で揃えられる |
| 相場(親族から) | 3万円〜5万円 | 2人分の実印を黒水牛や白水牛で |
| 渡す時期 | 入籍後、新姓が確定してから | 改姓した方の名前が決まらないと注文できない |
| 注文の目安 | 入籍の報告を受けてから | 2本分の彫刻で通常より余裕を見る |
| のし | 寿、御結婚御祝。紅白の結び切り | 宛名は夫婦連名にする |
贈る前に確かめること
注文の前に確かめる4つのこと
- 2人がそれぞれ持っている印鑑 改姓しない方の実印は使い続けられます。重ならないよう、持っていない種類を確かめてください。
- 2人の名前の正しい字体 新姓の旧字体は、改姓した方本人も把握していないことがあります。住民票の表記で確かめてもらってください。
- 2人の名が同じでないか 名のみで彫る場合、夫婦で同じ名だと印影が同じになります。その場合はフルネームにします。
- 両家で印鑑が重ならないか 相手のご両親も印鑑を用意していることがあります。誰が何を贈るか先に相談しておいてください。
渡すときに伝えておきたいこと
2人が迷わないように伝える3つのこと
- どちらの印鑑がどちらのものか 直径の大きいほうが夫、小さいほうが妻というように、ケースの色とあわせて伝えてください。
- それぞれが自分の名前で登録すること 実印は1人1本。夫婦でも同じ印鑑を登録することはできません。改姓した方は住民票の反映後に登録します。
- 2本を同じ場所にまとめて保管しないこと それぞれの印鑑登録証とも別の場所に。新居の引き出しに2本まとめて入れると、どちらか一方をなくしたとき両方の所在が分からなくなります。
よくある質問
夫婦で1本の実印を共有できませんか
できません。実印は1人につき1本で、同じ印鑑を2人で登録することはできません。家や車の契約では夫婦それぞれの実印と印鑑登録証明書を求められることがありますので、1本ずつ用意してください。
銀行印は夫婦で同じものを使ってもよいですか
口座の名義人ごとに分けます。夫名義の口座に妻の印鑑を届け出ることはできません。夫婦それぞれの名前で1本ずつ用意し、共通の生活費口座があるなら名義人の銀行印を使います。
認印も夫婦で分ける必要がありますか
姓のみの認印は同じ印影になりますが、認印は登録しないため制限はありません。ただ職場や宅配便で「誰が押したか」を分けたい場合は、書体を変えるか名を入れる方法があります。
2人分を1つの桐箱に入れられますか
2本を1つの桐箱に収めた形でお作りできます。ケースの色を分けておけば、箱を開けたときにどちらの印鑑か分かります。ご注文時にお申し付けください。
まとめ|揃えるのは素材、分けるのは印影
夫婦の印鑑セットは、素材と書体と桐箱を揃え、名前と直径とケースの色と保管場所を分けます。2人とも姓のみで彫ると同じ印影になり、片方しか実印として登録できません。フルネームか名のみで彫り、夫15〜16.5mm、妻13.5〜15mmのように直径に差をつけてください。
贈る組み合わせは、2人が持っている印鑑で決まります。2人とも実印を持っていないなら実印を1本ずつ、改姓した方だけ作り直すなら2本セット。注文は入籍後、新姓が確定してからです。両家で印鑑が重ならないよう、誰が何を贈るかを先に相談しておいてください。
2本を1つの桐箱に収める、ケースの色を分けるといったご希望はお問い合わせからお知らせください。字体や直径のご相談も承ります。