CHAPTER 03 会社の印鑑
一般財団法人の印鑑|代表理事之印の実印と設立・公益認定での作り方
代表理事を必ず置く一般財団法人では、実印の内側に「代表理事之印」と彫ります。設立までに押す印鑑の順番、名称の文字数に合う直径、代表理事が交代するときや公益認定を受けるときの扱いを説明します。
公開日: 2026年10月11日
奨学金を出したい。美術品や資料を守りたい。研究や地域の活動を長く支えたい。そうした目的のために財産を出してつくる法人が、一般財団法人です。準備のあいだは、定款の文言や役員の人選に時間を取られ、印鑑のことは後回しになりがちです。ところが、設立の登記を申請する日に法人の実印が手元にないと、手続きを進められません。この記事では、彫る文字と直径の決め方から、設立までに押す印鑑の順番まで説明します。
一般財団法人の印鑑は、実印・銀行印・角印の3本です。実印は、外側に「一般財団法人○○」の名称、内側に「代表理事之印」を彫ります。一般財団法人は必ず代表理事を選びますので、内側の文字で迷うことはありません。法人の実印は、設立の登記を申請する日に法務局へ届け出ます。同じ日に、代表理事になる方の個人の実印と印鑑証明書も使います。
一般財団法人は、拠出された財産を7人以上で運営する法人です
一般社団法人は人の集まりに、一般財団法人は財産に、法人の資格を与える仕組みです。設立者が定款を作り、3,000,000円以上の財産を出して設立します。この財産を出すことを、法律では「拠出」と呼びます。法人ができたあとは、設立者という立場で運営に加わることはありません。理事が運営し、評議員と監事がそれを監督します。
一般財団法人に置く役員と、実印を届け出る人評議員と理事はそれぞれ3人以上、監事は1人以上。合わせて7人が最少です
- 法人の実印を法務局に届け出る代表理事
理事と監事を選び、決算を承認します。理事や監事を兼ねることはできません。
全員で理事会をつくり、法人の業務を決めます。理事会は、理事のなかから代表理事を必ず選びます。
理事の仕事ぶりと会計を監査します。理事を兼ねることはできません。
法人の印鑑を預かるのは代表理事です。評議員と監事がこの印鑑を押す場面はありません。
実印の内側は「代表理事之印」にします
一般社団法人には、代表理事を置かずに、理事の1人ひとりが法人を代表する形もあります。そのため、内側の文字に「理事之印」などの選択肢が出てきます。一般財団法人は必ず理事会を置き、そこで代表理事を選ぶ決まりです。法人を代表する人の肩書きがはじめから決まっているので、内側の文字は「代表理事之印」になります。
設立や役員変更の登記、事務所の賃貸契約、助成金の申請、不動産の取得など、法人の印鑑証明書を添える書類に押します。
法務局に届け出る法人名義の口座に届け出ます。拠出された財産の管理や、助成金の支払いに使う口座の届出印です。
金融機関に届け出る四角い印面に名称だけを彫ります。助成の決定通知、寄付の領収書、案内状、報告書などで、書類に記した法人名に重ねて押します。
届け出なし当店の注文画面では、内側の文字を「内枠」の欄で選びます。実印は「その他」を選び、備考欄に「代表理事之印」とお書きください。銀行印は「銀行之印」を選ぶだけです。定款で代表理事を「理事長」と呼ぶことにしている法人は、内枠の選択肢にある「理事長印」も使えます。「理事長之印」をご希望のときは、備考欄にお書きください。どの文字でも価格は変わりません。
設立までに、3種類の印鑑が順番に登場します
一般財団法人の設立では、設立者の個人の実印、代表理事になる方の個人の実印、法人の実印の3種類を使います。同じ人が設立者と代表理事を兼ねる場合でも、押す書類は別々です。だれが、どの段階で、どの印鑑を押すのかを、図にまとめました。
設立者個人の実印
定款を作る設立者の全員が記名押印します 公証人の認証を受ける発行から3か月以内の印鑑証明書を出します 財産を拠出する3,000,000円以上を払い込みます代表理事になる方個人の実印
就任を承諾する就任承諾書に押し、印鑑証明書を添えます 印鑑届書に押す法人の実印を届け出る書類の、届出人の欄です法人の印鑑実印・銀行印・角印
設立の登記を申請する申請書に実印を押し、法務局に届け出ます 口座を開き、日々の書類に押す銀行印を届け出て、角印を使いはじめます設立の登記は、設立時の理事と監事による調査が終わった日などから2週間以内に申請します。登録免許税は60,000円です。評議員・理事・監事の就任承諾書は、本人確認の書類を添えれば、実印でなくてもかまいません。
法人の実印は、名称が決まれば注文できます。定款の認証を待つ必要はありません。当店は通常3〜7営業日ほどで発送しますので、登記を申請する日から逆算してご注文ください。代表理事になる方が個人の実印をまだ登録していないときは、市区町村での手続きを先に済ませておきます。
名称の文字数で、実印の直径を決めます
名称には、必ず「一般財団法人」の6文字が入ります。「株式会社」より2文字多いぶん、実印の外側の円に並ぶ字が増えます。登記する名称を1字ずつ数えて、直径の目安と照らし合わせてください。
名称を1字ずつ数える「一般財団法人」の6文字も、省かずに数えます
法法人の種類を表す文字名法人ごとに違う部分
「一般財団法人」に続く部分が4文字まで全部で10文字まで
9文字 実印18mm「一般財団法人」に続く部分が7文字まで全部で13文字まで
11文字 実印21mm「一般財団法人」に続く部分が8文字以上全部で14文字以上
14文字 実印24mm文字数は、当店で印面を組むときの目安です。画数の多い字が続く名称は、1段大きい直径のほうが読みやすくなります。銀行印は実印より1段小さく、角印は3mm大きくするのが基本です。実印が24mmのセットだけは、角印も24mmです。
21mmは、当店の会社実印でいちばん人気のある直径です。直径ごとの組み合わせは、会社印鑑のサイズはどう選ぶ?にまとめています。名称が長くて直径を決めかねるときは、備考欄にそうお書きください。文字の収まりを確かめてからご案内します。
代表理事が代わるときは、前任の方が議事録に法人の実印を押します
法人の実印に彫ってあるのは、名称と「代表理事之印」だけです。個人の名前は入っていませんので、代表理事が代わっても同じ印鑑を使えます。新しい代表理事は、個人の実印を押した印鑑届書に印鑑証明書を添えて、法務局に出し直します。
このとき、法人の実印にはもう1つ役目があります。新しい代表理事を選んだ理事会の議事録に、前任の方が法人の実印を押しておくと、添える書類が減ります。
出席した理事と監事の全員が、個人の実印を押します
議事録に押す印鑑前任の代表理事が法人の実印を押します。ほかの出席者は、実印でなくてもかまいません
押した全員の印鑑証明書を添えます
議事録に添える印鑑証明書要りません
個人の実印を押し、印鑑証明書を添えます
新しい代表理事の就任承諾書同じです。再任の場合だけ、印鑑証明書は要りません
この扱いは、法務局の役員変更登記の記載例に載っています。使えるのは、前任の方が理事として理事会に出席し、届け出てある印鑑を押せる場合です。交代が決まったら、前任の方が退任する前に、議事録への押印まで済ませておいてください。法人の実印を紛失していると、この方法は使えません。印鑑の引き継ぎは、代表者変更時の法人印でも説明しています。
公益認定を受けると、名称が変わり、印鑑は作り直しになります
一般財団法人は、行政庁の公益認定を受けると公益財団法人になります。このとき、名称のなかの「一般財団法人」が「公益財団法人」に変わります。定款を変更する手続きは要りません。法律の定めで、変更したものとして扱われます。3本の印鑑にはどれも名称が彫ってありますので、すべて作り直します。
法人に起こる変化と、印鑑の扱い名称が変わるかどうかで決まります
公益認定を受ける
代表理事が代わる
主たる事務所を移す
公益認定による名称の変更は、認定書が届いた日から2週間以内に登記します。法務局の記載例では、この申請書に押すのは、それまで届け出ていた実印です。
名称変更の登記には古い実印を使いますので、新しい印鑑が届くのを待たずに申請できます。登記が済んだら、「公益財団法人○○」の実印を改印届で届け出て、銀行印も金融機関で切り替えます。「公益財団法人」も6文字ですので、直径はこれまでと同じで収まります。切り替えの順番は、会社名変更時の印鑑はどうする?が参考になります。
はじめから公益認定を目指している法人には、認定までの印鑑を手ごろな価格の薩摩本柘で作っておく方法があります。名称が変わって作り直すときに、長く使う印材を選べます。
実印・銀行印・角印の3本セットの価格
一般財団法人の印鑑3本は、当店の会社印鑑の3本セットでお作りします。会社名の欄には「一般財団法人○○」と、登記する名称のとおりに入力してください。
実印18mm・銀行印16.5mm・角印21mm名称が全部で10文字までの法人に
- 薩摩本柘56,900円
- 黒水牛94,800円
- 白水牛122,400円
実印21mm・銀行印18mm・角印24mm名称が全部で13文字までの法人に
- 薩摩本柘61,400円
- 黒水牛106,300円
- 白水牛133,800円
実印24mm・銀行印21mm・角印24mm名称が全部で14文字以上の法人に
- 薩摩本柘77,700円
- 黒水牛134,000円
- 白水牛154,900円
3本セットには、レザーケース、朱肉、押印マット、保証書、京印章証明書が付きます。同じ直径の3本を1本ずつ注文するより、セットのほうが安くなります。事務局で日々の契約書や申込書に丸い印鑑を押すことが多い法人には、認印を加えた4本セットが向いています。代表理事が預かる実印を、金庫から出さずに済みます。
よくある質問
一般社団法人の印鑑とは、何が違いますか
本数と役割は同じです。違うのは、名称の「社団」が「財団」になることと、内側の文字が「代表理事之印」に決まることです。一般社団法人は、理事会を置かない小さな形もあるため、内側の文字に選択肢があります。くわしくは一般社団法人の印鑑をご覧ください。
拠出する財産を払い込む口座には、どの印鑑を使いますか
法人の印鑑は、まだ使いません。法人が成立する前は、その名義の口座を作れないためです。財産は、設立者が決めた金融機関に払い込みます。法人の銀行印を使うのは、設立の登記が済んで口座を開くときからです。
会社が設立者になる場合、定款にはどの印鑑を押しますか
その会社の代表者が、法務局に届け出ている会社の実印を押します。公証人には、会社の印鑑証明書と登記事項証明書を出します。新しくつくる財団法人の印鑑とは別のものです。
遺言で設立する場合、印鑑はだれが用意しますか
この場合は、遺言執行者が定款を作り、記名押印します。法人の実印は、設立時の代表理事になる方が届け出ます。名称は遺言で定められています。遺言執行者と代表理事になる方が相談して早めに注文しておくと、登記が滞りません。
角印は、何に押すことが多いですか
助成や奨学金の決定通知、寄付の領収書、催しの案内状、事業報告書などです。賞状や修了証のような大きな紙では、24mm以下の角印は小さく見えますので、27mmが向いています。大きさの決め方は角印のサイズで説明しています。
まとめ|名称、直径、注文する日の順に決めます
まず、定款に書く名称を「一般財団法人」まで含めて決めます。次に、その文字数を数えて、実印の直径を18mm・21mm・24mmから選びます。銀行印と角印の大きさは、実印に合わせて決まります。最後に、登記を申請する予定の日から逆算して注文します。注文画面の内枠は「その他」を選び、備考欄に「代表理事之印」と書き添えてください。あわせて、代表理事になる方の個人の実印が登録済みかどうかも確かめておきます。
実印・銀行印・角印を、同じ印材でそろえる
登記する名称のとおりに、職人が1本ずつ仕上げます。レザーケース、朱肉、押印マット、保証書、京印章証明書付き。送料無料、5年保証。
薩摩本柘木の印材の定番です。公益認定で名称が変わる予定の法人にも56,900円〜
黒水牛薩摩本柘より丈夫で、長く使う実印に向いています94,800円〜
白水牛乳白色の角の印材です。3本の色合いがそろいます122,400円〜