CHAPTER 15 人生の節目・記念
転職祝いの相場はいくら?関係別の金額と入社前後の渡す時期
転職祝いの相場を、ご家族、友人、同僚、職場の連名、上司から部下へ贈る場合に分けて紹介します。餞別との違い、渡す時期、現金と品の選び方、目上の方への贈り方、表書き、お返しの考え方もまとめました。
公開日: 2026年10月13日
同じ部署の同僚が来月いっぱいで退職し、別の会社へ移ることになったところでしょうか。あるいは、友人やご家族から「転職が決まった」と聞いたのかもしれません。就職祝いや結婚祝いと違って、転職祝いには決まった形がありません。金額も渡す時期も、相手との関係や退職の日程に合わせて決めます。この記事では、転職祝いの相場を関係別にまとめ、渡す時期と表書きまで順に説明します。
転職祝いの相場は、ご家族からなら10,000〜30,000円、友人や同僚が1人で贈るなら3,000〜10,000円です。職場の連名なら、1人1,000〜3,000円を集めて品を1つ贈ります。上司や先輩など目上の方へは現金を避け、連名の品にします。同僚なら送別会か最終出社日に、友人やご家族なら入社日までに渡します。入社後になるときは、入社から1か月以内が目安です。
関係別に見た転職祝いの相場。1人で贈るか、連名にするかで金額が変わります
転職祝いに、決まった金額はありません。ただ、贈る方と本人との関係によって、おおよその幅があります。当店でのご相談と一般的な慣習をもとに、目安を並べました。
ご両親やごきょうだい、奥様やご主人が贈る場合です。現金でも品でも構いません。退職から入社まで日が空く方には、現金が暮らしの助けになります
10,000〜30,000円食事をごちそうするか、品を1つ贈ります。5,000円前後にとどめると、相手がお返しに悩みません
3,000〜10,000円親しい同僚が、連名とは別に贈る場合です。持ち帰りやすい小さな品を選びます
3,000〜10,000円5人が2,000円ずつなら10,000円、10人が3,000円ずつなら30,000円です。品を1つに絞り、余った分で花束を添えます
1人1,000〜3,000円現金を包んでも、品を贈っても失礼になりません。新しい職場で使える筆記具や名刺入れが候補です
5,000〜10,000円部下や後輩から、上司や先輩に贈る場合は、1人で現金を包むのを避けます。目上の方に現金を渡すと、「暮らしの足しにしてください」という意味に受け取られることがあるからです。連名で1人1,000〜3,000円を集め、品を1つ贈ります。
人数と1人あたりの額から合計を出す早見表は、予算10,000〜30,000円で選ぶ転職祝いのプレゼントに載せています。
「転職祝い」と「餞別」は、贈る立場が違います
職場を去る人に贈る金品には、呼び方が2つあります。同じ品でも、誰がどんな気持ちで贈るかによって、表書きが変わります。
餞別(せんべつ)
転居や転任などで離れていく人に、別れのしるしとして贈る金品です。いまの職場の同僚や上司が、送別会や最終出社日に渡します。
表書き「御餞別」。目上の方へ贈るときは「御礼」にします
転職祝い
新しい仕事が決まったことを祝って贈る金品です。ご家族や友人、以前の職場の仲間が、入社の前後に渡します。
表書き「御祝」。どの立場からでも使えます
迷ったときは「御祝」と書けば、どちらの場面にも合います。水引は、餞別も転職祝いも紅白の蝶結びです。「御栄転御祝」は、同じ会社の中で昇進を伴って異動する人に使う言葉なので、転職には使いません。
転職祝いはいつ渡す?退職の報告から入社1か月後までの流れ
転職する人は、職場に退職を伝えたあと、引き継ぎを終えて最終出社日を迎えます。残った有給休暇を使ってから退職日になる方もいます。お祝いを渡せる時期は、贈る側の立場によって違います。
本人の予定と、お祝いを渡す時期
左端の「報告」は、本人が職場に退職を伝えた日です。「休暇」は残った有給休暇を使う期間、「準備」は退職日から入社日までの間を指します。帯の長さは目安です。退職日の翌日に入社する方へは、最終出社日までか、入社から1か月以内に渡します。
気をつけたいのは、本人が職場に退職を伝える前です。先に聞いていても、お祝いの話を周りに広めないでください。職場でお金を集めるのは、退職が正式に知らされてからにします。
入社してすぐの時期は、新しい仕事を覚えるだけで手いっぱいになります。入社前に渡せなかったときは、少し落ち着くのを待ち、入社から1か月以内に食事に誘って渡します。名前を彫る印鑑を贈る場合は、渡す日の2週間前までに注文します。
転職の理由は聞かずに、これからを祝います
総務省統計局の労働力調査では、2025年に転職した人は330万人でした。転職は珍しいことではありませんが、理由は人によって違います。
自己都合で辞めた人
- 賃金が
増えた40.8% - 賃金が
減った31.0%
出典:離職の理由は厚生労働省「令和7年転職者実態調査」、賃金の変化は同「令和7年雇用動向調査」。「増えた」「減った」は、前の勤め先の賃金と比べた結果です。
厚生労働省の令和7年転職者実態調査で、自己都合で辞めた理由(3つまで回答)を見ると、上位は次の3つでした。「賃金が低かったから」が25.5%、「会社の将来に不安を感じたから」が25.2%です。「満足のいく仕事内容でなかったから」の24.7%が、これに続きます。一方で、令和7年雇用動向調査を見ると、転職して賃金が減った人も31.0%います。
収入を上げるための転職もあれば、働く時間や住む場所を優先した転職もあります。贈る側が「出世だね」「前の会社は大変だったね」と決めつけると、本人の事情と食い違うことがあります。添える言葉は、「新しい職場でも、体に気をつけて」のように、これからのことだけにします。
現金にするか、品にするか。立場ごとの選び方
友人や同僚からの転職祝いには、現金より品が向いています。一方、ご家族や上司からなら、現金を包んでも失礼にはなりません。立場ごとに、合う贈り方を並べました。
- 現金
- 品
- 連名の品
退職から入社まで収入が途切れる方には、現金が役に立ちます。記念になるものも贈りたいなら、品を1つ選び、残りを現金にします。
現金と、仕事でも私生活でも使える品- 現金
- 品
- 連名の品
友人どうしで現金を渡すと、相手がお返しを気にします。食事の席で、小さな品を手渡すほうが気軽です。
筆記具、名刺入れ、認印- 現金
- 品
- 連名の品
部署でまとめて贈ると、贈る側も本人も負担が軽くなります。親しい方は、別に小さな品を添えます。
花束と、名前を入れた品- 現金
- 品
- 連名の品
部下へは、「御餞別」として現金を包めます。品にするなら、新しい職場で毎日使うものを選びます。
現金、または筆記具や名刺入れ- 現金
- 品
- 連名の品
1人では贈らず、部署の連名にします。表書きは「御礼」にして、お世話になった感謝を伝えます。
連名で贈る、名前を入れた品品を選ぶときは、転職先でも使えるかどうかを考えます。服装や身の回りの品に決まりのある職場では、鞄や名刺入れが使えないことがあります。印鑑は、職種が変わっても使い道が変わりません。認印は入社の書類や社内の届けに、銀行印は給与を受け取る口座の届出に使います。当店の黒水牛13.5mmなら、認印も銀行印も1本9,500円です。
品の候補は転職祝いに長く使えるプレゼントで、印鑑の種類と彫る名前は転職祝いに印鑑を贈るで説明しています。
表書きと、渡すときに添えるもの
現金は祝儀袋に入れ、品にはのし紙を掛けます。水引は、何度あってもよいお祝いに使う紅白の蝶結びです。
品や現金には、短い手紙かカードを添えます。職場を離れる人には、品だけを渡すより、言葉があるほうが気持ちが伝わります。連名のときは、色紙の寄せ書きにすると、1人ずつの言葉が残ります。
転職祝いにお返しは要りません。落ち着いたころに近況を伝えます
転職祝いや餞別に、品でのお返しは基本的に要りません。受け取った方は、その場でお礼を伝え、新しい職場に慣れたころに近況を知らせます。贈る側も、渡すときに「お返しは気にしないで」と添えておくと、相手が受け取りやすくなります。
国税庁のタックスアンサーによると、個人からのお祝いの金品は、世間の常識から見てふさわしい額なら贈与税がかかりません。この記事で挙げた金額は、その範囲に入ります。
よくある質問
友人が何度も転職しています。毎回お祝いを贈るものですか
毎回贈る決まりはありません。最初の転職で品を贈ったなら、2回目からは食事に誘って言葉で祝うだけでも気持ちは伝わります。相手も、お返しを気にせずに済みます。
退職の理由がよく分かりません。お祝いと言ってよいのでしょうか
理由が分からないときは、「お祝い」という言葉を使わずに渡せます。表書きは「御礼」か「御餞別」にして、「お世話になりました」と伝えます。次の仕事については、本人が話し出すまで尋ねません。
入社日を聞いていません。いつ渡せばよいですか
入社日が分からなければ、退職を聞いた日から2〜3週間のうちに渡します。会う予定が立たないときは、先に「お祝いを用意しているよ」と伝えておき、入社から1か月以内を目安に渡します。
転職して3か月たってから知りました。いまから贈ってもよいですか
贈って構いません。送り出す時期は過ぎているので、表書きは「御餞別」ではなく「御祝」にします。「遅くなったけれど」とひとこと添え、相手が気を使わない額の品を選びます。
送別会の会費を払います。それとは別にお祝いが要りますか
要りません。会費に記念品の代金が含まれていれば、それが職場からの餞別です。特にお世話になった方へ個人で贈りたいときだけ、3,000〜5,000円の品を別に用意します。
会社を辞めて独立するそうです。転職祝いと同じ金額でよいですか
独立や開業のお祝いは、転職祝いより金額の幅が広くなります。関係別の目安は、独立開業祝いの相場はいくら?で説明しています。
まとめ|立場、贈り方、金額、渡す日の順に決めます
最初に、ご自分が送り出す側か、門出を祝う側かを確かめます。次に、贈り方を決めます。職場の方なら連名にするかどうか、ご家族や友人なら現金にするか品にするかです。目上の方へは、連名の品にします。金額は、関係別の幅のなかで決めます。
最後に、渡す日を決めます。職場の方なら送別会か最終出社日、友人やご家族なら入社日までの週末です。表書きは、迷ったら「御祝」にします。名前を彫る品を選ぶなら、彫る字を本人に確かめ、渡す日の2週間前までに注文します。
連名でも、1人でも。本人のお名前に合わせて、職人が1本ずつお作りします
京都の職人が、お名前の字に合わせて印面を設計し、1本ずつ彫刻します。旧字体は備考欄で承り、彫る前に印影を確認することもできます。本人の自宅への直送にも対応します。ご注文から3〜7営業日で発送、全国送料無料、5年保証です。
送別会に間に合わせるなら、2週間前までのご注文が目安です。名前の字が分からないときは、取りまとめる方が本人に確かめてからご注文ください。