CHAPTER 15 人生の節目・記念
ひらがなの名前で赤ちゃんの印鑑を作る|書体と並べ方の選び方
赤ちゃんのひらがなの名前は、そのまま印鑑に彫って銀行印として届け出られます。ひらがなは漢字より線がずっと少ないため、書体によって字の形の残り方と印面の埋まり方が大きく変わります。7つの書体での見え方と、字の形が残る吉相体・行書体をすすめる理由を説明します。2文字・3文字・フルネームの並べ方、「しずく」と「しづく」のような表記の確かめ方、直径と素材の選び方もまとめました。
公開日: 2026年9月28日
「さくら」「ひなた」「ゆい」のように、ひらがなで名前をつけるご家庭は少なくありません。お子様の銀行印を作ろうとして、「ひらがなでも印鑑になるの?」「どの書体を選べばいいの?」と迷い、当店にご相談をくださる方もよくいらっしゃいます。ひらがなは漢字より線がずっと少ないので、選び方も漢字の名前とは少し変わります。この記事では、印鑑にできるかどうかの決まりから、書体の見え方、並べ方、表記の確かめ方、直径と素材まで順にお話しします。
ひらがなの名前は、そのまま彫って銀行印として届け出られます。書体は、字の丸みが残りやすい吉相体か行書体がおすすめです。篆書体は漢字のための書体なので、ひらがなを彫ると元の字が分かりにくくなることがあります。並べ方は横書きが人気です。直径は12mmが一般的で、線が少ないぶん4文字まで収まります。
ひらがなの名前は、ひらがなのまま印鑑にできます
子どもの名前に使える字は、法律で決まっています。戸籍法は「常用平易な文字」を使うよう定めています。戸籍法施行規則では、その文字を常用漢字、人名用漢字、ひらがな、カタカナとしています。ひらがなで届け出れば、それがそのまま正式な名前です。印鑑も、届け出たとおりの字で彫ります。
銀行印として使うのにも、差し支えはありません。全国銀行協会の案内で届出印に使えないとされているのは、キャラクターものの印鑑と、ゴム印のように形の変わりやすいものです。彫る文字についての決まりは載っておらず、ひらがなで彫った銀行印を届け出る方も多くいらっしゃいます。15歳からは実印も作れます。京都市の案内では、住民票に記録されている氏名を表していれば登録できるとしています。住民票の名前がひらがななら、そのとおりに彫った印鑑で登録できます。
ひらがなは、漢字より線がずっと少なくなります
ひらがなの名前を印鑑にするときに、まず知っておきたいのが線の数です。ひらがなは1文字あたり1〜4画ほどしかありません。下の5つの例では、同じ読みの漢字に比べて、画数が2〜6割ほどです。
線が少ないと、印面の中に余白が多く残ります。そうした印影は字の形がそのまま読み取れるぶん、まねされやすくなります。銀行印は、口座のお金を引き出すときにも使う印鑑です。そのため、ひらがなの名前ほど、書体を選んで印面のすき間を埋めることが大切になります。
書体によって、ひらがなの見え方が大きく変わります
当店で選べる書体は、篆書体(太・細)、吉相体、古印体、隷書体、楷書体、行書体の7つです。どれでもひらがなを彫れますが、見え方はかなり違います。
いちばん違いが出るのが篆書体です。篆書は2000年以上前の中国で使われた漢字の書体で、ひらがなが生まれたのはずっと後の平安時代です。そのため篆書体にはもともとひらがなの形がなく、職人が篆書らしい線に合わせて字を組み立てます。線がまっすぐに整えられるぶん、丸みや流れが消えて、元の字が分かりにくくなることがあります。
ひらがなの名前を彫ったときの、書体ごとの違い
当店で彫った印影をもとにした、おおまかな位置づけです。名前の字の組み合わせによって見え方は変わります。
こうした違いから、ひらがなの名前には吉相体か行書体をおすすめしています。篆書体も含めて、それぞれの書体が向いている方を下にまとめました。
当店のいちばんのおすすめ
吉相体
篆書体をもとに、線を枠まで伸ばして印面を埋める書体です。ひらがなの丸みをある程度残しながら、余白の少ない、まねされにくい印面になります。
まねされにくさと、ひらがなのやわらかさのどちらも大事にしたい方にやわらかさを残すなら
行書体
筆で書いたような流れのある書体で、ひらがなの形がいちばん自然に残ります。筆の運びがそのまま線に出るので、やわらかな印象の印影になります。
押した印影を見て、お子様の名前だと分かることを大事にしたい方にまねされにくさを優先するなら
篆書体
字の形が大きく変わるぶん、線の組み方が複雑になり、印影から字を読み取りにくくなります。ご家族の印鑑と書体を揃えたい場合にも向いています。
読みやすさより、まねされにくさを大事にしたい方に古印体、隷書体、楷書体は、ひらがなの形がよく残り、読みやすいのが特長です。そのぶん余白が多く、押した印影から字をそのまま読み取れます。銀行印より、書類に押して名前を読んでもらう認印に向いています。女の子向けの書体と色の組み合わせは、女の子の銀行印を作るなら?名前・書体・色の選び方でも紹介しています。
文字数によって、並べ方が変わります
丸い印面に何文字をどう並べるかも、見た目を大きく左右します。ひらがなの名前に多い2文字と3文字に、名字を入れたフルネームを加えて、4つの例を並べました。字の右上にある小さな数字は、読む順番です。
銀行印は横書きが多く、「お金が下に流れないように」という言い伝えから横書きを選ぶ方もいらっしゃいます。縦書きでも届け出には差がありませんので、見た目のお好みで選んでください。赤ちゃんの銀行印は、結婚などで名字が変わっても使えるよう、下の名前だけで彫るのが一般的です。その理由は赤ちゃんの印鑑は名前だけでいい?苗字とフルネームの違いでくわしく説明しています。
注文の前に、ひらがなの表記を1文字ずつ確かめます
ひらがなにも、同じ読みで書き方の違う名前があります。とくに間違えやすいのが、「ず」と「づ」、「お」と「を」のように、発音が同じで字が違う組み合わせです。
- しずく/しづく「ず」と「づ」
- みずき/みづき「ず」と「づ」
- さおり/さをり「お」と「を」
- かおる/かをる「お」と「を」
2025年5月からは、出生届と一緒にフリガナも届け出て、戸籍に載るようになりました。ただ、フリガナは「サオリ」のようにカタカナで読み方を表すものです。その読み方からは、「さおり」なのか「さをり」なのかまでは分かりません。お祝いに贈るときは、電話や会話で聞いた読みだけで決めず、メールやメッセージで名前を文字にして送ってもらってください。濁点や小さい「ゃ・ゅ・ょ」がある場合も、職人が1文字ずつ大きさと位置を整えて彫りますので、そのままご注文いただけます。
直径は12mm。ひらがななら4文字まで収まります
赤ちゃんの銀行印は、大人になってからもそのまま使えるよう、12mmで作るのが一般的です。漢字の名前なら、3文字以上は13.5mmをおすすめすることが多くなります。ひらがなは線が少ないので、4文字までなら12mmでも線を細くせずに彫れます。名字を入れたフルネームで5文字以上になる場合や、もう少し大きくしっかりした印象にしたい場合は、13.5mmにします。直径の比べ方は赤ちゃんの銀行印サイズは?12mm・13.5mm・15mmを比較で実寸の図を使って説明しています。
素材は、大人になるまで使える丈夫なものから選びます。やわらかな印象の名前に合わせて、乳白色の白水牛や、1本ずつ模様の違う白水牛(柄)を選ぶ方も多くいらっしゃいます。12mmの銀行印の価格は次のとおりです。
ケースは牛革で、黒と赤は無料です。ピンク、ライトグリーン、イエローのような明るい色のカラー牛革は、12mmなら950円の追加になります。素材ごとの丈夫さとしまい方は赤ちゃんの銀行印におすすめの素材は?丈夫さと保管しやすさで比較で比べています。
漢字の名前を、あえてひらがなで彫ることもできます
お子様の名前が漢字でも、ひらがなで彫りたいというご相談をいただきます。「やわらかい雰囲気にしたい」「画数の多い字が小さな印面でつぶれないか心配」といった理由です。銀行印については、先にお話ししたとおり、全国銀行協会の案内に彫る文字の決まりは載っていません。漢字の名前をひらがなで彫って届け出る方もいらっしゃいます。
実印は、登録できるかどうかがお住まいの自治体によって違います。京都市の印鑑事務取扱要領では、日本人の氏名の漢字をひらがなやカタカナに替えた印鑑も登録できるとしています。ただ、扱いの異なる市区町村もありますので、作る前に窓口で確かめてください。赤ちゃんの銀行印はひらがなで作り、15歳を過ぎてからの実印は漢字にする、という分け方もあります。
よくある質問
ひらがなの銀行印は、大人になってからも使えますか
使えます。銀行印に年齢で変わる決まりはなく、ひらがなで届け出た名前は、大人になっても正式な表記のままです。下の名前だけで彫っておけば、結婚などで名字が変わっても作り直さずに済みます。長く使うつもりで、丈夫な素材を選んでください。
名字は漢字、名前はひらがなで、フルネームを彫れますか
彫れます。右の列に漢字の名字、左の列にひらがなの名前を並べます。漢字とひらがなでは線の数が違うため、職人が線の太さと字の大きさを整えて、1つの印面にまとめます。合わせて5文字以上になるなら、13.5mmをおすすめします。
書体を決めても、仕上がりが想像できず不安です。彫る前に見られますか
見られます。ご注文のときに「印影のご確認」で「確認する」を選ぶと、2〜3日後に、彫る前の印影の案をメールでお送りします。ひらがなの形の残り方を確かめてから彫刻に進めますので、初めての方にもおすすめです。このやり取りをはさむぶん、お届けが遅くなる場合があります。
ひらがなの名前でも、画数を鑑定して作れますか
作れます。ひらがなにも1文字ずつ画数があり、名字と合わせて鑑定します。鑑定書を添えてお届けする開運銀行印をご用意していますので、くわしくは赤ちゃんの名前を鑑定して印鑑を作るをご覧ください。
カタカナの名前でも同じように作れますか
作れます。カタカナも、ひらがなと同じく戸籍法施行規則で認められている字です。直線が多いぶん、ひらがなより角ばった印象になります。長音の「ー」や小さい「ィ」のある名前は、字数の数え方や並べ方が少し変わります。ご注文の備考欄に、表記をそのままお書きください。
まとめ|ひらがなの名前の印鑑を決める順番
まず、ひらがなの表記を1文字ずつ確かめます。「ず」と「づ」、「お」と「を」の違いは、文字で送ってもらうのが確実です。次に書体を選びます。まねされにくさも大事にするなら吉相体、押した印影で名前が読めるほうがよければ行書体です。仕上がりが不安なら、「印影のご確認」を付けて、彫る前に案を見てください。
続いて並べ方を決めます。2〜3文字なら横書きが人気ですが、縦書きでも届け出には差がありません。最後に直径と素材です。4文字までなら12mm、名字を入れて5文字以上なら13.5mmにします。素材は、大人になるまで使える丈夫なものから選んでください。
やわらかな名前の形を残して、職人が1本ずつ彫ります
京都の職人が、ひらがなの丸みや流れに合わせて印面を設計し、1本ずつ彫刻します。彫る前に印影を確かめることもできます。ご注文から3〜7営業日で発送、送料は全国無料、5年保証付きです。
書体や並べ方のご希望は、ご注文の備考欄にお書きください。名前の画数を鑑定して作る開運銀行印は、黒水牛12mm 16,000円からです。