CHAPTER 16 印鑑の贈り物・マナー
高価な印鑑のプレゼントは気を遣わせる?お返しに困らない予算の決め方
高価な印鑑をプレゼントするとき、相手に気を遣わせない予算の決め方を説明します。お返しが要るお祝いと要らないお祝い、内祝いから考える予算の上限、相手との関係ごとの目安、金額を抑える工夫をまとめました。
公開日: 2026年9月30日
印鑑を贈るなら、良い素材で長く使える1本を。そう思って価格を調べると、本象牙や白水牛の3本セットは90,000円前後になります。自分では出せる金額でも、相手に気を遣わせないか、お返しで困らせないかが気になる方もいるでしょう。高価な印鑑をプレゼントするときの予算の考え方を、お祝いの種類と相手との関係からお話しします。
気を遣わせるかどうかは、金額よりも「お返しが要るお祝いか」と「関係に見合った額か」で決まります。結婚や出産のように内祝いを返すお祝いでは、贈った額の3分の1から半額が返ってくると考えて予算を決めます。成人や就職のように本人がお返しをしないお祝いなら、ご家族からの高価な印鑑も受け取ってもらいやすいでしょう。迷ったら、素材を1段下げて3本セットにするか、連名にして1人あたりの額を抑えます。
高価なプレゼントが相手の負担になる3つの理由
贈る側は喜んでほしい一心でも、受け取る側には金額に応じた気がかりが生まれます。主なものは次の3つです。
お返しの額が大きくなります
結婚や出産のお祝いには、内祝いを返すのが一般的です。目安は3分の1から半額です。100,000円の印鑑を贈ると、相手は30,000〜50,000円のお返しを用意することになります。
次のお祝いの基準になります
こちらにお祝いごとがあったとき、相手は同じくらいの額を贈ろうと考えるものです。友人やきょうだいの間で、贈り合うたびに金額が上がっていくと、お互いの負担になります。
高価すぎて、使ってもらえないことがあります
「傷をつけたら申し訳ない」と思って、引き出しにしまったままにする方もいます。ふだん使ってほしい認印や銀行印ほど、気軽に手に取れる価格のほうが喜ばれます。
お返しが要るお祝いと、要らないお祝い
同じ金額でも、お祝いの種類によって受け取る側の負担はまったく違います。お返しが要るかどうかを、一般的な習わしで分けると次のようになります。
成人祝い、入学・卒業祝いご家族やご親戚からのお祝いです。本人はお礼の言葉や手紙で気持ちを伝えます
要らない受け取りやすい就職祝い初任給で食事をごちそうするなど、気持ちで返す方もいます
要らない受け取りやすい還暦・長寿のお祝い、父の日・母の日お子様やお孫さんから、日ごろの感謝をこめて贈ります
要らない受け取りやすい結婚祝い内祝いは半額が目安です。ご両親からのお祝いには、お返しをしない家庭もあります
半額が目安額は関係に合わせる出産祝い内祝いは3分の1から半額が目安です
3分の1〜半額額は関係に合わせる開業・新築のお祝い内祝いを返すか、開店や新居に招いてもてなします
品かおもてなし連名なら贈りやすい成人や就職、還暦のお祝いなら、高価な印鑑を贈っても、お返しの負担はかかりません。予算に気を配りたいのは、結婚と出産のお祝いです。
内祝いの目安から、予算の上限を考える
お返しは贈った額に合わせて用意するので、こちらが高い品を贈るほど、相手の出費も増えます。無理なく出せる額から逆算すると、予算の上限が決まります。
贈った金額を1本の帯にすると、相手が用意する内祝いはこの範囲です
- 20,000円6,700〜10,000円
- 30,000円10,000〜15,000円
- 50,000円16,700〜25,000円
- 100,000円33,300〜50,000円
結婚や出産の直後は、新しい生活の準備で何かと出費が重なります。お返しの額が負担にならないかを、贈る前に考えておきます。
友人への結婚祝いなら、披露宴のご祝儀と同じ30,000円前後がひとつの区切りです。黒水牛の2本セット(実印15mm・銀行印13.5mm)は23,500円です。これなら、相手の内祝いも10,000円前後に収まります。関係ごとの金額は結婚祝いの相場はいくら?で紹介しています。
相手との関係ごとの予算の目安
お返しの要らないお祝いでも、間柄に比べて額が大きすぎると、相手は恐縮してしまいます。誰から誰へ贈るかで、目安を分けました。
目上の方へ1人で高価な品を贈ると、かえって恐縮させてしまうことがあります。職場の上司や恩師には、連名にして1人あたりの額を抑えるほうが、受け取る側も気が楽です。1人で贈るなら、目安の低いほうの額にしておきます。
印鑑は、見た目では値段が分かりにくい品です
時計やバッグと違って、印鑑はブランド名から値段を想像される品ではありません。受け取った方が値段を気にするかどうかは、その素材がどれだけ知られているかで変わります。同じ大きさの3本セット(実印16.5mm・銀行印15mm・認印12mm)の価格を、素材ごとに並べました。
当店から相手の住所へ直送するときは、納品明細書を「不要」にしておけば、金額の分かる書類は箱に入りません。注文画面では、はじめから「不要」が選ばれています。価格差がどこから生まれるのかは、安い印鑑と高い印鑑の違いで詳しく説明しています。
金額を抑えても、良い印鑑を贈る工夫
予算を下げると、プレゼントとしてもの足りないのでは、と心配になる方もいるでしょう。素材を1段下げて本数をそろえたり、何人かで出し合ったりすれば、金額を抑えても見劣りしない贈り物になります。
1本を高価にする実印 本象牙(標準)18mm51,800円
か本数をそろえる3本セット 黒水牛46,500円(実印18mm・銀行印16.5mm・認印13.5mm)
3本セットのほうが5,300円安く収まります。印鑑をまだ1本も持っていない方なら、使う場面も多くなります1人で贈る3本セット 白水牛77,300円(実印16.5mm・銀行印15mm・認印12mm)
か連名で出し合う同じ3本セットを3人で贈る1人あたり約25,800円
親子やきょうだいで出し合えば、1人あたりの負担も、相手が感じる重さも軽くなります素材と本数のどちらにお金をかけるかは予算3万〜5万円で贈る高級印鑑で、金額を抑えて選ぶ方法は予算1万円台の印鑑プレゼントで紹介しています。
お祝いの印鑑に、贈与税はかかりません
高価な品だと、受け取った方に税金がかからないか気になるかもしれません。国税庁の説明では、個人から受け取るお祝いの品のうち、社会通念上相当と認められるものには贈与税がかかりません。また、贈与税には基礎控除があり、1年間に受け取った財産の合計が1,100,000円以下なら課税されません。この記事で紹介している印鑑はどれもこの額を大きく下回るので、心配する場面はまずありません。
「こんな高いものを」と言われたら
高価な印鑑を渡すと、受け取った方が恐縮することがあります。相手の言葉に合わせて、気が楽になるひと言を返します。
「こんな高いもの、受け取れないよ」
「毎年のお祝いの分を、まとめて贈ったと思って」「30年使ったら、1年あたりはわずかだよ」と、使う年数に話を向けます。
「お返しは、何がいい?」
「お返しは気にしないで。使っているところを見せてくれたらうれしい」と、形のないお返しをお願いします。渡す前なら、手紙に書き添えておく方法もあります。
「もったいなくて、使えないな」
「押すほど手になじむから、どんどん使ってね」と、使ってもらうことが贈った目的だと伝えます。欠けたときも、購入から5年以内なら保証で修理や彫り直しを相談できると添えておきます。
よくある質問
値段を聞かれたら、正直に答えるべきですか
答える必要はありません。「気持ちだから」と濁してかまいません。素材の名前を聞かれたら、手入れの方法と一緒に伝えると、値段の話から使い方の話に移れます。
目上の方に高価な印鑑を贈るのは失礼ですか
失礼ではありません。ただ、1人で高価な品を贈ると、気を遣わせることがあります。連名にできないときは、実印を1本にしぼると、改まった贈り物でも額が大きくなりすぎません。黒水牛の実印なら、18mmで24,000円です。
本象牙は、贈り物として重すぎますか
親御さんからお子様へ、お祖父様・お祖母様からお孫さんへのように、お返しを考えなくてよい間柄なら重すぎることはありません。成人や結婚の節目に、本象牙の印鑑を贈るご家族もいます。友人や同僚に贈るなら、黒水牛や白水牛(柄)のほうが気軽に受け取ってもらいやすくなります。
お返しを受け取らないために、できることはありますか
渡すときや手紙で「お返しは気にしないで」と伝えておきます。それでも品が届いたら、素直に受け取るのが礼儀です。お礼の気持ちとして受け止めます。
まとめ|予算を決める順番
まず、今回のお祝いにお返しが要るかどうかを確かめます。結婚や出産なら、相手が用意する内祝いの額を考えて上限を決めます。次に、関係ごとの目安と照らし合わせ、1人で出すか、連名にするかを決めます。予算が決まったら、本象牙のように価格の知られた素材にするか、黒水牛の3本セットのように本数をそろえるかを選びます。最後に、渡すときか手紙で、お返しは要らないとひと言添えます。
相手に合った金額で、長く使える印鑑を
京都の職人が、お名前の字に合わせて印面を設計し、1本ずつ彫刻します。直送の際は、金額の分かる書類を入れずにお届けできます。ご注文から3〜7営業日で発送、送料は全国無料、5年保証付きです。