CHAPTER 12 開運印鑑・姓名判断
印鑑が欠けたら不吉?言い伝えと、実印・銀行印の対処法
印鑑が欠けると縁起が悪いという言い伝えがある一方で、持ち主の身代わりになってくれたと考える見方もあります。言い伝えとは別に、実際に困るのは、実印や銀行印の印影を照らし合わせにくくなることです。実印・銀行印・認印ごとの対処法、手続きの順番、古い印鑑の納め方、欠けを防ぐ扱い方をまとめました。
公開日: 2026年10月1日
印鑑を床に落としたら、ふちが小さく欠けていた。そんなとき、「欠けた印鑑は縁起が悪い」という話を思い出して、落ち着かなくなる方がいます。反対に、「身代わりになってくれた」と聞いて、ほっとする方もいます。この記事では、欠けた印鑑にまつわる言い伝えと、手続きの面で実際にしておくことを、分けてご説明します。
欠けたことで運が悪くなるという根拠はありません。ただ、登録した実印や、口座に届け出た銀行印が欠けると、印影を照らし合わせにくくなります。実印は新しい印鑑で登録し直し、銀行印は届出印を変えるのが確実です。どこにも届け出ていない認印なら、欠けが小さいうちは使い続けられます。
欠けた印鑑には、正反対の言い伝えがあります
印鑑が欠けたときの受け止め方は、人によってまったく違います。よく聞かれる言い伝えと、開運印鑑ならではの見方を並べてみます。
「運が欠ける」「縁起が悪い」
「欠ける」という言葉から、運や縁が欠けることを連想した言い方です。印鑑を持ち主の分身と考える方は、自分の一部が傷ついたように感じて、気にされることがあります。
「持ち主の身代わりになってくれた」
持ち主に降りかかるはずの災いを、印鑑が引き受けてくれたという見方です。お守りが割れたときにも、同じように言われます。
開運印鑑の場合は、設計した印影の形が崩れる
鑑定の結果をもとに、文字が外枠に触れる接点の数まで考えて彫っているためです。接点のある場所が欠けると、その数が変わってしまいます。縁起の良し悪しというより、印影の形の問題です。
どの言い伝えも、欠けたことで何かが起きると確かめられたものではありません。どう受け止めるかは、お気持ちしだいです。ただ、言い伝えとは別に、放っておくと実際に困る印鑑があります。市区町村に登録した実印と、金融機関に届け出た銀行印です。
縁起より先に、登録や届け出をした印鑑かどうかを確かめます
実印は市区町村に登録し、銀行印は金融機関に届け出て使う印鑑です。契約書などに押された印影は、印鑑証明書や銀行に届け出た印影と見比べて、同じ印鑑かどうかを確かめられます。京都市でも、外枠があって輪郭を照らし合わせやすいことと、印影がはっきりしていることを、登録できる印鑑の条件にしています。
外枠が欠けると、押したときの輪郭が、登録したときとは変わってしまいます。欠けが小さくても、見比べて違いが分かれば、手続きがその場で進まないことがあります。家の売買や相続など大事な場面で困らないように、欠けに気づいたら早めに動いておくと安心です。
印鑑の種類ごとに、することが違います
手続きをする窓口と、持っていくものを、印鑑の種類ごとにまとめました。
実印
登録し直す今の登録をやめて(廃止)、新しい印鑑で登録し直します。川崎市では、印鑑が欠けたなどの理由(き損)で変えるときは、印鑑登録証を添えて廃止を申請します。千葉市のように、廃止と同じ日に新しい印鑑を登録できる市区町村もあります。
持っていくもの印鑑登録証、本人確認書類、新しい印鑑
銀行印
届出印を変える口座のある金融機関の窓口で、届出印の変更を申し込みます。同じ印鑑をいくつもの口座に届けていれば、そのすべてで変更が必要です。必要な書類などは、金融機関ごとに違います。
持っていくものこれまでの銀行印、新しい印鑑、通帳、本人確認書類
認印
欠けの大きさで決める宅配の受け取りのように、印影を照らし合わせない場面では使い続けられます。欠けが広がって文字が読みにくくなったら、替えどきです。
替えどきの目安印影の外枠が途切れる、文字の一部が読めない
1本の印鑑で実印と銀行印を兼ねていた場合は、市区町村と金融機関の両方へ行きます。会社の実印が欠けたときは、法務局に新しい印鑑を届け出ます(改印届)。会社で替える順番は、法人印鑑の変更方法|法務局の改印届・銀行の手続き・作り直す順番でご説明しています。
手続きは、この順番で進めます
実印と銀行印の両方を替える場合は、新しい印鑑を先に用意しておけば、窓口へ行くのはそれぞれ1回で済みます。古い印鑑は銀行の手続きで使いますので、最後まで手元に残しておきます。
- 01新しい印鑑を用意する実印と銀行印を分けて作る機会にもなります。届くまでは古い印鑑を大事にしまっておきます
- 02実印の登録を替えるお住まいの市区町村の窓口で、今の登録の廃止と、新しい印鑑の登録を申し込みます
- 03銀行印の届け出を替えるこれまでの銀行印、新しい印鑑、通帳、本人確認書類を持って、口座のある金融機関へ行きます
- 04古い印鑑をどうするか決めるすべての手続きが終わってから、保管するか、納めるかを決めます
欠けた印鑑を彫り直すか、新しく作るか
欠けた印鑑は、印面を少し削って彫り直せることがあります。ただし、彫り直すと印影は元の形と変わりますので、実印も銀行印も、登録と届け出のやり直しは避けられません。手続きの手間はどちらも同じですので、印材の状態と今後の使い方で選びます。
元の形とは変わります。登録と届け出はやり直しです
印影新しい印影になります。登録と届け出はやり直しです
印面を削るぶん、印鑑が少し短くなります。ひびが入った印材は彫り直せないこともあります
印鑑の状態欠けもひびもない新しい印材に、外枠から文字まで彫ります
譲り受けた印鑑や、思い出のある印材を使い続けたい方に
向いている方実印と銀行印を分けたい方、これを機に印材や大きさを見直したい方に
当店でお作りした印鑑は、ご購入から5年以内の破損や不具合について、状態を確認したうえで修理や彫り直しをご案内しています。欠けに気づいたら、印材の種類と直径、欠けた場所を添えてお問い合わせください。開運印鑑を彫り直す場合は、接点の数も含めて、印影をあらためて設計します。作り直すときの考え方は、開運印鑑を作り直すとき|再鑑定・改印と古い印鑑の供養をご覧ください。
欠けた古い印鑑は、手続きが終わってから納めます
登録や届け出を替え終えたら、古い印鑑はもう実印や銀行印としては使えません。それでも名前が彫られた印鑑ですので、ごみとして捨てるのに抵抗がある方もいます。「身代わりになってくれた」と考えるなら、感謝を込めて神社などに納めるのもひとつの方法です。
京都の下鴨神社には、使い終えた印鑑を納める印納社があります。毎年9月の最終日曜日には、全日本印章業協会による印章祈願祭が開かれ、持ち寄られた古い印鑑がここに収められます。近くの神社や印章店で受け付けているかは、それぞれにお尋ねください。納めずに手元に残すなら、新しい印鑑と混ざらない場所に分けてしまっておきます。
欠けを防ぐ、毎日の扱い方
印鑑の外枠は細く、落としたり硬いものにぶつけたりすると欠けやすい部分です。落としたりぶつけたりする場面は、毎日の扱い方を少し変えるだけで減らせます。
欠けを防ぐために
- 押したら、すぐケースに戻す机の上に出したままにすると、腕や書類に引っかけて落としやすくなります
- 持ち歩くときは、ケースに入れる鍵や小銭と一緒にむき出しでかばんに入れると、ぶつかって外枠が欠けることがあります
- 押すときは、下にマットを敷く硬い机にじかに押すと、印面に余計な力がかかります。印影もかすれやすくなります
- 押し終えたら、印面の朱肉を拭き取る残った朱肉が固まると印影がかすれ、つい強く押してしまう原因になります
乾燥しやすい季節には、水牛や象牙の印鑑にひびが入ることもあります。暖房の風が当たる場所や、日の当たる窓辺には置かないでください。欠けやひびの見分け方と買い替えの目安は、印鑑の買い替え時期の目安|枠の欠け・すり減り・ひびの見分け方にまとめています。
よくある質問
ごく小さな欠けです。それでも実印は替えたほうがいいですか
押してみて外枠が1周つながっていて、登録した印影と見比べても違いが分からない程度なら、急がなくてよい場合もあります。判断に迷うときは、登録している市区町村の窓口に尋ねてください。大事な契約を控えている方は、早めに新しい印鑑で登録し直しておくと安心です。
欠けたことを気にして、落ち着きません
欠けたからといって、悪いことが起きると決まっているわけではありません。それでも気になるときは、新しい印鑑に替えて、古い印鑑は感謝して納める、という区切りのつけ方があります。実印や銀行印なら、登録と届け出も一緒に替えておくと、大事な手続きの日に慌てません。
形見の印鑑が欠けていました。どうすればいいですか
ご家族が亡くなると、その方の印鑑登録は使えなくなりますので、実印として使うことはもうありません。欠けたままでも、思い出の品として大切に保管できます。ご自分の名前に彫り直して使いたい方は、印材の状態によってはお受けできないこともあるため、先にご相談ください。
欠けた印鑑を捨てるとき、気をつけることはありますか
実印や銀行印は、登録の廃止や届出印の変更が終わってから手放してください。銀行で届出印を変えるときは、これまでの銀行印も窓口へ持っていくため、先に捨ててしまうと困ります。名前が彫られた品ですので、ごみに出すのに抵抗があれば、納め先を印章店に尋ねてみてください。
まとめ|まず印鑑の種類を確かめ、手続きを終えてから古い印鑑を納める
欠けに気づいたら、最初に、それが実印か、銀行印か、認印かを確かめます。認印なら、押してみて文字が読めるうちは使い続けられます。実印や銀行印なら、次に、欠けた印鑑を彫り直すか、新しく作るかを決めます。仕上がった印鑑が手元に届いてから、市区町村と金融機関の窓口へ行きます。古い印鑑をどうするかは、手続きがすべて終わってから決めてください。
登録し直す印鑑を、職人がお作りします
京都の職人が、お名前の字に合わせて外枠と文字のつり合いを設計し、1本ずつ彫刻します。ご注文から3〜7営業日で発送し、送料は無料です。ご購入から5年以内の破損や不具合は、状態を確認のうえ修理や彫り直しをご案内します。