CHAPTER 12 開運印鑑・姓名判断

印鑑の色に意味はある?黒と白の言い伝えと、色で実際に変わること

印鑑の黒や白に込められた意味や縁起は古くからの言い伝えで、登録や効力には関係しません。五行説で黒と白が表すもの、「男性は黒、女性は白」が決まりではない理由、色で実際に変わる4つの点(朱肉の汚れの目立ち方・色の変化・模様・価格)と、迷ったときの決め方をご説明します。

公開日: 2026年10月5日 更新日: 2026年10月7日

灰色の石の台に、黒い漆の丸盆と白い磁器の丸皿が並ぶ。黒い盆には乳白色の印材、白い皿には黒い印材が横向きに置かれている。奥に黒と白の碁石を入れた木の器、手前に黒と白の革の印鑑ケース、右端に白い椿の花がある
印鑑の黒と白の意味 言い伝えと、色で実際に変わることを分けて考えます

印材を選ぶ画面には、黒水牛と白水牛が並んでいます。「黒は男性向けと聞いた」「白のほうが縁起がよさそう」と、色のところで手が止まる方は多いと思います。一生使う印鑑なので、色に意味があるなら知ってから決めたい、というお気持ちもあるでしょう。この記事では、黒と白にまつわる言い伝えと、色によって実際に変わることを分けてご説明します。

先に結論

黒や白に込められた意味は古くからの言い伝えで、印鑑の登録や効力には関係しません。黒は重みと落ち着き、白は清らかさと始まりを表す色とされてきました。どちらの色にもお祝いと弔いの両面があり、吉凶は分かれません。色で実際に変わるのは、朱肉の汚れの目立ち方、年月による色の変化、模様、価格の4つです。色は、お好みで選んで大丈夫です。

黒と白には、古くからどんな意味が込められてきたか

色の名前のなかでも、黒と白はもっとも古くからあるとされます。それだけに、さまざまな意味が重ねられてきました。辞典や事典に載っている説明をまとめると、次のようになります。

黒に込められてきた意味

重みと落ち着きの色

五行説では水にあたり、季節は冬、方位は北を表します。冬を「玄冬」と呼ぶのはこのためで、「玄」は黒を表す字です。重々しく落ち着いた印象があり、礼服や僧侶の衣にも使われてきました。

もう1つの面弔いの場の色として、世界の多くの地域で使われています

白に込められてきた意味

清らかさと始まりの色

五行説では金にあたり、季節は秋、方位は西を表します。秋を「白秋」と呼ぶのも、ここから来ています。日本では古くから清らかで神聖な色とされ、神職の装束や婚礼の衣装に使われてきました。

もう1つの面喪の色として使われることもあり、亡くなった方の装束も白です

黒も白も、晴れの場と弔いの場の両方で使われてきた色です。どちらかが吉で、どちらかが凶という色ではありません。

五行説では、黒は水と冬、白は金と秋を表します

五行説は、古代の中国で生まれた考え方です。世の中のあらゆるものを、木・火・土・金・水の5つに当てはめて説明します。色もその1つで、青・赤・黄・白・黒の5色が割り当てられています。

姓名判断や九星気学など、印鑑にまつわる占いの多くは、この五行説を土台にしています。黒い印材を水に、白い印材を金に結びつける説明を見かけるのは、そのためです。ただ、五行説では5つの色に上下はなく、黒と白のどちらかが格上ということもありません。

「男性は黒、女性は白」は決まりではありません

「男性は黒水牛、女性は白い印材」とすすめられた、という話を聞くことがあります。これは色の印象から生まれた言い方で、決まりではありません。

実印を登録するときに市区町村が見るのは、印影の大きさ、彫られている名前、変形しやすい材質でないか、といった点です。京都市が挙げている「登録できる印鑑の要件」にも、印材の色は入っていません。全国銀行協会が、銀行で使えない印鑑の例に挙げているのもゴム印などで、色の条件はありません。男性が白水牛を、女性が黒水牛を選んでも、手続きで困ることはありません。

色によって実際に変わる4つのこと

言い伝えとは別に、黒い印材と白い印材には、使っていくうえで実際の違いがあります。当店の黒水牛と白水牛を例に、4つ挙げます。

01
朱肉の汚れの目立ち方

黒い印材は、印面に残った朱肉が黒に紛れて目立ちません。白い印材は朱肉の赤が残ると目立つので、押したあとに柔らかい布で拭く習慣を付けておくと安心です。

02
年月による色の変化

黒水牛の多くは黒く染めて仕上げてあるので、長く使っても色が変わりません。白水牛は染めていない自然の色で、年月とともに飴色に深まります。

03
模様の出方

黒水牛は、つやのある黒一色です。白水牛は1本ずつ色合いが違い、飴色や茶色の筋が入る「白水牛(柄)」もあります。筋の入り方は指定できません。

04
価格

当店の実印13.5mmは、黒水牛が11,900円、白水牛(柄)が16,700円、白水牛が27,600円です。白水牛は染めずに使うため、色のきれいな部分だけを選び出します。その分、価格が上がります。

丈夫さは、色では変わりません。黒水牛も白水牛も角から作る印材で、硬さや粘りはほぼ同じです。2つの印材の詳しい比較は、黒水牛と白水牛の違いをご覧ください。

当店の印材の色を、濃い順に並べました

印材の色は、黒と白の2つだけではありません。木の印材には茶色や黄色があり、白系の色にも乳白色からクリーム色まで幅があります。

黒水牛 つやのある漆黒 水牛の角の印材です。朱肉の汚れが目立たず、色も変わりません。
彩樺 深い赤茶と木目 樺の木から作る印材です。深い赤茶色の地に、木目が入ります。
薩摩本柘 淡い黄色の木肌 鹿児島産の柘です。きめが細かく、木の印材らしい明るい色をしています。
白水牛(柄) 乳白色に飴色の筋 筋の入り方は1本ずつ違います。白水牛より価格を抑えられます。
白水牛 上品な乳白色 染めていない自然の色で、使ううちに少しずつ飴色を帯びます。
本象牙 やわらかなクリーム色 細かな木目のような模様があります。当店は経済産業省認定の象牙取扱店です。

開運印鑑でも、黒か白かで吉凶は分かれません

当店の簡易鑑定では、生年月日から九星気学の本命星を出し、相性がよいとされる印材を4つご案内しています。たとえば一白水星の方には、黒水牛、白水牛、本象牙、薩摩本柘の順に挙げています。黒と白の両方が入っていて、どちらか一方だけを吉とする案内ではありません。

このご案内は、あくまで参考です。簡易鑑定の画面でも「印材はご本人のご希望がもっとも大切です」とお伝えしています。案内にない素材を選んでも、鑑定や印影の設計は変わりません。鑑定や印材、価格の確かめ方は、開運印鑑の選び方でご説明しています。

黒か白かで迷ったら、2つの質問で決めます

  1. 押したあとに、印面の朱肉をこまめに拭けそうですか

    拭けそう白い印材も候補になります。次の質問へ進みます
    つい忘れそう黒水牛が向いています。朱肉が残っても目立ちません
  2. 使ううちに色が深まっていくのを、味わいと思えますか

    思える白水牛が向いています。使い込むほど、乳白色が飴色に近づきます
    買ったときの色のままがよい黒水牛なら、長く使っても色が変わりません

どちらの質問でも決めきれなければ、見た目の好みで選んでください。押すたびに手に取る印鑑ですから、気に入った色のほうが大切に使いたくなります。

よくある質問

黒い印鑑は縁起が悪いのでしょうか

黒だから縁起が悪い、ということはありません。黒は弔いの場の色でもありますが、礼服にも使われる格式のある色です。黒水牛は、当店でも人気の高い印材です。

白い印鑑は、汚れが目立ちませんか

黒い印材に比べると、朱肉の赤みは目立ちます。押したあとに柔らかい布で拭けば、色移りを抑えられます。白水牛は年月がたつと飴色を帯びてきますが、汚れではなく、染めていない素材そのものが色づいていく変化です。

夫婦で黒と白に分けて作ってもかまいませんか

もちろんかまいません。色で分けておくと、どちらの印鑑かがひと目で分かります。ご主人が白、奥様が黒という組み合わせでも差し支えありません。

実印は黒、銀行印は白というように、1本ずつ色を変えられますか

当店の2本セットと3本セットは、すべて同じ印材でお作りする商品です。実印と銀行印で色を変えたいときは、2本セットと単品を組み合わせてご注文ください。同じ印材でそろえた場合も、ケースの色を1本ずつ選べば見分けられます。

まとめ|色を決めるときに考える順番

はじめに、黒と白のどちらかが吉という話ではないことを押さえておきます。次に、押したあとに朱肉を拭く手間をかけられるかを考えます。続いて、年月で色が深まる印材と、色が変わらない印材のどちらがよいかを決めます。最後に予算と模様の好みを見て、黒水牛、白水牛(柄)、白水牛のなかから選びます。

黒も白も、お好きな色で

黒水牛と白水牛の印鑑を、京都の職人がお作りします

どちらの色も、お名前の字に合わせて印面を設計し、1本ずつ彫刻します。印鑑ケース付き、送料無料、5年保証です。ご注文から3〜7営業日で発送します。

SOURCES

出典

色の意味は、辞典・事典に載っている五行説や色の象徴の説明をもとにまとめました。古くからの言い伝えであり、印鑑の効果を保証するものではありません。九星気学による印材のご案内は、当店の簡易鑑定の内容です。印鑑登録の条件は、一例として京都市の規定を参照しました。価格は税込で、記事作成時点の商品ページの金額です。

  1. 改訂新版 世界大百科事典. 白. 平凡社. コトバンク. https://kotobank.jp/word/%E7%99%BD-192815,(参照 2026-10-05).
  2. 色名がわかる辞典. 白. 講談社. コトバンク. https://kotobank.jp/word/%E7%99%BD-192815,(参照 2026-10-05).
  3. 改訂新版 世界大百科事典. 黒. 平凡社. コトバンク. https://kotobank.jp/word/%E9%BB%92-192740,(参照 2026-10-05).
  4. 色名がわかる辞典. 黒. 講談社. コトバンク. https://kotobank.jp/word/%E9%BB%92-192740,(参照 2026-10-05).
  5. 精選版 日本国語大辞典. 五色. 小学館. コトバンク. https://kotobank.jp/word/%E4%BA%94%E8%89%B2-64669,(参照 2026-10-05).
  6. 改訂新版 世界大百科事典. 五行. 平凡社. コトバンク. https://kotobank.jp/word/%E4%BA%94%E8%A1%8C-63672,(参照 2026-10-05).
  7. 公益社団法人全日本印章業協会. 大切な実印を作る前にお読みください. https://www.inshou.or.jp/inshou/info/index.html,(参照 2026-10-05).
  8. 京都市. 印鑑登録. 京都市情報館. https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000147302.html,(参照 2026-10-05).
  9. 一般社団法人全国銀行協会. ハンコにはルールがあります!. 教えて!くらしと銀行. https://www.zenginkyo.or.jp/article/tag-f/3805/,(参照 2026-10-05).