CHAPTER 04 印鑑登録・各種手続き

生命保険の手続きに印鑑は必要?契約・変更・請求で使う印鑑の種類

生命保険の手続きでは、保険料の口座振替に銀行印、受取人の変更や委任状に認印、印鑑証明を求められる請求に実印を使います。申し込みは署名で進みます。契約から保険金の請求までの場面ごとに、生命保険文化センターとかんぽ生命の案内をもとに説明します。

公開日: 2026年10月13日

居間の丸い木のテーブルを写した写真。紺のゴムバンドで留めたクリーム色の書類ばさみと紺のペン、大きさの違う3つの木の人形、白い小皿に立てた黒い印材、水色の印鑑ケース、朱色の朱肉入れ、緑茶の入った湯のみ、白いチューリップの花びんが置かれている
生命保険と印鑑 申し込みは署名で進みます。印鑑は、口座振替、名義の変更、委任状、保険金の請求で使います

保険の担当の方から「当日は印鑑をお持ちください」と言われ、どれを持って行けばよいのか迷ったことはないでしょうか。保険金を請求する書類に「印鑑証明」の文字を見つけて、手が止まった方もいらっしゃると思います。生命保険は、契約してから保険金を受け取るまでが長く、そのあいだに何度か印鑑の出番があります。場面ごとに、どの印鑑を使うのかを順に説明します。

先に結論

生命保険の申し込みは、契約する方と保険の対象になる方が、自分で署名して進めます。印鑑を使うのは、それ以外の手続きです。保険料の口座振替を申し込む用紙には、銀行に届け出た印鑑(銀行印)を押します。受取人を変える書類や委任状には、認印を押します。印鑑登録証明書を求められた手続きでは、実印が要ります。認印、銀行印、実印の3種類を、場面によって使い分けます。

生命保険の手続きで使う印鑑は3種類です

かんぽ生命は、手続きで使う印鑑を3つの場合に分けて答えています。基本は認印で、残りの2つは銀行印と実印を使う場合です。

認印受取人の変更や委任状など、ふだんの手続きの書類に押します。契約を申し込んだときと同じ印鑑でなくてもかまいません
銀行印保険料の口座振替を申し込むときに使います。引き落とす口座の届出印を、申し込みの用紙に押します
実印印鑑登録証明書を求められた手続きで使います。証明書に載っている印鑑を、書類に押します

どの手続きでどの印鑑を求めるかは、生命保険会社によって違います。生命保険文化センターも、必要な書類は会社に問い合わせて確かめるよう呼びかけています。ここからは、契約から保険金の受け取りまでの順に、印鑑を使う場面を見ていきます。

契約から保険金の受け取りまで、印鑑を使う場面

  1. 申し込み
    保険を申し込む

    かんぽ生命では、申込書にご本人が署名します。会社の名義で申し込むときは、記名して印鑑を押します。

    署名
  2. 申し込み
    保険料の引き落としを申し込む

    窓口で申し込むときは、通帳と、その口座の届出印を持って行きます。

    銀行印
  3. 契約のあと
    受取人や契約者を変える

    保険の対象になる方の同意が要ります。かんぽ生命では、同意の欄に記名と押印をします。

    認印
  4. 契約のあと
    代理の方に手続きを頼む

    ご本人が委任状を書いて、印鑑を押します。代理の方は、ご自分の本人確認書類も持って行きます。

    認印
  5. 受け取り
    保険金を請求する

    受取人が請求書を出します。受取人の印鑑登録証明書を求める会社では、請求書に実印を押します。

    会社によっては実印

申し込みは署名で進みます

申し込みの日に用意するのは、本人確認書類です。かんぽ生命は、マイナンバーカードか運転免許証のどちらか1点を挙げています。申込書には、契約する方(契約者)と、保険の対象になる方(被保険者)が、それぞれ自分で名前を書きます。

奥様が契約者、ご主人が被保険者になる契約では、ご主人の同意が欠かせません。保険法は、契約する方と別の人の死亡に備える保険について、その人の同意がなければ無効になると定めています。被保険者ご本人が申込書に署名するのは、この同意を形に残すためでもあります。

保険料の口座振替には、銀行に届け出た印鑑を使います

申し込みと同じ日に印鑑が要るのは、保険料を口座からの引き落とし(口座振替)で払うときです。かんぽ生命では、郵便局の窓口かWebサイトで申し込めます。

郵便局の窓口Webサイト

保険証券の記号番号が分かるもの、通帳、その口座の届出印、本人確認書類

用意するもの

保険証券の記号番号が分かるもの、通帳、本人確認書類

利用申込書に記入して、届出印を押します

印鑑

用紙への記入も押印も要りません

契約する方ご本人の口座にかぎります

使える口座

対応している金融機関の口座にかぎります

届出印は、口座を開いたときに銀行へ届け出た印鑑です。別の印鑑を押すと、用紙を出し直すことになります。保険の申し込みを控えている方は、引き落としに使う口座の届出印がどれかを、先に確かめておいてください。詳しくは、銀行印は必要?届出印が要る場面と実印・認印で代用しない理由で説明しています。

受取人や契約者を変えるときは、被保険者が同意の欄に印鑑を押します

結婚した、お子様が生まれた、ご両親から契約を引き継いだ。こうした節目に、受取人や契約者を変える手続きをします。保険法では、受取人を変えられるのは契約者です。死亡保険金の受取人を変えるには、被保険者の同意も要ります。契約者を変えるときも、被保険者と保険会社の同意が必要です。

変更の通知書で、それぞれの方がすること

契約者
通知書の記入

保険証券の記号番号が分かるものと、本人確認書類を持って、郵便局で通知書に記入します

被保険者
記名と押印

同意の欄に名前を書いて、印鑑を押します。被保険者が契約者と別の方のときは、その方ご本人が行います

新しい契約者
本人確認

新しく契約者になる方の本人確認書類が要る場合があります

被保険者が離れて暮らすご家族のときは、同意をどうもらうかを、先に窓口で聞いておいてください。押す印鑑は認印です。当店では、ご夫婦でも印鑑を1人1本ずつ持つことをおすすめしています。お二人が同じ1本を押すと、だれが同意したのかを印影で見分けられないからです。

結婚や離婚で姓が変わったときも、生命保険会社に申し出ます。契約者、被保険者、受取人のどなたの名前が変わった場合も同じです。引き落とし口座の名義を変えるなら、銀行での手続きも要ります。姓が変わったあとの進め方は、結婚で印鑑を変える順番|実印の登録と銀行印の改印にまとめています。

保険金を請求するときの流れと、印鑑証明が要る場合

ご家族が亡くなったときの請求は、受取人が行います。生命保険文化センターは、保険金を受け取るまでを4つの段階で説明しています。

  1. はじめに
    生命保険会社に連絡します

    契約者か受取人が連絡します。伝えるのは、保険証券の番号、亡くなった方の名前と亡くなった日、受取人の名前と連絡先などです。

  2. 案内が届く
    書類を揃えます

    必要な書類の案内と請求書が届きます。保険証券に書かれた受取人が、請求の手続きをします。

  3. 提出のあと
    会社が書類を確かめます

    支払いの期限は約款で決まっています。たとえば、書類が揃って届いた日の翌日から数えて、原則5営業日以内です。

  4. 受け取り
    口座に振り込まれます

    受取人が指定した口座に入金され、金額の明細が届きます。

生命保険文化センターは、請求に必要な書類として次のものを挙げています。契約によっては、ほかの書類が加わります。

  • 請求書
  • 被保険者の住民票
  • 受取人の戸籍抄本
  • 受取人の印鑑証明
  • 医師の死亡診断書、または死体検案書
  • 保険証券

4つ目の印鑑証明は、市区町村に登録した実印の証明書で、正式には印鑑登録証明書といいます。これを求める会社では、請求書に実印を押します。一方、かんぽ生命は、死亡証明書などのほかに、受取人の本人確認書類と、ご本人名義の通帳かキャッシュカードを挙げています。求められる書類は会社によって違うので、届いた案内で確かめてください。

印鑑登録証明書には、提出先が決めた有効期限があります。かんぽ生命は、住民票や戸籍謄本、印鑑登録証明書について、発行から6か月以内のものを求めています。請求の案内が届いてから取りに行けば、期限を気にせずに済みます。

代理の方に頼むときは、委任状に印鑑を押します

入院中で窓口へ行けないときや、高齢のご両親に代わって手続きをするときは、委任状を使います。かんぽ生命は、会社の用紙を使わない場合の書き方も示しています。次の7つを書いて、頼む側のご本人が印鑑を押します。

  • 「委任状」という表題
  • 委任状を書いた日付
  • あて名(契約した時期によって変わります)
  • 頼む側の住所、氏名、電話番号
  • 任せる内容(例:入院保険金の請求)
  • 保険証券の11桁の記号番号
  • 代理の方の住所、氏名、ご本人から見た続柄

書く内容に不足があると、手続きを受け付けてもらえないことがあります。委任したことを確かめるために、保険会社からご本人へ電話が入る場合もあります。ご両親の手続きを代わりに行う予定のある方は、委任状に押す印鑑の置き場所を、お元気なうちに一緒に確かめておくと安心です。

請求の日に慌てないために、実印と銀行印を用意しておきます

保険金を請求する日は、前もって選べません。受取人になっている方が実印を持っていないと、印鑑証明を求められてもすぐには出せません。印鑑を作り、市区町村で登録し、証明書を取るところから始めることになります。葬儀や役所の届け出が重なる時期に、この手間が加わります。

受取人に指定されている方は、印鑑登録が済んでいるかを確かめてください。引越しでほかの市区町村へ移った方は、前の住所での登録が消えています。手続きの流れは、実印とは?銀行印・認印との違いと登録までの流れで説明しています。

当店では、実印・銀行印・認印の3本セットを、薩摩本柘は21,700円から、黒水牛は24,300円からお作りしています。同じ3本を1本ずつ注文するより安くなります。保険の手続きで使う3種類が、一度に揃います。選び方は印鑑3本セットの選び方|実印・銀行印・認印を揃えるをご覧ください。

よくある質問

契約したときに押した印鑑を覚えていません。手続きはできますか

かんぽ生命は、契約を申し込んだときの印鑑は必要ないと答えています。認印を用意すれば手続きできます。扱いは保険会社によって違うので、心配な方はご契約先に聞いてください。

保険料を引き落とす口座の届出印が分かりません

心当たりの印鑑と通帳、本人確認書類を持って、銀行の窓口で確かめてもらってください。Webサイトで口座振替を申し込める保険会社なら、押印なしで手続きできます。

結婚して姓が変わりました。保険の手続きに新しい印鑑は要りますか

保険会社には、名前が変わったことを申し出ます。そのあとの書類には、新しい姓の認印を押します。引き落とし口座の名義も変えるなら、銀行に届け出る印鑑も新しい姓か下の名前のものに替えます。

受取人が未成年の子どもです。請求はどうなりますか

かんぽ生命では、受取人が未成年のときは、親権者の同意と、お子様との続柄が分かる書類が加わります。必要な書類は契約によって違うので、請求の連絡をするときに聞いてください。

会社で契約している保険の手続きには、どの印鑑を使いますか

かんぽ生命では、会社の名義で申し込むときは、申込書に記名して印鑑を押します。手続きによっては、代表者の証明書類や法人の印鑑を求められます。会社の印鑑の役割は、会社印鑑は何本必要?実印・銀行印・角印の3本が基本になる理由で説明しています。

まとめ|保険の手続きの前に確かめる順番

これから契約する方は、保険料を引き落とす口座を決めて、その届出印がどれかを確かめます。申込書は署名で済むので、当日に持って行くのは、本人確認書類と通帳、届出印です。

すでに契約のある方は、まず保険証券を出して、契約者、被保険者、受取人の名前を見てください。結婚や引越しで名前や住所が変わっていれば、保険会社に申し出ます。最後に、受取人になっている方の印鑑登録を確かめます。実印がなければ、請求の日が来る前に作って登録しておいてください。

SOURCES

出典

被保険者の同意と受取人の変更は保険法を、契約者や受取人の変更、改姓の届け出、死亡保険金の請求の流れと必要書類は生命保険文化センターの案内を、申し込みの署名、手続きで使う印鑑、保険料の口座振替、委任状、証明書の有効期限はかんぽ生命の案内を参照しました。手続きの書類や印鑑の扱いは生命保険会社によって違い、変わることもあります。ご契約の会社の案内でお確かめください。

  1. 保険法(平成20年法律第56号)第38条、第43条、第45条. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/420AC0000000056,(参照 2026-10-13).
  2. 公益財団法人生命保険文化センター. 諸変更と届出. 知っておきたい生命保険の基礎知識. https://www.jili.or.jp/knows_learns/basic/continuance/95.html,(参照 2026-10-13).
  3. 公益財団法人生命保険文化センター. 死亡保険金はどのようにして受け取る?. ひと目でわかる生活設計情報. https://www.jili.or.jp/lifeplan/houseeconomy/834.html,(参照 2026-10-13).
  4. 株式会社かんぽ生命保険. ご契約の流れと必要書類. https://www.jp-life.japanpost.jp/process/index.html,(参照 2026-10-13).
  5. 株式会社かんぽ生命保険. 【契約】手続きで使う印鑑は、契約申込時の印鑑が必要か知りたい。. よくあるご質問. https://faq.jp-life.japanpost.jp/faq/show/317?category_id=6&site_domain=default,(参照 2026-10-13).
  6. 株式会社かんぽ生命保険. 【書類】提出する証明書類の有効期限を知りたい。. よくあるご質問. https://faq.jp-life.japanpost.jp/faq/show/313?site_domain=default,(参照 2026-10-13).
  7. 株式会社かんぽ生命保険. 保険料振替口座のご指定・ご変更. https://www.jp-life.japanpost.jp/customer/procedure/payment.html,(参照 2026-10-13).
  8. 株式会社かんぽ生命保険. 保険契約者、保険金受取人のご変更. https://www.jp-life.japanpost.jp/customer/procedure/insurance_contract.html,(参照 2026-10-13).
  9. 株式会社かんぽ生命保険. 死亡保険金・死亡給付金のご請求. https://www.jp-life.japanpost.jp/customer/procedure/sad.html,(参照 2026-10-13).