CHAPTER 05 印材・素材
日輪象牙とは?輪の中心に芯が通る横目芯持の模様と価格
日輪(にちりん)象牙とは、横向きに切り出した象牙のうち、側面の輪の模様が芯を囲んで同心円に広がるものの呼び名です。太陽を意味する「日輪」になぞらえた名前で、当店では「横目芯持」の名前でご用意しています。名前の由来、模様の出方、横目や芯持との違い、もっとも希少な理由と、開運実印13.5mmで136,200円からの価格を説明します。
公開日: 2026年10月3日
象牙の印鑑を調べていると、「日輪(にちりん)象牙」という言葉を見かけることがあります。太陽を意味する言葉が、なぜ印材の名前になっているのか。横目や芯持とは何が違うのか。当店の商品一覧には「日輪」という表示がないため、どの商品がそれにあたるのか分からない方もいらっしゃるでしょう。この記事では、呼び名の由来と模様の出方、ほかの取り方との違い、もっとも希少な理由を説明します。そのうえで、日輪にあたる当店の「横目芯持」の価格と、注文の前に確かめておくことをご案内します。横向きに切り出す取り方そのものについては、横目象牙とは?をご覧ください。
日輪象牙とは、横向きに切り出した象牙のうち、側面の輪の模様が芯を囲んで同心円に広がるものの呼び名です。輪が真ん中に収まった見た目を、太陽、つまり日輪になぞらえています。輪が中心に収まるのは、牙の芯を通して横向きに切り出したときです。当店では、横目と芯持を合わせた「横目芯持」の名前でご用意しています。この印材が取れるのは牙の太い根元だけで、芯は1本の牙に1筋しかありません。そのため、象牙の印材のなかでもっとも数が限られます。素材そのものは通常の象牙と同じで、彫りやすさ、朱肉のなじみ、丈夫さは変わりません。お作りするのは、お名前を鑑定して印影を設計する開運印鑑です。価格は実印13.5mmが136,200円から、3本セットが263,500円からです。呼び名は店によって異なり、芯の有無にかかわらず横目全体を日輪と呼ぶ店もあります。
「日輪」の意味|もとは太陽を指す言葉です
印材の世界では、「日輪」という言葉を、横向きに切り出した象牙の側面に現れる同心円の模様に当てはめました。芯の点を囲んで輪が広がる様子が、四方に光を放つ日の姿に見えるからです。辞書での意味と印材での呼び名を並べると、次のとおりです。
太陽の別名です。丸い輪のような形から来ています
精選版 日本国語大辞典によると、日輪は「形が丸く輪のようであるところから」太陽を指すようになった言葉です。デジタル大辞泉も、太陽の別名としています。平安時代の日記にも用例があり、古くから使われてきました。同じ意味で、火輪、天日、お日様といった言い方もあります。
使われ方「雲のあいだから日輪が見える」のように、太陽そのものを指します
輪の模様が芯を囲んで広がる、横向きの象牙
牙を横向きに切り出した象牙の側面には、年輪のような輪の模様が現れます。この輪が、芯の黒い点を囲んで同心円に広がるものを、太陽になぞらえて日輪象牙と呼びます。当店の表示では「横目芯持」です。芯から外れた位置で切り出し、輪が弧を描いて側面を横切るものは「横目」で、日輪とは区別します。
表示の例「日輪象牙」「日輪横目」「横目芯持」「芯持横目」などと書かれます
日輪は、横目芯持の別名と考えてください。どちらも同じ印材を指し、太陽の名で呼ぶか、取り方の名で呼ぶかの違いです。当店の商品ページでは横目芯持の名前でお探しください。
日輪の模様はどう出るか|芯を通して、横向きに切り出します
環境省の案内によると、象牙は一生伸び続ける歯で、印材になる象牙質は層状に重なっています。日本大百科全書は、内部に美しい木目があると説明しています。層は牙の中心を通る芯を囲み、年輪のように外へ広がっています。そのため、牙に沿って縦に取ると層は側面に細い筋として現れ、横向きに切ると輪になります。
輪の見え方を決めるのが、切り出す位置です。芯を印材の中心に通して横向きに切れば、輪は芯の点を囲んで同心円に収まります。これが日輪です。芯から外れた位置で切れば、輪の中心は印材の外にありますので、側面には弧が横切るように見えます。これが横目です。
図は模様の出方を表した模式図です。実際の印材では、輪の間隔や濃さが牙のどこから取ったかによって1本ずつ違い、同心円といっても完全な円にはなりません。
写真のとおり、同じ「芯持」でも、縦に取るか横に取るかで芯の点が出る場所が変わります。日輪と呼ばれるのは、側面に出た芯の点を輪が囲んでいる横目芯持のほうです。
当店の表示では「横目芯持」です|呼び名の対応
- 日輪象牙にちりんぞうげ横向きに切り出し、芯を真ん中に通した象牙です。側面の輪が同心円に広がります。店によっては横目全体をこう呼ぶこともあります
- 横目象牙よこめぞうげ横向きに切り出した象牙です。芯を通したものまで含めて呼ぶ店と、芯を通さないものだけを指す店があります
- 芯持ち象牙しんもちぞうげ牙の芯を印材の中心に通した象牙です。縦に取れば頭に点が出て、横に取れば側面に点が出ます
日輪象牙がもっとも希少な理由|3つの条件が重なります
横向きに切り出すと、牙の太さがそのまま印材の長さになります。印材は長さ6cmほどですので、直径が6cm以上ある根元に近い部分しか使えません。牙は先へ行くほど細くなるため、この条件に合う範囲はわずかです。
芯は、牙の中心を1筋だけ通っています。縦取りの芯持が1本の牙から数本しか取れないのと同じ理由で、横目でも芯を通せる印材は限られます。
横向きに切り出すときは、芯が印材の中心を通るように切る場所を決めます。少しでもずれると輪は同心円にならず、横目になります。太い根元で、芯が真ん中に来て、しかも模様がきれいに出るところとなると、1本の牙から取れるのはごくわずかです。
環境省の案内によると、象牙は国際取引が原則として禁止されています。国内で使われているのは、過去に正規に輸入された在庫です。横目芯持に使える太い牙はそのなかでもわずかで、新たに入ってくることはありません。価格が高いのは、素材が上等だからではなく、この条件に合う印材が少ないからです。
通常の象牙との違い|変わるのは模様と価格です
日輪を選んでも、毎日の使い心地は通常の象牙と変わりません。違いは、太陽になぞらえた同心円の模様と、もっとも数の少ない取り方の1本を持てることです。
日輪象牙(横目芯持)の価格|実印・銀行印・認印とセット
横目芯持(日輪)の価格(税込、記事作成時点)
横目芯持の開運実印13.5mm、銀行印12mm、認印10.5mmを1本ずつ買うと、合計277,400円です。3本セットなら263,500円で、13,900円安くなります。輪の模様の雰囲気が近い印材を、職人が3本組み合わせてお作りします。還暦や独立のように、節目に合わせて印鑑をひととおり新しくする方におすすめです。
ほかの取り方と比べると、開運実印13.5mmで、芯を通さない横目は121,000円、縦取りの芯持は105,900円です。芯のない通常の極上なら90,800円です。象牙のランクごとの価格は象牙印材のランクとは?にまとめています。
横目芯持の開運印鑑に付いてくるもの
横目芯持は、お名前を鑑定して印影を設計する開運印鑑でご用意しています。文字は、線を枠に向かって八方へ伸ばす印相体で彫ります。線が入り組む書体ですが、きめの細かい象牙なら細い線まできれいに彫れます。
象牙の認定証正規の品であることを示す書面。当店は経済産業省認定の象牙取扱店です
付く付く印鑑ケース
付く付く鑑定書お名前の画数と、印面の設計の考え方を書いたもの
付くなし印鑑のお守り下鴨神社でご祈祷いただいたもの
付くなし桐箱
付くセットに付く5年間の保証5年以内に破損したときは、状態を確認したうえで修理か彫り直しをします
付く付く鑑定の中身と選び方は開運印鑑の選び方で説明しています。印材ごとの価格の一覧は開運印鑑の値段と相場をご覧ください。
太陽の名を持つ印材として、節目の1本に
日輪という呼び名は、模様の見た目から付いたものです。初日の出を拝む習わしのように、太陽は昔から新しい始まりと結びつけられてきました。そのため、会社の設立や独立、還暦、家の購入といった人生の区切りに、この名前の印材を選ぶ方がいらっしゃいます。印鑑で運が変わるわけではありません。ただ、実印は大事な契約のたびに手に取る印鑑です。始まりの名を持つ1本なら、押すたびに、そのときの決意を思い出すきっかけになります。
ご家族へのプレゼントに選ばれることもあります。お父様の還暦にお子様たちが連名で用意する場面や、会社を継いで代表者になる息子さんに、ご本人の実印として渡す場面です。象牙は印面を削って彫り直せますので、お名前を替えて次の代に受け継ぐこともできます。輪の模様と芯の点は、受け継いだあとも残ります。
横目芯持は「芯を真ん中に通して横向きに切り出す」という取り方の名前で、模様は1本ずつ違います。「輪が細かく詰まったもの」「点がはっきりしたもの」といったご指定はお受けできません。写真は見本ですので、届く印材とまったく同じにはなりません。模様の出方も、1本ごとの個性です。
もう1つ、注文の前に確かめていただきたいのが、海外へ持ち出す予定がないことです。環境省の案内では、国内で正しく買った象牙の製品でも、国外への持ち出しは厳しく禁止されています。留学や海外赴任の予定がある方や、外国に住むご家族に贈る場合は、白水牛やチタンをおすすめします。
よくある質問
日輪象牙と横目芯持は、同じものですか
同じ印材を指します。横向きに切り出し、芯を真ん中に通した象牙を、太陽になぞらえて日輪と呼ぶか、取り方のまま横目芯持と呼ぶかの違いです。当店では横目芯持の名前でご用意しています。ただし、芯の有無にかかわらず横目全体を日輪と呼ぶ店もあります。ほかの店で見かけたときは、芯が通っているかどうかを確かめてください。
届いた印材の輪が、真ん中から少しずれているように見えます
天然の牙ですので、芯がまっすぐ通っているとは限らず、層の厚みも均一ではありません。芯を印材の中心に通しても輪の広がり方には偏りが出るため、完全な同心円にはなりません。側面に芯の点があり、輪がそれを囲んでいれば横目芯持です。
芯の黒い点や輪の模様は、印影に出ますか
出ません。点も輪も印材の側面に現れる模様で、印影に写るのは彫った文字と枠だけです。この点は通常の象牙と変わりません。印鑑登録や銀行の届け出でも、模様が問題になることはありません。
3本セットは、3本とも横目芯持になりますか
3本とも横目芯持でお作りします。銀行印や認印は実印より細いぶん、芯を真ん中に収めやすくなりますが、太い根元からしか取れないという条件は同じです。輪の模様は1本ずつ違いますので、雰囲気の近い印材を職人が選んで組み合わせます。
日輪象牙を持つと、運がよくなりますか
運がよくなるとお約束することはできません。日輪は模様の見た目から付いた呼び名で、太陽にちなんだ、縁起のよい言葉とされています。当店の開運印鑑はお名前を鑑定して印面を設計しますが、これも効果を保証するものではありません。節目に、気持ちよく使い始めていただくための印鑑です。
まとめ|日輪象牙を探している方の決め方
まず、見ている表示がどの印材を指すのかを確かめます。当店では横目芯持の名前で探し、ほかの店で日輪と書かれていれば、芯が通っているかどうかを見ます。
次に、どの模様がお好みかで取り方を決めます。同心円の輪なら横目芯持、弧の模様なら横目、頭に芯の点が出るものなら縦取りの芯持です。開運実印13.5mmで、それぞれ136,200円、121,000円、105,900円です。
最後に、直径と本数を決め、海外へ持ち出す予定がないことを確かめてから注文に進んでください。実印・銀行印・認印を揃えるなら、模様の雰囲気が近い印材で組む3本セットが割安です。
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