CHAPTER 16 印鑑の贈り物・マナー
孫に残す贈り物は?お金以外で祖父母の想いが伝わる記念品
お孫さんに何かを残したいとき、現金は使えば消えますが、名前の入った記念品は大人になっても手元に残ります。積立や貴金属、家具との違いと、年齢ごとに贈れる印鑑、ご両親との分担、素材、渡す時期をまとめました。
公開日: 2026年9月24日
お孫さんに、ずっと手元に置いてもらえる品を贈りたい。そうお考えのお祖父様・お祖母様は多くいらっしゃいます。お祝いのたびに現金を包むのがいちばん手軽ですが、それだけでは味気なく感じることもあるでしょう。かといって、好みに合わない品を押しつけるのも気が引けます。この記事では、まずお金以外の候補を何年残るかで比べます。そのうえで、名前を彫った印鑑をお孫さんの年齢に合わせてどう贈るかを説明します。
お孫さんに残すなら、名前が入っていて、大人になってからも使う実用品が向いています。たとえば印鑑なら、誕生祝いに銀行印、成人祝いに実印、就職祝いに認印と、節目ごとに1本ずつ贈って3本を揃えられます。口座や契約で何十年も使う道具なので、「おじいちゃん、おばあちゃんがくれた印鑑」としてずっと手元に残ります。
お金以外の記念品が選ばれる理由
お祝い金はご両親の家計に入り、おむつや学用品に変わります。それ自体はありがたいことです。ただ、お孫さんが大人になったとき、「おじいちゃん、おばあちゃんにもらった」と思い出せる品は残りません。
名前が入っていれば、ほかの誰のものでもない、お孫さんだけの品になります。口座を開く、家を借りる、車を買うといった場面で使うたびに、くれた人の顔を思い出すきっかけになります。
国税庁の案内では、個人から受け取るお祝いの品で、社会通念上相当と認められるものには贈与税がかかりません。世間の常識からみて妥当な範囲、という意味です。現金も、年間110万円の基礎控除以内なら課税されません。ただ、まとまった額を残そうとすると、税金や管理のことを先に考える必要が出てきます。記念品なら、こうした心配をせずに気持ちを形にできます。
候補を「残り方」で比べる
お孫さんへの贈り物でよく候補に挙がる4つを、何年もつか、大人になっても使うか、贈った人を思い出せるかで比べます。
積立・現金
まとまった額を確実に残したい方へ
- 残り方
- 金額として残るが、使えば消える
- 気をつけたいこと
- 基礎控除や教育資金の非課税制度など、税の仕組みを確かめる必要がある
貴金属・ジュエリー
形見として受け継いでほしい方へ
- 残り方
- 何十年ももつ。ただし身につけるかどうかは好み次第
- 気をつけたいこと
- お孫さんが小さいうちはご両親が預かる。デザインに流行がある
学習机・家具
入学の節目に大きな品を贈りたい方へ
- 残り方
- 10〜15年。引っ越しや成長に合わせて手放すことが多い
- 気をつけたいこと
- 置き場所と好みをご両親に確かめる必要がある
名前入りの印鑑
大人になっても使う品を残したい方へ
- 残り方
- 30年以上。口座や契約で一生使う道具として手元に残る
- 気をつけたいこと
- ご両親が先に作っていないか、名前の字体は正しいかを確かめる
もちろん、どれか1つに絞る必要はありません。まとまった額は積立で残し、気持ちは名前入りの品で伝える、という分け方もあります。
孫の年齢ごとに、祖父母から贈れる印鑑
印鑑がお孫さんへの贈り物に向いているのは、実印・銀行印・認印の3種類があり、使い始める年齢がそれぞれ違うからです。節目のたびに1本ずつ渡していけば、社会に出るころに3本がひと揃いになります。
- 0歳銀行印誕生祝いの品です。子ども名義の口座に届け出るので、下の名前だけを彫ります
- 6歳入学祝いは別の品がおすすめまだ印鑑を使う場面はありません。ランドセルや学習机が定番の時期です
- 18歳実印成人祝いとして贈る1本です。京都市など多くの自治体では、15歳から印鑑登録ができます
- 22歳前後認印就職祝いの品で、入社の書類や職場で使います。ここで3本が揃います
お孫さんがすでに大きい場合は、成人祝いから始めて構いません。生まれたときの銀行印は「孫の誕生祝いに印鑑を」で、18歳からの実印は「孫の成人祝いに印鑑を」で詳しく説明しています。
まず、ご両親と分担を決める
贈り物で気をつけたいのは、ご両親や相手方のご実家と品が重なることです。とくに誕生祝いの銀行印は、口座を開くときにすでに作ってしまっていることがあります。贈る前に、誰が何を確かめ、誰が決めるかを分けておくと話が早く進みます。
- すでに印鑑を作っていないか
- 名前の正しい字体(出生届どおり)
- 漢字で彫るか、ひらがなで彫るか
- 相手方のご実家も同じ品を考えていないか
- 誕生祝いと成人祝いで節目を分ける
- どちらかが印鑑、もう一方は別の品にする
- 両家連名で1本を贈る形もある
- 素材
- 直径と書体
- ケースの色、桐箱、のし
- 名前を鑑定して作るかどうか
彫るのは下の名前だけ。想いは素材と書体に込める
お孫さんに残す印鑑には、下の名前だけを入れるのがおすすめです。家族は同じ姓なので、そのほうが誰の印鑑かすぐに分かります。結婚で姓が変わっても、そのまま使い続けられます。ひらがなで名付けられた場合も、ひらがなのまま彫れます。
全国銀行協会によると、届出印に直径や向きの決まりはありません。使えないのは、ゴム印やキャラクター印のように形が変わりやすいものです。下の名前だけの小さな印鑑でも、銀行印として届け出ることができます。
素材は、何十年先まで残るものを選ぶ
長く使ってもらうなら、何十年たっても欠けにくく、すり減りにくい印材を選んでください。記念の品なので、普段使いの印鑑より一段上の印材にするのもよいでしょう。
本象牙は朱肉のなじみがよく、何十年使っても印影がくっきり出ます。当店は経済産業省認定の象牙取扱店なので、認定証を添えてお届けします。お孫さんが大きくなってからも、正規の品であることを確かめられます。木製の薩摩本柘は価格を抑えられますが、乾燥に弱い素材です。選ぶ場合は、ケースに入れて乾燥しすぎない場所にしまうよう、ご両親に伝えておくと安心です。
添えるものが、そのまま記念品になる
一緒に渡す品も、そのまま記念として残ります。開運印鑑に付く鑑定書は、お孫さんが大きくなってから読み返せる名前の記録になります。
開運印鑑では、お孫さんの姓名の画数をもとに、希望運や蓄財運など願う運気を最大3つ選んで印影を設計します。仕組みは「赤ちゃんの名前を鑑定して印鑑を作る」で説明しています。開運銀行印12mmは薩摩本柘13,500円、黒水牛16,000円、白檀19,800円からです。
現金と組み合わせるときの贈与税
記念品だけでは心もとないと感じるなら、名前入りの品にお祝い金を添えるとよいでしょう。常識の範囲のお祝い金なら、先に触れたとおり贈与税はかかりません。また、親子などの扶養義務者から受け取る生活費や教育費も、必要な都度そのまま支払いに充てるなら課税されません。ただし、教育費の名目で受け取っても、預金や投資に回すと贈与税の対象になります。まとまった額を残したい場合は、税務署か税理士に確かめてください。
渡す時期と注文の目安
誕生祝いなら、お宮参りかお食い初めに合わせると、家族が集まる場で渡せます。成人祝いは成人式の前後、就職祝いは内定から入社までの間です。ご注文から発送までは、通常3〜7営業日ほどです。開運印鑑は鑑定と設計に日数がかかるので、渡す日の3週間前までにご注文ください。のしは、何度あってもよいお祝いに使う紅白の蝶結びにします。表書きは「御出産祝」「御成人祝」「御就職祝」です。
よくある質問
孫が複数います。全員に同じものを贈るべきですか
名前が違えば印影も別のものになるので、同じ素材、同じ直径で構いません。ケースの色を1人ずつ変えておくと、取り違えを防げます。年が離れているなら、種類をそろえる必要もありません。上の子には成人祝いの実印、下の子には誕生祝いの銀行印という分け方もできます。
ご両親が「印鑑はもう作った」と言っています
その場合は重ねず、次の節目に回します。誕生祝いの銀行印があるなら、成人祝いに実印を贈る形が自然です。どうしても今贈りたい場合は、名前を鑑定して作る開運印鑑にする方法もあります。すでにあるものとは印影が違うので、別の口座の届出印に使えます。ご両親と相談のうえで決めてください。
自分の印鑑を孫に譲ることはできますか
ご自身の名前が彫られているので、そのままでは使えません。象牙などは印面を削って彫り直す方法もありますが、できるかどうかは印材の状態によります。お孫さんに残すのが目的なら、はじめからその子の名前で新しく作るほうが確実です。
予算はどのくらいが多いですか
白水牛やチタン、本象牙を選ぶ場合、銀行印1本なら15,000円〜30,000円ほどです。成人祝いの実印や3本セットにすると、30,000円〜80,000円ほどになります。まとまった額を残したい場合は、記念品とは別に、現金や積立で考えると予算を決めやすくなります。
まとめ|孫に残す印鑑を決める順番
贈ると決めたら、まずご両親に、すでに印鑑を作っていないかと名前の正しい字体を確かめます。次に、相手方のご実家と、どの節目に誰が贈るかを分けておきます。そのうえで、お孫さんの年齢に合わせて最初の1本を決めます。生まれたばかりなら銀行印、18歳を過ぎていれば実印、就職が決まったら認印です。
種類が決まったら、素材と直径、書体を選びます。長く残すなら、本象牙や白水牛、チタンのように欠けにくい素材が向いています。最後に、桐箱や鑑定書、直筆の手紙など添える品を決めて、渡す日に間に合うよう注文します。
祖父母から残す1本を、職人が彫ってお届けします
名前と直径、素材、ケースの色を指定していただければ、桐箱に収めてお届けします。名前を鑑定して作る開運印鑑には、鑑定書と下鴨神社のお守りが付きます。字体や直径で迷う場合は、お孫さんのお名前と年齢をお知らせください。
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