CHAPTER 16 印鑑の贈り物・マナー
開店祝いの相場はいくら?関係別の金額と、開店前・当日の渡し方
開店祝いの相場を、友人・ご親戚・取引先・ご両親の関係別に紹介します。準備中・プレオープン・開店当日・開店後のそれぞれで何を渡すか、当日に訪ねる時間帯も説明します。祝儀袋の表書きと、現金と品の分け方もまとめました。
公開日: 2026年10月13日
友人やご親戚が、お店を開くことになりました。案内状には、開店の日と、その前に行うお披露目の会の日程が書いてあります。お祝いをいくら包むか、花と現金のどちらにするか、迷うところです。お披露目の会に持っていくのか、開店の日に届けるのかも決めなければなりません。この記事では、開店祝いの相場を関係別に紹介し、開店の前後で変わる渡し方を順に説明します。
開店祝いの相場は、友人・知人なら5,000〜10,000円、親しい友人やご親戚なら10,000〜30,000円です。取引先として贈る場合も10,000〜30,000円、ご両親からは30,000〜100,000円が目安です。花や店で使う品は、開店の2週間前から前日までに届けます。現金は、お披露目の会(プレオープン)や、開店後に店を訪ねた日に手渡します。開店の当日に行くなら、混み合う時間を外してください。祝儀袋は紅白の蝶結びを選び、表書きは「御開店御祝」と書きます。
開店祝いの関係別の相場。店主がお返しに困らない額を選びます
開店祝いに、決まった金額はありません。ただ、店主との関係によって、おおよその幅があります。当店でのご相談と一般的な慣習をもとに、関係別の目安を図にしました。花や品を贈る場合も、同じ金額で考えます。
金額を決めるときは、店主がお返しを用意することも考えてください。開店の直後は、仕入れや人件費の支払いが続きます。お祝いが高額になるほど、お返しの負担も大きくなります。
店を開くには、これだけのお金がかかります。お祝いの10,000円や30,000円は、資金の足しというより、門出を応援する気持ちを表すものです。無理をして金額を上げる必要はありません。お祝いを渡したあとも、客として店に通うことが応援になります。
1人の予算では届かない品は、仲間とお金を出し合って贈る方法があります。取りまとめ方は開業祝いを連名で贈るに、金額ごとに選べる品は開店祝いのプレゼント予算1万〜3万円にまとめました。
開店祝いはいつ渡す?開店の前後に、渡す時期が4つあります
開店の前後は、日によって店主の忙しさが大きく変わります。そこで、お祝いを渡す日を、準備の時期、お披露目の会、開店の当日、開店のあとの4つに分けて考えます。お披露目の会は、プレオープンとも呼ばれます。小学館のデジタル大辞泉は、プレオープンを「正式な開館・開業にさきがけて、一部の人々に公開すること」と説明しています。店にとっては、招いた人だけを迎えて、接客や調理の流れを確かめる日です。
お披露目の会を開かない店もあります。日程は、案内状や店のSNSで確かめてください。
時期ごとに、渡すものと渡し方、添える言葉をまとめます。
花と、店で使う品当日に飾る花は、前日までに届くようにします
店主が店にいる日に届けます受け取れる日と時間を、先に聞いておきます
「いよいよですね」忙しい時期なので、長話は控えます
祝儀袋会費の案内がなければ、相場の高いほうの額を包みます
受付で渡すか、店主に手渡します袱紗(ふくさ)に包んで持っていきます
「本日はおめでとうございます」料理や内装の感想を、ひとこと伝えます
品は先に届けておきます当日は、客として買い物や食事をします
店主の手が空いたときに渡しますほかのお客様の前では、祝儀袋を出しません
「開店おめでとうございます」混んでいたら、会釈だけで帰っても構いません
祝儀袋か、店で使う品当日に行けなかった方は、この時期に渡します
客として訪ねて手渡します店が落ち着く時間を選びます
「遅くなりましたが」2か月を過ぎたら、表書きを「御祝」にします
開店の当日に行くなら、混み合う時間を外します
開店の日は、店主にとってとくに忙しい1日です。お祝いを渡すつもりなら、お客様が少ない時間を選びます。午前11時に開く飲食店を例に、1日の流れを図にしました。
開店当日の1日(午前11時に開く飲食店の例)営業時間は店によって違います。案内状で確かめてください
雑貨店や洋菓子店は、開店の直後に行列ができることがあります。美容室は予約の時間どおりに進むので、施術の合間に声をかけます。
当日は、長居をしないようにします。商品を1つ買うか、料理を1品注文して、「また来ます」と伝えて帰ります。祝儀袋は、レジの前では出しません。店主の手が空いたときに、ひとこと添えて手渡してください。
プレオープンに招かれたら、会費の案内があるかを確かめます
お披露目の会では、料理や飲み物の代金を店が持つことがあります。招かれたら、案内状に会費のことが書かれているかを見てください。
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案内状に、会費のことが書かれていますか
書かれていない相場のうち、高いほうの額を包みます。友人・知人なら10,000円、親しい友人なら20,000〜30,000円が目安です会費が書かれている会費がお祝いを兼ねます。別に用意するなら、3,000〜5,000円ほどの花やお菓子を選びます
会に出られないときは、欠席の返事と一緒にお祝いの言葉を伝えます。品は、会の前日までに届くように送ります。
開店祝いの祝儀袋と表書き、現金の包み方
開店は、2号店、3号店と続くほどめでたいことです。そのため、祝儀袋の水引(飾りのひも)は、何度でも結び直せる紅白の蝶結びを選びます。飯田水引協同組合は、水引の結び方を「結びきり」と「花結び(蝶結び)」の2つに分けています。結びきりは、結婚のように繰り返さないお祝いに使う結び方です。
水引の下には、贈る方の氏名を書きます。会社として贈るときは、その右に社名を小さく添えます。中袋には、表に「金 壱萬円」のように金額を、裏に住所と氏名を書きます。お札は新札を用意し、4,000円や9,000円のように4と9の付く額は避けます。
店へ現金を送るときは、郵便局の現金書留を使います。日本郵便の案内では、通常の郵便料金に480円が加わり、10,000円まで補償されます。それより多く送るときは、5,000円ごとに11円を足します。30,000円を送るなら、加わる料金は524円です。
現金に品を添えるなら、開店の日から使える品を選びます
花は開店の日を飾りますが、1〜2か月ほどで見ごろを終えます。形に残るものも贈りたい方は、予算の一部を店で使う品に回します。下の図は、店名を彫った角印を添える場合の分け方です。角印(かくいん)は、領収書や請求書の店名に重ねて押す四角い印鑑です。
予算 20,000円前後親しい友人から
予算 30,000円前後ごきょうだい・ご親戚から
予算 50,000円ご両親から。5人の連名なら1人10,000円
21mmの角印には、9文字までの店名が収まります。革袋と朱肉、押印マットが付くので、届いた日から押せます。注文の前に、看板やショップカードで店名の表記を確かめてください。個人の店と会社の店で、選ぶ種類と彫る名前がどう変わるかは、開店祝いに印鑑を贈るで説明しています。
開店祝いでは、火事や赤字を連想させるとして、赤一色の品や包装を避ける習わしがあります。当店の包装は青と赤から選べるので、開店祝いには青をおすすめしています。ほかに避けたい品は、友人の開業祝いに花以外を贈るなら?にまとめました。飲食店へ贈る品の候補は、飲食店の開店祝いに花以外を贈るならをご覧ください。
開店祝いのお返しと、税金の扱い
開店祝いを受け取った店主は、お披露目の会に招いたり、店の名前が入った記念の品を渡したりしてお礼をします。そのため、お返しの品が別に届かないこともあります。店主に気を遣わせたくなければ、お祝いを渡すときに「お返しは気にしないでください」と伝えます。
国税庁のタックスアンサーによると、個人から受け取るお祝いの金品のうち、社会通念上ふさわしいものには贈与税がかかりません。この記事で挙げた金額のお祝いは、ふつうこれにあたります。
国税庁は、得意先や仕入先など事業に関係のある相手への贈答にかかる費用を、交際費等に含めています。会社の名前で開店祝いを贈るときは、領収書を残し、経理の担当者に処理を確かめてください。
よくある質問
開店祝いに現金を包むのは、失礼になりませんか
友人やご親戚の間なら、失礼にはなりません。開店の直後は支払いが続くので、使い道を選ばない現金は店主の助けになります。目上の方へは、金額がそのまま伝わる現金より、花や品を選ぶのが一般的です。
開店の日に行けません。いつ渡せばよいですか
花や品は、開店の前日までに届くように送ります。現金を手渡したいときは、開店から1週間ほどたって、店が落ち着いたころに客として訪ねてください。
開店してから、店のことを知りました。今からでも贈れますか
今からでも贈れます。開店から2か月ほどまでは「御開店御祝」、それを過ぎたら「御祝」と書きます。店名の角印のように、開店のあとでも使える品を選ぶ方法もあります。
花と現金の両方を贈ってもよいですか
両方を贈っても失礼にはなりません。花の代金と現金を合わせた額が、相場の幅に収まるようにします。花を置く場所があるかどうかは、先に店主へ聞いてください。
行きつけの店が2号店を出します。常連客もお祝いを贈るものですか
贈らなくても失礼にはなりません。贈りたいときは、3,000〜5,000円ほどの花やお菓子を持って、新しい店を訪ねます。
取引先の開店祝いは、誰の名前で贈りますか
会社として贈るなら、社名と代表者の氏名を書きます。担当者どうしの付き合いで贈るなら、ご自身の氏名の右に社名を小さく添えます。ほかの部署がすでに贈っていないかも、社内で確かめてください。
開店祝いにお返しは届きますか
店によります。お披露目の会でのもてなしや、来店したときの記念の品が、お返しの代わりになることもあります。お返しの品が届かなくても、失礼にあたるわけではありません。
まとめ|関係、日程、渡す品、渡す日の順に決めます
最初に、店主との関係から金額の幅を決めます。次に、案内状で開店の日とお披露目の会の日程を確かめます。会に招かれていれば、会費の案内があるかどうかも見ておきます。
そのうえで、現金にするか、花や店で使う品にするかを選びます。最後に、渡す日を決めます。花と品は開店の前日までに届く日を、現金は店主と落ち着いて話せる日を選んでください。店名を彫る品を添える場合は、表記を確かめて、届けたい日の2週間前までに注文します。
お店の名前を、京都の職人が1本ずつ彫ります
店名の字の並びに合わせて、職人が印面を設計します。「印影のご確認」を選べば、彫る前のデザインをメールでお送りします。ご注文から3〜7営業日で発送、送料は全国無料、5年保証付きです。包装は青と赤から選べます。
ご注文の画面では、会社名の欄に店名や屋号をご入力ください。店名の表記や日程のご相談は、お問い合わせからどうぞ。