CHAPTER 07 サイズ・形・選び方

デザイン性を重視した印鑑の選び方|色・質感・ケース・書体

見た目にこだわって印鑑を選ぶとき、変えられるところは4つあります。印材の色と質感、ケースの色や革、書体が作る印影の雰囲気、そして箱と包装です。印面にイラストや記号を入れることは印鑑登録の条件から外れますので、デザインは「印面の外」で楽しみます。当店で選べる7つの印材の色、15種類のケース、6つの書体を見比べて、3本セットで色を揃えるか分けるかまで、はじめての方にも分かるように説明します。

公開日: 2026年9月24日

ウォールナットの机に、紺・深緑・ワイン・からし色・くすんだピンクの革の印鑑ケースを立てて並べ、手前の真鍮のトレイに白水牛の柄の印材と柘の印材を寝かせ、チタンの印材を立てた様子
デザインで選ぶ印鑑 印面の外に、選べるところが4つあります

「印鑑は実用品だから、どれも同じ」と思われがちですが、毎日目にする道具ですので、気に入った見た目のものを持ちたいという方は多くいらっしゃいます。ただ、印鑑には実印や銀行印として登録・届け出をするという役目がありますので、どこまで自由に選んでよいのか、はじめての方には分かりにくいところです。この記事では、見た目を変えられる4つの要素と、変えてはいけないところを分け、当店で選べる印材の色、ケース、書体を見比べながら、デザインを優先した印鑑の選び方を説明します。用途や直径から決める基本の手順は印鑑の選び方でまとめています。

先に結論

デザインで選べるのは、印材の色と質感、ケース、書体が作る印影の雰囲気、箱と包装の4つです。印面にイラストや記号を入れることは、印鑑登録の条件から外れますのでできません。そのぶん、印材は7種類の色合いから、ケースは15種類の色と革から、書体は6つから選べます。3本セットなら、実印だけ質感の違う印材にしたり、ケースの色を3本で分けたりと、組み合わせの幅が広がります。

印鑑の見た目は、4つの要素で決まります

印鑑を手に取ったときに目に入るのは、まず印材の色と質感、そしてケースです。書類に押したあとに残る印影は、書体と文字の配置で雰囲気が決まります。贈り物なら、箱と包装も見た目の一部です。この4つは、どれも印鑑としての役目を損なわずに選び替えられます。

印材の色と質感

木の飴色、角の漆黒、白水牛の乳白色、チタンの銀色。印鑑そのものの色です。

選べる幅
7種類の色合い
目に入る場面
手に取るたび

ケース

牛革の10色、銀箔の花模様、鶴亀の意匠、トカゲ革や亀甲模様。いちばん自由に選べるところです。

選べる幅
15種類
目に入る場面
かばんや引き出しから出すたび

書体と印影

同じ名前でも、篆書体なら重厚に、古印体なら親しみやすく、行書体なら流れるような印影になります。

選べる幅
6つの書体、縦か横か
目に入る場面
書類に押したあと

箱と包装

桐箱、化粧箱、青か赤の包装紙。贈り物として渡すときの見た目です。セット商品で選べます。

選べる幅
箱2種類、包装2色
目に入る場面
渡すとき、開けるとき

先に確かめること|印面のデザインには決まりがあります

見た目を選ぶ前に、ひとつだけ知っておいていただきたいことがあります。印面、つまり彫る面のデザインは自由ではありません。京都市の案内では、印鑑登録できない印鑑として「職業、資格、その他氏名等以外の事項を表しているもの」「外わくがなく、または輪かくの模様が照合しにくいもの」「印影が鮮明で文字の判読が容易でないもの」「同一形態の印鑑が量産されているもの」などが挙げられています。花や星のようなイラスト、ハートのような記号を印面に入れると、実印としては登録できません。全国銀行協会も、キャラクターものの印鑑は多くの人が同じ印鑑を持つため届出印には使えないと案内しています。

自由に決められること

  • 印材の色、質感、直径
  • ケースの色と革、箱、包装
  • 書体、縦書きか横書きか、姓・名・フルネームのどれを彫るか
  • 枠と文字の太さのつり合い(職人が字を設計するときに調整します)

印鑑の役目のために決まっていること

  • 印面には氏名を表す文字だけを彫る。イラストや記号は入れない
  • 外枠を付ける。枠のない印影は照合しにくいため登録できない
  • 印影が鮮明で、文字が読み取れること
  • 押すたびに形が変わる素材は使わない。実印なら8mm四方より大きく25mm四方に収まる大きさ

つまり、デザインを楽しむ場所は「印面の外」です。裏を返せば、印面の外なら気に入った色や質感をどれだけ優先しても、実印や銀行印としての役目にはまったく影響しません。安心して好みで選んでください。

要素1|印材の色と質感で選ぶ

当店の個人用印鑑は、7種類の色合いの印材からお選びいただけます。木、角、金属、象牙で、色だけでなく手に持ったときの重さや温度も違います。価格は印材で決まりますので、色の好みと予算を同時に見ていくと決めやすくなります。

薩摩本柘飴色の木目。手になじむ温かい色実印15mm 11,900円
彩樺深い赤茶。木でありながら重厚な色実印15mm 12,800円
黒水牛漆黒の艶。定番で、どんなケースにも合う実印15mm 15,300円
白水牛(柄)乳白色に茶の模様。1本ごとに柄が違う実印15mm 20,400円
白水牛模様の少ない上品な白。明るいケースと相性がよい実印15mm 30,000円
チタンつや消しの銀色。ずっしり重く、現代的実印15mm 31,800円
本象牙(標準)きめ細かな白。使うほど落ち着いた色に実印15mm 36,100円

色で選ぶときの目安をお伝えします。黒水牛は何色のケースとも合いますので、ケースで色を楽しみたい方に向いています。白水牛や象牙の白い印材は、紺や深緑、ワインのような濃い色のケースに入れると印材の白さが引き立ちます。チタンは銀色ですので、黒や紺のケースに入れると道具らしい精悍な印象になり、明るい色のケースに入れると軽やかに見えます。柘や彩樺の木の色は、ブラウンやダークグリーンの革と合わせると、全体が落ち着いた色調にまとまります。白水牛の柄は1本ごとに模様が違いますので、模様そのものを楽しみたい方に選ばれています。印材ごとの丈夫さや手入れは白水牛の印鑑とは黒水牛の印鑑とはで説明しています。

要素2|ケースの色と革で選ぶ

ケースは、印鑑のデザインの中でいちばん自由に選べるところです。当店の個人用印鑑には、牛革の黒か赤のケースが標準で付きます。そこから、追加料金で色や革を選び替えられます。ケースは印鑑の注文画面でいっしょに選ぶ形ですので、印鑑を決めるときにケースの色も決めておいてください。

牛革ケース 黒・赤は標準。ほかの10色は 小サイズ +950円、中サイズ +1,100円、大サイズ +1,300円

  • グリーン
  • ブルー
  • ライトグリーン
  • イエロー
  • オレンジ
  • ピンク
  • ダークグリーン
  • ブラウン
  • パープル
  • ネイビー

色以外に、革の種類や意匠で選ぶケースもあります。写真で見比べてください。追加料金は印鑑の直径によって3段階に分かれ、10.5mmと12mmが小サイズ、13.5mmと15mmが中サイズ、16.5mmと18mmが大サイズです。

銀箔の花模様をあしらった銀花ケース
銀花(イエロー・パープル・ピンク)銀箔の花模様が華やかです。贈り物に選ばれています。+1,300〜2,000円
鶴と亀の意匠が入った鶴亀ケース
鶴亀鶴と亀の縁起のよい意匠。落ち着いた高級感があります。+2,400〜3,400円
鱗模様が浮き出た本トカゲ皮ケース
本トカゲ皮トカゲ革ならではの鱗模様。艶と強さのつり合いがよい革です。+2,400〜3,400円
亀甲模様をあしらった本カメ皮ケース
本カメ皮牛革に亀甲模様をあしらったケース。重厚で風格があります。+1,700〜2,400円

ケースの色は、使う場面から逆算するとよく選べます。持ち歩く認印なら、かばんの中で見つけやすい明るい色が便利です。実印と銀行印は家で保管しますので、落ち着いた色でそろえたり、実印と銀行印を別の色にして取り違えを防いだりする選び方があります。同じ黒水牛の3本でも、ケースの色を分けるだけで「どれが銀行印か」がひと目で分かります。

要素3|書体で印影の雰囲気が変わります

印材とケースは手に取ったときの見た目ですが、書類の上に残るのは印影です。同じ名前でも、書体によって印影の雰囲気は大きく変わります。当店の個人用印鑑では6つの書体からお選びいただけます。

吉相体で彫った印影見本
吉相体きっそうたい文字が枠いっぱいに広がり、線が枠に接します。重厚で読み取りにくいため、実印と銀行印に
篆書体で彫った印影見本
篆書体てんしょたいお札の印にも使われる古い書体。格式があり、線の太さがそろった端正な印影に
古印体で彫った印影見本
古印体こいんたい線に丸みとにじみのような味があり、親しみやすい雰囲気。認印に人気
楷書体で彫った印影見本
楷書体かいしょたいふだん目にする字の形そのまま。だれにでも読みやすく、すっきりした印影に
隷書体で彫った印影見本
隷書体れいしょたい横に広く、波のような払いが特徴。古典的でおしゃれな印象に
行書体で彫った印影見本
行書体ぎょうしょたい筆で流れるように書いた字。やわらかく、女性の銀行印や認印に選ばれています

雰囲気で選ぶなら、格式のある印影にしたい方は篆書体か吉相体、やわらかい印象にしたい方は行書体か古印体、すっきり読みやすい印影にしたい方は楷書体が向いています。ただし実印と銀行印は、まねされにくいことも大切ですので、読みやすさより複雑さのある吉相体や篆書体をおすすめしています。認印は読みやすさが役目ですので、楷書体や古印体で雰囲気を選ぶと、実用と好みの両方を満たせます。書体ごとの詳しい印影の違いは印鑑の書体一覧をご覧ください。

もうひとつ、印影の雰囲気を変えるのが縦書きか横書きかです。銀行印は「お金が縦に流れ落ちないように」という言い伝えから横書きにする方が多く、横書きにすると印影の表情がまた変わります。当店では書体も向きも、職人が名前の字に合わせて枠との接し方や線の太さを1本ずつ設計しますので、同じ書体を選んだ方と同じ印影にはなりません。

3本セットなら、色を揃えるか分けるかを決めます

実印、銀行印、認印を3本セットでそろえる場合、デザインの選び方は3つの方向に分かれます。同じ印材と同じ色のケースで統一感を出すか、実印だけ印材を変えて格を付けるか、ケースの色を3本で分けて見分けやすくするかです。

揃える

3本とも同じ印材、同じ色のケース。引き出しに並んだときの統一感があり、贈り物としても見栄えがします。取り違えは、印鑑の直径の違いで見分けます。

黒水牛3本セット 30,200円+ネイビーケース3本 +3,150円

実印だけ変える

実印は白水牛やチタンにして、銀行印と認印は黒水牛や柘にする組み合わせです。いちばん大切な1本に質感の違いを持たせ、費用は抑えられます。単品を3つ選ぶ形になります。

例:チタン実印15mm 31,800円+黒水牛銀行印13.5mm 9,500円+黒水牛認印12mm 7,000円

ケースの色で分ける

印材は同じにして、実印は黒、銀行印はダークグリーン、認印はイエローのようにケースの色を分けます。どれが銀行印かひと目で分かり、認印はかばんの中でも見つけやすくなります。

薩摩本柘3本セット 25,200円+ケース2本を色替え +2,050円

セット商品は3本を同じ印材でお作りしますので、実印だけ印材を変えたい場合は単品を組み合わせてご注文ください。ケースの色は、セットでも1本ずつ別々に選べます。3本セットには、追加料金なしで桐箱か化粧箱をお選びいただけますので、贈り物にする場合は箱も見た目の一部として決めてください。桐箱と化粧箱の違いは印鑑のプレゼントは桐箱入りでで写真つきで説明しています。

見た目を優先するときに、知っておきたいこと

デザインで選ぶこと自体に問題はありませんが、実際に使い始めてから「思っていたのと違う」となりやすい点が4つあります。先に知っておくと、後悔のない選び方ができます。

選ぶ前に知っておきたいこと

  • 白い印材は、朱肉の色が側面に付くと目立ちます白水牛や象牙は、押したあとに印面の周りを軽く拭く習慣があれば白さが保てます。付属の牛革ケースには朱肉が内蔵されていますので、ケースの中で印面が朱肉に触れる分は問題ありません
  • チタンは見た目どおりに重く、冷たい手ざわりです金属ならではの精悍さの裏返しです。重さがあるぶん、軽い力でも印影が均一に写ります。手が小さい方は、直径を13.5mmにすると持ちやすくなります
  • 明るい色のケースは、汚れが目に付きやすくなりますイエローやピンク、ライトグリーンの牛革は、かばんの中で擦れると色が沈んでいきます。毎日持ち歩く認印は濃い色、家で保管する実印と銀行印に明るい色、という分け方もあります
  • 印面の雰囲気は、書体を選んだあと職人が仕上げます「もっと線を細く」「枠を太く」のような希望は、注文時の備考欄に書いてください。彫る前に印影をメールで確かめる「印影のご確認」を選ぶと、字の形や配置を見てから彫刻に進めます

よくある質問

印面に小さなイラストや、名前のまわりに飾りの模様を入れられますか

実印や銀行印として使う印鑑にはおすすめしていません。京都市の案内では「氏名等以外の事項を表しているもの」は登録できないと定められており、飾りの模様やイラストはここに当たると考えられます。認印であっても、押した印影が読みにくくなると書類の受け取りを断られることがあります。印面は氏名の文字と枠だけにして、色やケースで個性を出す選び方をおすすめします。

上下の目印のアタリを付けて、デザインのアクセントにできますか

当店ではアタリを付けない仕上げが基本です。アタリがあると、押す向きを確かめずに押してしまい、印影がずれる原因にもなるためです。上下の目印をご希望の場合は、注文時の備考欄にお書きください。印材によってご相談のうえでお作りします。

かわいい印鑑にしたいのですが、銀行印として大丈夫ですか

印面が氏名の文字と枠だけで、押すたびに形の変わらない印材であれば、ピンクのケースに白水牛の印材、行書体の横書きのような組み合わせでも、銀行印としてふつうに届け出できます。全国銀行協会が届出印に使えないとしているのは、多くの人が同じ印鑑を持つキャラクターものや、変形しやすいゴム印などです。かわいさは印面の外で作れば、役目には影響しません。

あとからケースだけ色を変えられますか

ケースは印鑑の注文時に、直径に合わせて選んでいただく形です。ケースだけを別売りにはしていませんので、印鑑をご注文になるときに色を決めてください。3本セットの場合も、1本ずつ別々の色を選べます。

まとめ|印面は決まりを守り、印面の外で個性を出す

デザイン性を重視して印鑑を選ぶときは、まず印面には氏名の文字と枠だけを彫るという決まりを守ります。そのうえで、印材の色と質感、ケースの色や革、書体が作る印影の雰囲気、箱と包装の4つで好みを出します。当店では7種類の印材、15種類のケース、6つの書体を組み合わせられますので、黒水牛にネイビーのケース、白水牛に深緑のケース、チタンに黒のケースのように、自分らしい1本を作れます。3本セットなら、色を揃えて統一感を出すか、ケースの色を分けて見分けやすくするか、という選び方もあります。どの組み合わせを選んでも、印面は京印章の職人が名前に合わせて1本ずつ設計しますので、見た目と役目の両方が手に入ります。

印材7種類 × ケース15種類 × 書体6つ

好きな色と質感で、自分の印鑑を組み立てる

商品ページで印材と直径を選び、注文画面でケースの色と書体を選びます。印面は京印章制作士が名前に合わせて設計し、彫る前の印影確認にも対応します。送料無料、5年保証。

ケースの色と追加料金の一覧は印鑑ケースのご案内で写真つきでご覧いただけます。

SOURCES

出典

印鑑登録できる印鑑の条件は京都市の案内を、金融機関に届け出できない印鑑は全国銀行協会の案内を参照しました。登録の条件は市区町村によって細部が異なります。価格は当店の税込価格で、記事作成時点のものです。ケースの追加料金は印鑑の直径によって変わります。

  1. 京都市. 印鑑登録. 京都市情報館. https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000147302.html,(参照 2026-09-24).
  2. 一般社団法人全国銀行協会. ハンコにはルールがあります!. 教えて!くらしと銀行. https://www.zenginkyo.or.jp/article/tag-f/3805/,(参照 2026-09-24).