CHAPTER 16 印鑑の贈り物・マナー

誕生日プレゼントに工芸品を|直しながら長く使える品の選び方

手仕事の品が好きな方の誕生日に、工芸品を贈りたい方へ。工芸品の分野と国が指定する伝統的工芸品の数、傷んだときの直し方、素材ごとの手入れ、作り手・産地・素材・工程の確かめ方、一度に贈る方法と毎年1つずつ足す方法、年代ごとの選び方、印鑑の価格を説明します。

公開日: 2026年10月5日

白い塗り壁の前の、木の長い台に工芸品を並べた写真。左から、手吹きのガラスのコップ、胡桃の木の鉢、槌目のある銅のカップ、桃色のラナンキュラスを1輪生けた青磁色の花びん、たたんだ藍染めの布。右手前には、ふたを開けた桐箱に茶色の革の印鑑ケースが入り、辛子色のひもがほどいてある。箱の前に黒い印材が1本、右端には真鍮の燭台に立てた細いろうそくがある
誕生日 工芸品のプレゼント 直しながら、何十年も使い続けられる品を

手仕事の品が好きな方の誕生日が、近づいています。器も布も、作り手や産地まで確かめて選ぶ方です。どこにでもある品では、喜んでもらえそうにありません。とはいえ工芸品は種類が多く、価格にも幅があります。長く使ってもらえる工芸品の選び方を、直し方と手入れの面から説明します。

先に結論

誕生日に贈る工芸品は、傷んだときに直せる品を選ぶと、長く使ってもらえます。陶磁器は金継ぎ、漆器は塗り直し、刃物は研ぎ直しで使い続けられます。相手の暮らしで出番のある品を1つ選び、作り手と産地が分かる書面を添えます。名前を彫る印鑑も、職人が作る工芸品です。

工芸品は、使うために作られた美しい品です

辞書は「工芸」を、実用性と美しさを兼ね備えた品を作ること、またその作品と説明しています。絵や彫刻と違い、暮らしの道具として使う品です。素材によって、陶磁、金工、漆工、木工、竹工、ガラス、染織などの分野に分かれます。

244品目国が指定する
伝統的工芸品
  • 作り方主要な工程が手作り
  • 技術と原材料およそ100年以上続く
  • 産地の規模の目安10企業以上か30人以上

出典:一般財団法人伝統的工芸品産業振興協会「伝統的工芸品について」。品目数は2025年10月27日現在です。

国の指定とは別に、都道府県が指定する工芸品もあります。当店の印鑑は、京都府知事が指定する伝統工芸品「京印章」です。国と都道府県の違いは、実用的な伝統工芸品をプレゼントにで説明しています。

長く使える工芸品は、傷んでも直せます

工芸品が長く使えるのは、丈夫だからだけではありません。傷んだところを直す方法が、昔から受け継がれているからです。

品と傷み陶磁器が割れた、欠けた

直し方金継ぎで直します。割れたところを漆でつなぎ、継ぎ目に金や銀の粉を蒔いて飾る、日本独自の方法です。継ぎ目は「景色」と呼ばれ、直したあとの姿も楽しみます。

頼む先金継ぎを手がける工房

品と傷み漆器の塗りがはげた

直し方塗り直す方法があります。木の素地が傷んでいなければ、漆を重ねて元の艶に近づけられます。

頼む先産地の工房や、買った店

品と傷み包丁やはさみが切れなくなった

直し方研ぎ直します。刃が減るぶんだけ小さくなりますが、研ぎながら何十年も使う方がいます。

頼む先刃物の店や、作り手

品と傷み木の器が乾いて、白っぽくなった

直し方油を塗って仕上げた器なら、油を塗り直すと色艶が戻ります。深い傷は、表面を削り直してもらいます。

頼む先自分の手で。削り直しは作り手に

品と傷み印鑑の縁が欠けた

直し方印面を彫り直します。当店の印鑑には、5年保証が付いています。保証の内容は、ご注文の前にご確認ください。

頼む先作った店

贈る前に、その品が直せるかどうかを店に聞いておきます。直し方を書いた紙を添えると、受け取った方が困りません。

素材ごとの手入れと、苦手なこと

素材ふだんの手入れ苦手なこと

陶磁器湯のみ、皿、花びん

洗って、よく乾かす急な温度の変化

漆器椀、盆、箸

やわらかい布で洗う食器洗い機、直射日光

木・竹鉢、まな板、かご

洗ったら、すぐに拭く水へのつけ置き

金属銅や錫の酒器、鉄瓶

水気を拭き取る濡れたままの放置

ガラスコップ、鉢

中性洗剤で洗う急な温度の変化

染織風呂敷、手ぬぐい

陰干しにする日光による色あせ

印鑑柘、水牛の角

押したあとに朱肉を拭く乾燥と直射日光

手入れの手間は、品によって違います。毎日台所に立つ方には、手間を楽しめる器や刃物が向いています。忙しい方には、拭くだけで済むガラスや印鑑が負担になりません。

手仕事が好きな方は、4つのことを確かめます

工芸品を好む方は、見た目だけでなく、品の来歴を知りたがります。誰が、どこで、何から、どう作ったかです。印鑑の場合を添えました。

  1. 作り手が分かるか工房や職人の名前が、箱や書面に書いてあるかを見ます。作り手が分かると、直しを頼む先も分かります。

    印鑑では当店の個人印鑑には、京印章証明書を添えてお届けします

  2. 産地が分かるかどの土地で作られたかを見ます。産地の名前が付いた工芸品は、その土地の技術で作られています。

    印鑑では京都で作る「京印章」は、京都府知事が指定する伝統工芸品です

  3. 素材が分かるか木なら樹種、金属なら種類まで書いてあるかを見ます。素材が分かれば、手入れの方法も決まります。

    印鑑では鹿児島産の薩摩本柘、水牛の角、チタンなどから選べます

  4. 工程が分かるかどこまでが手仕事かを、店の説明で確かめます。工程を知ると、品を見る楽しみが増えます。

    印鑑では職人が名前の字に合わせて印面を設計し、彫刻して仕上げます

京印章の歴史と特徴は、京印章とは?で説明しています。印鑑ができるまでの工程は、職人が作る印鑑をプレゼントにをご覧ください。

誕生日は毎年来るので、贈り方を2つから選べます

節目の誕生日に ひとそろいを、一度に贈る
  • 20歳、30歳、還暦のような、区切りの年に向いています
  • 器なら、同じ作り手の5客をそろえます
  • 印鑑なら、実印・銀行印・認印の3本セットにします

3本セットは、同じ素材でそろい、桐箱か化粧箱に入ります。黒水牛の15mm・13.5mm・12mmで30,200円です。1本ずつ買う合計より、1,600円安くなります。

毎年の誕生日に 1つずつ、足していく
  • 「今年は何だろう」と、楽しみにしてもらえます
  • 器なら、同じ作り手の品を1客ずつ足します
  • 印鑑なら、認印、銀行印、実印の順に贈ります

黒水牛なら、認印12mmが7,000円、銀行印13.5mmが9,500円、実印15mmが15,300円です。1年ごとの負担は軽くなります。素材は、初めの年に決めた1つで通します。

相手の年代で変わる、工芸品の出番

品20〜30代40〜50代60代から
器湯のみ、椀、皿 20〜30代は、新しい暮らしで数が要る時期です 40〜50代は、すでにそろっています。上質な品を1客だけ贈ります 60代からは、軽くて持ちやすい器が喜ばれます
刃物包丁、はさみ 20〜30代は、料理を始める方に向いています 40〜50代は、使い慣れた1本があるかを確かめます 60代からは、小ぶりで軽い品を選びます
布風呂敷、手ぬぐい 20〜30代は、包む、敷く、飾ると使い道が広がります 40〜50代は、贈り物を包む場面で使えます 60代からは、軽いので持ち歩きの負担になりません
印鑑実印、銀行印、認印 20〜30代は、就職や結婚で実印と銀行印が要ります 40〜50代は、家の購入や相続で実印を押します 60代からは、退職後の手続きで使います

年齢ごとの印鑑の選び方は、誕生日プレゼントに印鑑を贈る意味は?で説明しています。

印鑑の価格と、誕生日までの日程

木の質感が好きな方には、薩摩本柘があります。3本セットは、15mm・13.5mm・12mmで25,200円です。当店は、ご注文から3〜7営業日で発送します。配達希望日は、ご注文日の9日後から30日後までの間で指定できます。誕生日の2週間前までに注文しておくと、余裕があります。

よくある質問

工芸品は、高価な品ばかりではありませんか

箸や手ぬぐいは、3,000円ほどから選べます。印鑑も、認印なら6,400円からです。金額より、作り手と産地が分かることのほうが喜ばれます。

相手の好みが分からないときは、何を選べばよいですか

色や柄の好みが出にくい品を選びます。無地の器や、名前を彫る印鑑です。聞き方は、好みが分からない人への名入れプレゼントで説明しています。

こちらの印鑑は、国が指定する伝統的工芸品ですか

国の指定ではありません。京都府知事が指定する伝統工芸品「京印章」です。印鑑には、京印章証明書を添えてお届けします。

手入れの要る品を贈ると、負担になりませんか

手入れの方法を書いた紙を添えると、戸惑わずに使い始められます。心配なら、拭くだけで済む品を選んでください。

相手の家に、直接届けてもらえますか

届けられます。注文の画面で、発送先に相手の住所を入力します。納品明細書は「不要」を選べます。

まとめ|分野、直し方、来歴、贈り方の順に決めます

はじめに、相手の暮らしで出番のある分野を1つ決めます。器か、刃物か、布か、印鑑かです。次に、その品が直せるかどうかと、ふだんの手入れを店に確かめます。

作り手、産地、素材、工程が分かる品なら、手仕事が好きな方に話が通じます。一度にそろえて贈るか、毎年1つずつ足すかを決めたら、誕生日の2週間前までに注文します。

京都府知事指定の伝統工芸品「京印章」

名前の字に合わせて、京都の職人が1本ずつお作りします

当店の印鑑は、京都府知事が指定する伝統工芸品「京印章」です。彫る名前の字に合わせて職人が印面を設計し、彫刻します。京印章証明書と保証書を添え、2本・3本セットは桐箱か化粧箱に入れてお届けします。ご注文から3〜7営業日で発送、全国送料無料、5年保証です。

当店に掲げている京印章の認定書の写真
  • 1作り手と産地が分かります。京印章証明書を、印鑑に添えてお届けします
  • 2素材を選べます。木の薩摩本柘、角の黒水牛と白水牛、金属のチタンがあります
  • 3名前の字に合わせて印面を設計します。同じ印影は2つありません

SOURCES

出典

工芸の意味と分野はデジタル大辞泉と日本大百科全書(ニッポニカ)を、伝統的工芸品の要件と品目数は伝統的工芸品産業振興協会の案内を、金継ぎはデジタル大辞泉を、京印章の指定は京都府の案内を参照しました。直し方や手入れは品によって異なるので、作り手や買った店に確かめてください。当店の価格は税込で、2026年10月時点のものです。

  1. 小学館. 工芸. デジタル大辞泉・日本大百科全書(ニッポニカ). コトバンク. https://kotobank.jp/word/工芸-61931,(参照 2026-10-05).
  2. 一般財団法人伝統的工芸品産業振興協会. 伝統的工芸品について. https://kyokai.kougeihin.jp/traditional-crafts/,(参照 2026-10-05).
  3. 小学館. 金継ぎ. デジタル大辞泉. コトバンク. https://kotobank.jp/word/金継ぎ-481548,(参照 2026-10-05).
  4. 京都府. 京都府の伝統的工芸品等. 京都府商工労働観光部染織・工芸課. https://www.pref.kyoto.jp/senshoku/dento.html,(参照 2026-10-05).