CHAPTER 02 個人の印鑑
実印のサイズはどう選ぶ?直径と文字数を比較
実印の直径は13.5mm・15mm・16.5mm・18mmの4つから、彫る文字数で決めます。登録できる大きさの決まり、男女別に選ばれている直径、銀行印との差のつけ方、直径ごとの価格差までを表と図で比較します。
公開日: 2026年9月24日
実印の注文で最初に聞かれるのが直径です。13.5mm・15mm・16.5mm・18mmと並んでいても、数字だけでは違いが分かりません。実は、選ぶ基準はひとつだけです。彫る名前が何文字あるか。文字数が決まれば、線が細くなりすぎない直径はほぼ絞り込めます。ここでは登録できる大きさの決まりから、文字数ごとの目安、銀行印との差のつけ方、直径で変わる価格までを順に見ていきます。
フルネームで彫るなら15mm、6文字を超えるなら16.5mmが目安です。名のみや姓のみで2〜3文字なら13.5mmで十分に収まります。男性は15mmか16.5mm、女性は13.5mmか15mmが多く選ばれていますが、決め手は性別ではなく文字数です。
登録できる大きさには決まりがある
実印は市区町村に登録して初めて実印になります。その登録には大きさの条件があり、京都市の場合「印影が一辺8mmの正方形に収まらず、一辺25mmの正方形に収まるもの」と定められています。ほかの自治体もおおむね同じ基準です。
つまり、市販の印鑑店で「実印」として並んでいる直径なら、大きさで登録を断られることはまずありません。決まりの範囲内で、どの大きさが自分の名前に合うかを考えるのが実印のサイズ選びです。
当店で選べる4つの直径
当店の個人用実印は13.5mm・15mm・16.5mm・18mmの4種類です。1.5mmずつの差は小さく感じますが、印面の面積で見ると意外なほど違います。15mmと13.5mmでは面積が約1.2倍、18mmと15mmでは約1.4倍になります。線1本あたりに使える幅がそれだけ変わるということです。
| 直径 | 向く文字数 | 15mmとの面積比 | よく選ぶ方 | 印象 |
|---|---|---|---|---|
| 13.5mm | 2〜4文字 | 約0.8倍 | 名のみで彫る女性、姓が短い方 | 控えめで手になじむ |
| 15mm | 4〜6文字 | 基準 | 男女ともに最も多い | 実印らしい標準の大きさ |
| 16.5mm | 6〜8文字 | 約1.2倍 | フルネームが長い男性 | 押したときに重みがある |
| 18mm | 8文字以上 | 約1.4倍 | 画数の多い姓名、大きめを好む方 | 堂々とした印影 |
文字数から直径を逆算する
実印には、フルネーム・姓のみ・名のみのどれでも彫れます。まず彫る名前を決めて、文字数を数えてください。その数から直径を決めるのが、いちばん失敗の少ない順番です。
| 彫る名前の例 | 文字数 | 向く直径 | 理由 |
|---|---|---|---|
| 「花」「翔」 | 1文字 | 13.5mm | 大きい印面だと1文字が間延びします。「印」を添えて2文字にする方法もあります |
| 「田中」「美咲」 | 2〜3文字 | 13.5mm・15mm | どちらでも収まります。銀行印を持っている方は、それより大きいほうを選びます |
| 「山田太郎」「佐藤由美子」 | 4〜5文字 | 15mm | 最も多い組み合わせ。線の太さと余白のつり合いがよい大きさです |
| 「長谷川健太郎」 | 6〜7文字 | 16.5mm | 15mmでも彫れますが、画数の多い字が続くと線が細くなります |
| 「小笠原麻衣子」「藤原龍之介」 | 画数の多い6文字以上 | 16.5mm・18mm | 文字数だけでなく画数も見ます。「藤」「麻」「龍」のような字は線が多く、余裕が要ります |
文字数と並んで見ておきたいのが画数です。同じ5文字でも「山田太郎」と「齋藤麗華」では、印面に入る線の量がまるで違います。画数の多い字が2つ以上あるなら、ひとつ上の直径を選んでおくと線に余裕が出ます。
直径が大きくても実印としての効力は変わりません。3文字の名前を18mmに彫ると、線と線の間が空いてしまい、かえって間延びした印影になります。手に持ったときの重みを求めるより、名前の文字数とのつり合いを優先してください。
男性・女性で選ばれている直径
「男性は大きめ、女性は小さめ」とよく言われます。実際に当店で選ばれている直径もその傾向はありますが、理由は性別そのものではなく、彫る名前の違いにあります。
- 姓が変わることが少なく、フルネームで彫る方がほとんど
- 4〜6文字なら15mm、それ以上なら16.5mm
- 銀行印を13.5mmか15mmにして、実印と差をつける
- 結婚で姓が変わる可能性を考えて、名のみで彫る方が多い
- 2〜3文字なら13.5mm、フルネームなら15mm
- 銀行印を12mmか13.5mmにして、実印と差をつける
男性でも名前が短ければ13.5mmで問題ありませんし、女性でもフルネームで6文字あるなら16.5mmのほうがきれいに収まります。性別で決めず、彫る名前から考えてください。男女それぞれの選び方は、男性の実印の選び方と女性の実印の選び方で詳しく説明しています。
銀行印・認印より一回り大きくする
実印の直径を決めるとき、もうひとつ見ておきたいのが、ほかの印鑑との差です。実印・銀行印・認印の3本を持つなら、実印がいちばん大きく、次に銀行印、認印が最も小さいという並びにしておくと、手に取っただけで区別できます。
| 組み合わせ | 実印 | 銀行印 | 認印 | 向いている方 |
|---|---|---|---|---|
| 小さめ | 13.5mm | 12mm | 10.5mm | 名のみで彫る方、手の小さい方 |
| 標準 | 15mm | 13.5mm | 12mm | 最も選ばれている組み合わせ |
| やや大きめ | 16.5mm | 15mm | 12mm | フルネームが長い方 |
| 大きめ | 18mm | 16.5mm | 13.5mm | 画数の多い姓名、堂々とした印影を求める方 |
すでに銀行印を持っている方は、その直径を測ってから実印を選んでください。銀行印が13.5mmなら実印は15mm以上、銀行印が15mmなら実印は16.5mm以上にすると、2本が同じ大きさになるのを避けられます。3本をまとめて揃えるなら、最初から差のついた3本セットを選ぶほうが、あとで悩まずに済みます。
直径で価格はどれくらい変わるか
同じ素材でも、直径が上がると価格も上がります。印材そのものが太くなるためです。黒水牛の実印を例にすると次のようになります。
13.5mmと18mmでは1万円ほどの差があります。ただし実印は一度登録すれば何十年も使う道具です。「安いから小さいほうにする」と決めてしまうと、フルネームの線が細くなって、欠けやすい実印になりかねません。文字数に合う直径をまず決め、そのうえで素材で予算を調整するほうが、長い目で見て後悔がありません。
直径と書体の相性
直径が同じでも、書体によって印面の詰まり方が変わります。実印で最も選ばれる吉相体は、文字の線が枠に向かって伸びる書体で、印面の中がしっかり埋まります。文字数が多い名前に吉相体を合わせると細かくなりすぎることがあり、その場合は直径をひとつ上げるか、余白の残る篆書体を選ぶと落ち着きます。
迷ったときの決め方
ここまで読んでも2つの直径で迷うことはあります。そのときは次の順で考えてください。
「藤」「齋」「麗」のような字は線が多く、小さい印面では細かくなります。迷っている2つのうち大きいほうにしておけば、線に余裕が出て欠けにくくなります。
実印と銀行印が同じ直径だと、急いでいるときに取り違えます。持っている銀行印より必ず一回り大きくしてください。
文字数が少ないのに大きい印面を選ぶと、余白が目立ちます。13.5mmか15mmで迷っているなら13.5mmで整った印影になります。
よくある質問
15mmと16.5mmで迷っています。どちらが無難ですか
フルネームが5文字以内なら15mm、6文字以上か画数の多い字が含まれるなら16.5mmが目安です。すでに15mmの銀行印を持っているなら16.5mmにして差をつけてください。
女性が18mmを選ぶのはおかしいですか
おかしくありません。フルネームが長い方や、画数の多い姓名なら18mmのほうが線がきれいに出ます。直径は性別ではなく文字数で選ぶものです。
持っている認印が13.5mmです。実印も13.5mmにしてもよいですか
登録はできますが、同じ大きさだと取り違えやすくなります。実印は15mm以上にして、手に取ったときに区別できるようにしておくのがおすすめです。
直径が違うと登録に影響しますか
8mm四方に収まらず25mm四方に収まる大きさであれば、直径の違いで登録できないことはありません。13.5mmから18mmはすべてこの範囲に入ります。
1文字の名前で実印を作れますか
作れます。ただし1文字だけだと印面が間延びしやすいため、13.5mmを選ぶか、「印」の字を添えて2文字にする方法があります。登録の可否は自治体によりますので、先に確認しておくと安心です。
セットで買うと直径は決まっていますか
3本セットは実印・銀行印・認印にあらかじめ差をつけた4通りの組み合わせから選びます。実印15mm・銀行印13.5mm・認印12mmの組み合わせが最も選ばれています。
まとめ|文字数を数えれば、直径はほぼ決まる
実印の直径は、彫る名前の文字数で決めます。2〜3文字なら13.5mm、4〜6文字なら15mm、それを超えるなら16.5mmか18mm。画数の多い字が続く名前は、ひとつ上の直径にしておくと線に余裕が出ます。
そのうえで、持っている銀行印や認印より一回り大きくしておけば、3本を取り違えることもありません。直径が決まれば、あとは素材と書体を選ぶだけです。