CHAPTER 05 印材・素材
象牙の印鑑とは?特徴・6つのランクと価格・購入前に確かめること
象牙の印鑑は、細い線まで彫れて朱肉がよくなじむことから、昔から最高級とされてきました。標準・特上・極上・芯持・横目・横目芯持の6つのランクの違いと価格を説明します。国内で買ってよいのか、登録事業者の確かめ方、海外へ持ち出せないこと、手入れの方法もまとめました。
公開日: 2026年9月24日
「一生使う実印だから、いちばんよい素材で作りたい」。そう考えたときに候補に挙がるのが象牙です。ただ、注文の前に「今でも買ってよいのか」「標準・特上・極上は何が違うのか」と迷う方も少なくありません。この記事では、象牙が印材として優れている理由、6つのランクの違いと価格、購入の前に確かめておくことを順に説明します。
象牙は、きめがとても細かく、硬さと粘りのつり合いがよいため、細い線まで彫れて欠けにくい印材です。朱肉のなじみもよく、くっきりした印影になります。日本国内では、国に登録した事業者から象牙の印鑑を買うこと、持つことは法律で認められています。当店の象牙には、標準・特上・極上と、開運印鑑だけで扱う芯持・横目・横目芯持の6つのランクがあります。価格は、実印13.5mmが31,200円から、3本セットが73,200円からです。海外へは持ち出せませんので、その点だけご注意ください。
象牙とは|ゾウの牙から作る印材です
- 素材
- ゾウの牙上あごの歯が長く伸びたもので、一生伸び続けます。印材に使うのは、牙の大部分を占める「象牙質」という部分です
- 色
- 温かみのある乳白色使い込むと、少しずつ飴色に変わっていきます
- 彫刻
- きめが細かく、ごく細い線まで彫れます業界団体の全日本印章業協会も、もっとも緻密な彫刻ができる印材に挙げています
- 重さ
- 水牛の角より重く、手にしっとりなじみます適度な重みがあるため、力を入れなくてもまっすぐ押せます
- 価格
- 実印31,200円〜、3本セット73,200円〜牙のどこから取るかで、6つのランクに分かれます
名前に「本」と付くのは、象牙に似せた樹脂やほかの動物の牙と区別するためです。当店で「本象牙」と表示している印材は、すべて本物の象牙です。
象牙が印材として優れている3つの理由
木には木目があり、角には繊維の向きがありますが、象牙はどの方向にもきめが均一に詰まっています。そのため、実印に多い篆書体や印相体の細く入り組んだ文字を彫っても、途中で欠けにくくなります。職人にとっても、思いどおりに彫りやすい素材です。
象牙の表面は、朱肉を適度に含みます。金属のようにはじくことも、木のように吸い込みすぎることもありません。軽く押すだけで、かすれやにじみの少ない印影になります。銀行の窓口や契約の場で、押し直しを避けたい方にも向いています。
印鑑は、硬すぎると欠けやすく、柔らかすぎるとすり減ります。象牙はそのつり合いがよく、長く使っても枠や文字が欠けたり、すり減ったりしにくくなります。ご両親の象牙の実印を、自分の名前に彫り直して受け継ぐ方もいらっしゃいます。素材そのものが長持ちするからできることです。
象牙の6つのランク|牙のどこから、どの向きに取るかで決まります
象牙は、木の年輪のように、中心から外へ層を重ねながら伸びていきます。中心に近いほどきめが細かく、1本の牙から取れる量も少なくなります。ランクは、この「取る場所」と「取る向き」で決まります。
牙の外側から中ほどの層象牙ならではの彫りやすさや朱肉のなじみのよさを、いちばん手頃な価格で味わえます。はじめて象牙を選ぶ方に向いています。
31,200円〜 特上中ほどの層標準よりも色が白く、きめがそろっています。見た目の美しさと価格のつり合いがよく、贈り物にも向いています。
36,100円〜 極上中心に近い層標準や特上よりもきめが細かく、つやがあります。1本の牙からわずかしか取れません。
48,200円〜 芯持牙の芯そのもの頭の中央に、芯の跡である黒い点が入ります。1本の牙から数本しか取れません。
105,900円〜 横目牙を横向きに切り出したものふつうは牙の伸びる向きに沿って取りますが、横目は直角に取ります。側面に、年輪のような輪の模様が出ます。
121,000円〜 横目芯持横向きに、芯を通して切り出したもの輪の模様の中心に、黒い点が入ります。象牙のなかでも、もっとも贅沢な切り方です。
136,200円〜価格は実印13.5mmのものです。芯持、横目、横目芯持の3つは、お名前を鑑定して作る開運印鑑だけでご用意しており、鑑定書、お守り、桐箱が付きます。横棒は、価格のおおよその開きを表しています。
どのランクを選べばよいですか
細い線まで彫れることや、朱肉のなじみのよさは、標準の象牙にも備わっています。ランクが上がると、きめがより細かくそろい、見た目の美しさと希少さが増します。ご自分の実印を象牙で作りたい方には、標準か特上をおすすめしています。お祝いの品として見た目も大切にしたいなら、特上か極上が向いています。芯持や横目は、黒い点や輪の模様を楽しみたい方や、節目の記念に特別な1本を作りたい方のためのランクです。詳しい図解は、象牙の種類についてのページにも載せています。
象牙の印鑑の価格|ランクとサイズごとの一覧
| 実印 | 13.5mm | 15mm | 16.5mm | 18mm |
|---|---|---|---|---|
| 本象牙(標準) | 31,200円 | 36,100円 | 43,300円 | 51,800円 |
| 本象牙(特上) | 36,100円 | 40,900円 | 48,200円 | 56,700円 |
| 本象牙(極上) | 48,200円 | 53,000円 | 60,300円 | 68,800円 |
銀行印12mmは、標準が24,000円、特上が26,400円、極上が38,500円です。認印10.5mmは、標準が21,900円、特上が24,000円、極上が26,400円です。いずれも印鑑ケースと、象牙であることを示す認定証が付き、送料は無料です。
実印、銀行印、認印をまとめて作ると、1本ずつ買うよりも安くなります。象牙は1本あたりの価格が高いぶん、セットにしたときの差も大きくなります。
3本セット実印13.5・銀行印12・認印10.5mm
- 標準73,200円
- 特上82,100円
- 極上107,400円
2本セット実印13.5・銀行印12mm
- 標準52,400円
- 特上59,300円
- 極上82,300円
2本セット実印13.5・認印10.5mm
- 標準50,400円
- 特上57,000円
- 極上70,800円
標準の実印13.5mm・銀行印12mm・認印10.5mmを1本ずつ買うと、合計77,100円です。3本セットなら73,200円で、3,900円安くなります。3本とも同じランクの象牙でそろいます。結婚や独立など、印鑑をひととおり新しくする節目には、3本セットをおすすめしています。
象牙の印鑑は、買っても大丈夫ですか
国に登録した事業者から買い、自分で持つ分には、法律上の問題はありません。不安に思われる方が多いところですので、制度のあらましを説明します。
ゾウは、ワシントン条約と、日本の「種の保存法」で守られている動物です。象牙を国と国のあいだで売り買いすることは、原則として禁止されています。いま日本で印材として使われているのは、過去に正規の手続きで輸入され、国内で保管されてきた象牙です。国内に入ったあとの取引は、種の保存法にもとづいて管理されています。
環境省の案内では、自分で持っておくだけなら制限はありません。買った方が役所へ届け出る必要もありません。
相続と廃棄にも手続きは要りません。受け継いだ象牙の印鑑を、彫り直して使うこともできます。
個人であっても、くり返し取引をする場合は「特別国際種事業者」の登録が必要になることがあります。フリマアプリなどで何度も出品するような場合です。
国内で正しく買った象牙の印鑑でも、国外への持ち出しは厳しく禁止されています。海外へ引っ越す方や、外国に住むご家族へ贈りたい方は、ほかの印材をお選びください。
購入の前に、この3つを確かめてください
象牙の印鑑を買う前に確かめること
- 店が、象牙を扱う事業者として国に登録しているか象牙の印材や製品を扱う店は、「特別国際種事業者」として国に登録しなければなりません。登録番号などを表示することも、法律で義務づけられています。登録は5年ごとの更新制です。
- 象牙であることを示す認定証が付くか正規に取引された象牙から作られた製品であることを示す書面です。将来、ご家族に譲るときのためにも、印鑑と一緒に保管してください。
- 海外へ持って行く予定がないか留学、海外赴任、国際結婚などで、印鑑を国外へ持ち出す可能性がある場合は、象牙は避けてください。
当店は、経済産業省認定の象牙取扱店です。象牙の印鑑とセットには、1点ごとに正規の認定証をお付けしています。印材は、職人が1本ずつ状態を確かめたものだけを彫刻に使っています。
ほかの印材との比較|白水牛・チタン・黒水牛・薩摩本柘
| 印材 | 実印15mm | 3本セット(実印15mm) | 彫れる線の細かさ | 朱肉のなじみ | 手入れ |
|---|---|---|---|---|---|
| 本象牙(標準) | 36,100円 | 83,300円 | もっとも細かい | とてもよい | 朱肉を拭く。乾燥を避ける |
| 白水牛 | 30,000円 | 69,400円 | 細かい | よい | 乾燥と虫を避ける |
| チタン | 31,800円 | 68,400円 | 細かい | ふつう | ほぼ不要 |
| 黒水牛 | 15,300円 | 30,200円 | 細かい | よい | 乾燥と虫を避ける |
| 薩摩本柘 | 11,900円 | 25,200円 | 木のなかでは細かい | よい | 朱肉を拭く。乾燥を避ける |
白い印材がお好みで、象牙にするか迷っている方は、白水牛も候補になります。標準の象牙と白水牛の差は、実印15mmで6,100円です。動物に由来する素材を避けたい方には、チタンや薩摩本柘をおすすめします。印材ごとの違いは、実印の素材はどう選ぶ?でまとめて比べています。
象牙の手入れ|押したら拭く、乾かしすぎない
象牙は朱肉をよく含むぶん、付けたままにすると印面のまわりが赤く染まります。ティッシュで軽く押さえるようにして拭いてください。
象牙が苦手なのは、急な乾燥と温度の変化です。直射日光の当たる場所、暖房器具のそば、夏の車内に置くと、細かいひびが入ることがあります。
細い線まで彫れるぶん、溝に朱肉がたまりやすくなります。乾いた柔らかい歯ブラシで、軽くかき出してください。
水を吸ってふくらみ、乾くときにひびが入ることがあります。白さを戻そうとして漂白剤を使うと、表面が荒れてしまいます。
象牙は、年月とともに乳白色から飴色へ、ゆっくり色が深まっていきます。長く使ううちに表れる自然な変化で、傷んでいるわけではありません。当店の印鑑には5年間の保証が付いており、ご購入から5年以内の破損は、状態を確認したうえで修理や彫り直しをご案内します。
開運印鑑や会社印も、象牙で作れます
お名前を鑑定して印影を設計する開運印鑑では、6つのランクすべてをお選びいただけます。開運実印は標準の13.5mmで60,500円、実印・銀行印・認印の3本セットは117,000円からです。開運印鑑は、文字の線を枠に向かって八方へ伸ばす印相体で彫ります。細い線を欠けずに彫れる象牙とは、とくに相性のよい組み合わせです。
会社印は、標準の実印18mmが93,500円、銀行印と角印を加えた3本セットが257,900円からです。直径が大きいぶん太い牙が必要になるため、個人の印鑑より価格が上がります。
よくある質問
象牙の印鑑は、実印や銀行印に登録できますか
登録できます。市区町村の印鑑登録で断られるのは、ゴム印のように形が変わりやすいものや、同じ印影が大量に出回る既製品です。象牙は変形しにくく、昔から実印によく使われてきた印材です。銀行の届出印にもお使いいただけます。
親から譲られた象牙の実印を、自分の名前に彫り直せますか
象牙は、印面を削って平らにすれば、新しい名前を彫ることができる印材です。削るぶん、長さは数ミリ短くなります。ただし、ひびが入っているものや、すでに短くなりすぎているものは彫り直せません。当店でお受けできるかどうかは、印材の状態を伺ってからお返事します。お問い合わせから、直径と長さ、今の状態をお知らせください。
芯持の「黒い点」は、傷や汚れではないのですか
傷や汚れではありません。牙の中心を通っている芯の跡で、芯持であることの目印です。印面ではなく、持ち手の頭の中央に見えます。点の大きさや濃さは、1本ずつ違います。
認定証をなくしてしまったら、印鑑は使えなくなりますか
使えなくなることはありません。認定証は、正規の象牙から作られたことを示す書面で、押すときには必要ありません。ただ、将来ご家族に譲るときに由来を説明できるよう、印鑑と同じ場所に保管しておいてください。
海外旅行に、象牙の印鑑を持って行ってもよいですか
持ち出さないでください。環境省の案内では、国内でルールを守って取引された象牙製品でも、国外への持ち出しは厳しく禁止されています。旅行や出張であっても同じです。
まとめ|象牙の印鑑は、この順番で決めます
まず、印鑑を海外へ持って行く予定がないかを確かめます。留学や海外赴任の予定があるなら、象牙以外の印材を選んでください。次に、作る本数を決めます。実印1本なら31,200円から、銀行印と認印もそろえる3本セットなら73,200円からです。
本数が決まったら、ランクを選びます。ご自分用なら標準か特上、お祝いの品なら特上か極上、節目の記念なら芯持や横目が目安です。最後に、店が登録事業者であることと、認定証が付くことを確かめてから注文してください。
象牙の印鑑を、ランクから選ぶ
どのランクも印鑑ケースと認定証付き、送料無料、5年保証。実印・銀行印・認印を揃える3本セットがいちばん割安です。
標準 3本セット73,200円〜はじめての象牙に
特上 3本セット82,100円〜色の白さと価格のつり合い
極上 3本セット107,400円〜中心に近い、きめの細かい層