CHAPTER 12 開運印鑑・姓名判断
印相とは?吉相印・印相体・印相学の違いと、流派で変わる見方
印相とは、印鑑の印面に表れる縁起のよしあしのことです。仏教の印相との違い、印相学で見る5つのところ(名前の画数、印面の方位、文字と外枠の接し方、印材、字の形)、吉相印・印相体・開運印鑑の違い、流派で分かれる見方、科学的な根拠の考え方、当店の開運印鑑での取り入れ方をまとめました。
公開日: 2026年10月1日
印鑑を調べていると、「印相のよい印鑑」「吉相印」「印相体」といった言葉に出会います。どれも「相」という字が入っていて似ていますが、指しているものは少しずつ違います。仏像の手の形も「印相」と呼ぶため、調べるほど分かりにくくなりがちです。この記事では、印鑑の話で使う印相の意味と、印相学が何を見て縁起を判断するのかをご説明します。流派によって見方が分かれるところも、あわせてご紹介します。
印相は、印鑑の印面に表れる縁起のよしあしのことです。印相学は、名前の画数、印面の方位、文字と外枠の接し方、印材、字の形の5つから、どう彫れば縁起がよくなるかを考えます。この考え方で作った印鑑が吉相印です。見るところや数え方は流派ごとに違い、効果が科学的に確かめられたものでもありません。当店では、節目に願いを込める開運印鑑の印影づくりに、印相学の考え方を取り入れています。
「印相」という言葉には、2つの意味があります
「印相」を国語辞典で引くと、まず仏教の言葉として説明されています。印鑑の話で使う印相は、そのあとに載っている別の意味です。
仏や菩薩が、手の指で示す形
仏像の両手の組み方には、悟りや誓いなどを表す意味があるとされ、その形を印相と呼びます。印契(いんげい)とも言います。辞書には「いんぞう」と「いんそう」の両方の読みが載っています。
使われ方「この阿弥陀如来像は、来迎印という印相を結んでいる」
印章の面に表れる、縁起のよしあし
印鑑の印面に表れる相、つまり縁起のよしあしのことです。日本国語大辞典では、印面を見て持ち主の運を読み取ることも、この言葉の意味に含めています。印鑑の話では「いんそう」と読むのが一般的です。
使われ方「印相のよい実印を作りたい」「この印鑑は印相で見ると欠けが気になる」
この記事で扱うのは意味②です。人の顔を見る「人相」、家の間取りを見る「家相」と同じように、印鑑の面を見るのが「印相」だと考えると覚えやすくなります。
印相学で見るのは、主に5つのところです
印相学は、名前の画数から吉凶を読む姓名判断に、印鑑の面の見方を加えたものです。百科事典によると、姓名判断は中国の陰陽五行説や易の考えから生まれ、日本では字画をもとにする方法が広まりました。印相学もこの陰陽五行説や易を下地にしていて、主に次の5つを見ます。
名前の画数姓名判断の五格を出す
吉とされる形天格・人格・地格・外格・総格の5つの数に、吉とされる数が多い
流派で違う点旧字体に直して数えるか、1文字の姓や名に1を足すか
印面の方位丸い印面を8つに分ける
吉とされる形伸ばしたい運気の方位で、文字が外枠にしっかりつながっている
流派で違う点方位ごとに当てる運気と、その呼び名
文字と外枠の接し方接点の数と位置
吉とされる形文字が枠に多く接し、彫る字の画数と接点の数を足すと吉数になる
流派で違う点接点の数え方と、その数を吉数にそろえるかどうか
印材持ち主と素材の相性
吉とされる形生まれ年の九星や、五行の性質に合う素材
流派で違う点九星で選ぶか五行で選ぶか、どの素材が合うとするか
字の形と配置書体と重心
吉とされる形文字が枠いっぱいに広がり、偏りなく中心に重心がある
流派で違う点印相体に限るか、篆書体なども認めるか
このうち印面の方位は、易の八卦から来た考え方です。8つの方位には、それぞれ運気が当てられています。名前の画数から補いたい運気を決め、その方位で文字を外枠に太くつなげます。8つの運気の意味は、開運印鑑とは?姓名鑑定と印影づくりの仕組みで1つずつ説明しています。
文字と外枠の接し方には、縁起とは別に、実用のうえでの意味もあります。文字の線が枠にしっかりつながっている印面は、落としたときに枠が欠けにくくなります。枠が欠けると、市区町村に登録した実印や、銀行に届け出た銀行印の印影と見比べにくくなります。印相で「枠に多く接する形がよい」とされるのは、長く使える形を大切にしてきたからだと当店では考えています。
吉相印、印相体、開運印鑑は、指すものが違います
印相のまわりには、よく似た言葉がいくつもあります。特に取り違えやすいのが、書体を指す「印相体」と、印鑑を指す「吉相印」「開運印鑑」です。
印相学
印面の縁起のよしあしを判断する方法の全体を指します。姓名判断、方位、接点、印材、字の形を組み合わせて見ます。
使われ方「印相学では、欠けた印鑑は縁起が悪いとされる」
吉相印
印相学にもとづいて、縁起がよくなるように作った印鑑です。店によって呼び方が違い、開運印鑑とほぼ同じ意味で使われます。
使われ方「結婚を機に、吉相印の実印を作った」
印相体(吉相体)
篆書体をもとに、文字を丸い枠いっぱいに広げて外枠に多く接するよう組んだ書体です。近代の日本で考え出されました。八方篆書体と呼ぶ店もあります。
気をつけること書体だけで選べるため、名前の鑑定をしていない印鑑にも使われます
開運印鑑
名前を鑑定し、その結果を印面の設計に反映した印鑑です。当店では、この呼び方を使っています。
気をつけること彫る前に何をするかは、店ごとに違います。鑑定の中身を確かめてから選びましょう
よくある誤解が、「印相体で彫れば吉相印になる」という思い込みです。印相体は、印相学が大切にする「文字が枠に多く接する形」を書体にしたものです。ただ、書体を選んだだけでは、名前の画数も運気の方位も見ていません。当店では、普通の印鑑の書体に吉相体をご用意しています。名前の鑑定と方位の設計まで行うのは、開運印鑑のほうです。ほかの書体との見た目の違いは、印鑑の書体一覧|篆書体・印相体・古印体など7種を印影で比較でご覧いただけます。
印相の見方は、流派によって分かれます
印相学には、どこでも通じる1つの決まりがあるわけではありません。流派ごとに伝わってきたやり方があり、同じ名前でも数え方が変われば結果も変わります。どの流派でもおおむね共通するところと、分かれるところを並べると次のようになります。
おおむね共通すること
- 名前の画数から吉凶を見る姓と名の画数を組み合わせて、いくつかの数を出します
- 文字を枠に接するように組む文字が枠から離れて浮いている印面は、よくないとされます
- 欠けのない印面を大切にする欠けた印鑑はそのまま使い続けない、という考え方は広く共通しています
流派で分かれること
- 画数の数え方いま使う字体で数えるか、旧字体に直すか。さんずいを「水」の4画として数えるか
- 1文字の姓や名の扱い足りない字の代わりに1を足して数えるかどうか
- 吉凶の表同じ数でも、流派によって吉と凶が入れ替わることがあります
- 方位と運気の当て方運気の名前や数、どの方位に当てるかが違います
- アタリや欠けの言い伝え上下の目印を付けてよいかどうかや、欠けたあとの扱いに違いがあります
本やほかの店で調べた画数と鑑定結果が違っていても、どちらかが間違っているとは限りません。気になるときは、その店がどの字体で数えているか、1文字の名前をどう扱うかを聞いてみてください。「沢」と「澤」の画数の違いは、姓名判断が悪くても印鑑は作れる?凶と出たときの受け止め方で紹介しています。上下の目印については開運印鑑にアタリは付けていい?をご覧ください。
印相は、科学的に確かめられたものではありません
印相学は、姓名判断や易をもとに受け継がれてきた縁起の考え方です。印相のよい印鑑を持てば運勢がよくなる、という効果が科学的に確かめられているわけではありません。当店も、効果をお約束する説明はしていません。
開運をうたう商法については、国民生活センターに相談も寄せられてきました。開運グッズや祈祷を次々にすすめられ、請求が高額になったという相談です。「この印鑑でないと不幸になる」と不安をあおる売り方は、印相そのものとは別の問題です。そうした勧誘を受けたときの対処は、開運印鑑を買わないと不幸になる?不安をあおる勧誘への対処法にまとめています。
それでも印相を大切にする方がいるのは、節目の決意を形にできるからでしょう。就職や結婚、家の購入、開業のときに作る印鑑は、その先長く押し続けることになります。そこに名前と願いを込めるための目安の1つが、印相です。当店の考え方は、開運印鑑は効果がある?科学的根拠と縁起物としての考え方でもお伝えしています。
当店の開運印鑑では、印相をこう取り入れています
当店の開運印鑑では、印相学で見る5つのところを、次の順番で印影に反映します。
- 01名前を、実際に彫る字で数える旧字体に直さず、印鑑に彫る字の画数で五格を出します。戸籍が旧字体の方は、その字のまま数えます
- 02伸ばしたい運気を、8つの方位から3つまで選ぶご自分で選ぶか、「おすすめ」を選んで鑑定士に任せます。任せた場合は、鑑定で控えめと出た格にかかわる運気を補います
- 03印相体をもとに、職人が名前ごとに文字を組む書体を選ぶのではなく、名前の字の形に合わせて1本ずつ組みます
- 04接点を整えて、吉数に合わせる選んだ方位で文字を外枠に太くつなげ、彫る字の画数と接点の数を足して吉数になるように整えます
- 05印材は、九星で合うものを目安に、好みで決める生年月日から本命星を出し、合いやすい印材をご案内します。最後はご本人の好みを優先してください
できあがった印鑑には、名前の鑑定結果と、どの方位をどう整えたかを書いた鑑定書を添えます。鑑定書の読み方は開運印鑑の鑑定書には何が書かれる?画数と印影の読み方でご紹介しています。
よくある質問
印相のよい印鑑は、見た目で分かりますか
印相体で組んだかどうかは、見た目で分かります。文字が枠いっぱいに広がり、外枠に多く接しているのが、その特徴です。ただ、名前の鑑定をしたかどうか、どの方位を強めたかは、印影だけでは分かりません。鑑定書があれば確かめられます。
印相学と姓名判断は、同じものですか
重なるところはありますが、同じではありません。姓名判断は名前そのものを見ます。印相学はそれに加えて、印面の方位や接点、印材まで見ます。開運印鑑は、姓名判断で名前を鑑定し、その結果をもとに印相学のやり方で印面を組みます。
いま使っている印鑑の印相が気になります。作り直したほうがいいですか
欠けやひびがなく、登録や届け出に使えているなら、急いで作り直す必要はありません。作り直すなら、家の購入や結婚など、印鑑の出番が増える節目に合わせるのがおすすめです。改印の手順は開運印鑑を作り直すとき|再鑑定・改印と古い印鑑の供養で説明しています。
印相体の印鑑は、実印に登録できますか
登録できます。実印に登録できるかどうかは、大きさや印影の鮮明さなど、市区町村の決まりで判断されます。印相体は、実印によく使われる書体の1つです。
開運印鑑では書体を選べますか
当店の開運印鑑は、印相体をもとに職人が名前ごとに文字を組むため、普通の印鑑のように書体を選ぶことはできません。篆書体などをご希望の方は、書体を指定できる普通の印鑑でお作りください。
まとめ|言葉を区別してから、取り入れたい部分を選ぶ
まず、目にした言葉が、考え方(印相学)、書体(印相体)、印鑑(吉相印・開運印鑑)のどれを指しているかを見分けます。次に、印相学が見る5つのところのうち、どこまで取り入れたいかを決めます。書体の形だけでよければ、普通の印鑑で吉相体を指定します。名前の画数や運気の方位まで込めたいなら、鑑定をしてから彫る開運印鑑を選びます。流派によって数え方が違うため、鑑定を頼む店では、どの字体で数えるかを確かめておくと安心です。
名前を鑑定し、選んだ運気の方位で文字を外枠につなげて彫ります
お名前を実際に彫る字で鑑定し、印相体をもとに職人が文字を組みます。接点を整えた印影と鑑定書、桐箱、下鴨神社でご祈祷いただいた印鑑お守りを添えてお届けします。送料無料、5年保証です。