CHAPTER 10 法律・防犯・電子印鑑
認印をなくしたら届け出は必要?確かめる3つのことと作り直し方
認印は役所にも銀行にも届けていない印鑑ですので、なくしても届け出は要りません。ただし、その1本を銀行印や実印として届けていた場合と、勤務先に印影を届けている場合は手続きや連絡が要ります。届け出が要るかどうかの見分け方、外でなくしたときの遺失届、認印でも押した跡が証拠になる理由、前と違う印影で作り直す方法、家と職場での置き場所を説明します。
公開日: 2026年10月4日
玄関の棚のトレーに置いていた認印が、いつの間にか見当たらない。職場の机の引き出しから、いつも使っている印鑑がなくなっている。実印や銀行印ほど大ごとではなさそうでも、届け出をしなくてよいのか、誰かに使われたりしないのかは気になるところです。この記事では、認印をなくしたときに確かめることと、新しい認印の用意のしかたを説明します。
認印は、役所にも銀行にも届けていない印鑑ですので、なくしても届け出は要りません。確かめるのは3つです。その印鑑を銀行印や実印として届けていなかったか。勤務先に印影を届けていなかったか。外でなくしたのか、家や職場の中なのか。どれにも当たらなければ、新しい認印を用意するだけで済みます。新しい1本は、前と違う印影で作っておくと安心です。
届け出が要るかどうかは、その印鑑の使い道で決まります
「認印」は、印鑑の種類の名前というより、使い方の呼び名です。宅配便の受け取りや書類の確認など、届け出をせずに日常で押す印鑑を指します。くわしくは認印とは?で説明しています。届け出が要るかどうかは、なくした1本を、ほかの役目にも使っていたかどうかで分かれます。
ほかの役目を兼ねていた場合
- 口座を開くときに、その印鑑を押した銀行印を兼ねています。口座のある銀行に電話して取引を止めてもらい、後日、新しい印鑑を届け出ます
- 役所で印鑑登録をした印鑑だった実印を兼ねています。京都市では、亡失の届けを出して登録を抹消し、新しい印鑑で登録し直します
印影を控えている相手がいる場合
- 勤務先に、使う印鑑を届けている総務や上司に伝え、新しい印鑑を届け直します。経費の精算や決裁に使う印鑑なら、早めに伝えます
- 職場の机やロッカーからなくなった置き忘れか、誰かが持ち出したのかが分かりません。なくなったと気づいた日を、上司に伝えておきます
日常の受け取りや確認だけに使っていた場合
- 宅配便や書留の受け取り、回覧板届け出をしていない印鑑です。新しい認印を用意すれば、そのまま使い始められます
- 学校や町内会に出す書類の確認前の印鑑と印影が変わっても、差し支えありません
どの印鑑を銀行に届けたか思い出せないときは、通帳で口座を開いた時期を確かめてください。そのころ使っていた印鑑が、届出印になっている可能性があります。はっきりしなければ、通帳と本人確認書類を持って窓口で相談します。
認印でも、押した跡は証拠になります
認印は届け出をしていない印鑑ですが、押した跡に意味がないわけではありません。民事訴訟法の第228条では、本人の押印がある私文書は、本人が作ったものと推定されます。国の「押印についてのQ&A」も、この考え方は実印だけでなく認印にも当てはまりうると説明しています。
同じQ&Aには、もう1つ大事なことが書かれています。認印には印鑑証明書がないため、押した跡が本人の印鑑のものだと証明するのがむずかしい、という点です。なくした認印を誰かが押しても、実印のように重く扱われるとは限りません。それでも、なくした印鑑と同じ印影を使い続けるより、印影を変えて区切りを付けておくほうが安心です。
同じ姓なら、同じ印影の印鑑が何本も売られています
印影職人が字を設計しますので、同じ姓でも印影が1本ずつ違います
誰が押しても同じ跡になり、ご自分の印鑑の跡かどうかを見分けられません
なくしたときなくした印鑑の跡と、新しい印鑑の跡を見比べて区別できます
同じ品を買い直すと、なくした印鑑と同じ印影に戻ります
作り直すとき同じ名前、同じ書体で注文しても、前と同じ印影にはなりません
既製の印鑑の特徴は、三文判とは?で説明しています。
外でなくしたときは、警察に遺失届を出しておきます
かばんごと置き忘れた、出先で落とした、という場合は、警察に遺失届を出します。京都府警察によると、警察署、交番、駐在所で受け付けていて、本人確認書類も印鑑も要りません。届いた落とし物は、3か月のあいだ警察署で保管されます。駅や店の中でなくしたのなら、その施設にも尋ねてみてください。
印鑑1本のために届けるのは大げさだと感じるかもしれません。ただ、届けておけば、なくした日と場所の記録が残ります。見つかったときには連絡も来ます。家の中でなくしたことがはっきりしているなら、遺失届は要りません。
新しい認印は、書体を変えて作ります
前の印鑑と区別できるようにするには、書体を変えるのが分かりやすい方法です。認印には、読みやすい書体が向いています。当店では、認印に古印体、隷書体、行書体をおすすめしています。
直径は、12mmと10.5mmがよく選ばれています。薩摩本柘は10.5mmが5,800円、12mmが6,400円です。黒水牛は10.5mmが6,700円、12mmが7,000円です。持ち歩くことが多い方には、落としても欠けにくいチタンという選択肢もあります。書体は認印の書体はどう選ぶ?、直径は認印のサイズはどう選ぶ?で比べています。
なくした認印が銀行印を兼ねていた方は、この機会に2本に分けておくと、次になくしたときの手続きが減ります。銀行印と認印の2本セットは、薩摩本柘で11,500円からです。
家と職場で、置き場所を決めておきます
認印は、毎日のように手に取る印鑑です。使う回数が多いぶん、戻す場所が決まっていないと、どこかにまぎれてしまいます。
玄関の近くに、置き場所を1つ決める
- ふたのある箱か、引き出しに入れる
- 来客の目に触れる棚の上には置きません。ケースに入れておくと、印面も守れます。
- 使ったら、その場で戻す
- 受け取った荷物と一緒に部屋へ持ち込むと、そのまま行方が分からなくなります。
- 実印や銀行印とは別にしまう
- 毎日出し入れする場所に、大事な印鑑を一緒に置かないようにします。
鍵のかかる引き出しにしまう
- 机の上に出したままにしない
- 席を外しているあいだに、ほかの人が押せる状態になります。
- 家の認印とは別の1本にする
- 持ち運ぶ回数が減り、通勤の途中でなくす心配も減ります。
- 退職や異動のときに持ち帰る
- 名前の入った印鑑を、前の職場に残さないようにします。
認印を押す場面は、認印を使う場面は?で一覧にしています。
よくある質問
新しい認印が届くまで、店で売っている印鑑を使ってもよいですか
宅配便の受け取りや書類の確認なら、差し支えありません。長く使う1本は、ご自分の名前から作っておくと、印影で見分けが付きます。
シャチハタなどの浸透印をなくした場合も、同じですか
同じです。届け出をしていない印鑑ですので、手続きは要りません。職場で使っていたものなら、上司や総務に伝えておきます。
あとで見つかった認印は、また使ってもよいですか
家の中で見つかったのなら、そのまま使って構いません。外で見つかった場合は、手を離れていたあいだのことが分かりません。新しい認印に切り替え、見つかった印鑑はしまっておくと安心です。
認印をなくすと、前に押した書類は無効になりますか
なりません。すでに出した書類や結んだ契約は、押した時点のご本人の意思で成り立っています。印鑑を新しくしても、押し直す必要はありません。
まとめ|認印をなくしたときに確かめる順番
はじめに、なくした1本を、口座を開くときや印鑑登録のときに使っていなかったかを思い出します。使っていたなら、銀行や役所への連絡が先です。次に、勤務先に届けている印鑑かどうかを思い出し、当てはまれば総務に伝えます。外でなくした方は、遺失届を出します。
そのあとで、新しい認印の書体と直径を決めます。前と違う書体を選び、家用と職場用を分けるかどうかも、このときに考えてください。届いたら、置き場所を1つ決めて使い始めます。
毎日押す認印を、京都の職人がお名前からお作りします
お名前の字に合わせて職人が印面を設計し、彫刻します。10.5mmから16.5mmまでの5サイズ、薩摩本柘は5,800円から、黒水牛は6,700円からです。印鑑ケース付き、通常3〜7営業日で発送、送料無料、5年保証です。
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