CHAPTER 02 個人の印鑑
未成年でも実印は作れる?印鑑登録できる年齢と必要になる場面
未成年でも15歳以上なら多くの市区町村で印鑑登録ができ、実印を持てます。ただし18歳になるまでは親権者の同意なしに契約できないため、実印を使う場面は限られます。登録できる年齢、未成年者が実印を求められる場面、親御さんが代わりにできること、成人に向けて作るときの名前と直径の決め方をまとめました。
公開日: 2026年9月24日
高校生のお子さんについて、「未成年でも実印は作れるのか」「もう持たせたほうがよいのか」と迷う方もいらっしゃいます。成人祝いや進学祝いに印鑑を贈りたい方、お子さん名義で車を買う予定がある方からも、同じご質問をいただきます。この記事では、登録できる年齢と実印が要る場面を確かめたうえで、作る時期と決め方を説明します。
15歳以上で意思能力があれば、多くの市区町村で印鑑登録ができ、実印を持てます。15歳未満は登録できません。ただ、18歳未満は親権者の同意なしに契約できません。そのため車の購入や部屋を借りる契約では、たいてい親御さんの実印と印鑑証明書が必要になります。お子さんの分は急いで作らなくてよく、18歳前後の節目に用意すれば間に合います。
印鑑登録できる年齢は15歳から
登録の条件は、市区町村ごとに条例で決められています。多くの自治体では「その市区町村に住民登録がある、15歳以上で意思能力のある人」が対象で、練馬区も京都市も同じです。15歳未満のお子さんの分は、親御さんが代わりに申請することもできません。
一方、親権者の同意なしに契約できるのは18歳からです。2022年4月に成年年齢が20歳から引き下げられ、今は18歳で成年になります。実印は本人の意思で約束したことを示す印鑑ですから、15歳で登録できても、18歳までは出番が多くありません。
- 0〜14歳印鑑登録はできない銀行印なら作れる。お子さん名義の口座に届け出られる
- 15〜17歳印鑑登録はできる実印を持てるが、契約には親権者の同意が要る
- 18歳〜成年。自分の名前で契約できる車の購入、賃貸契約、ローンなどで実印を使い始める
未成年者が実印や印鑑証明書を求められる場面
18歳未満のうちに実印が要ることは多くありません。ただ、次のような手続きでは、本人か親御さんの実印を求められます。
| 場面 | 本人の実印 | 親権者の実印 | 補足 |
|---|---|---|---|
| 自動車を未成年者名義にする | 実印と印鑑証明書。証明書を取れない年齢なら住民票で代える | 親権者全員の実印を押した同意書と、1人の印鑑証明書 | 親子関係が分かる戸籍謄本も添える |
| 遺産を相続する | 要らない | 親権者が代わりに押印する。親権者も相続人なら特別代理人を立てる | 未成年者は遺産分割協議に自分で加われない |
| 奨学金や進学の契約 | 制度によって異なる | 連帯保証人になるなら実印と印鑑証明書 | 本人は認印で済む場合が多い |
| アルバイトの雇用契約 | 要らない | 要らない(同意書を求められることはある) | 認印か署名で済む |
| 一人暮らしの賃貸契約 | 物件によって異なる | 契約者か保証人になるなら実印と印鑑証明書 | 18歳未満なら親御さんが契約者になることが多い |
表のとおり、未成年者が関わる契約では、本人より親権者の実印を求められることが目立ちます。お子さんの分を用意しようとして、親御さんの登録がまだだったと気づく方もいらっしゃいます。準備を始める前に、まずご自身の印鑑登録が済んでいるかを確かめてください。大人になってから使う場面は実印はいつ必要?車・住宅・相続など使う場面を整理にまとめています。
16歳や17歳で自動車を買う場合
国土交通省の案内では、普通自動車の所有者が18歳未満なら、親御さんの側で3つの書類を添えます。親子関係が分かる戸籍謄本、親権者全員が実印を押した同意書、そのうち1人の印鑑証明書(発行から3か月以内)です。そのうえで、所有者になるお子さんの印鑑証明書も要ります。住民票で代えられるのは、証明書を取れない15歳未満の場合です。16歳や17歳のお子さん名義で買うなら、先に印鑑登録を済ませておいてください。
親が代わりに登録することはできるか
印鑑登録の手続きは、自分で窓口に行くのが原則です。行けない事情があるときは、代理人による申請もできます。その場合、照会書が本人あてに郵送されます。届いたら本人が回答書に記入し、代理人がそれを持ってもう一度窓口へ行く、という2段階の手続きです。15歳以上のお子さんに代わって親御さんが申請するときも、この流れになります。
- 実印を注文して贈る
- お子さんの住民票と同じ字体で彫った印鑑を用意する。成人祝いや進学祝いに合わせる方が多い
- 代わりに窓口で申請する
- 15歳以上のお子さんなら可能。照会書の回答を待つので、2回足を運ぶことになる
- 契約に同意する
- 18歳未満のお子さんが申し込むときに親権者として同意し、求められたらご自身の実印を押す
- 15歳未満のお子さんの印鑑を登録する
- 年齢の条件を満たさないため、代理でも受け付けてもらえない
- 本人の意思なしに登録する
- 照会書への回答はお子さんが書くので、知らないうちに手続きが進むことはない
- お子さんの実印をご自身の契約に使う
- 実印はお子さん本人のもの。家族でも代わりに押すことはできない
お子さんが自分で窓口に行く場合は、持っていく書類で手続きの回数が変わります。マイナンバーカードや運転免許証のように、国や自治体が発行した顔写真付きの書類があれば、その日のうちに登録できます。学生証は学校が発行するものなので、顔写真があっても即日登録には使えないのが一般的です。高校生ならマイナンバーカードを持っていくのが確実です。
未成年のうちに作るなら、いつがよいか
登録は15歳からできても、実際に使い始めるのは18歳以降です。ですから実印は、18歳前後の節目に合わせて作るのが自然です。年齢ごとの目安は次のとおりです。
-
誕生〜小学生
銀行印を1本
お子さん名義の口座を開くときに届け出ます。名のみで彫っておけば、将来姓が変わっても使い続けられます。詳しくは子どもの銀行印はいつ作る?をご覧ください。
-
15〜17歳
登録はできるが、急ぐ理由はない
車を本人名義にするような予定がなければ、この時期に実印を作る必要はありません。認印を持たせておけば、アルバイトや学校の書類には足ります。
-
18歳前後
実印を作り、登録する
成人や高校卒業、進学、就職の節目に合わせて作ります。一人暮らしを始めるなら、手続きは引っ越しのあとにします。成人祝いの選び方は成人祝いの印鑑は実印・銀行印のどちら?で説明しています。
印鑑登録は、住民票のある市区町村で行います。引っ越して別の市区町村へ住民票を移すと、その登録は失効します。高校卒業後に一人暮らしを始めるなら、引っ越し先で転入届を出してから登録すると1回で済みます。印鑑そのものは、先に用意しておいて構いません。
成人に向けて作る実印の決め方
未成年のうちに作る場合も、決めることは大人と同じで、彫る名前、直径、書体、素材の4つです。なかでも彫る名前は、将来の結婚で姓が変わるかもしれないことを考えて選びます。
- 本人だけの印鑑と分かり、家族と取り違えません
- 住民票の字体で彫ります。旧字体・異体字は注文時に指定します
- 将来姓が変わると、作り直して登録し直すことになります
- 結婚で姓が変わっても、登録し直すだけで使い続けられます
- 多くの市区町村で、名のみの印鑑も実印にできます
- 文字数が少ない分、直径は13.5mmでも線に余裕があります
直径は、フルネームなら15mm、名のみなら13.5mmが目安です。フルネームが5文字以上になる方は、16.5mmにすると線が細くなりすぎません。書体は、印影から字を読み取りにくい吉相体か篆書体で作る方が大半です。素材は何十年も使うことを考えると、欠けにくい黒水牛やチタンが向いています。価格を抑えたいなら、薩摩本柘という選択肢もあります。
| 揃え方 | 向いている場合 | 薩摩本柘 | 黒水牛 |
|---|---|---|---|
| 実印を1本 | 銀行印と認印はすでに持っている | 10,700円〜 | 11,900円〜 |
| 実印・銀行印の2本セット | 子どものころに作った銀行印がない、または姓のみで彫ってある | 16,200円〜 | 17,900円〜 |
| 実印・銀行印・認印の3本セット | 自分の名前の印鑑を1本も持っていない | 21,700円〜 | 24,300円〜 |
生まれたときに名のみの銀行印を作ってあるなら、成人祝いは実印1本か、実印・認印の2本セットで足ります。まだ1本も持っていないなら、3本セットのほうが1本ずつ買い足すより安く済みます。3本は用途に合わせて直径を変えてお作りします。
よくある質問
中学生の子どもの実印を作っておきたいのですが
印鑑を作ることはできますが、15歳になるまでは登録できないため、実印としては使えません。中学生のうちに用意するなら、口座に届け出る銀行印のほうが役に立ちます。実印は、高校卒業や成人の節目に改めて考えてみてください。
17歳で登録した実印は、18歳になったら登録し直しが必要ですか
必要ありません。18歳を過ぎてもそのまま有効で、大人になってからも使えます。失効するのは、住民票を別の市区町村に移したときと、本人が廃止を届け出たときです。姓が変わって印鑑の文字と合わなくなったときも失効します。
未成年者が実印を押した契約は有効ですか
実印が押してあっても、18歳未満の人が親権者の同意なしに結んだ契約は、原則として取り消せます。実印で証明できるのは本人が押したことまでで、年齢の条件を満たしたことにはなりません。そのため取引の相手は、未成年者に親権者の同意書を求めます。
親と同じ姓なので、親の実印を子どもに譲れますか
おすすめしません。同じ世帯の人がすでに登録している印鑑は、登録できない決まりの市区町村が多いためです。それに実印は持ち主だけが使うものですから、お子さん用に新しく作ってください。
まとめ|お子さんの実印を用意する順番
まず、18歳になる前に実印を使う場面があるかを確かめます。お子さん名義で車を買うのでなければ、急いで作る必要はありません。次に、親御さんご自身の印鑑登録が済んでいるかを確かめてください。未成年のうちの契約では、親権者の実印を求められることが多いからです。
作る時期は18歳前後の節目に合わせ、引っ越す予定があれば住民票を移してから登録します。彫る名前をフルネームにするか名のみにするかを決め、直径、書体、素材の順に選んでください。最後に、持っている印鑑に合わせて、実印1本にするか、2本・3本のセットにするかを決めます。
自分名義の印鑑を1本も持っていないお子さんには実印・銀行印・認印の3本セットが揃います。名前の字体や直径のご相談はお問い合わせから承ります。