CHAPTER 16 印鑑の贈り物・マナー
開店祝いに長く使えるもの|店で毎日使う実用品と記念品の選び方
開店祝いに長く使える品を贈りたい方へ。国税庁の耐用年数表から見た店の備品の使われる年数、売り場・レジ・事務机など置き場所ごとの向き不向き、掛け時計や観葉植物、手さげ金庫、店名を彫った角印など候補6つの比較、贈る前に店主へ聞くこと、避けたい品を説明します。
公開日: 2026年10月5日
友人が念願のお店を開く。お祝いに花を贈ろうと調べるうちに、「どうせなら長く使ってもらえる品を」と考え直す方がいます。開店の日には、花やお菓子がいくつも届きます。店先は華やかになりますが、どれも1〜2か月のうちに役目を終える品です。かといって長く残る品は、店の雰囲気に合わなければ使ってもらえません。この記事では、お店で何年も使われる品の見分け方と、候補ごとの特徴を説明します。
開店祝いに長く使える品を選ぶなら、客席に飾る品より、店主がレジや事務で使う品のほうが外れにくくなります。客席や壁に置く品は、内装に合うかどうかで出番が決まります。レジまわりで使う品は、店の雰囲気にあまり左右されません。候補は、掛け時計、手さげ金庫、レジの小物、店名を彫った角印などです。なかでも角印は、店名が変わらないかぎり同じ1本を使い続けられます。どの品も、すでに用意していないかを店主に聞いてから選んでください。
花やお菓子は、長くても1〜2か月。長く残る品には、選ぶ難しさがあります
開店祝いの定番は、スタンド花、胡蝶蘭、お菓子、お酒です。開店を知らせ、当日を盛り上げてくれる品ですが、手元に残る期間は長くありません。スタンド花は1週間ほど、胡蝶蘭の花も1〜2か月で終わります。
長く残る品を贈りたいと考えるのは自然なことです。ただ、店は店主が隅々まで考えて作った場所です。色や形の合わない品は、しまい込まれてしまいます。長く使える品を選ぶときは、丈夫さより先に「店のどこで、誰が使うか」を考えます。
国税庁の耐用年数表で見る、店の備品が使われる年数
店の備品が何年使われるのかを知る手がかりに、税務の「耐用年数」があります。国税庁の説明では、高額な備品の代金は、買った年にまとめて経費にしません。使える期間に分けて、少しずつ計上していきます。その期間として、品ごとに決められているのが耐用年数です。実際の寿命とは違いますが、国がその品を何年使う前提で見ているかが分かります。
年数が長いのは、金庫や時計のように、形が変わらず流行にも左右されにくい品です。反対に、看板や布製品、食器は短く決められています。毎日お客様の目や手に触れ、傷みやすいからです。長く使える品を贈るなら、年数の長い品の中から探すのが近道です。
印鑑は、この表には出てきません。それでも、店名を彫った角印は、欠けたり店名が変わったりしないかぎり、買い替える理由のない品です。候補の1つとして、あとの章で詳しく説明します。
長く使われるかどうかは、店のどこに置かれるかで決まります
同じ品でも、置かれる場所によって使われる期間が変わります。売り場が1つの小さな雑貨店を例に、場所ごとの向き不向きを図にしました。
売り場が1つの小さな店と、贈り物の置き場所
売り場
- 棚・照明・いす店主が内装に合わせて選んでいます。絵や大きな置物を贈っても、置き場所に困ります
- 掛け時計掛けられる壁があるか、内装の色に合うかを先に聞きます
バックヤード
- 手さげ金庫釣り銭や売上をしまいます。先に買っていないかを聞きます
事務机
- 書類ケース・ペン伝票や契約書を扱う場所で使います
- 店主の実印・銀行印契約や口座に使う、店主個人の印鑑です
レジ
- 店名の角印領収書や納品書に押します
- キャッシュトレー・ペン立てカウンターの上で毎日使う小物
入口まわり
- スタンド花・胡蝶蘭飾られるのは、開店から1〜2か月ほどです
- 観葉植物置けるかどうかと、鉢の大きさを先に聞きます
売り場に置く品は、内装との相性で出番が決まります。レジや事務机で使う品は、店の雰囲気を選ばず、毎日使われます。
長く使える開店祝いの候補6つを比べる
開店を華やかに知らせる花が終わると片づけが要る
15,000〜30,000円ほど。置く場所があるかを聞きます緑が店になじみやすい水やりの手間がかかる
5,000〜20,000円ほど。鉢の大きさと、日当たりを聞きます毎日手に取る店の色に合わせて選ぶ
キャッシュトレーやペン立てで3,000〜10,000円ほど。カウンターの色を聞きます内装を選ばない先に買っていることが多い
5,000〜15,000円ほど。もう用意したかを聞きます店主もお客様も毎日見る壁と内装を選ぶ
10,000〜30,000円ほど。掛ける壁と、内装の色を聞きますほかの贈り物と重ならない届いた日から使える
17,900円〜。領収書に書く店名の表記と、もう作っていないかを聞きます年数は、耐用年数表と一般的な使われ方をもとにした目安です。価格は一般的な売り場の価格帯で、角印だけは当店の税込価格を載せています。
店名を彫った角印は、店が続くかぎり使えます
角印は、店名を四角い印面に彫った印鑑です。手書きの領収書や見積書、納品書に、店名に重ねて押します。開店祝いの候補のなかで、角印がとくに長く使われる理由は3つあります。
買い替えるきっかけが少ない
時計は故障で、小物は傷みや好みの変化で買い替えます。角印を作り直すのは、枠が欠けたときか、店名が変わったときくらいです。
届け出が要らず、届いた日から使えます
実印や銀行印と違い、角印は役所にも銀行にも届け出ません。開店のあとに届いても、その日から領収書に押せます。
店名を彫るので、ほかの贈り物と重なりません
花や時計は、何人かから同じ品が届くことがあります。店名を彫った角印は、その店のためだけに作る1本です。ただし、店主が自分で注文していることもあるので、先に確かめます。
毎日押す印鑑なので、素材は丈夫さと好みで選びます。薩摩本柘は手になじむ木の印材で、黒水牛は落としても枠が欠けにくい角の印材です。どちらを選んでも、押せる書類は変わりません。
店名の角印を1本贈る場合薩摩本柘21mm
- 店名の角印 薩摩本柘21mm「之印」を含めて9文字までの店名に向く大きさです
- 17,900円
- 革袋・朱肉・押印マット角印に付いてきます
- 0円
- 包装(青)赤一色を避けたいお祝いに向く色です
- 0円
- 送料
- 0円
- 合計
- 17,900円
「之印」を含めて10〜12文字の店名なら、24mm(19,100円)が読みやすくなります。黒水牛は21mmで30,000円です。どちらも5年保証が付きます。
大きさの決め方は角印のサイズは21・24・27mmのどれ?で説明しています。個人の店と会社の店で彫る名前がどう変わるかは、開店祝いに印鑑を贈るをご覧ください。
贈る前に、店主に聞いておくこと
長く残る品ほど、先に聞いてから選ぶほうが喜ばれます。お祝いを考えていると伝えたうえで尋ねるのは、失礼にはなりません。聞き方の例を3つ挙げます。
「お祝いにお店で使う品を考えているのだけれど、もう揃えた備品はある?」時計や金庫、角印は、開店の準備で先に買っていることがあります
「壁に時計を掛ける場所はある?内装は何色でまとめているの?」飾る品は、場所と色が分かってから選びます
「領収書に書く店名を、看板かショップカードの写真で教えてもらえる?」英字の大文字と小文字、記号、スペースの位置まで確かめられます
長く残るからこそ、避けたい品
赤一色の品、火を連想させる品火事や赤字を思わせるとして、開店祝いでは昔から避けられています。長く店に置かれる品では、とくに気にする方がいます。
大きな置物や絵置き場所を取り、内装との相性も分かれます。贈るのは、店主から頼まれた場合だけにします。
看板やのれん店の顔になる品は、店主がデザインを決めます。贈りたいときは、作る費用を受け持つ形にします。
仕事の中心になる道具包丁やはさみのような道具は、本人が自分の手に合わせて選びます。
飲食店ならではの注意点は、飲食店の開店祝いに花以外を贈るならにまとめています。美容室やサロンへ贈る場合は、美容室・サロンの開店祝いに名入れの品をの記事も参考にしてください。
よくある質問
開店から1か月たってしまいました。今から贈っても使ってもらえますか
使ってもらえます。開店の直後より、店が動き始めてからのほうが、足りない品がはっきりします。「使ってみて足りない品はある?」と聞いてから選べるのは、遅れて贈る側の利点です。
店主が、角印をもう作っていました
店主個人の銀行印や実印がまだなら、そちらを贈る方法があります。印鑑がすべて揃っているなら、レジの小物や時計など別の品を選んでください。2店舗目を開くときにも、角印を贈る機会があります。
胡蝶蘭と長く使える品を、両方贈ってもよいですか
構いません。開店の日に飾る花と、あとに残る品では役割が違います。仲間と連名で花を贈り、個人では角印を贈るという分け方をする方もいます。
会社が運営するお店です。角印に彫るのは会社名ですか、店名ですか
領収書にどちらの名前を書いているかで決まります。店頭の領収書を店名で出しているなら、その名前で彫ります。贈る前に、本人に確かめてください。
長く使ってもらうには、高い素材を選ぶべきですか
高い素材である必要はありません。薩摩本柘でも、朱肉を拭き取って革袋にしまえば、長く使えます。毎日何度も押す店なら、枠が欠けにくい黒水牛を選ぶ方もいます。
まとめ|置き場所、候補、店主への確認、注文の順に決めます
はじめに、贈る品が店のどこに置かれるかを考えます。売り場や壁に置く品は内装との相性を確かめ、迷うならレジや事務机で使う品に絞ります。次に、候補の表から、予算と相手の店に合う品を選びます。
品を決める前に、すでに用意していないかを店主に聞いてください。角印を贈るなら、領収書に書く店名を写真で確かめ、開店の2週間前までに注文します。届ける日は、開店の1週間前から前日までが目安です。
店名を彫った角印を、京都の職人が1本ずつお作りします
店名の字や記号の並びに合わせて、職人が印面を設計します。「印影のご確認」を選べば、彫る前のデザインをメールでお送りしますので、店主に見てもらってから仕上げられます。ご注文から3〜7営業日で発送、送料は全国無料、5年保証付きです。
ご注文の画面では、会社名の欄に店名や屋号をご入力ください。店名の表記のご相談はお問い合わせからどうぞ。