CHAPTER 12 開運印鑑・姓名判断
印鑑供養とは?古い印鑑の納め先と、納める前に済ませる手続き
印鑑供養は、長く使った古い印鑑を、感謝を込めて神社などに納める習わしです。京都・下鴨神社の印章祈願祭など3つの納め先と、納める前に済ませる実印・銀行印の手続き、納める時期、ご自分で処分する方法をご説明します。
公開日: 2026年10月5日 更新日: 2026年10月7日
新しい印鑑を作ったあと、古い印鑑が引き出しに残っている。ご家族の遺品を整理していたら、印鑑が出てきた。名前が彫ってあるので、ごみとして出すのは気が引ける、という方は少なくありません。そんなときの手放し方の1つが、印鑑供養です。この記事では、供養の意味、納め先、納める前に済ませておく手続きを順にご説明します。
印鑑供養は、役目を終えた印鑑を、感謝を込めて神社などに納めることです。法律で決まった手続きではなく、手放すときの気持ちの区切りとして行います。納める前に、実印は登録を、銀行印は届け出を、新しい印鑑に替えておきます。銀行印を替える手続きでは古い印鑑を窓口に持っていくので、先に納めないでください。
印鑑供養とは|長く使った印鑑を、感謝を込めて納めること
「供養」は、もともと仏教の言葉です。仏や亡くなった方に、敬う気持ちから花や灯明をささげることを指します。日本では、長く使った道具を手放すときにも、この言葉を使ってきました。よく知られているのが針供養です。折れた針や古い針を豆腐やこんにゃくに刺し、近くの社寺に納めます。
印鑑供養も、針供養と同じ考え方の習わしです。印鑑には持ち主の名前が彫ってあります。家の契約や預金の出し入れなど、暮らしの大事な場面で押してきた道具でもあります。そのまま捨てるのはためらわれるため、神社で祈祷を受けてから納める行事が今も行われています。
印面を削って押せないようにしてから処分する方もいれば、記念として手元に残す方もいらっしゃいます。供養は、納めたほうが気持ちが落ち着く、という方のための方法です。
納めてよい印鑑と、まだ納めないほうがよい印鑑
供養に出した印鑑は、手元に戻りません。納めてよいかどうかは、その印鑑を今も役所や銀行に届け出ているかで決まります。
納められます
古い実印・銀行印・認印新しい印鑑に登録や届け出を替えたあとの、古い実印や銀行印です。欠けたり、すり減ったりして使わなくなった認印も納められます。
確かめること古い印鑑を届け出たままの口座や契約が残っていないか
相続の手続きが終わってから納めます
相続のあとで納める故人の実印や銀行印は、それまで手元に置いてください。どの口座に届け出た印鑑だったかを確かめる手がかりになります。
確かめること預金や不動産の名義の書き換えが、すべて済んでいるか
新しい印鑑に替えてから納めます
まだ納めない印鑑登録をしたままの実印や、口座に届け出たままの銀行印です。納めてしまうと、紛失したときと同じ手続きが必要になります。
確かめることこのあとご説明する手続きを、新しい印鑑で済ませたか
ご家族の印鑑を残すか手放すかで迷っている方は、形見の印鑑はどうする?もあわせてお読みください。
納める前に済ませる手続き|実印の登録と銀行印の届け出
古い印鑑が手元にあるうちに済ませておくことと、納めたあとの流れは、次のとおりです。
納める前古い印鑑が手元にあるうちに
- 新しい印鑑を用意する届いたら、名前の字に間違いがないか、欠けがないかを確かめます
- 実印の登録を替える市区町村の窓口で、古い印鑑の登録を廃止して、新しい印鑑に切り替えます
- 銀行印の届け出を替える古い印鑑と新しい印鑑の両方を、銀行の窓口に持っていきます
- 印影を紙に残す古い印鑑を白い紙に押して、記念に1枚取っておきます
納めたあと印鑑は手元に戻りません
- ご祈祷を受ける集まった古い印鑑が、神前で祈祷を受けます
- お社に納められる印章祈願祭では、下鴨神社の印納社に納められます
- 手元には印影が残る押しておいた1枚が、その印鑑を使った年月の記録になります
実印は、市区町村の登録を新しい印鑑に替えます
実印は、お住まいの市区町村に登録している印鑑です。替えるときは、今の登録を廃止し、新しい印鑑で登録し直します。川崎市では、廃止の申請に印鑑登録証を添えます。千葉市のように、同じ日に新しい印鑑を登録できるところもあります。持っていくものは、市区町村の窓口かホームページでお確かめください。
銀行印は、古い印鑑を持って窓口へ行きます
替えるときは、これまでの銀行印、これから使う印鑑、通帳、本人確認書類の4つを、銀行へ持っていきます。古い印鑑が手元になければ、紛失の手続きから始めることになります。銀行印を供養に出すのは、すべての口座で届け出を替え終えてからにしてください。
古い印鑑を届け出たままの口座が残っていないか、探す方法は印鑑を新調したら古い印鑑はどうする?でご説明しています。
印鑑供養はどこでできるか|3つの納め先
納め先は、大きく分けて3つあります。
印章祈願祭の日に、下鴨神社へ持参する
- 印章祈願祭は、毎年9月の最終日曜日に京都の下鴨神社で開かれます
- 当日に古い印鑑を持っていけば、祈祷を受けたうえで納めてもらえます
- 日時や受け付けの場所は年によって変わることがあるので、出かける前に確かめます
向いている方京都まで出かけられる方。ご自分の手で納めたい方
協会の会員マークがある印章店に預ける
- 全日本印章業協会の会員の店に、古い印鑑を持ち込む方法です
- 預けた印鑑は、印章祈願祭で祈祷を受けて納められます
- 受け付けている時期と費用は、持ち込む店に尋ねます
向いている方京都から遠い方。祈願祭の日に都合がつかない方
近くの神社やお寺に尋ねる
- 針供養や人形供養のように、道具の供養を行っている神社やお寺があります
- 印鑑も納められるかどうかは、ところによって違います
- 納められる時期と納め方を、先に電話で尋ねておきます
向いている方ふだんお参りしている神社やお寺に納めたい方
当店は京都・伏見の印章店です。納め方が分からないときは、お問い合わせからご相談ください。
印章祈願祭とは|下鴨神社で古い印鑑が納められるまで
印章祈願祭は、全日本印章業協会が公益事業として毎年開いている行事です。時期と場所、始まりは次のとおりです。
- 01古い印鑑が集まる当日に持ち込まれた分と、全国の印章店が預かった分が、下鴨神社に集められます
- 02ご祈祷を受ける長年使われて役目を終えた印鑑が、本殿で祈祷を受けます
- 03印納社に納められる西参道に面したお社で、埋納式(古い印鑑を埋めて納める儀式)が行われます
下鴨神社の印璽社は、印鑑と契約を守る神様をまつるお社です。当店の開運印鑑に添えているお守りも、この神社のものです。
納める前にしておく準備
納める前に、次の4つを済ませます
- 印影を白い紙に押して残す 納めた印鑑は、二度と押せません。きれいに押した1枚に、使っていた期間を書き添えておくと、あとで見返せます。
- 印面の朱肉を拭き取る 乾いた柔らかい布やティッシュで、残った朱肉を軽く押さえて取ります。
- ケースや箱の扱いを尋ねる ケースや桐箱を一緒に納められるかどうかは、納め先によって違います。持ち込む前に確かめてください。
- ご家族に伝えておく 古い印鑑を納めたことと、今の実印と銀行印がどれかを知らせておきます。ご家族があとで探し回らずに済みます。
印鑑供養の時期は、届け出を替えたあとならいつでもかまいません
納める日に決まりはありません。印章祈願祭に合わせるなら、9月の最終日曜日までに届け出を替え終えておきます。近くの神社やお寺に納める場合は、受け付けている時期を尋ねてください。
急いで納める必要もありません。届け出を替えたつもりでも、古い印鑑を届けたままの口座が、あとから見つかることがあります。替え終えてから1年ほどは、別の場所にしまっておきます。その間に古い印鑑を使う場面がなければ、納めてかまいません。
供養のほかに、古い印鑑を処分する方法
近くに納め先がなく、手元に置いておくのも気が進まない場合は、ご自分で処分することもできます。印影を紙に残したあと、やすりで印面を削るか、彫刻刀で文字に傷を付けて、押せない状態にします。誰かに拾われて使われるのを防ぐためです。そのうえで白い紙に包み、お住まいの自治体の分け方に従って出します。木、水牛の角、金属など、印材によって分け方が変わることがあります。
欠けてしまった印鑑の扱いは、印鑑が欠けたら不吉?でご説明しています。開運印鑑を作り直す場合は、開運印鑑を作り直すときもご覧ください。
よくある質問
供養をしないで捨てると、縁起が悪いのでしょうか
供養をしないと縁起が悪くなる、という決まりはありません。供養は、長く使った道具に感謝して手放すための習わしです。ご自分で処分する場合も、印面を削っておけば、ほかの人に使われるのを防げます。どちらにするかは、お気持ちに合わせて選んでください。
印鑑供養の費用はどのくらいかかりますか
納め先によって違います。全日本印章業協会の案内には、金額は書かれていません。印章店に預けるならその店に、神社やお寺に納めるならそちらに、持ち込む前に尋ねてください。
古い印鑑を郵送で納めることはできますか
協会が案内している方法は、祈願祭の当日に下鴨神社へ持参するか、会員の印章店に持ち込むかの2つです。郵送で受け付けているかどうかは、それぞれの印章店や納め先に確かめてください。
亡くなった父の実印は、すぐに納めてもかまいませんか
相続の手続きが終わるまでは、手元に置いておくことをおすすめします。お父様の印鑑登録は、亡くなったことが分かると市区町村の側で消されます。ただ、銀行印を兼ねていた場合は、どの口座に届け出た印鑑かを確かめる手がかりになります。
会社の印鑑も供養できますか
受け付けているかどうかは納め先によって違うので、先に尋ねてください。会社の実印は、法務局に届け出ている印鑑です。新しい印鑑で改印の手続きを済ませてから手放します。銀行印も、個人と同じく、銀行で届出印を替え終えてから納めます。
まとめ|新しい印鑑を用意し、届け出を替えてから納める
まず新しい印鑑を用意し、届いたら、市区町村と銀行の窓口で届け出を切り替えます。古い印鑑を届けたままの口座がないかを確かめたら、印影を1枚押して残します。そのあとで、印章祈願祭、印章店、近くの神社やお寺のなかから納め先を選び、費用と受け付けの時期を尋ねます。
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