CHAPTER 16 印鑑の贈り物・マナー

開店祝いにロゴ入りゴム印を贈るなら|データの確かめ方と店名の角印

開店祝いに、店のロゴ入りゴム印を贈りたい方へ。ゴム印にしやすいロゴとしにくいロゴ、注文の前に店主と決めること、サプライズで作ると困る理由と3つの贈り方、領収書に押す住所印と店名の角印までを説明します。

公開日: 2026年9月29日

開店したばかりの小さな店の明るいオーク材の作業台を真上から写した写真。無地のクラフト紙の手提げ袋の束、扇形に広げた無地のショップカード、麻ひもの糸巻き、真鍮のはさみ、木の持ち手のスタンプ、黒いスタンプ台、麻のリボンを掛けた白い贈り物の箱、四角い柘の印材が並んでいる
開店祝いの名入れ品 ロゴのスタンプは、無地の紙袋やカードに店の名前を入れる道具

友人が雑貨店やパン屋、カフェを開くお祝いに、店のロゴを彫ったゴム印を贈りたいと考える方がいらっしゃいます。無地の紙袋やショップカードに押すだけで、店の名前入りの袋やカードになります。開店したばかりの小さな店には、印刷を頼むより手軽で、毎日使える道具です。ただ、ロゴは店主が時間をかけて決めた店の顔です。贈る側の好みで形や色を変えるわけにはいかず、どこまで自分で決めてよいのか迷うところです。

先に結論

ロゴ入りゴム印は、元のデータと大きさを店主と決めてから作ります。ロゴの最新版や押す紙の寸法は、本人に聞かないと分からないからです。贈り方は、店主と一緒に注文して代金を受け持つか、作る費用をお祝いとして渡すのが確実です。領収書や請求書に押す店名の角印を一緒に贈ると、店の紙ものと書類の両方がそろいます。なお、当店ではロゴの図柄を写すゴム印はお作りしていません。店名を文字で彫る角印と、開運会社印のセットに入る住所のゴム印をご用意しています。

ロゴ入りゴム印は、店のどこで使うのか

紙袋やショップカードを印刷所に頼むと、ある程度まとまった枚数で注文することになります。開店したばかりで、どれだけ使うか分からない時期には、少し踏み切りにくいものです。スタンプなら、無地の袋やカードを買っておき、使う分だけ押せば済みます。デザインを変えたくなっても、作り直すのはスタンプ1つです。

ロゴのスタンプを押す、店の紙もの押すだけで、無地の紙が店の名前入りになる

  • 紙袋無地のクラフト袋の正面に押します。お客様が持ち歩くので、店の外でも名前が目に入ります押す回数がいちばん多い
  • ショップカード無地のカードにロゴを押し、住所や営業時間は別のスタンプか手書きで入れます。少ない枚数から作れます
  • 包装紙・薄紙無地の薄紙に等間隔で押すと、店の包装紙になります。贈答用の品が多い焼き菓子店や雑貨店で役立ちます
  • 封筒案内状や請求書を入れる封筒の裏に押します。住所のゴム印と並べる店もあります
  • 値札・タグ手作りの品や古道具に付ける紙のタグに押します。タグ用に小さめのスタンプを別に作る店もあります
  • ポイントカードカードの表にロゴを押します。来店のたびに押す小さなスタンプは、別に用意します

パンや焼き菓子を直接入れる袋は、外側だけに押します。インクには紙に向くもの、布に向くものなどがあるので、何に押すかを注文先に伝えて選んでもらいます。

いちばん出番が多いのは紙袋とショップカードです。開店から数週間は、買ってくれたお客様の数だけ押すことになります。小さな店の店主にとって、スタンプはレジの横に置いておく仕事道具の1つです。

ゴム印にしやすいロゴ、しにくいロゴ

店のロゴは、看板やウェブサイト、チラシのために作られていることが多く、そのままではゴム印にしにくい場合があります。ゴム印は、彫り残して盛り上がった部分にインクをのせて押す道具です。1色で塗られ、線にある程度の太さがある図柄ほど、きれいに写ります。

太い線と塗りのロゴ

1色で描かれ、線にしっかり太さがある図柄は、押しても形が崩れません。店名の文字が大きく入ったロゴもこの仲間です。

そのまま作りやすい

髪の毛のように細い線

細すぎる線は、ゴムが欠けたり、インクがのらずにかすれたりします。線を太くした版を、ロゴを作った人に用意してもらいます。

線を太くした版が必要

ぼかし・グラデーション

色の濃い薄いは、ゴム印では表せません。ぼかしの部分を、塗るか塗らないかのどちらかに分けて描き直します。

1色に描き直す

小さな文字が多いロゴ

住所やウェブサイトのアドレスまで小さく入れると、つぶれて読めなくなります。ロゴと店名だけにして、ほかは別のスタンプにします。

文字を減らす

どこまで細かく作れるかは、ゴム印を作る店やスタンプの大きさによって変わります。紙袋用の大きめのスタンプなら細かいところまで出せても、ショップカード用に小さくすると線がつぶれることがあります。注文先には、前もって元のデータを見せて相談しておきます。

注文する前に、店主と決めること

ロゴ入りゴム印には、店主に聞かないと決められないことがいくつもあり、贈る側だけでは注文を進められません。注文の前に、次のメモの項目を一緒に決めておきます。

ロゴ入りゴム印の注文メモ店主と一緒に埋めます

元のデータ
ロゴを作ったときのデータを、店主から受け取りますデザイナーに頼んだロゴなら、線で描かれたデータが残っていることが多いです。画像しかない場合は、できるだけ大きなサイズのものを用意してもらいます
大きさ
押す紙に合わせて、縦と横の寸法を決めます紙袋の正面なら4〜5cm、ショップカードなら2〜3cmが目安です。紙袋用とカード用で、大きさ違いを2つ作る店もあります
インクの色
押す紙の色と、ロゴの色合いを見て選びますクラフト紙には黒や紺、白い紙には店のテーマの色がよく使われます。色を使い分けるなら、色ごとにスタンプ台を用意します
持ち手の形
木の持ち手か、インクが中に入った浸透印かを選びます同じ色で何百回も押すなら浸透印、季節や紙によって色を替えたいなら木の持ち手が便利です
ロゴの使い方
デザイナーとの取り決めがないかを、店主に確かめてもらいますロゴを作った人と、使い方や色について約束している場合があります
時期と届け先
開店の日から使うなら、1か月前には相談を始めますデータの修正や試し押しに日数がかかることがあります。工事中の店か、店主の自宅か、届け先も聞いておきます

これだけのことを聞けば、贈り物だと気づかれます。ロゴのスタンプは、内緒で用意するより、店主と一緒に作るほうが無駄になりません。

サプライズで作ると、困ることがあります

「開店の日にスタンプを渡して驚かせたい」という気持ちはよく分かります。ただ、ロゴ入りゴム印は、店主の準備や好みと合わないと使えません。内緒で作ると、次のようなことが起こります。

01

ロゴの版が変わっている

開店の直前まで、ロゴの色や形を直していることがあります。ウェブサイトの画像から作ると、古い版になるおそれがあります。

贈る側ではいちばん新しいデータを、本人からもらいます。

02

紙袋やカードに合わない

用意した紙袋の幅やカードの大きさに対して、スタンプが大きすぎたり小さすぎたりすると、押す場所に困ります。

贈る側では押す紙の寸法を、先に聞いておきます。

03

もう作ってある

ショップカードやスタンプは、開店準備の早いうちに店主が用意していることがあります。同じスタンプが2つ届いても、使い道に困ります。

贈る側では作る予定があるかどうかを、さりげなく聞きます。

04

インクや持ち手の好みが違う

色やスタンプ台、持ち手の形まで、店主には店の雰囲気に合わせた考えがあります。

贈る側では細かいところは、店主に決めてもらいます。

お祝いとして贈るなら、3つの方法があります

ロゴ入りゴム印を開店祝いにするときは、開店までの日数と、店主のデザインへのこだわりで方法を選びます。

01

店主と一緒に注文し、支払いを引き受ける

データや大きさ、インクの色は店主に決めてもらい、代金と届け先の手配は贈る側が受け持ちます。「開店のスタンプは、お祝いに作らせて」と先に伝えておくと、相手も気兼ねなく相談できます。

向く場合開店まで1か月以上ある。店主とこまめに連絡が取れる

02

作る費用を、お祝いとして渡す

デザインにこだわりの強い店主なら、注文そのものを任せます。のし袋に「祝御開店」と書いて、「スタンプや紙袋の費用に」と一言添えます。何に使ったかを後で聞くのも、会話のきっかけになります。

向く場合店主がデザイナーと一緒に準備を進めている。開店まで日がない

03

ロゴは店主に任せ、書類に押す店名の印を贈る

紙袋やカードのスタンプは店主が作り、贈る側は領収書や請求書に押す角印を用意します。店名を文字で彫る印鑑なので、ロゴのデザインに左右されません。表記さえ確かめれば、驚かせる贈り物にもできます。

向く場合ロゴのスタンプはもう用意してある。形に残るお祝いを自分で選びたい

ロゴのゴム印と店名の角印は、押す紙も役割も違います

店を開くと、紙袋やカードだけでなく、書類に店の名前を入れる場面も増えます。手書きの領収書や仕入れ先への注文書、焼き菓子を卸す先への請求書、マルシェに出店するときの申込書などです。こうした書類に押すのは、ロゴのスタンプではなく、店名を彫った角印です。

ロゴ入りゴム印店名の角印

ロゴの図柄。店名が入っていないこともある

彫るもの

店名の文字を、四角い印面に並べる

紙袋、ショップカード、包装紙、タグ

押す紙

領収書、請求書、注文書、見積書

お客様

見る人

お客様、取引先、税理士や税務署

スタンプ台のインク。色は自由

インク

朱肉の朱色

ゴム。手軽に作り直せる

素材

柘や水牛。1本を長く使う

ロゴを変えたときに作り直す

作り直す時期

店名が変わらないかぎり使い続ける

ロゴのスタンプは店の雰囲気をお客様に伝え、角印はその書類を店が責任を持って出したことを示します。役割が違うので、両方そろえておくと紙袋にも書類にも困りません。角印の役割や押す位置は角印とは?役割・押す書類と位置・サイズ・社名の入れ方で説明しています。ゴム印や丸印との見分け方は角印と社印の違いをご覧ください。

手書きの領収書には、住所印に角印を重ねて押します

お店では、レジのレシートとは別に、手書きの領収書を頼まれることがあります。インボイス制度の登録をしている小売店や飲食店なら、宛名を省いた「適格簡易請求書」を出せます。国税庁の説明では、店の名前と登録番号、取引の日付と内容、税率ごとに分けた合計額を書きます。消費税額か税率のどちらかも必要です。店名や住所は毎回書くと時間がかかるので住所印で押し、そこに角印を少し重ねます。

押す場所と、書く場所
  1. 1 住所印(ゴム印)店名、住所、電話番号をまとめたゴム印です。インボイスの登録をしている店は、登録番号の行を入れておくと書き漏れがありません
  2. 2 店名の角印住所印の店名に少し重ねて押します。店が責任を持って出した領収書であることを示します
  3. 3 金額と但し書きここは毎回手で書きます。金額の頭に「¥」、終わりに「−」を付けて、書き足しを防ぎます

ロゴのスタンプを領収書の店名欄に押す店もありますが、図柄だけでは店の名前が読み取れないことがあります。書類には、店名が文字で読める住所印と角印を使うと、受け取った人が迷いません。

当店の開運会社印のセットには、幅60mmの組み合わせ式ゴム印が入っています。会社名、住所、電話番号、FAX番号の行がそれぞれ別のゴムになっていて、社名だけ、住所だけ、と組み合わせを変えて押せます。このゴム印は開運会社印のセットにだけ入っていて、単品ではお作りしていません。個人のお店に贈るなら、店名の角印を1本選ぶ形になります。

当店で贈れる店名の角印と会社印のセット

ロゴのスタンプと組み合わせて贈りやすい、店の印鑑の例です。彫る店名は、看板やロゴの書き方ではなく、書類に書く正式な表記を店主に聞いて決めます。

個人のお店に

  • 店名の角印 薩摩本柘21mm17,900円

合計17,900円

仲間うちの連名で

  • 店名の角印 黒水牛24mm32,500円

4人なら1人約8,100円32,500円

会社として開くお店に

  • 開運会社印 実印18mm・角印21mm・ゴム印 薩摩本柘60,700円

鑑定書・桐箱付き60,700円

角印の大きさは、店名の文字数で決めます。「ベーカリー」「カフェ」なども含めて9文字までなら21mm、10〜12文字なら24mmが目安です。それより長ければ27mmにします。どの素材にも革袋と朱肉、押印マットが付いているので、レジの引き出しに入れて届いた日から使えます。京都の職人が店名の文字数に合わせて配置を考え、1本ずつ彫刻します。個人のお店で屋号を彫るときの考え方は屋号入り印鑑とは?を、屋号の角印を開業祝いに贈る例は個人事業主の開業祝いに贈る印鑑をご覧ください。

よくある質問

角印にロゴを入れることはできますか

当店の角印は、店名を文字で彫る印鑑で、ロゴの図柄は入れられません。書体は篆書体(太・細)、吉相体、古印体、隷書体の5種類から、ロゴの雰囲気に近いものを選べます。英字の店名を彫るときは、大文字と小文字を店主に確かめてから注文します。

ロゴのゴム印と角印、1つだけ贈るならどちらがいいですか

ロゴのスタンプがまだなく、店主と一緒に注文できるなら、ゴム印のほうが開店の日から役立ちます。すでに用意してあるときや、自分で選んだ品を渡したいときは、角印をおすすめします。店名が変わらないかぎり使い続けるので、開店の記念として長く残ります。

インボイスの登録をしていない店にも、住所印や角印は要りますか

登録をしていない店でも、領収書や請求書には店名と住所を書きます。住所印を押せば書く手間が省け、角印を重ねれば店が出した書類だとはっきりします。組み合わせ式のゴム印なら、あとから登録したときに登録番号の行を足せます。

のしは付けたほうがいいですか

正式に贈るなら、表書きは「祝御開店」か「御開店御祝」、水引は紅白の蝶結びにします。スタンプの費用を現金で渡す場合も、同じ表書きののし袋を使います。友人どうしで気軽に渡すなら、メッセージカードを添える形でも構いません。

まとめ|ロゴは店主と一緒に、店名の印は書類のために

決める順番は次のとおりです。まず、店主にロゴのスタンプを作る予定があるかを聞きます。まだなら、一緒に注文して代金を受け持つか、開店まで日がなければ作る費用をお祝いとして渡します。もう用意してあるなら、ロゴは店主に任せて、領収書や請求書に押す店名の角印を選びます。彫る店名は書類に書く正式な表記で確かめ、文字数から21mm・24mm・27mmのどれにするかを決めます。会社として開く店なら、住所のゴム印が入った開運会社印のセットも候補になります。

ロゴのスタンプと一緒に

書類に押す、店名の角印

店名を四角い印面に、京都の職人が文字数に合わせて配置して彫ります。革袋・朱肉・押印マット付き。ご注文から3〜7営業日で発送、送料無料、5年保証です。

店名の角印を見る17,900円〜

会社として開くお店には、住所のゴム印が入った開運会社印 実印・角印・ゴム印の3点セット(薩摩本柘60,700円〜)もあります。店名の表記のご相談はお問い合わせからどうぞ。

SOURCES

出典

適格簡易請求書の記載事項は、消費税法と同法施行令、国税庁のタックスアンサーを参照しました。インボイスの登録をしていない事業者は、適格簡易請求書を出す立場にありません。ゴム印の大きさやインクの目安は一般的な例で、作る店や押す紙によって異なります。当店の印鑑の価格は税込・記事作成時点のものです。

  1. 国税庁. No.6625 適格請求書等の記載事項. タックスアンサー(よくある税の質問). https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6625.htm,(参照 2026-09-29).
  2. 財務省. 消費税法(昭和63年法律第108号)第57条の4. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/363AC0000000108,(参照 2026-09-29).
  3. 財務省. 消費税法施行令(昭和63年政令第360号)第70条の11. e-Gov法令検索. https://laws.e-gov.go.jp/law/363CO0000000360,(参照 2026-09-29).